FAIRY TAIL ~天に愛されし魔導士~   作:屋田光一

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先週投稿できずに申し訳ございませんでした!
仕事が連日残業続きなのと、疲労の為か難産な上に集中力が続かなくて…。オリジナル一辺倒って、こんなに難しかったかな…?
Twitterやってない人だと活動報告でしか近況しれないの大分不便だけどどうも忘れてしまいがち…。

文字数そこまで多くないのですが、これ以上は長くできませんでした…。
まあ、だらだら伸ばすよりもキッチリ締めくくった、と言う事にしておこう、うん←


ちなみに来週の投稿は、ワクチン打ちに行くのでまた出来ない可能性があります。最早隔週投稿になりつつあるなぁ…。


第112話 俺たちの礎

大量の水が叩きつけられ、その衝撃で水飛沫が上がる。水飛沫は一時的な雨を作り、照り付ける太陽に反射して僅かばかりの虹を作り上げる。石舞台の一角を激しい水流で作り上げた大蛇で押し潰したのは、三又の青い槍を手にし、石突を石舞台に付けている青年。

 

S級魔導士昇格試験のルートの一つに立ち、試験官として立ちはだかった彼は、その相手となった弟への仕打ちに内心深く傷つきながらも、心の中に沸き上がる自問自答を経て納得させた。

 

そう、これで良かった。()()弟にはS級魔導士の称号は重すぎる。兄としては応援したい気持ちもあったのだが、今相対していた状態では必ずどこかで瓦解してしまう恐れがあった。

 

何度目かになる心の中での問答を終え、ペルセウスは倒れ伏してしまったはずの弟の姿を目に入れようと、閉じていた目を開き、晴れてきたであろう煙の先に、先程までいた少年の姿を探す。

 

「……ん?」

 

だが妙な事に、先程までいたはずの位置にいる少年の姿はどこにもいない。攻撃方法は膨大な水だった。もしや流された?いや、破裂するように吹き上がった水の事を考えれば、彼方に吹き飛ばされたと考えるのも可笑しい。

 

そこでふとペルセウスは思い出した。シエルに言われて後方から闘いの様子を見て、先程最後の攻撃を行った時に声を張った、パートナーの存在を。

 

「まさか……!?」

 

気付いたと同時に彼は視線を上に向けた。その視線の先にいた、探していた()()の影を。

 

 

 

 

 

 

 

 

「何とか、間に合った……!」

 

呆然と言った様子で目を開いた状態のシエルを、安堵の息を吐きながら呟いて抱えているのは、二枚一対の白い(エーラ)を背中から出して飛行している白ネコ。水の大蛇がシエルを飲み込む直前、翼を広げて空を駆り、ギリギリのところをシエルを掴んで避難し、そのまま水を避けて急上昇していた。立ち上がるのもやっとの状態だったシエルにとって、突然浮遊感を感じて兄の攻撃を避けていた事実を知った時には大きく困惑したものだ。

 

いや、現時点でもシエルは大きく混乱している。兄に本気でぶつかるには危険だと思い、下がらせていたシャルルがそれに顧みもせず、自分を避難させるために翼を広げて危険な場所へと飛んできたのだから。

 

「シャルル……!どうして、いや、助けてくれたのはありがたいけど、何でこんな……!」

 

だからこそシエルは困惑を収められないまま彼女に尋ねた。あまりに困惑して支離滅裂となっているが、何を言わんとしているかは伝わってくる。

 

「何でも何もないでしょ!?」

 

そんなシエルが尋ねた疑問に、シャルルは声を張り上げて返した。自分を抱えて飛行する彼女の表情は、怒っていながらも、すぐに泣きだしてしまいそうな悲しげな表情にも見えた。

 

「こんな……こんなボロボロになって、それでも闘おうとして立ち上がって……!諦める事だって簡単なのに、それをしないで……!そんなアンタの姿見せられて、何もするなって方が無理な話でしょ!!」

 

シエルが兄に立ち向かっては弾かれている姿を見て、シャルルは何度も生きた心地がしなかった。最初から勝ち目が見えていなかった。それはシエルも、心のどこかで感じていた事なのに一歩も退かず、一切シエルの勝ちを譲ろうとせずに迎え撃つ兄からの攻撃を受けて転がるたびに、胸の奥が締め付けられていた。

 

何度倒れても、弾かれても、憧れの為、目標の為に身体を動かすシエル。何故ここまでして闘うのか。シャルルはずっとそう思いながらその闘いを見ていた。

 

 

 

だが思いは次第に、変化していった。

 

持ち前の頭を活かした奇策。天候を自在に操って有効打を見つけようと模索。何度も神器の前に打ちのめされても決して諦めない精神。一切曇ることなく兄を真っすぐ見据える双眸。

 

 

 

