FAIRY TAIL ~天に愛されし魔導士~   作:屋田光一

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前回の次回予告で察した人もいるであろう今回。
鉄の森(アイゼンヴァルト)編直後のアニメオリジナル回から引っ張ってきました。
今後もアニメとは違うタイミングでアレンジを加えながら書くかもしれません。

そしてこの週の間に、UA40000&お気に入り登録数200突破!ありがとうございます!
もうすぐ執筆開始してから一年…!思えば早く時が過ぎましたね…。

5月頭にはちょっとした企画も考えている最中です。そちらも楽しみにしてください!

最後に一つ。次話の投稿は二週間後になります


第41話 シエル、村を食う

クローバー大峡谷の奥地の先には、入った者の数多くが迷い、二度と出られなくなった者達が大勢発生すると言うエリアが存在する。通称『蜘蛛の巣谷』とも呼ばれており、太古に起きたいくつもの地震によって、断層は無数に走っている。

 

「あーもう!ちょっとハッピー、まーた迷っちゃったでしょ!?歩いても歩いてもマグノリアの街に付かないじゃないのぉ!!この方向音痴ネコ!!」

 

切り立った崖の上から下を見下ろしている青猫ハッピーの背後から、叫びながら文句を垂れる少女ルーシィ。彼らを始めとした最強チームと評された面々に、新たに加わったS級魔導士・ペルセウスと共にクローバーの街での依頼を達成した帰りの道中だ。だがトラブルの発生により汽車での帰還が現状不可能となってしまったため、徒歩で帰路に就こうとしていたのだが…。

 

「よりにもよってこんな場所まで迷い込んじゃうなんてなぁ…」

 

「はぁ…腹減ったなぁ…」

 

「言うな…!余計腹減るだろうが…!」

 

もうほぼ全員が疲労と空腹で満身創痍だ。ナツが言葉に出したことで、グレイが苛立ちながら注意する。言葉にしてしまうと余計に意識してしまうから。だがナツがそれを素直に聞くことも無く…。

 

「減ったもんは減ったんだよ!!」

「だから減った減った言うんじゃねぇ!!」

 

「腹減りすぎていつも以上に喧嘩腰だなお前ら…減ったのは俺もだが…」

 

「「だーかーらー!!」」

 

いつも以上の剣幕で喧嘩を始める二人の様子を見て呟いたペルセウスの言葉に二人揃って抗議の声が上がる。あまりの空腹に腹の虫が中々鳴りやまない。シエルが荷物袋の中身を広げて確認するが、目ぼしいものはもう入っていなかった。

 

「ああ…行く前はいっぱい干し肉入れてたのに…」

 

「「やめろー!言うなーー!!」」

 

涙を浮かべて腹を鳴らしながら嘆くシエルの言葉にも抗議の声が上がる。非常食としてシエルが作って持参した干し肉も、すでに全員によって食べ尽くされた後だ。だがそれでも迷う時間が長く、空腹に戻るには十分すぎた。この中でも実力が高いペルセウスやエルザでさえ腹の虫が鳴り続ける。(エルザは頑なに認めようとしないが)

 

「あぁーーーっ!!」

 

すると崖の下を覗いていたハッピーが目を輝かせて歓声を上げた。何を騒いでいるのかとナツが聞いてみるとハッピーは指を指しながら全員の視線を向けさせる。崖下にいたのは、頭部は黄色、身体の部分は青い皮で、(えら)の部分から頭部と同じ黄色の一対二枚の羽を生やした魚の群れ。羽のお陰なのか空中を泳ぐように飛行している。

 

「幻の珍味、羽魚だ!!あれメチャクチャ美味しいらしいんだ!!」

 

「幻の珍味…」

「羽魚…」

「美味そうだなぁ…!」

 

魚に目がないハッピーからの説明を聞いて、エルザ、グレイ、ナツの3人もその羽魚の群れに目の照準を合わせる。未だ食べた事のない珍味を前にしたハッピーのテンションは限界突破しており「んまっ!んまっ!んまっ!んまーっ!」と連呼し続けている。その一方で…。

 

「魚かぁ…。じゃあ俺だけ食べられないなぁ…」

 

「そういやシエル、魚嫌いだったな」

 

「いや、あれは好き嫌い関係なく避けたいとこだけど…皆お腹空き過ぎじゃ…?」

 

目に見えたように落ち込んだ様子を見せる魚嫌いのシエルと、そんなシエルに声はかけるも狩人の目となって羽魚を見据えるペルセウス。対照的な反応の兄弟を見て呟くルーシィもまた、何も入れられない腹を鳴らしていた。

 

「よーし!釣るぞーっ!!」

 

