その出会いは奇跡のようなものでした。【完結】   作: 白黒魂粉

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皆様お久しぶりです。
クリスマス特別編です。


ー番外ー 聖夜の一日

「優也くん、今日は留守を頼まれてくれませんか?」

 

「別に構わないけど……何かあるのか?」

 

幻想郷に来てから数年たったある日、珍しく早苗からそんなことを言われた。こういうことを言われる時は今まである程度あったので了承した。

 

「まぁ…ちょっと女子会というか……霊夢さん達と一緒に買い物に出かけるので……それで暫く留守をお願いしたいんです」

 

「そういう事か。分かった、それなら神社のことは俺に任せておいてくれ」

 

「ありがとう!それじゃあ行ってきますね!」

 

そうして早苗は神社を飛んでいった。残された俺は神社の掃除等を進める。

 

「それにしても……」

 

ここの幻想郷という場所は本当に向こうの世界とは常識がかけ離れている。

人が自分の力だけで空を飛ぶなんてことは御伽噺の類いだと思っていたのに……早苗はここに来た時にはもう飛べていたが…

 

それに弾幕ごっこもだ。あれだけの密度の弾を作り出して生身で戦うなんてことは向こうの戦争ではぜったいに行わなかっただろう。

 

それらを含めて、俺はここの世界の異常を正常なのだと受け入れる。それがこの狭い(らしい)幻想郷での賢い生き方なのだと、早苗から言われた。

 

「あれ?早苗はどうしたんだい?」

 

「神奈子様。早苗は霊夢たちと女子会へ出かけましたよ。」

 

「あぁーそういえばそんなこと言ってたねぇ。優也、あんたはどうしてるんだい?」

 

「留守を任されたのでここで待ってるですよ。」

 

「律儀だね〜まぁ、掃除してくれているようだから助かるよ。ありがとうね」

 

「気にしないでください。」

 

箒で落ち葉を集めていく。自然が豊かな立地にある神社はまさかの山のてっぺんに建てられていたのだから驚きものだ。

整備されていたとは言え、この山を登りきったあの時の俺は凄いと思う。今ではそこから階段を使わなくても、ベルトコンベアが作られているので安全に下へ降りることができる。

 

「俺がこっちに来た時よりも発展したよな〜」

 

なんて昔のことを思い懐かしむ。そうこうしてたら何人か参拝客が訪れてきていた。中には妖怪と思われるものもいる。

博麗神社程とは言わないがここの神社にも妖怪がやってくる。立地が立地なのでそれ自体は特になんともないし歓迎するのだが、神社としてそれは頼むどうなのだろうとたまに思うところもあった。

 

 

「あ、優也!」

 

参拝客の中にいたチルノが俺の元に駆け寄ってきた。

 

「いらっしゃい。どうしたんだ?」

 

「知ってるか?今日はクリスマスって言ってプレゼントを貰える日なんだぞ!」

 

あ、だから早苗は霊夢たちと女子会って言っていたのか。なるほどな…

というか幻想郷にクリスマスっていうイベントがあること自体、俺は知らなかったな。

 

「クリスマス?ここでもやってたんだ。」

 

「今年から始まったんだー!だからいつも世話になってる優也にもこれあげる!」

 

そう言って彼女から氷柄のバッジを手渡された。

 

「ありがとう。大事にするよ」

 

「うん!じゃあな〜!」

 

そう言ってチルノも出ていき、俺はまたたそがれるのを続けることにした。

 

 

「というか…俺何も用意してなかったな…」

 

人里で何か買いに行くか?でもここを留守にするのもよくないし……

うーむ…どうしようか…

 

「あれ?早苗は出かけたの?」

 

「諏訪子様…そうですね。霊夢たちの所へ行っちゃいましたよ。」

「ふーん…まぁいいか。はいコレ」

 

「なんです?これ」

 

渡された札のような物を見つめる。何やら術式が施されている感じだ。

 

「それを持っていたら数分間は空を飛べる。」

 

「本当ですか?」

 

「あぁ!私が術を入れたんだ。妖怪に襲われることがあったらそれをかざしてしまえば封印札にもなる。」

 

とんでもなく凄いものを受け取ってしまった…俺からも何か渡せるものは……

 

「お返しとかは考えなくていいんだよ。優也には沢山欲しいものを貰ってるから!私からのクリスマスプレゼント。」

 

「でも……いや…ありがとうございます。大切にします」

 

こういう時は素直に受け取っておこう…。大切な家族からの贈り物だしな。

 

「早苗が帰ってきたらよろしく頼むよ?」

 

「あ、はい。」

 

 

諏訪子様もどこかへ行ったのか気配がしなくなり、そろそろ夕暮れ時になっていた。

神社の掃除はかなり捗り、あらかた掃除も済んだ。これで新年を迎える準備のひとつは終わったと言えるだろう。

やりきったと額の汗を拭っていると、そこに早苗が帰ってきた。

 

「優也くん!ただいま帰りました!」

 

「あ、おかえり。どうだった?」

 

「すごく楽しかったです!それと……ちょっとこっちに来てもらっていいですか?」

 

そう言われて早苗の方に着いていく。境内の階段の方まで歩いて、下を見ると、そこには山の天狗やカッパのみんながいた。

 

「今日はクリスマスですから…みんなでパーティでもと思って。」

 

「なるほど。いいアイデアだ」

 

こんなに大勢で行うクリスマスは生まれて初めてだ。

酒を飲みながら、色んな妖怪たちと話しながら時間を過ごした。

 

「優也くん、少しいいですか?」

 

「どうした?」

 

「これ。受け取ってくれませんか?」

 

「これは?」

 

「私の能力が込められているんです。きっと役にたつかと思います。」

 

「ありがとう。大事にするよ」

 

渡された髪飾りを頭に付ける。

最近の髪が長くてなっていたので、かなり助かったと言える。

 

「俺から渡すものがないんだけど…」

 

「いいんですよ。だって今日は私が留守を頼んだんですから。」

 

「そうか。じゃあ有難くもらっておくよ。それじゃあ戻ろうか」

 

「待ってください。」

 

「え?」

 

「もう少し……ここに居たいです。……クリスマスですし…」

 

「それもそうだな。」

 

そうして俺たちは幸せに過ごしている。クリスマスにこうして過ごせるのは過去の出来事があったからだろう。

早苗と出会ってなければ、俺は間違いなくここの世界には来ていなかった。だから…俺は……

 

「早苗、俺を選んでくれて……ありがとう」

 

「こちらこそ、ありがとうございます。」

 

 




クリスマス間に合いませんでした!!ごめん!

番外編ですが見てくれた方は本当にありがとう!!

番外編としてその後の二人の姿が見たい?

  • イエス
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