それをただ、眺めて胸を痛めることしかできない自分は、何をしているのだろう……と。

 

シエルに感じていた愕然と言える感情は、気付けば自分への失望に変わっていたのだ。

 

「アンタばっかり痛い目に遭わせて……私だけ後ろで、安全な場所で見ているだけなんて、もう耐えられないのよ!」

 

「けど、これは俺が兄さんに、今の力を見せるための……!!」

 

「私は!!シエルのパートナーなの!!」

 

ずっと痛めていた胸の内を曝け出すように吐露するシャルルに、自分自身の力を兄に見せなければと考えていたシエルが反論しようとするも、更に声を強めたシャルルがそれを遮った。彼女が叫んだその言葉に、シエルは思わず口を閉ざした。

 

「今回限りだとしても!私は、アンタの夢を叶える為に協力するって、約束した!!一緒に、あのコを守るって誓った!!」

 

ほぼ一週間前の事だと言うのに、早くも遠い過去のように感じられる、あの雪の日にシエルがシャルルを誘ったこと。彼女を危険から守るためだと、自分もこの島に入る事に協力してくれた少年が、昔から抱いていた夢。

 

「一人で闘う事に、こだわってる場合じゃないでしょ!?私だって闘う!アンタと一緒にペルセウス(あいつ)に勝つの!!力が無くても、シエルを助けることができる!!」

 

気付けば、シャルルの両目からは本当に涙が浮かんでいて、それが雫となって、振り返っていたシエルの頬にいくつか当たる。闘う事への恐怖でも、シエルに対する怒りや心配でもない。直接的に闘う力を持てないから、相手が常識では一切通用しない魔導士だからと敬遠し、シエル一人に重荷を背負わせていた自分への怒りと悔しさ。

 

「私だって妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔導士で!シエルのパートナーなんだから!あんたをS級にするって、約束したんだから!だからアンタも!私の事を……パートナーの事を頼って!!

 

 

 

 

アンタ一人の全部じゃなくて!私たちの全部をぶつけて、絶対合格するために!!!」

 

その叫びは、シエルの耳に、そしてそれを通して、心にまで届く感覚を覚えた。パートナー。今回の試験を受けている者たちに、必ず一人はつけられた、仲間。

 

そうだ。いつも知ってたはずだ。妖精の尻尾(フェアリーテイル)が普段から何より重んじているものを。個々の実力のみでなく、仲間の絆も試されるのがこの試験。なのに、兄に今の自分の実力を見せることに執着してしまっていた。

 

そして彼は思い出した。彼女をパートナーとした、あの雪の日の夜に、彼女が告げたことを。

 

『分かった。私の力をアンタに預ける。だから、私にも力を貸して、“シエル”』

 

 

 

───そうだよ……。闘ってるのは、俺一人じゃなかった……。

 

シャルルの力を預かっていた。自分の力を預けていた。試験の間は、互いが互いの為に動こうと、この一週間の間にやれることをやり切り、決めたのだ。兄と対面して、それを忘れてしまっていたようだ。

 

流れる涙をこらえようと声を押し殺すシャルルの顔と声を見聞きし、シエルは後ろに向けていた頭を下向きに戻す。そして、両手を自分の頭と同じ位置に持っていくと、勢いよく両頬に叩きつけた。

 

「いっつ……!けど目ェ覚めた……!」

 

唐突にシエルが起こした行動に、涙を浮かべていたシャルルは少しばかり唖然として、その様子を不思議そうに見つめている。それとは裏腹に、シエルは先程までの思い詰めていた表情が消え失せ、どこか晴れ晴れとした顔を浮かべながら、そのままシャルルへと語りかけた。

 

「ごめん、シャルル……忘れてたよ。勝手に先走っちゃってた……」

 

闘志はそのままに、焦りや劣等感、勝てるかどうかの懐疑心だけが吹き飛んでいった顔を見て、シャルルは更に目を見開いた。兄と並び立つという目標の為に自分の全てをぶつけることに固執していた顔から、憑き物が落ちたように穏やかな表情に戻ったことで、彼女はそれに気付いた様子だった。

 

「一緒に闘おう!サポートの方を任せても?」

 

「……!ええ!!」

 

力強く告げたシエルに、一瞬驚きながらもすぐさま切り替えて返すシャルル。シャルル自身に攻撃する方法はないから、自然とシエルのフォロー。主に(エーラ)による移動でシエルの補助を行うと言ったところだろう。

 

だが彼女にはそれとは別に作戦があるのか、シエルに耳打ちするように彼にそれを伝えている。

 

「(良いパートナーを選んだな、シエル)」

 

それを遠くから見ていた試験管であるペルセウスは、寧ろこの状況に安堵していた。もしもシャルルが咄嗟に行動を起こしていなかったら、闘う覚悟を決めなかったら、シエルが合格できる確率は皆無と言って良かったからだ。

