その出会いは奇跡のようなものでした。【完結】 作: 白黒魂粉
桜田の家から逃げ出して2日が経った……その間桜田の人達が守矢神社にやってくるということはなかった。
「先輩…」
先輩はあれから直ぐに神社に戻り、彼を眠らせている。
それから彼の意識が戻った様子は無かった。
加奈子様が私の様子を確認に来た。
「彼の様子は?」
「まだ目覚めていないようです…それにいつ目覚めるかも……」
「そうか……分かった。早苗も調子には気を付けてくれ」
「分かりました、それでは……」
「?どこか行くのか…?」
「はい。少しそこまで……」
そう言って私は神社を出る。
何処に行けばいいか……そんなことは私にも分からない。
何をすれば先輩の目が覚めるかも分からない。
歩いて歩いて歩いて…………気が付けば森の方に来ていた。
「……随分遠くまで来てしまってしまいました…」
「それにここは……」
見覚えのあるような気がする……、そんなことを思った。
「あら……貴方……?どうしてこんな所にいるのかしら……?」
森の中を進むと、見慣れない女性と目が合った。
なぜこんな所に……と思うのだが…
「…少し……悩み事が…」
何故かその時は彼女の言葉に返答してしまった。
「へぇ……そうなのね…」
そう言いながら彼女はこちらにゆっくりと歩み寄って来て
「良かったら私に聞かせてくれないかしら」
と尋ねてきた。
「……言ってみれば何か糸口が見つかるかも……でしょ?」
確かにそうかもしれない…
「そうですね……でしたらお話してもいいですか?」
それから私は彼女にこれまでのことを話した。
女性は私の言葉に頷きながら応答してくれた…。
「ーーーと、そこまでが私が経験したことです」
「…へぇ…それは大変だったわね……お疲れ様…と言いたい所なんだけど……」
まだ終わってない。
先輩の目はまだ覚めていないから…
「先輩はまだ……」
「そうよね…私はその彼のことが聞いただけでどんな状態なのか分からないけど…」
それでもね…
とひとこと付け足して彼女は
「君が彼のことを思い続けていれば…きっといつか……その彼は目を覚ますと思う……確信は無いんだけどね…」
と、そう微笑みながらそういった。
私も微笑み返しながら
「そうなれば……いいんですけどね…」
「えぇ…きっとそうなるわよ…貴女は自分を信じて彼のことを見守ってあげて」
「そうですよね…分かりました…!」
何も出来ない…そういう訳ではないと彼女は教えてくれた。
ならやることは決められた…
「私、戻ります」
「えぇ、きっとそれがいいと思うわ。……早く彼の元へ行ってあげて」
「分かりました。それでは……」
そう言ってわたしは先輩の元へ向かう為森を歩き始める。
やるべき事は彼を信じるだけなのだから…!
◇
「…どうだった諏訪子?あれから様子は」
「変わらない様だったよ。でも目は暫く覚まさないと思う。」
……だとすると困ったことになる。
彼が意識を戻さないとなると私たちが結界を越えるのに支障がでるかもしれない。
「それなら…もういっその事………」
「加奈子?まさか……」
諏訪子は私の目論みに気がついたのか驚いた様な様子でこちらを見ている。
「いや、最終的に決めるのは早苗に任せよう。……少なくとも今年…
いやこの夏の間には…私達はこの世界を去らなければ行けないのだから…残りの時間であの子に決めてもらおう…」
そろそろ終わりが見えてきてる。
ではまた次回もお楽しみに