人数分の釣竿を用意し、崖の上から釣り糸を垂らして群れの中の羽魚を狙う。食べることが出来ないシエルもひとまず持たされて、計7本の釣り糸が群れの中にあるが、一向に釣れる気配はない。避けられてる訳ではないので一見すぐに釣れそうだが、そう簡単にはいかないらしい。

 

「オイラ頑張るぞーっ!!」

 

それにしても黄色と青の二色の皮を持ち、その上飛行している間甲高い鳴き声を響かせている羽の生えた魚。一見するとあまり美味しそうには見えない。魚介全般が食べられないシエルでなくても本来なら避けたい見た目だと、ルーシィは独り言ちる。

 

「黙って釣れ。この際食えればそれでいい」

 

「そんなに腹減り!?」

 

「だが同感だ」

 

そんなルーシィの独り言に答えたエルザ。そして同意したペルセウス。もう皆限界に近いようだ。珍味だろうが何だろうが腹に入れれば皆同じ。そんな執念さえ感じる。

 

「羽魚食べたいぞぉ!美味しいぞぉ!幻の珍味だぞーっ!!」

 

味わったことのない珍味の魚を食すため、気合を入れて意気込みを叫ぶハッピー。その声は遥か上空、雲がかかる青空に反響して溶けていく…。

 

 

 

「飽きてきました」

 

「意思弱っ!?」

 

時間だけが過ぎていく事実に耐えきれなくなってとうとう釣竿を崖の上に置いてしまった。一番張り切っていたハッピーが一番最初に諦めるとは誰が予想しただろうか…。

 

「だって全然釣れないんだもん…」

 

「お腹空いてるんでしょ?だったら頑張ろうよ!諦めないで?」

 

項垂れて落ち込むハッピーを励まそうと優しい言葉と笑みをかけるルーシィ。そんな彼女にハッピーは…。

 

「ルーシィの意地悪ー!!」

 

「えーっ!?励ましたんですけどーー!?」

 

泣きながら背を向けて走り去っていった。何で泣かれた?意地悪ってどういうことだ?何が気に食わなかったのかも言わなかったのでただただルーシィは仰天した。そんなことをしているとシエルが「あ…」と唐突に声を発する。それを聞いて一同が彼に視線を向けると…。

 

「釣れた…」

 

「よりによってシエルの釣竿に…」

 

とうとう一匹釣り上げた。だが一番羽魚を食べたがらないシエルの竿にかかるとは皮肉である。そしてその一匹は一番食べたがっていたハッピーにあげることにした。たった一匹を分けたとして、結局腹は満たされない。むしろ余計に腹が減る。元から食べれないシエルと、気丈にも背を向けて食べる様子を見ようとしないエルザを除いた全員からの羨望の眼差しを受けながら、ハッピーは念願の珍味にかぶりついた。程よい火加減で焼かれた羽魚は丸々一匹彼の口の中に入っていく。

 

「こんな魚を美味しそうに食べれるなんて…あんた本当に幸せね…」

 

 

 

 

 

 

 

「まずーっ!!?」

 

「不味いんかい!!!」

 

どうやら珍味と言っても人を選ぶ…いや、舌を選ぶ味だったようだ。

 

 

 

────────────────────────────────────────

 

 

 

魚が大好きなハッピーでさえマズイと評した羽魚。いくら空腹とは言え食べる気が起きない魚を諦め、一行は食料を求めて再び彷徨い始めた。すると石畳と石造りの住居で出来た村が一行の目に映った。村がある。家がある。それはすなわち…!

 

「食いもんだーーっ!!!」

 

叫びながら先導したナツを始めとし、村まで一気に駆け出す一行。食事にありつけるうえに、上手くいけば帰り道も判明するかもしれない。一石二鳥だ。すぐさま食料を恵んでもらおうと村の中に入った。

 

だが、村の中は異様な空気に包まれていた。廃れた様子はない。壊れた部分もない。比較的新しい村のはずだ。だが…。

 

「誰もいねぇぞ…?」

 

人の気配が存在しない。家の外には人っ子一人姿が見当たらなかった。あまりにも静かだ。

 

「おーい!誰かいねーかー!?」

 

「お腹減り減りですー!誰か食べ物くださーい!」

 

「出来れば肉ー!無かったら他のものでもいいですー!あ、魚介以外でー!!」

 

「そこの二人、露骨すぎるから…」

 

もう包み隠すこともしない約二名に呆れながらも、ルーシィは村の家から誰一人出てこないことに違和感を感じていた。昼寝か?だとしても村中全員が寝ているというのも不思議だ。あるいは酔いつぶれている?いや妖精の尻尾(フェアリーテイル)じゃあるまいし…。

 

「…この村、本当に人が住んでるのかな…?」

 

あまりにも静かだ。人が住んでいる村であるのかと言う疑問すら浮かぶほどに。どれだけ呼びかけても一人たりとも見かけないという部分を見れば、明らかにこの村は異常だ。

 