 

ペルセウスはこの一次試験において、受験者側には伝えていないある事を重視して見定めようと考えていた。それは、『パートナーにどれほど信頼をおけるか』。

 

かつて自分たち兄弟がいた環境は、信じられるのは互いのみで、それ以外の面々は人の皮を被った下劣なクズばかりだった。自分たち以外に心を開かず、仕事の時はいつも一人で弟のためにと何度も手を汚してきた。

 

そんな生活が、妖精の尻尾(フェアリーテイル)に来てからは一変した。暖かい家族と過ごす雰囲気。仲間と共に歩くこと。一人で抱えるには重すぎる悩みを、共に背負って共に乗り越えてくれる。

 

「(たった二人の肉親であった俺たちが、あんなどん底から上がれたのは、ここまで強くなれたのは、ギルドのみんなが……妖精の尻尾(フェアリーテイル)があったからだ)」

 

力があるだけでは限度があった。更なる力によって押さえつけられては抗うことが出来ないから。そんなペルセウスが今幸せに感じられる理由は、彼の重荷も一緒に背負ってくれた、弟や家族の存在だった。血の繋がった肉親以外で、初めてペルセウスは他人に信頼をおくことを覚えられた。

 

「(仲間の存在、友の助け、家族の絆……それら全てが、今の俺たちを作ってくれた。俺たち兄弟だけじゃない。ギルドにいる奴らみんなが、このギルドがあったおかげで今を生きている)」

 

そんなペルセウスだからこそ、このギルドで大事な事が何かを知っている。優秀な魔導士も一人の人間。そんな彼が仲間を頼る事で、ギルドが暖かい場所だと知った。仲間と共に歩めることが出来ると知った。己の力を、他の者の為にも振るえる充実感を知った。

 

友や仲間がいてくれたから、ペルセウスはここまで強くなれたんだと、今この瞬間でも思うことが出来たのだ。

 

「(S級である以前に、妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔導士であるために、改めて心から知っておく必要があったんだ。今の俺たちの礎となっている、パートナー(なかま)の大切さを。家族に頼ると言う事を)」

 

シエルが目指しているのはS級魔導士。だが先程までのシエルの闘いは、ペルセウスにとってギルドの魔導士としてはあまり誉められた行動とは言えなかった。兄である自分に認めてもらいたいあまりに、自分が闘う事に、本人も知らぬうちに固執していた節があった。

 

この試験では仲間……パートナーとの絆も試される。それを思い出させる為に、彼は度々『S級魔導士昇格試験・一次試験』と言う言葉を口にしていたのだ。自らそれに気付いて、改めて本当に大事にするべきことを心で理解することを願って。

 

「(今回はシャルルに助けられたってところか……まあ、どちらにせよ、この後の()()が起こす行動次第、と言ったところだろうな)」

 

依然としてシエルを簡単に合格させるつもりは兄にはない。だが、それを聞きながらも弟とそのパートナーがどう動くのか。ペルセウスが今着目している部分はそこにあった。こっちの耳には届かない作戦会議をしている様子を遠目に見ながら、ペルセウスは戦闘態勢に再び入った彼らを迎え撃つため、槍を構え直す。

 

「準備はいい?」

 

「とっくの昔に。覚悟と一緒に万端さ!」

 

「……でしょうね。じゃあ、行くわよ!!」

 

最後は互いに笑みを向けながら会話を切り上げたシエルとシャルル。そしてその直後、シャルルが翼をはためかせてペルセウス目掛けて一直線。そしてシエルは竜巻の魔力を集めて、細長い棍へとその形を変化させる。

 

風廻り(ホワルウィンド)(シャフト)!!」

 

シャルルによって急速に移動しながら棍を生成したシエルが思い切り振り被る。このまま勢いと共に兄へと当てようとしているように見えるが……。

 

「(単調な動き……間違いなくブラフ、だが……)」

 

裏に何かを企んでいることを察知しながらもペルセウスは迎え撃つために動き出す。トライデントを前に出した両手で持ち直し、足元へ石突を叩く。すると彼の四方から青い魔法陣が現れて、そこから再び水流で作られた大蛇が出現。各々が意思を持つかのようにシエルたちを狙い始める。

 

取り囲むようにして襲い掛かる大蛇たちを前に、シエルたちの表情には焦りは見られない。このまま躱しながら突っ切るのか、これを見越して別の対策をとるのか、はたまた……。

 

「どうする?」

 

不敵に笑みを浮かべながら、自分にしか聞こえない声で問いかけるペルセウス。その直後、シャルルがシエルの体を持ちながら方向を転換。迫りくる大蛇たちの攻撃をギリギリながらも回避してすり抜けていく。そして最後に迫った来た四本目の大蛇に向けてシエルが棍を振るい、大蛇の頭を粉砕するかのように水飛沫へと変える。

