その出会いは奇跡のようなものでした。【完結】 作: 白黒魂粉
翌日、俺は始業前に守谷神社に訪れていた。
参拝客は朝ということもあってか一人もおらず、俺はとりあえず賽銭箱に持っていた硬貨を投げ込んだ。
願うことは…そうだな……東風谷ともう一度会いたいということだろうか。
一通りの作法を済まし、俺は境内の中に入ろうとするが……
「……これで不法侵入になったりしたらアレだな…入るのはやめておくか……」
そんな考えが頭をよぎり、そのままUターンして俺は家に戻ろうとする……。
すると、俺の後ろにある人物が立っていた。
「加奈子さん……。」
俺はその人物(と言っても神様だが…)に挨拶をする。
何故ただの人間の俺に神様であるこの人が見えているのかは全くわからないが、多分霊感が強いんだろうと自己完結していた。
「やあ、桜田くん。早苗に何か用かい?なんなら呼んでくるけど」
「……いえ、特には…少し近くを通ったので一応やっておこうと思っただけなので」
「おいおい、それなら毎日くるのが礼儀だろうよ。君はこの神社の目と鼻の先に住んでいるんだから」
「…言い返す言葉もない……」
「まぁ……君の事情も早苗から聞いているよ。だから……何かあったら
私達を頼ってくれ、君は早苗にとって大切な存在なんだから」
「どうしてそこまで東風谷のことを思っているんです?」
「簡単な話さ、あの子が私たちを認知し、私たちの声に付いてきてくれる……そんな大切な家族だからだよ」
「へぇ…分かりました。それじゃあ何かあったらその時はよろしくお願いしますね」
「あぁ、任せておいてくれ」
そう言って俺は石段を降りていった。
すると…
石段を降りきった所に見覚えのある少女が立っているのを見つけた。
あれは……
「東風谷…?」
俺がそう言葉を呟くと、その少女はゆっくりとこちらに顔を向けて
「あれ……?なんで先輩がここに……」
「俺は…近くを通ったからせっかくだからとおもってな……」
「へ、へぇ……そうなんですか……」
空気が重い。
押し潰されそうだ……俺は全く続く気配のない会話をどう切り抜けるかを考えた。
しかし、良い案は全く浮かんでこず…俺たちは着々と学校へと近づいていた。
「先輩。」
すると、黙りきった空気の中で東風谷がそう口を開いた。
「ど、どうした?」
「先輩は……私と会えない期間、どんな気持ちでしたか?」
何を言い出すんだ…と思ったが、声には出さない。
俺は彼女の聞きたい言葉を瞬時に読み解き、その言葉を紡いでいく
「俺は…東風谷と会わなかったこの1ヶ月近く…寂しかったよ。
生きている心地はしなかった」
こんな気持ちは初めてだった。だからこその気持ちを彼女にぶつける
すると彼女は
「……私もですよ…それでも、私は先輩がその用事を終わらせて
私の元へ来てくれるのを待っていますから」
「東風谷……わかった。君をきっと迎えに行くよ。
…………その時は…」
「そこまでは言わないでください。それはその時に聞きたいです」
「…わかった。それじゃあ、その時までとっておく。」
そうやって、俺たちの会話は終了するのだった。
あいつは出てこないと……
フラグ回挟んだら出番が消えてました
また次回に期待!
それでは