「メンドクセー!力づくでもなんか食ってやるー!」

 

「おいそりゃちょっとした強盗だろ!」

 

「って、お前もその気だろーが!」

 

「ちょっとナツ、グレイ!?」

 

「行っちゃった…」

 

痺れを切らしたナツとグレイが近くにある家へと駆け出していく。村に異常は感じられるが、やはり空腹には勝てない。どこかの家に誰かいるだろうと考えてそのまま家の中に入っていくのを見ながら、シエルたちも追いかける。

 

シエルたちが辿り着いた時には、鍵も掛けていない木のドアは開かれて、家の中にあるパンの一つを今にもかぶりつこうとしている様子のナツが見えた。他に人はいない。

 

「待て」

 

「な、何だよ?」

 

かぶりつく寸前、エルザがそれを制止した。妙な部分が多いのだ。テーブルの上に置かれている二杯のスープ。二杯ともにまだ湯気がたちのぼっている。先程まで家の中に誰かがいた証拠だ。迂闊に口に入れては何が起こるか分からない。

 

「この家の人たち、どこに消えたんだろ…?」

 

「知るかよ。取り敢えず食おうぜ、ハッピー」

「あい!」

 

疑問を呟くシエルをよそに、尚もナツはパンを食べようと口を開く。だがまたしても、今度は威圧のオーラを放っている状態のエルザに制され、今度こそナツは止まった。まずは村の様子を調べる必要がある。それがエルザの考えだ。

 

「今まで我慢してたんだ。もう少し我慢…」

 

目を鋭くさせて告げていたエルザであったが、彼女の腹の虫が再び活動を始めた。いくら彼女でもやはり本能には抗えないようだ。と言うよりやけに音の時間が長い。説得力ゼロだ。だがそれも構わず、エルザは一行に行動を指示した。

 

「ナツたちはキノコか何かを探してこい。村の食べ物には触るな。私とペルはその間に村の中を調べる」

 

「あ~あ、分かったよ」

 

「そうと決まったら近くの森の中に向かおうか」

 

「…何故キノコ?」

 

目の前に存在する確かな食糧を前におあずけを食らったことで不貞腐れたナツに、シエルが続いていく。だがルーシィは、何故キノコに限定しているのか不思議で仕方なかった。

 

 

 

────────────────────────────────────────

 

 

 

村の近くに存在する森の中。少しばかり奥の方へ行けば何と一帯を埋め尽くすほどのキノコが群生している。大きさ、形、色や模様、千差万別の種類のキノコたちがそこかしこから生えていた。

 

「キノコだ」

「うん、どこ見てもキノコ」

「うほー!美味そー!!」

 

「何故キノコ…?」

 

数だけ見れば相当なもの。しかしキノコの中には幻覚作用を見せるものや人体に悪影響を及ぼすもの、下手をすれば命さえも奪う毒性を持つものが存在する。シエルは過去に見た事のあるキノコの図鑑の記憶から、確実に安全だと分かるもののみを採取しようと動き出した。

 

「う~ん…どれもこれも…安全と断言できそうなものが、ない…」

 

だが少々難儀しているようだ。確固として無毒と言えるキノコが見つからない。明らかに毒々しい見た目をしているものを除外しても、膨大な数の中から見つけるのは至難と言える。

 

「たかがキノコでも、こんだけ食えば腹は膨れそうだな」

 

難儀しているシエルの後方からナツの言葉が聞こえる。あれ?そんなに無毒のキノコが生えてただろうか?と振り向くと、ナツが抱えていた大量のキノコは、ほとんどのものが得体のしれない種類のキノコだった。ついでにいくつか口の中に入れられている。

 

「お、おい…まさか手当たり次第に食ってるの、お前…?」

 

「しょーがねーだろ、腹減ってんだから」

 

「いいから早く取れシエル。この際何でもいーじゃねーか」

 

よく見たらグレイもいくつか口に入れてた。マジか。こいつら毒の有無なんざ知らねぇと言わんばかりに口に放り込むほど空腹に耐えきれなかったのか。そう思わずにいられない。

 

「シエル、オイラ知ってるよ。この後二人ともワライダケ食べた時みたいになっちゃうんだ、お約束なんだ!」

 

「ワライダケレベルで済めば俺にとっても笑い話なんだけど…」

 

もしこれで命を落としてしまったらシャレにならない。その危険性を本当に考えはしなかったのだろうか?