 

ほぼセオリー通りだろう。だがそれはペルセウスも当然予測済み。だから彼は裏を読んだ。同時期に彼らの後方にも展開していた魔法陣から、比較的少ない水量……されど速度は他のものよりも断然上のもう一本を真っすぐシエルたち目掛けて射出。彼らは前方の自分に視界を向けている様子。気付くこともないし、気付けたとしても判断が遅れる。そう予想していた。

 

 

 

 

 

「ここっ!!」

 

だがシャルルが一声叫ぶと同時に空中を翻るようにして一回転。円を描くようにして回ったその中心に、死角から飛び出した五本目が素通りしていった。

 

「っ!?」

 

「今よシエル!!」

「おう!!」

 

シエルもシャルルも、視線を変えていなかったのにまるで分かり切っていたかのように攻撃を回避したことでペルセウスは驚愕に目を見開く。その隙を突いて、シエルは手に持っていた棍を解除し、そのまま竜巻の魔力を右脚へと運ばせて、その姿を変えさせていく。

 

膝の部分から伸びているように見える、吹き続ける旋風は徐々にその長さを伸ばし、そして全長がシエルの背をも超える程の長さになった瞬間、シャルルはシエルの身体ごと横に回転しながらペルセウスへと肉薄させていく。対する兄が気付いた頃には、二つの距離は目と鼻の先だった。

 

「『風巡り(ホワルウィンド)(ウィップ)』!!」

 

しなる風の鞭。回転しながら瞬間速度を格段に上げたそれを咄嗟に槍を突き出して防御の態勢を取ったペルセウス。しかし時として変幻自在に形を変えるその風の鞭を完全に防ぐことは出来ず、当たった箇所から突風が起こってその身体を吹き飛ばす。左の脇腹にこれまでの中でも一番激しい痛みを感じて、ペルセウスは衝撃を受けた。

 

思った以上のダメージを受けたこともそうだが、そこに至るまでに起きた出来事に関してもだ。

 

「はっ!」

 

すぐさま体勢を立て直し、槍を前に出して再び水の奔流を生み出し、シエルたちを飲み込もうとする。だが徐々に高度を上げていた波を上回る速度で上を乗り越え、シャルルによってシエルの体が前に回転を始める。

 

そして踵落としの要領で、シエルが風の鞭を上から叩きつけようとするのを、ペルセウスは前方に水の盾を作り上げて防ぐ。だが勢いが思った以上に強く、ペルセウスの体が石舞台へと急降下し、全力で踏ん張ってもすぐには止まらず石舞台の一部を削る。

 

「(動きが急激に良くなった……!シャルルが移動に専念しているから……だけじゃないよな……?)」

 

シエルが攻撃に、シャルルが移動に専念して互いの持ち味を生かして闘う……本来であればこれも適切な闘い方だろうが、この二人の場合は妙だ。あまりにも()()()()()()()()()()()。ほぼすべて最小限の動きで攻撃を避け、距離を詰めて反撃しているのだ。

 

「せやっ!」

 

そして鞭になっていた風を槍に変えてシエルが投擲。真っすぐに飛んでくるそれをペルセウスは敢えて上ではなく自分から見て右へと回避。上空に引き出そうとする二人の思惑を崩す為だ。狙った方向と別の方へと回避すれば対処は遅れる。

 

 

 

曇天(クラウディ)気象転纏(スタイルチェンジ)……!」

 

「なっ!?」

 

だがシエルたちは、ペルセウスが回避した方向に迫って……否、待ち受けていた。彼が回避した方向に先回りして、雲で作り上げた拳を構えてスタンバイしていたのだ。動きを読まれたような錯覚を覚え、動揺を顔に出したペルセウスに、連続して殴りかかる雲の拳たちが襲い掛かる。

 

雲拳連打(クラウドラッシュ)!!」

 

シエルの後方から繰り出される無数に及ぶ雲拳。一部を手に持った槍で斬り防ぐも、高速で何度も繰り出される雲たちに、僅かばかり顔をしかめると「換装!」と言う声と共に手に持っていた槍を紅の炎を生み出す剣レーヴァテインに持ち替え、炎の壁を目の前に作り出す。

 

雲は高密度の水によってできるもの。高温の炎は雲を作る水分を蒸発させ、己に迫るゆく手を阻む。目先の脅威は退けたが、ペルセウスは一切の安心が出来ない。急激に動きが良くなった、と言う次元は既に超えているシエルたちの闘い方に、違和感を感じている。

 

死角から射出した水流の回避は、まだシャルルが警戒していたと考えれば済む。波のように起こした水を飛び越えたこともだ。だが、風の槍を投げ、回避した方向に先回りをしていたことに関してはいくらなんでも可笑しい。如何に二人とも頭が回ると言っても、こちらの行動を全て読んでいるような動きをするなんて……。

