ラム「朝に弱すぎる可愛い可愛いシャルを起こすにはどうしたらいいのかしら、レムはどう思う?」
ラムは少し困ったようにレムに尋ねる。レムはレムで困ったように、しかしほのかに顔を赤らめてこう言う。
レム「そうですね、朝に弱すぎる可愛い可愛いシャルを起こすのは非常に難しいです。しかし、姉様ここはもう揺すってでも起こすしか方法はありません。」
ラム「そうね。それしかないわ、じゃあレム私は右からレムは左から揺すりましょう。」
ラムは同意して、せーの、で2人はシャルを揺する。するとシャルは寝ぼけたように、目を覚ましてこう言った。
シャル「あれぇ、ラムねーさまとレムねーさまがたくさんら〜〜〜、えへへ〜、たくさんなれなれしてもらうんら〜‼︎」
そう!シャルという少年は朝に非常に弱く、滑舌が絶望的に死んでいるのだ‼︎さらに寝ぼけてすぎてレムとラムが沢山いるなどとよくわからないことをいっているのだ!ついでに言うならこの状態のシャルは何時にも増して甘えん坊になるのだ‼︎
その容姿は、サラサラとした金髪に紅い眼、雪のように白い肌、100人が見たら100人が振り返りお姫様だと思ってしまうような整った顔、さらにその声は非常に透き通っており、聴く者を惚けさせるほどである。その純真無垢、容姿端麗、と挙げればキリがないほどに美しく可憐で儚げな美貌を持つ者が少年なのだ。もう一度言おう、少年なのだ‼︎‼︎‼︎
事実、姉であるレムとラムですらシャルが可愛い過ぎて頬をこれでもかというくらいに赤く染めている。
レム「姉様、姉様、シャルが可愛すぎて襲ってしまいそうです、」
ラム「レム、レム、私もシャルが可愛すぎて襲ってしまいそうよ、」
姉が弟に向けるようなものではないような危ない顔をしている、しかしそこは流石の精神力でなんとか平常心へと持っていきシャルの目を完全に覚まさせる。
ラム「シャル、しっかりして。お客様がお見えになってるから。」
レム「シャル、しっかりしてください。お客様がお見えになっていますよ。」
2人はもっとこんなシャルを見ていたいという気持ちを押さえて言った。すると、シャルも徐々に目を覚ましていき、
シャル「レム姉様、ラム姉様おはようございますなのです。お客様がお見えになってるのです?」
「「ええ(はい)」」
シャル「それは、大変なのです!直ぐに着替えるので部屋の外ですこし待っておいて欲しいのです。」
シャルはシャルで独特な喋り方でこう言ったのだった。しかし、ふと部屋を見渡すといつもと違うところがある事に気付いた。
シャル「レム姉様、ラム姉様なんで今日はメイド服が置かれているのです?いつもは執事服なのに何かあったのです?」
ラムは何事も無いかのように言う。
ラム「理由は簡単よ、黒髪の変な男性のお客様をお迎えする時はこういう格好になって、女の子のふりをして過ごすというのができる使用人なのよ。」
普通の人が聞けば何を言っているんだと思うような事だ。しかし、このシャルという少年は自分の尊敬し敬愛する姉達の言うことは絶対正しいと思っており、さらに純粋すぎる性格と、天然すぎる性格との3つの要素が混ざり合い疑うということなど全くしないのである!
シャル「そうだったのです⁉︎流石はラム姉様なのです!シャルはこれでまた1つ賢くなったのです‼︎恥ずかしいけど頑張って女の子になりきってバレないようにするのです!」
シャルのこの言葉を聞きレムはこう思ったのだ。
レム(やっぱりシャルは可愛いです‼︎恥ずかしがってるシャルも、得意げにしているシャルも全てが愛おしいです!いよいよ、どこの誰とも知れない者にシャルを渡すわけにはいかなくなりましたね。やはり私と姉様がシャルと結婚するしか………)
などと見当違いなことを考えていた。そうしてシャルはメイド服に着替えて3人はお客様のいる部屋に行ったのだった。部屋に入ってみてもまだ客人は起きていなかった。しかし、レムは部屋に入った途端ある1つのことに気がついたのだ。
レム(このお客様、何故魔女の残り香が???これは早々に片付けなくてはならないかも知れませんね。)
少し顔を暗くしたレムは未だ起きぬ客人に対しこう思っていたのだった。