 

「何言ってんだよハッピー。さすがにそんなことしねー…」

 

するとナツの言葉は途中で途切れた。キノコを飲み込んで少しばかり時間が経ったナツの身体に異変が生じる。突如顔色が悪くなったかと思いきや、苦しそうに喉を押さえている。

 

「ナツ、大丈夫!?」

 

「ほら!来た!!」

 

「ど、どうなっちゃうんだ!?」

 

場の者たちが固唾を飲んで見守る中、ナツの異変は目に見える形で発生した。

 

 

 

 

 

 

彼の頭のてっぺんからボリュームのある紫色のキノコが一瞬で生えた。

 

「ビックリした!」

 

「「こっちもビックリー!!」」

 

どのキノコを食べたのが原因だったのだろうか?心底驚いた表情で告げるナツに、ルーシィとシエルが声を揃えて叫んだ。ちなみにハッピーは予想と違ったことで落ち込んでいた。何故。

 

「なーに騒いでんだよ」

 

呆れながら振り向いたグレイを見てみると、彼の方にも大きめの青いキノコが生えていた。どうやらナツと似たようなキノコを食ったらしい。シエルに頭を確かめるように告げられた二人が互いの方を向くと、揃って同時に目を見開いた。

 

「だーはっはっはっはっは!なんだテメーそのキノコ!!」

「テメーこそ!ふざけたキノコ乗っけやがって!!」

 

そして同時に互いの頭から生えた巨大キノコを指さして笑いだした。何故か自分の方を棚上げしている。自分の心配はしないのだろうか?そう呟いたルーシィに対し、シエルはとりあえず命に別状は無さそうだと判断してもう一度キノコを探す。

 

「お?あれは…!」

 

少し離れたところに生えていた一本のキノコを目にしたシエルはすぐさまそこへ移動する。少し暗めの黄色い傘型のキノコ。これは記憶が正しければ無毒のものだったはずだ。ようやくまともなものを見つけたシエルは顔を喜色に染めて採取した。

 

「やった!ようやく一本目だ!」

 

「本当にそれ、大丈夫なの?」

 

互いに互いを笑ったために喧嘩を始めたキノコを生やした二人(ナツとグレイ)を放っておいて、ルーシィは彼に尋ねる。それに対して「間違いないよ!」と自信満々に笑みを浮かべながら一口で食べきる。味は素朴だが安全であることが確定しているものにようやくありつけて満足そうだ。

 

「んぐ!?」

 

「ちょ、シエル!?」

 

だが、そんなシエルにも異変が起きた。やはり何かしら毒性があったのか。焦りを見せるルーシィの声に反応して、喧嘩をしていた二人が一度中断してこちらに視線を向けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして次の瞬間、明るい黄色の傘型のキノコが一本、シエルの頭から生えた。

 

「いやぁーーー!!」

 

先程の二人と同じ現象が起きたことで、ルーシィが思わず悲鳴を上げる。何が起きた?と言わんばかりにシエル自身も焦りだすが自分では状況が読み取れない。

 

「シエルからもキノコ生えたぞ!!」

 

「お前、あのキノコ無毒だって言わなかったか?」

 

「どーなってんだこれー!?」

 

すっかり怒りも収まりシエルの頭を凝視する二人を言葉に、頭を抱えながら現実を受け止めきれない様子の少年。図鑑の記憶は誤りだったのか、それとも似たような別種のものだったのか、今となっては確かめる術もない。

 

「ねーみんなー!特大の見っけたよ!」

 

「えっ…あ、ホント!!」

 

今度はハッピーが、彼と同じぐらいのサイズの特大キノコを両手に抱えて持ってきた。先端が飛び出ていること以外は、茶色くて普通にでかいキノコに見える。相当に大きなサイズにルーシィを除く3人は釘付けになっている。これ一個で二日はもちそうだ。するとハッピーがシエルの方に視線を移した。突如視線を向けられたシエルがどうしたのかと尋ねると…

 

「シエル、さすがに二度目は寒いよ」

 

「そのキノコで思いっきりぶっ叩いてやろうか!?」

 

一体何目線なんだ今日のハッピーは。なりたくてこうなったわけじゃないのにそんなことを言われては心外である。青筋を立てながら、今彼が抱えているキノコを鈍器に使ってやろうか、などと物騒なことを叫ぶのも無理はない。

 

だがそんな脅しもどこ吹く風で、ハッピーは抱えていたキノコを一かじりした。唯一そのキノコを怪しく思ったルーシィが今すぐ吐き出すようにハッピーの身体を揺らすが、それに応えようとはしない。ついでに言うと味は美味しいらしい。だが、次の瞬間ハッピーもまたどこか苦しむような挙動をしたかと思いきや…。

 

 

 

 

 

 

ピンク色のキノコが頭の上に生えた。

 

「ひゃーーーー!?」

 

ルーシィの悲鳴が更に響く。この場にいるキノコを食した者達が尽く頭からキノコを生やすことになった。となると考えられることが一つ。

 

「結局、どれ食ってもこーなんじゃねーか?」

 

「村の連中、どーやって食ってたんだ?」

 