 

 

 

「全て……読む……!?」

 

と、考えを巡らせていると、一つの可能性を思い出した。動きを読む……正確には、自分がどう動くかを、()()()察知する。まるで()()を見ているかのように……。

 

 

 

「(シャルルの予知能力!!)」

 

そして完全に思い出した。試験が発表されるよりも前の日、シエルがウェンディのお願いを、長く葛藤しながら断って走り去る様子を、正確に明確に言い当てていたことを。少し先の未来だけを、自らでコントロールして予知にして頭の中に浮かべる。今でいえば、ペルセウスの不意討ちや、攻撃を回避する方向を、予知で先に見ておいて回避するなり先回りするなどして対処している。

 

雨垂れ石をも穿つ(ドロップバレット)!!」

 

前方に広範囲で展開された炎の壁を、一点集中と言いたげに少しばかり大きい雨の銃弾を撃ち込み、ペルセウスの左脚目掛けて撃ち抜き、貫通。向こうからはこちらが見えていないにも関わらず、正確に射抜いてきた弟に、兄は確信した。シャルルが予知を使って自分がどう行動するかを先に把握し、それに対して有利に動いている。

 

『確実な未来を数分先とは言え見れるのはスゴイことだぞ?戦いにおいては敵の動きが丸わかりと言っていいし』

 

「敵からすれば反則と言ってもいいこの力を……まさか一番最初に、俺が脅威として味わうなんてな……」

 

彼女の予知に関して話を聞いていたペルセウスが、冷や汗を浮かべながら口角を上げて呟いた。あの日には予想もしていなかった展開だ。確実な未来を予知され、封じられたり、回避されたり、あるいは先回りされたり。使いこなせるようになれば敵にとっては厄介極まりないと思っていたが、それを一番最初に経験したのが自分だとは予想できなかった。

 

シエルは本当に運がいい。経緯は不明だが、そんな厄介極まりない力を持ったシャルルを、パートナーに出来たことで、こうして自分と渡り合えているのだから。

 

「換装、フラガラッハ!!」

 

だが自分もこのままやられるつもりはない。持ち直してすぐさま風の短剣を呼び出して、炎の壁を風で吹き飛ばす。狙いは風に乗せた炎を分散させて広範囲にその炎をばら撒くこと。他の相手であればこれに対処するなど極めて困難だろうが、ペルセウスはこれにも対処するだろうという確信があった。

 

現に、シャルル達は風で炎を吹き飛ばす直前に距離をとって、迫りくる炎と風の合間を飛んですり抜けながら回避に専念している。シャルルの予知も凄いが、この回避能力も目を見張るものだと認識させられる。

 

「やはり避けるか。じゃあこれはどうだ!」

 

するとペルセウスはもう一度レーヴァテインで紅炎を生み出し、フラガラッハでみじん切りにしながら吹き飛ばした上で、紅剣を瞬時にミョルニルに換装。足元に叩きつけて雷群を発生、展開させていく。炎、風、雷が、石舞台ほぼ全域を蹂躙し始める。

 

「マジかよ!?エグイって!!」

 

「避けることに集中するわ!振り落とされないで!!」

 

時として災害級の魔法を生み出すシエルも真っ青になりかねない天災を通り越した地獄絵図を目にし、顔を引きつらせながら叫ぶ少年。一方のシャルルは、シエル同様に動揺しながらも予知でどこが回避できる方向か瞬時に読んで行動、読んで回避を繰り返していく。十秒は優に超える時間、三つの脅威がシエルたちを蹂躙せんと迫ってくるが、予知のおかげか一発も当たる様子はない。

 

「出した俺が言うのもなんだが、こんなのどうやって躱してんだ、シャルルの奴……」

 

自分が同じ立場だったら、回避が面倒になって、高エネルギーをぶつけて相殺させるしか浮かばない。だがシャルルは必死に動き回りながら災害域を潜り抜けていき、なおかつペルセウスの元へと迫ってきている。それもシエルを離さないままでだ。

 

そしてシャルルが掴んだままでいるシエルは、シャルルの負担を減らそうと体をできる限り縮こめた状態で、両手の指を鉄砲の形にし、その先端に雨のエネルギーを溜め込んでいる。雨垂れ石をも穿つ(ドロップバレット)であることは確実だが、どうやらその力を限界まで増幅させて一気に打ち込むのが狙いのようだ。

 

「(防ぐ方法ならいくらでもある。だが、それも予知で読まれてるだろうな……どうするか……)」

 

シャルルが戦闘に加わってから、ペルセウスの動きは完全に彼女の予知で先に読まれてしまっている。恐らくどのように動こうとも、そこからさらに裏をかいた動きで自分を翻弄させてくるに違いない。それに対して、自分が動くべき行動とは……。

