その出会いは奇跡のようなものでした。【完結】 作: 白黒魂粉
なんか色々ありました。
おくれてごめんね
……現実での意識は…………多分無い
夢を見ている……そんな感覚だった。
それでも夢の景色……ってな感じはなくて、それでいてどこか…水の中をただ浮かんでいるような……そんな感覚だった。
「ーーーーーーー…。」
声はでなかった。
それもそうか。
そんな解釈をして、また現実と空想の境界を揺らめくようにしながら
俺は時間を使っていった…。
……それからどれくらいか時間がたった。
身体の痛みはもう殆どない……そう思えた。
それでも…身体を自由に動かそうとすることだけは……出来なかった。
藻掻くことも出来ないので、俺は考えることを放棄した。
「ーーーー!ーーーー!!」
俺以外の声が聞こえる。
遠すぎて聞こえないが…それでも……この声はーー
東風谷…?
東風谷なのか?
その時、動かそうとしても動かなかった体が動いた。
「……!なんで俺は今まで……!!」
そうだ。俺はあそこで倒れて……それから……!!
『彼女に助けて貰ったんだ。俺の……いや、今は俺たちの主にな』
俺のすぐ側から聞き覚えのある声がした。
「……?!誰だ君は……?いや、なんだその姿は……」
俺は……鏡でも見ているのか…それほどまでに俺と酷似した顔の男が
俺の目の前に佇んで、俺の方を見ながら微笑んでいた。
『俺?一言で表すならお前だ。桜田優也…お前自身だよ』
「意味が分からない。そんなことを聞いてるんじゃない」
『……まぁこれで分かるって言われたらそれはそれで嫌だから良いけどさ。 それでもお前は、俺が何か言っても信じてはくれない…なら……
』
そう言いながら男は此方へ手を向ける
「何を……?!」
『簡単な話じゃないか、お前にこれまでの事と…それからこれから起きることを簡潔にその頭に流し込んでやるのさ。』
「どういう事だ…?!言ってる意味がさっぱりーーー」
『そんな言い合いするよりもこっちのが直ぐなんだよ。
黙って記憶観賞してろ』
そうして男の手からは信じられないほどの光が発生した。
「眩……!?何も……見えな……」
いや、違う……何か見える……
光の中から……何かが……アレは…………
「東風谷……?」
◇
「……え?先輩が……ですか?」
加奈子にそう言われた早苗はそんな言葉をこぼす。
「あぁ、これが今一番わかりやすくて、一番しっかりとした理由のある
説だ。」
「だとしたら……先輩はどうなるんですか……」
「いつかは目を覚ますかもしれない……でも、もしかすればこのまま人の寿命を迎えて死んでしまうかもしれない。」
そんな……
「じゃあ。先輩はずっと寝たきりなんですか?」
「確証はないから断言はしない…けどその確率はきっと高い。」
「でも、向こうに行ってからでも時間はある……!彼のことは…」
「その事なんですけど…………」
昨日決めたこと。
先輩は幻想郷に連れていく。
でも……………………
「私はここに先輩を遺します。……この世界に」
それは……その決断を行動に移すまでは……出来なかった。
「そうか…分かった。ならそうしよう」
「でも……どうすればいいですかね」
「まぁそこは考えていこう。彼の身の安全は何より大切なことだからな」
そう言って加奈子は早苗の元を離れた。
早苗は桜田の元へ向かい、彼の名前を呼んだ。
「先輩……そろそろ…起きてください……お願いです……」
次回、本当の桜田の過去!!
お楽しみに