「或いは、村人全員今の俺たちみたいな感じだったりして…」

 

「ははは!そりゃ面白そーだな!」

 

「村の名前はきっと、『キノコ村』だな!」

 

本気なのか現実逃避なのか、突拍子もない会話を繰り広げられる被害者たち。そんな会話を耳にしながらハッピーはこの状況を把握した。ナツとグレイ、そしてシエルに続いて自分までもがキノコの餌食となってしまったこの現実を…。

 

 

 

「二度目どころか三度目だなんて!ダダ滑りもいーとこだよ!!」

 

「そーゆー問題じゃないでしょ!?」

 

涙を流して何故かどこかへ走り去っていくハッピー。どこにショックを受けているのだろうか。苦笑いを浮かべながら彼を見ていたシエルが、一つの別の異変に気付いた。

 

「あれ、ナツ…何か頭のキノコ、成長してない?」

 

「んん!?」

 

それはナツの頭から生えていたキノコが、柄は太く長く、傘も広く大きくなっていて、明らかに成長していることだった。何を養分にして成長したのだろう、このキノコ…。

 

「ずるいよ…ナツばっかりおいしいとこぉ…!!」

 

そしてやっぱり妙なところで悲しんでいるハッピーなのであった。

 

 

 

────────────────────────────────────────

 

 

 

一方で手分けして村を調べて周っていたペルセウスとエルザ。入り口近くの広場にて合流した二人は互いの状況を伝え合う。

 

この村には村人らしき人間が、人影一つすら確認されなかった。ほぼ間違いなく廃村と考えていいだろう。だがつい最近まで人が暮らしていた形跡があった。何故一人残らず村人がいなくなったのか?推察しようにも手掛かりがほとんど存在しない。

 

ふとエルザが視線を下に落とすと、奇妙なものを見つける。

 

「この線は…何だ…?」

 

広場に置いてあるモニュメントから石畳に掘られたかのような一つの線…溝が入っていた。広場の逆方向に二人が視線を向けると、住宅の路地裏へとその溝は続いている。

 

「単なる石の隙間じゃなさそうだ。意図的に彫られている」

 

「向こうをもう一度見てみよう」

 

エルザの提案に首肯して溝を辿っていく。路地裏を抜けて別の広場へと出た際に目に映ったのは、広場の中心にもう一本彫られた溝。先程の溝と垂直に彫られたそれは、それぞれの着地点で交差している。

 

「ここには別の線が…」

 

「村の至る所に、同じような線がある…」

 

何の目的でこのような線を引いているのだろう。そんな疑問を感じていると、村のあらゆる所から、謎の音が響き始めた。まるで何かの生き物の声のような…。

 

 

 

────────────────────────────────────────

 

 

 

謎の音は村の中から外の森にまで響いた。森の中にいたシエルたちにもその音が届き、一斉に村の方へと視線を向ける。すると、シエル、ナツ、グレイの三人の頭から生えていたキノコが突如光りだした。そして時間も置かずに、頭から生えていたキノコが解けるようにそこから取れて落ちた。ちなみにハッピーだけまだ付いたままである。

 

「おいしいけどこれはこれでヤだよー!!」

 

「兄さん!エルザー!!」

 

文句を叫ぶハッピーは無視して、シエルたちは村の方へと駆け足で戻る。先程村にいた時とで変貌している部分が一つあった。石畳に掘られた様に引いてある線が赤く発光しているのだ。広場の中で辺りを警戒しているペルセウスとエルザの姿を確認した一行は彼らの元へと駆け寄る。

 

そして赤い光は線だけでなく、線が引かれた石畳、そして建物の方にも移る。一際強く発光したと思いきや、建物や石畳がまるで波紋を立てる水面のように揺らめきだした。現実とは思えない光景である。

 

「何だこりゃ!?」

 

「何が起こってるんだよ、これ…!」

 

「オイラ、家が動くのなんて初めて見たよ!」

 

「何でそこがツボ!?」

 

状況が飲み込めない一行。その中でペルセウスだけが今この現象に何かを感じていた。今起きている事態に、心当たりがあるかのように。

 

「グレイ、待て」

 

「は!?何でだよ!」

 

衣服を脱いで臨戦態勢に入っていたグレイを、ペルセウスは言葉で止める。そして一行に、高いところに登るように指示を出した。確かめたいことがあるらしい。

 

 

 

村の外れにある岩の高台に登り切った一行の目に映ったのは、突如起こった光と共に、巨大な石色のタコや大蛇のような生き物に変貌を遂げた村の建物や石畳だった。先程まで村だった場所が巨大な化け物で埋め尽くされた光景に、一行は戦慄を覚えている。

 

「やはり…あの線は魔法陣だったか」

 

「魔法陣!?」

 