 

 

 

 

「(いや……まどろっこしい事考えんのはもうやめだ)」

 

対処しようとしたところで、全部先に見られているのだ。だったらどんな策をうとうが意味はない。となればやる事は一つだ。ただ正面から迎え撃つ。その結論を下した瞬間、ペルセウスは考えるのをやめた。右手に持っていたミョルニルを握り直し、その大鎚に魔力を込めて紫電を迸らせていく。

 

「『剛雨鉄をも穿ち砕く(ドロップキャノン)』!!」

 

最大限まで溜め込まれた雨粒……いや最早巨大な水塊が砲弾となって、ペルセウスへと向かっていく。予想していた通りになった光景に揺らぎもせず、彼は紫電を纏わせていたミョルニルで一閃。爆発的な雷の力が一気に水塊を蒸発させ、辺りに水蒸気が蔓延する。一種の霧と同じ状態だ。

 

「そうか……本来の目的は目眩しか……」

 

あの砲弾に自分が対処できることなどお見通しで、本命はそれによるこちらの視界遮断だろう。何度も何度もこちらの裏をかいて行動してきたシエルたちの考えが、すぐさま分かるようになってきた。悪くない作戦だと思う。しかし……。

 

「狙いは分かってる。視界が機能しない俺に対して背後から奇襲……

 

 

 

 

 

 

と見せかけて……敢えての正面突破!!」

 

左手に持っていたフラガラッハで風を起こし、正面目掛けて吹きすさばせれば、前方に広がっていた水蒸気ごと、迫ってきていたその存在を風によって遠くへと吹き飛ばした。

 

「きゃあっ!!」

 

飛ばされると共に悲鳴を上げたその存在……翼を広げた白ネコシャルルは、堪えることも出来ずに一匹宙を回りながら遠のいていく。

 

 

 

 

 

シャルルだけが。

 

「(シャルルだけ、だと……!じゃあシエルは……!?)」

 

パートナーであるシャルルのみが風で吹き飛んだ光景を見て、思わず短剣を振り抜いた体勢でペルセウスは硬直してしまう。受験者側の弟は……シャルルに抱えられていたはずのシエルはどこに行ったのかと。

 

 

 

 

答えは、すぐさま現れた。

霧とほぼ同化するようにして粒子を集結させると同時に、虹色に輝く光を右の拳に込めながら、兄の背後に接近していた。

 

「(しまった……!ここまで予測して……いや……

 

 

 

 

 

これさえも予知してたのか……!?)」

 

ほぼ無防備の状態で、弟へと振り返ろうとするペルセウス。だが、シエルが虹色に輝いた右手を振る速度よりも、数瞬遅かった。

 

纏虹拳(セブンスストライク)!!!」

 

彼の右拳から発せられた、強大な虹のエネルギーを凝縮した、虹色に輝く拳となった波動。反撃の態勢も整う間も無く、振り向く最中だったペルセウスへと距離を縮めていく。

 

「(まずいっ……!!)」

 

この瞬間、この一瞬が、ペルセウスに戦いが始まって初めて、心の底から焦燥を感じさせた出来事となった。息吐く間も無く虹の波動はペルセウスを飲み込んでいき、その姿を覆い隠す。直撃したことによって巻き起こった衝撃波は周囲の空気を揺らし、近場に台風並みの風と、振動によって生じる音が発生する。

 

比較的遠くに飛ばされていたシャルルすらさらに距離を離されていき、虹の拳を放っていたシエルは石舞台から危うく落ち掛け、何とか淵を両手で掴んで飛ばされないように踏ん張っていた。

 

大きく風が吹き荒れたことで、石舞台の一部すらも細かい部分が削れる。よって舞い上がる砂塵が、シエルが撃ち放った虹の拳が被った場所を覆い隠し、その場にいるペルセウスの姿も見えなくなっている。

 

「直撃……したはずよね……?」

 

風が収まっていき、踏ん張る必要がなくなったところでシャルルが翼を広げながら場に戻ってきて、シエルも落ちかけていた石舞台の上に登る。土煙は、まだ晴れていない。

 

「今俺が出来る中で、一番威力が大きい技……やりすぎたかも……って思ってしまう程の……!」

 

溜め込んだ虹のエネルギーによる、純粋な高火力の攻撃。しかも迎撃できた様子も見られなかった。これで戦闘不能に追い込めずとも、かなりのダメージを与えられたはず。兄に対して傷を負わせた引け目はあれど、試験を突破するためには覚悟していた事だ。

 

そして……ついに覆い隠していた煙は、完全に晴れた。

 

 

 

「なっ!?」

「っ……!?」

 

シャルルとシエルの目に映っていたのは、思っていたのとは全く別の光景だった。シエルが撃った虹の拳を受けた方向に、ペルセウスは振り向いた右側に鏡のような光沢を持った盾を手に構え、重心を落とした状態でほんの数歩分後ろに押し出されている位置で留まっていた。

