その出会いは奇跡のようなものでした。【完結】 作: 白黒魂粉
良ければ見納めください……。
春先のある日、下駄箱の中に入っていた手紙を読んだ僕は指定されたその場所に来ていた。
「桜田先輩…今日は来てくれてありがとうございます!」
そこに居たのは紛れもない美少女。同じ制服を着ていることからおそらくは同じ高校の生徒なのだろう。
だが、残念なことに他学年と全く関係を持っていなかった為、俺はその子と初対面なのだ。
「あぁ、君もわざわざ……ありがとう…?」
そして…何よりこんな状況初めてなので何を言ったらいいのか分からない。
でも何か話題を作らないとだめだよな…と頑張って思考を巡らせるが
やはり何の話題も思いつかなかった。
するとラブレターをくれたであろう少女が口を開いた
「そっ……その…私…東風谷早苗と言います……その…えっと……」
モジモジと緊張で言葉がでない様子の彼女をじっと見つめて待っていると彼女はグッと拳を握ってこちらを向いた。
「わ…私と……付き合ってください!!」
その日、俺は生まれて初めて異性に告白というものをされた。
嬉しさで胸がいっぱいになった。俺なんかが告白してもらえるなんて
思えないほどに彼女は美人だった。
だが、それ故に俺は
「…………ごめん、それは……無理。」
彼女の思いを踏みにじる行為をした。
「え………、あ。そうですよね……だめ…ですよね……」
悲しそうな目をして俯く彼女を見ながら、俺は続けて
「…うん、ほんとに申し訳ないのだけど……俺と君とでは…
釣り合わないと思う……。だってーーー」
君みたいな美人が俺と一緒にいるなんて、そんなことあってはいけない
のだから。
「そうですよね!私…ごめんなさい!!あっ……それじゃあ…今日は
ありがとうございました……」
と言おうとした…が、彼女はそれを遮り涙目でその場を去っていった。
その日の眠りは最悪だった。
翌日、いつものように学校に行くとクラスメイトから変な視線で見られていた。
何かしたっけな…と考えるも…思いつくのは昨日のこと……昨日のこと…?!
まさか……と考えていた頃には俺はクラスの女子に呼び出されていた。
「ねぇ桜田……昨日の事なんだけどさぁ……なんで告白受けなかったの?!説明しなさいよ!!」
とてつもない剣幕で捲し立てるクラスメイト。【告白】という言葉に反応してこちらの方にギャラリーとしてやって来るクラスメイト。
何があったのかはよく知らないが、面白そうという気持ちでどこからともなく現れた陽キャの集団。
そんな連中のど真ん中に座らされている俺。
「あー…それは……」
なんとか穏便に済ませたくて、裏返りそうになる声をなんとか抑えながら説明する。
「俺と彼女とでは……やっぱり、合わないって言うかさ……?ほら、
あんなの美女と野獣だよ。美女と野獣………」
そう言うと女の子は
「はぁ?!なんなの!?あんたみたいな冴えない奴があんなに可愛い
子に告られるなんてこと二度と無いチャンスだったのに!?」
「そこまで言う……?」
そんなやり取りを繰り返してる間に休み時間が終わった。
「おーい、授業始めるぞー。席つけよー」
「……ッチ!桜田、お前放課後ちょっとツラ貸せよ!」
そう言われて、俺……桜田優也は席に着くのだった。
チャイムが鳴り響いた。
「はい、今日の授業はこれで終わり。何もないやつは早く帰れよー」
そんな声と同時にクラスにあった緊張も解け、俺達生徒はそれぞれ自由に放課後を過ごすことになる。
最も、今日の俺はそういう訳にもいかず、クラスの女子と陽キャ数名に囲まれてある神社まで連れられてきた。
「ここはどこですか……?」
上手く状況が呑み込めないのでそう聞いてみた。
すると
「ここは東風谷ちゃんのお家!今からあんたが行って告白してくるの!」
「えっ…何で……」
「何でも糞もない!!ちゃんとしてこないと明日からあんたの席…無くなってるからね……」
そう脅すだけ脅して、彼女たちはその場を立ち去って行った。
残された俺はどうしたものかと立ち止まって考えていたのだが、いじめの標的にはなりたくなかったので申し訳ない気持ちになったが…東風谷さんに話をしに行くことを決心して、石段を登り始めた。
登り始めて数分後、ようやく神社にたどり着いた俺はそこを見渡した。
「………広っ…」
まぁ、ちょっとは心の準備もいるだろうし…という気持ちで俺は賽銭箱の方まで行って賽銭を入れた。
ただただ無の感情で鐘を鳴らしていると、
「あれ……?先輩がどうしてここに……?」
本日、俺が会いたくないけど会わなくてはいけない少女……東風谷早苗が現れてしまったのだった……
ここまで読んでくださりありがとうございます。
これからぼちぼち続けていくので良ければ御覧になって下さい!
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次回!
早苗さんのお家に上がった優也は一体どうなる?!
乞うご期待