そんな中で冷静に村だった化け物たちを見ている兄から出てきた言葉に、シエルは言葉を反芻して驚愕した。エルザが村の中で見つけたいくつもの線は、村全体に刻まれていた魔法陣の一部。そして今この状況は、その魔法が発動されている影響なのだと言う。

 

「どういう魔法か分かるか?」

 

「封印魔法・『アライブ』。それしか思い当たるものはない」

 

「それ俺、本で読んだことある!!」

 

『アライブ』とは、今この村で起きている現象そのもの。本来生命を持たない無機物に施せば、生物化して動かすことを可能にする魔法である。恐らく村の住人はそんな禁断の魔法を発動させて、逆に化け物たちの餌食になったのだろう。だが、何故村の者たちがそんな危険な魔法を発動させたのか。それはエルザから明かされた。

 

「ここは…闇ギルドの村だ」

 

「何!?」

 

何故それを知ることが出来たのか。先程村の中を調べていたエルザが、納屋の中に魔法に使用する道具をいくつも見つけたらしい。そしてその魔法はどれもまともなものではなかったそうだ。闇ギルドの事だから、よからぬことを企てて自滅したのだろう。

 

「闇ギルドが自滅する分には自業自得。同情の余地なんかない。それはそれとして…」

 

闇ギルドにどこか嫌悪的な姿勢を示すシエルは、腕を組みながら告げた後、化け物と化した村を細めた目で見据えている。そして忘れたころにやって来た腹の虫が鳴り響いた。

 

 

 

 

 

「生き物って…大抵食えたよね…?」

 

「シエル早まっちゃダメーーー!!」

 

目から光を無くしたシエルが化け物たちを捕食対象として照準を定めた。ちなみにタコ型には目もくれていない。魚介とは思えないが念の為である。そしてシエルの言葉に顔をニヤつかせながら臨戦態勢に移るナツとグレイ。ミョルニルを換装して準備万端のペルセウス。真に受けた様だ。

 

「嘘でしょ!?ねえ嘘だと言ってよ!エルザ、みんなを止め…!」

 

本気で村から生物化した化け物たちを食べるのか?頼みの綱としてエルザに願い出るが、その肝心のエルザが両手に剣を換装で装備し、我先にと猛スピードで化け物たちに突っ込んでいった。

 

「エルザーー!?そんなに腹空きィ!!?」

 

「よっしゃー!!喰うぞーー!!」

「わーい、ご飯の時間だーー!!」

「その肉捧げて糧となれーー!!」

「この際、味がどうのとか言ってられねえ!!」

 

エルザに続くようにして下の方へと降り立っていく一同。もう全員がただ腹を満たすことしか考えていない。あんな化け物たちを本気で食べるのかと正気を疑うルーシィの肩を、未だ高台から降りなかったペルが手を置く。

 

「ルーシィ。食欲と言うのは、生き物の三大欲求の一つ。それに抗うことは不可能だ。それを少なからず満たすためなら…

 

 

 

 

 

 

 

人間はどんな倫理観も捨てることが出来る」

 

「カッコよくソレっぽいこと言ってますけど、それ人間としての尊厳を失うことになりませんか!?」

 

諭すような笑みを浮かべてルーシィに生き物の本質のような言葉を告げるペルセウス。言葉や佇まいを見ればどことなくカッコいい感じが出ているが、状況が状況なだけに色々と迷走しているようにしか見えない。分かってほしい、もう皆空腹で限界なんだ…!

 

「火竜の鉄拳!!」

「アイスメイク・『拳甲(ナックル)!!』」

「はあっ!!」

稲妻の剣(スパークエッジ)!!」

 

次々と化け物たちが魔導士たちによって調理(二重の意味で)されていく光景を見下ろしながら、ペルセウスもとうとう動き出した。

 

「それじゃ…俺もやろうか…!」

 

高台を踏みしめて高く跳躍。そしてタコ型の化け物目掛けて、換装で呼んでいた紫電の大鎚を両手に持ち直す。

 

「雷神の怒鎚…受けるがいい!!」

 

迫りくるいくつもの足を振り払いながら、化け物の頭に大鎚ミョルニルを叩き込むと、一気に地面へと叩き潰され、大鎚から放たれた紫の電流が近くの化け物たちにも襲い掛かる。一撃を食らった化け物は電流でこんがりと焼かれ、陥没した地面に埋め込まれる状態となった。圧倒的、とも言える光景を目にし、ルーシィは目を見開いて口をあんぐりとさせていた。

 

「よし、じゃあ早速いただくとするか」

 

調理が完了したタコの足を引き千切り、そのまま口に運ぶペルセウス。高台から降りて近づいてきたルーシィから「どんな味ですか…?」と聞かれると、引き千切った足からもう一部分を千切ってルーシィに投げ渡す。食ってみろ、という事だろ。躊躇わずにいられないが、ひとまず彼女も一口咀嚼した。