 

「イージス……!!」

 

兄が手に持っていたその盾の名を、涙を流しかねないほどの悔しさを顔に出したシエルが口にする。絶対防御の盾。未だ歴史上においてさえ、一度も破られたことのない最強の盾が己の最大火力を完全に防ぎ切ったことを理解するのに、時間は要らなかった。その証拠として、盾には多少のシミがついているが、ヒビは一つとして見られないし、ペルセウスの体にも、傷一つ入っていない。

 

「っ……でも……こんな、ことで……俺、は……」

 

一切ダメージが通らなかった絶望。それでもなお消耗し切った……魔力を出し切った体に鞭を打って立ち向かおうとしたが、これまでのダメージと短時間で脳をフル回転させた事、そして先程の纏虹拳(セブンスストライク)で魔力を出し切ったことが積み重なり、意識が途切れ前のめりに倒れ伏してしまった。

 

それを目にしたシャルルが彼の名を呼びながら少年の元へと駆けつける。そして彼の体を揺らしながら、意識を戻そうと呼びかけるが、シエルに起きる様子はない。尚も彼を起こそうと必死に呼びかけるシャルルと、気絶して一切起きる様子のないシエルへと視線を移し、換装していた神器を全て異空間に収めながらペルセウスが口を開いた。

 

「これ以上はどのみち闘えないな。試験は終了……」

 

「まだよ!!」

 

メインとして戦っていたシエルが気を失い、魔力もほぼ使い果たした状態では戦闘継続不可能と判断したために、試験の終了を告げようとしたが、それを遮ったのはシエルのパートナーで、彼を再起させようとしていたシャルルだ。

 

「シエルがいなくても……まだ私がいるわ!!私が最後まで闘う!!ここでシエルを負けさせたりなんてしない!!」

 

シエルと比べればほとんど外傷は見られないが、加勢に加わってから終始シエルを抱えての飛行と予知で行動を先読みしながらシエルに逐次報告の上に、対応した動きで回避と移動に専念していた疲労感は凄まじいだろう。だがそれでも、倒れ伏したシエルの代わりに闘う力が無いとしても諦める素振りを一切見せない。小さい体を震わせ、ふらつきながらもペルセウスに鋭く眼光を向けている。

 

「いや、その必要はない」

 

「何ですって!?」

 

「いいから聞け」

 

そんな彼女に対して、首を振りながらペルセウスは言い返し、自分たちの覚悟を無碍にされたとしてシャルルが声を荒げるも、それを窘めてペルセウスは話を続けた。ここで止まる訳にはいかないと、不合格のままで帰されるわけにいかないと決意していたシャルルであったが……。

 

 

 

 

 

 

「結論から言うと、お前たちは合格だ」

 

「……え……?」

 

思ってもいなかったペルセウスからの通知に、シャルルは言葉の理解が遅れ、思わず顔と声が呆けたものへと転じた。実際に今も、喜びよりも疑問と混乱の方が大きいだろう。それを察したのか、ペルセウスはそれを告げた意味を説明し始めた。

 

「最後の攻撃を防いだイージスは、絶対防御の盾。今までもあらゆる化け物が放った攻撃を防ぎ切り、罅すらも入れられなかった完全と言っていい防御手段だ」

 

シエルの最大の大技を防ぎ切った盾、イージスについての説明。かつては貫通性の魔法や、破壊の権化と言っていい存在であるマスター・ゼロの攻撃を受けても一切の傷さえ入らなかった絶対的な防御力を持つ。盾自体には傷が入らずとも、余波が及んだり隙間から攻撃を仕掛けられればその守りでも防ぎきれないのだが、そのような特例が無ければペルセウス自身が受けるダメージもシャットアウトすることが出来る。

 

六魔将軍(オラシオンセイス)との激闘や、エドラスでの戦いの中ではその防御力を遺憾なく発揮することに躊躇はなかったが、今回の試験においては、彼自身が独自に決めていたルールが存在していた。

 

「だが、こいつを使ってたら俺に当たった時点で、試験突破なんか不可能。だから決めていた。俺にイージスを使わせることが出来たら、その時点で試験合格を認めるってな」

 

S級魔導士と言う危険と隣り合わせな称号を、弟に背負わせることを良しとしないスタンスは変わっていない。だがそれに目を瞑れば、この激闘の中でシエルが見せた、これまでの魔導士としての成長、そして自分が決めていた合格を確定させられる条件へと至ったことに対しては喜ばずにはいられない。

 

気を失って、恐らくその事には気付けていないであろうシエルに、喜び。そして一抹の寂しさを孕んだ目を向けながら「改めて、本当に強くなったことを実感したよ」と笑みを向けて兄は呟く。

