その出会いは奇跡のようなものでした。【完結】 作: 白黒魂粉
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「それでもそれは……!」
諏訪子は加奈子のその考えに食いついた。
その選択を早苗に迫ったとして、この少年が本当にその結末を受け入れられるのか…ましてやこの世界から存在を消すことを許してくれるのか……そんな考えが頭をよぎったからである。
それにそんな決断を早苗にさせるということは、いざとなっては彼女を傷つけしまうかもしれない…
二人が両思いなのは知っている…
それでも……パニックにはなると思った。
突然これまでの日常が激変してしまえば、それに直ぐ対応しろなんてことは出来ない。
「…私が決めても、諏訪子が決めても…結果は同じだよ。
だったら……もう当事者達に委ねよう。」
「……分かった…それが最善の行為なら…それでいこう。」
そうとなれば、二柱の神々はただ当事者である早苗を待つだけであった……。
◇
「……という訳だ。」
あれから数時間後に戻ってきた早苗に加奈子はそう伝えた。
早苗の表情はやはり暗い。
「少し……時間を下さい…」
先程決心したことも、環境が変わるということを踏まえるとその心は揺らいでしまう。
「……先輩…私はどうすれば……」
気を病むとふと暗い思想に心を蝕まれる……
どうして彼にだけこんな事が押し寄せるのだろうか。
彼が一体何をしたの言うんだろうか。
何もしてない筈なのに……彼は巻き込まれただけなのに……
「おかしいですよ…こんなの……」
それでも私は……守矢の巫女としての務めを果たさなければならないという役目がある。
結界を越えるというのはもう以前から決定されていた話だ。
なら……いっそ………………
いいのかも…しれない……私のわがままで先輩を…あっちの世界へ…
私と一緒に………………
渇いた薄ら笑いがその部屋で響いていた。
◇
「…加奈子様、私は先輩を幻想郷に連れて行きます。」
「…!そうか。なら……そうしよう。私達も彼が目を覚ます為に色々と手は施してみるからな」
「ありがとうございます。加奈子様、諏訪子様」
ニコリと2人に微笑む早苗。
どこかふっ切れたような感じもするが、これまで通り…今日も彼女は
いつものように神社の手入れをする。
幻想入までの時間はもう少ない…。
神としての力が薄い2神ではもう引き伸ばすことは難しいのだ。
それは早苗も然り。覚醒したはいいが、それに見合った実力や経験がない為、自身の意思でその神としての力を行使することは出来ない。
それにその力を…神としての力を得たことに早苗はまだ気が付いていなかった。
「……なあ、諏訪子。もしかしてなんだが」
「…何か分かったの?加奈子」
彼の額に手を当てて加奈子はあることに気がついた。
そう、彼の熱がないのだ。
感じ取ることが出来なくなっていた。
霊体……という訳ではなかった。
そして加奈子はそのことを諏訪子に説明する。
「今、この子が目覚めない理由はもしかしたら……………かもしれない」
「……!?そんなことが…前例は無いが……いや…それでも……」
それを聞いた諏訪子は困惑した様子でマジマジと桜田の方を眺める。
そしてこの言葉を繋げた…
「人が……神の力を授かるなんてことは…………ありえるのか…?!」
次回に続きます