 

 

 

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落雷(サンダー)竜巻(トルネード)、及び稲妻の剣(スパークエッジ)で程よいサイズに切り分けて調理した大蛇型の化け物を目の前に鎮座させるシエル。見た目はあまり美味そうには見えない。だが空腹が限界まで来ている現状では、四の五の言っていられない。例え好みの味でなくても、満たさなければ。

 

「それじゃあ、いただきます」

 

律儀に手を合わせて化け物の肉を一口噛み千切る。そして口に含んで何回か咀嚼。その瞬間、シエルの体中に衝撃が走るような感覚が襲い掛かった。

 

「こ、これは…!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

『まっずぅーーーーーーっ!!!』

 

S級魔導士を除くほぼ全員の悲鳴混じりの絶叫が響いた。想像を遥かに絶するほど、不味いものだったらしい。口の中がかつてない混沌を生み出して、悶絶しているシエルの元に、次々とメンバーたちが集まってくる。

 

「おぉい!あんなの食えねぇぞシエル!!」

 

「不味いにも程があんだろ!!」

 

「ごめん…俺も今、思い知ったところ…!」

 

口を押さえながら地面に突っ伏している少年は、文句を叫びながら近づいてきた青年二人に同意しながら、目に涙すら浮かべて謝った。

 

「いくら空腹でも、あんなもんを口に含むのは無理があるな」

 

「ああ、食べられたものではない」

 

「あたしに食べさせてから言わないでくださいっ!!」

 

さり気なくルーシィに同じものを食べさせたペルセウスの言葉にエルザも同意する。彼女も同じ感想だったようだ。そして当たり前だが二次被害を被ったルーシィはペルセウスに涙混じりに抗議している。

 

その後方で、生物化した椅子に掴まりながらハッピーが岩に激突する瞬間が一行の目に映った。衝突の衝撃で、ハッピーの頭にずっとついていたキノコも、ようやく取れたらしい。

 

「ちょっと!どーして誰も止めてくれなかったんだよ!!ねえ、どうしてぇ!!」

 

集まっていた一同を見渡しながら涙を流して抗議の声を上げるハッピー。だがナツやグレイは、ハッピーが遊んでいるようにしか見えなかったらしい。さらに…。

 

「そう言えばハッピー、今までずっと何してたの?」

 

「確かに途中から見かけなかったな」

 

この兄弟からは自分が椅子と格闘していることも認識されていなかったらしい。かつてないショックを受けたハッピーは真っ白になってしまった。

 

最悪だ。友情も仲間もへったくれもない。目の前で化け物たちは実質的に食えないことが判明したという会話を続けている一行を眺めながら、何かが壊れるような幻聴が聞こえた。ついでに何かの生き物の声まで聞こえてくる。

 

否、化け物の声だ。ハッピーの背後から大蛇型の化け物が迫ってきていた。それに気づいて悲鳴を上げるハッピーを助けるため、ナツの炎を纏った一撃が炸裂する。しかし、気づけば四方を化け物たちの群れが囲みこんでいた。

 

「くそっ…不味い奴等の癖に…!!」

 

「腹が立つ…!」

 

食えないと分かれば最早遠慮はいらない。空腹で次々と湧き上がる怒りを、せめて発散させてやる。決めてからの行動は早かった。

 

「これで吹っ飛ばしてやる!火竜の翼撃!!」

 

ナツの両腕に纏ったしなる炎の一撃が。

 

「アイスウォール!!」

 

グレイが地上から拘束するように迫る氷が。

 

「はあっ!!」

 

天輪の鎧を纏ったエルザの無数の剣閃が。

 

竜巻(トルネード)!!」

 

シエルが起こす緑色の竜巻が。

 

「換装!ミストルティン!!」

 

ペルセウスが装備した枝の杖に操作されて動く根が。

 

「あたしも!開け、金牛宮の扉!タウロス!!」

「久々にー!MO()ー烈!!」

 

ルーシィが召喚したホルスタイン柄の星霊タウロスによる斧の一撃が、次々に化け物たちを蹂躙していく。だがそれでも次から次に化け物たちが際限なく現れては襲い掛かってくる。

 

「ちっ…!キリがねーぜ…!」

 

このままではジリ貧だ。どうにか出来ないものかと考えたその時だった。

 

「こ、今度は何…!?」

 

地面が大きく揺れたと思いきや、化け物たちが蔓延っていた村の魔法陣が稼働し、紫色の光を発し始めた。稼働している魔法陣の中をどこか呻く様に暴れる化け物たち。赤く展開される魔法陣から発せられた紫の光が、妖しくも美しい光景を生み出している。

 

「うわーキレイ!」

 