 

「……っ……はぁっ……!」

 

そしてようやく脳内処理が追い付いたのか、合格したと実感するとともに、緊張感からの解放でシャルルはその場にへたり込んだ。疲労による脱力感で、しばらくは動くことも難しいだろうが、一次試験の突破を認められた今の状況では致し方ないと言える。

 

「試験は突破した。本来ならこの先を進んで、合格者のいる場所へと向かってもらいたいが……二人とも動けねえか」

 

「当たり前でしょ……」

 

誰のせいでこうなったと思ってるの、と言いたげに目を細めながら文句を呟くシャルル。それに軽く笑みを零しながら、ほぼ一切疲れた様子の見られないペルセウスは、シエルたちの元へとゆっくり歩み寄ってくる。

 

「試験である以上本気は出せないし、シエル相手だからなおのこと加減はしたつもりだ。逆に言えば、今後の試験は同じ受験者が本気で来るか……マスターが俺を相手するよりももっと厳しい試験が用意されてるか……どっちかになるだろう」

 

そうだ。これはあくまで一次試験。自分たちは()()()この激闘の合格条件を達成できた。しかし合格したのは自分たちだけではない。自分たち以上に運よく“静”を抜けた者たち、“闘”で勝ちぬけた者たちは確実に、場合によっては自分たち同様“激闘”を見事突破した者たちがいる可能性もある。いずれにせよ、ライバルは多い。

 

その中で一組のみが合格できるこの試験……生半可な難易度のものが用意されているわけがない。どんな試験かも定かじゃない以上、ペルセウスが言う通り、油断はならないだろう。

 

「なるべくシエルには危険な目に遭ってほしくはないが……あそこまで覚悟を決めた目を向けられちゃ、俺が折れるしかねえか……」

 

独り言のようにぼやきながら、ペルセウスは小さな弟の身体を優しく持ち上げ、己の背中へと背負った。気絶して動けないシエルを、合格者の集合場所へと運ぶつもりらしい。

 

「シャルル。今更になるが、これだけは言わせてくれ。シエルと組んでくれたこと、ありがたく思う。そして、シエルのパートナーとして、力になってやってくれ」

 

「最初から、そのつもりよ」

 

先程とは違い、弟を想う兄としての顔を見せながら頼んできたペルセウスに、すまし顔でそっぽを向きながら、シャルルは返す。態度はまだ素直じゃないように見えるが、大分シエルに対する認識が柔らかくなったものだと、もう一つ彼に起きた変化が喜ばしく感じられた。

 

背中にはシエルを背負い、そして自分で動くにはまだ時間がかかりそうなシャルルは自分の頭の上に乗せて「落ちないようにな」と告げながら、ペルセウスはシエルたちが来た方とは別の階段で石舞台から降り始める。

 

「なんかこのカッコ、妙に間抜けな感じに見えるんだけど……アンタいいの……?」

 

「動けない奴等を運んでるんだから多少は仕方ねえよ。ま、集合場所に辿り着いた時少々変な目で見られる覚悟はした方がいいがな」

 

「降ろして!今すぐ!」

 

「自分で降りれるようになったらな」

 

(エーラ)使えばそれぐらい容易だろ、と言いたげな適当に感じる返事をぼやいてシャルルの懸命な主張を聞き流す。残念なことにその気力も今は不十分の為、シャルルは回復するまでの間、ずっと彼の頭に乗せられたままになっていた。

 

 

 

「お前がどうしてもその道を歩くことをやめないのなら、兄としてお前の夢を応援しよう。S級になるその時を、楽しみにしてるからな」

 

恥ずかしげに唸るシャルルにはもう意識を向けず、独り言のようにシエルへと呟いた兄の声。

 

 

 

それが届いたのか、はたまた偶然か……兄に体を預け、気を失っているはずの弟の口元が、僅かに笑みを浮かべているように見えた。

 

 

 

 

 

シエル&シャルルペア。ペルセウスの激闘ルートを辛くもクリアし、一次試験突破。




おまけ風次回予告

シャルル「どうなる事かと思ったけど、無事一次試験を突破できてよかったわ。ホント容赦ないわねアンタって!」

ペルセウス「情けや容赦で限界まで加減してちゃ試験にならんだろ?それにシエルだってこの試験が如何に厳しいかは理解してるはず。ならそれに倣わねえと」

シャルル「妙なところで真面目なとこはさすが兄弟ね……それにしても、ウェンディの方は大丈夫かしら……?」

ペルセウス「ウェンディは……メストのパートナー、だったな……」

次回『メスト』

シャルル「そうよ!元はと言えばあいつが……!あ~今思い出すだけでもムカムカしてくるわっ!」

ペルセウス「そうとうおかんむりのようだ。まあ、今はきっと大丈夫だろ。今はな……」
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