その出会いは奇跡のようなものでした。【完結】 作: 白黒魂粉
守矢神社近くのアパートから俺の自宅までは場所が真逆ということもあってか、それなりの距離がある。
自転車で全力を出しても15分くらいはかかるだろう。
しかし、指定されたのはあの家ではなかったのだ。
桜田優成という男に指定されていた場所は……
その場所に到着した時、そこには二人の人物がいた。
一人はこちらを観察する様に眺める男と、気を失っているのか
壁にもたれて動かない女性。
「おっ?その息のキレ具合からして、お前が優也だな?」
男かそう口を開いた。
10年も塀の中にいたせいか、どこか清潔感の無いその男の声は
幼少期の俺の記憶にこびり付いた酷く気分を害するような声だった。
「……そうだ、美咲さんを…離せよ……」
「馬鹿か?そんなことするわけないだろ。」
な…………こいつ…自分の子供のことも平気で使うのか……?!
「おい、俺が10年前サツに捕まった時のこと覚えてるよな?」
「…………?」
「あの時俺がお前に言ったこと……それを果たすために来てやったんだぜ……」
「…どういうことだ……」
「そうだな……まぁ手始めに……あの神社のガキから殺すことにするよ
あのガキの事が好きなんだろ?目の前で綺麗に殺してやるからな」
なんてことを楽しそうに俺に話す。
恐怖する……こいつはやってしまう。ターゲットが東風谷に向いてしまった……俺の責任だ……俺が東風谷のことを思ってしまったばかりに彼女を危険に晒してしまう……!
それだけは……
「……させるか……」
「あ……?なんだよ」
「そんなことさせるかって言ってんだよーーー!!」
俺は優成に襲いかかるように奇襲をかける。
戦闘技術なんて俺にはない。
だからこそできることは意表をついての一撃にかけるしかない……!
俺は握りしめた拳を奴のみぞおちに突き出した。
ドスン…と重々しい音がなり…奴は膝をつく。
「……つっ…!てめぇ……やってくれるじゃねぇか……!」
優成が人間とは思えないような形相でこちらを睨む。
「東風谷に手を出してみろ……俺がお前を殺してやる……」
とりあえずは美咲さんのが心配だ…
俺は優成から離れ、横たわる美咲さんの元へと駆け寄った。
「美咲さん…!しっかりしてくれ……!!」
肩を持ちそう呼びかける。
何かされていなければいいのだが……
すると美咲さんが目をゆっくりと開けた
「ん……、、、ってあれ?優也……?ってここは?」
「良かった……無事だったんだね」
「あっ……!そうだ……!父さんが!」
「それなら暫くは動けないはずだ。さぁ、早く警察の元へ行こう!」
そう言って美咲さんを起こして、俺は近くの交番へと向かって歩き出す。
すると後ろから
「ハハハッ馬鹿が……美咲は俺よりも狂ってるってことを知らねぇのかよ……」
なんてことを優成が呟いたように聞こえた。
それとほぼ同時に
「警察はいいかな。私は可愛い弟と一緒に居たいだけだから」
という声と同時に何か電気を走らせるような音がした。
「えっーーー……?!」
背中に激痛が走った。
後ろを振り向くと、そこに見えたのはスタンガンを俺に向けて使っている美咲さんの姿だった……
なん……で…
そんなことを思いながら、俺の意識はフェードアウトして行った……
はい。急展開ね
今まで全く出番のなかった美咲さんが遂に動き出した…!
次回に続く