「そーじゃないでしょ!?あんたのツボってさっきからどーなってんのよ!?」

 

何やら呑気に感動しているハッピーと、それにツッコむルーシィ。だが次第に魔法陣の発する光は強くなっていき、それに伴ってか、化け物たちが魔法陣の中にどんどん沈んでいく。しかし魔法陣の光はそれでもなお稼働を止めず、その余波は一行が足場にしている高台にまで広がっていく。

 

「逃げろ!!」

 

気付いたエルザが叫ぶのも束の間、足場は一瞬のうちに崩れ落ち、一行は悲鳴を上げながら魔法陣のある下の方へと落ちていった…。

 

 

 

────────────────────────────────────────

 

 

 

蜘蛛の巣谷を越え、どこかの荒野の道を徒歩で移動する最強チームの一行。しかし、その表情は未だにひもじさから抜け出せてはいない。

 

「あ~…腹減ったなぁ…マジで…」

 

「オイラもう歩けないよぉ…」

 

「俺も自分で動くの勘弁…」

 

「だからって自慢げに羽や雲を使うな!」

 

「な、何か訳わかんない…」

 

その内ハッピーは自分の魔法である(エーラ)で飛行し、シエルもまた乗雲(クラウィド)に胡坐をかきながら空中をゆっくり移動している。魔力を消費するが、空腹のままで徒歩移動するよりかは負担は減る。ルーシィはルーシィで、いつの間にか窮地から助かっていた現状に、混乱してばかりだ。そんな一行を後ろから追随しているペルセウスとエルザ、二人のS級魔導士が会話を交わしていた。

 

「ペル、やはり先程の説明では納得がいかんぞ」

 

「そうは言ってもなぁ…。あれ以上に言う事なんか他にはねぇし…」

 

それはいつの間にか村も、それを元にした化け物も消え、墜落しそうになった一行が何故か無事に着地できていた直後の事。今まで人っ子一人いなかったその場所に、突如何十人もの魔導士たちが現れた。

 

その魔導士たちこそ、あの村に住んでいた闇ギルドの魔導士たち。村に書き込んだ魔法陣を起動したところ、化け物が現れて魔導士たちは全員接収(テイクオーバー)によって体を取り込まれたのだと言う。外から来た一行が村に入ったことで魔法陣が刺激されて起動。そして何かしらの事が発生して、彼らにかけられた接収(テイクオーバー)が解除されたのだ。

 

このまま魔法陣を放っておけば次に何が起きるか分からない。だが、その時ペルセウスが告げた言葉は、その場にいる全員を驚愕させた。

 

『あの魔法陣が発動することはもう二度とないだろう。魔法の効果は既に解除されていたからな。五体満足であの化け物どもから解放されただけでも幸運に思え。これに懲りて、二度と馬鹿な真似をしないとこの場で誓えるなら、俺達はこの事を誰にも報告しない』

 

闇ギルドだった者たちは、あのような恐怖を味わうのは二度とごめんだと、もう二度としないことを誓った。それに対して満足そうに頷いたペルセウスの様子を見て、エルザはどこか含みのある視線を向けていた。何かを隠しているのではないかと、思うように。

 

「化け物たちが倒されたことで、あの魔法陣は発動し、全てを消去しようとした。だが、消去の魔法が発動されるまでの直前、私たちを助けた上に、闇ギルドたちの接収を解き、あの魔法陣そのものを消滅させた。そうだろう?」

 

あの一瞬の間に、ペルセウスが普段とは違う魔法を使っている魔力の反応を感じていた。あの場でそのようなことが出来るのは、きっとこの男だけだとエルザは確信している。そんな彼女にペルセウスは一つ溜息を零すと、こう答えた。

 

「気のせいじゃないのか?マスターじゃあるまいし」

 

ただ一言。だが真っ向から否定はしなかった。それをエルザは半ば肯定として捉え、それ以上は聞こうとしなかった。

 

「それにしても…」

 

 

 

 

 

 

 

『腹減った~~!!』

 

一行の心からの叫びと「グ~」と言う腹の虫が、荒野の空に響き渡った。




おまけ風次回予告

ナツ「おい聞いたかシエル!今度取材の奴が来るらしいぞ!」

シエル「ああ、確かに聞いたよ。週刊ソーサラーだよね?まさかあの週ソラからの特別取材が来るなんてな~!」

ナツ「いっつもオレが何かを壊したとか壊したとか壊したとか…悪く書きやがってぇ…!」

シエル「事実壊してばっかじゃん、ナツは…」

次回『妖精の尻尾(フェアリーテイル)COOL(クール)な密着取材』

ナツ「取材の奴が来たらガツンと言ってやる!覚悟しとけよコラー!!」

シエル「ああ…こりゃ取材の人の為のお詫び品を用意しておかなきゃ…」
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