その出会いは奇跡のようなものでした。【完結】 作: 白黒魂粉
桜田優也青年の過去の話です
「優也くん!優也くん!」
何だ………誰かに声をかけられて、俺は目を覚ました。
ここはどこなんだ…と周囲を見渡すと、そこはいつか見た事のある施設だった。
俺の前には緑の髪色をした少女がそこにいた。
「君は……ここはどこ…?」
目を覚ましたばかりで頭がぐらぐらしていたのだが、俺は少女にそう聞いた。
少女はキョトンとした顔で
「?どうしたの?ここは〇〇園でしょ?」
……あぁ、そうだった。
両親が共働きだったから俺はいつもこの施設の世話になっていたんだっけ。
「そういえば君は?」
俺は彼女にそう尋ねる。
彼女はムッとした顔で俺の顔にずいっと顔を近づけて
「いつも言ってるでしょ?私は早苗!そろそろ覚えてよ!」
「あ、あぁ〜ごめんね。早苗ちゃん。」
そうだったそうだった。
この子とは毎日会ってるのになんで忘れてしまうんだろうか…?
「優也くーん??お母さんお迎えきたよー?」
「あ!先生呼んでるよ!いこ!」
俺は早苗ちゃんに手を引かれて先生の場所へと向かった。
「先生ー!」
「あら、早苗ちゃん。優也くん連れてきてくれたの?」
「うん!あっちでお昼ねしてたんだよ!」
「あら、ありがとうねぇ。」
そんな会話をする2人を見ながら、俺は母親に話しかけられる。
「それではそろそろ…早苗さんもありがとうね。また明日」
「うん!それじゃあね、優也くん」
「あ、うん。またね」
そう言って母親の車に乗り、俺は家に帰った。
帰り道、母親がこう言った。
「そうだ。あんた、明日引越すから」
「……わかった。」
俺の母親は突然こんなことを言いだすのだ。
これまでに苗字は3度変わっている。
次の苗字はどうやら桜田というらしい……。
それと同時に、兄弟も増えると母親に伝えられている。
虚ろな目で、俺はこの人に何とも思われていないんだと感じ、それでも棄てられることのないように俺はただただこの人の言いなりの人形になる他なかった。
次の日から、俺はその施設元いその街からも去ることとなったのだ。
◇
「……あ」
目が覚めた…。時計は7時を指していてそろそろ起きなければいけない時間だった。
夢か……今のはいつの記憶だったっけ?
そんなこと思いながら通学の支度をする。
支度をして朝食の準備をしていたら、リビングにある声が響いた。
「あ、優也おはよう。」
寝間着の姿で寝癖のついた髪を整えながら声をかけてきた人物は俺の
兄弟である姉の美咲だった。
「おはよう、美咲さん。」
「……いつも言ってるよね?お姉ちゃんって言って?」
「もうそんな歳じゃないでしょ…ご飯は出来てるから早く食べよ」
そう言って食卓に並べた料理を食べ始める。
食事の途中には会話は殆どない。俺も、美咲さんもただ無言で用意した料理を食べていた。
すると静寂を割くように美咲さんはこちらに話しかけてきた。
「そういえば……最近帰り遅いよね?どこ行ってるの?」
「え……別に…ただ学校で居残りして勉強してるだけだよ。」
「ふーん…ま、母さんとかとすれ違わないように気をつけるのよ。あの人、最近夜にまた出歩いているらしいから」
「わかった。気を付けるよ。……それじゃあ俺はそろそろ行くね」
そう言って俺は食器をシンクに置きバッグを持ちあげる。
時刻は8時前…授業開始の数分前には教室に入っておきたい性なので、俺は早足に自転車に跨り、ペダルを漕ぎ始めた。
母さんか…………あれから数年過ぎて、母は俺に話しかけることも無くなり、ただ同じ家に住んでいるだけの関係になった。
元々俺に対する態度も冷めていて俺には愛情もないのを感じていたので
特に思うこともなかったのだ。
何をしているのかは分からないけど…俺には関係の無い話か…
そう考えながら俺は片道30分で高校に向かうのだった。
早苗出てこないっていうね。
&新キャラです。
あまり重要なキャラではないです