ハイスクールD×D~転移の白 転生の赤~   作:新太朗

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一人目の眷属

 一誠は晴れやかな気分で目が覚めた。横を見てみると全裸の黒歌が居た。一誠と黒歌は昨夜、男女の関係になった。

 黒歌は自分の涙を受け止めた一誠に心を許した。彼なら許せると思ったのだろう。そこからは一誠のターンだった。

 黒歌をベッドに運んで朝日が昇る少し前まで獣ごとく求め合っていた。その際の一誠の目はギラツいていたのは言うまでもない。

 

「こ、腰が痛いにゃ……」

「いや~俺も久しぶりでやり過ぎてしまったよ」

「イッセーはどうしてここまで女の子の扱いに慣れているにゃ?」

「知りたいか?」

 

 一誠は意味ありげな笑みをしていた。それを見た黒歌は首を左右にブンブンと勢いよく振った。一誠の表情に聞かない方がいいだろうと黒歌の判断だ。

 

「それじゃそろそろ黒歌の怒涛の人生でも聞かせてくれるか?」

「知りたいのかにゃ?」

「それなりに興味があるからな」

「それじゃ話すにゃ……」

 

 そこから黒歌は一誠に転生悪魔になってからはぐれ悪魔になって、今日までの話を始めた。両親を早くに亡くし、幼い妹と誰にも頼れない生活を強いられていた事やクズの悪魔の元主人の話など包み隠さずに黒歌は一誠に聞かせた。

 

「なるほどな……後ろ盾にした組織を間違えたかな」

「どういう意味にゃ?」

「実は俺は魔王の部下になったんだわ」

「……マジかにゃ!?」

「マジだ。それにしても悪魔ってのは文字通りで最悪だな!」

 

 一誠は今さらながら少し後悔していた。サーゼクス、リアス、ライザーを基準に悪魔という種族を品定めした一誠はどうしたものかと悩んでいた。

 今から部下になるの取り止めなんて言えるはずもない。ここで止めるなら自分の美学に反する行動になってしまうからだ。

 

「はぁ……我慢するしかないか」

「そうるすしかないにゃ」

「黒歌。お前、俺の眷属になる気はないか?」

「……いいのかにゃ?はぐれ悪魔なんだよ……」

「だから?俺には些細な事だ」

 

 一誠にとって女性の過去など興味はない。あるのは今と未来だけだ。

 

(黒歌って結構強いよな……)

 

 一誠は黒歌の氣を感じて強さを測って、強い事を知っていた。彼女のレベルならグレモリー眷属を全員相手するのに問題くらいレベルだ。

 だからこそ一誠は絶対に彼女を眷属にしたかった。だが、別の理由もあった。

 

(俺好みの身体をしているんだよな)

 

 黒歌の大きな胸、ホッソリとした腰、安産型の尻と一誠の理想としている女性の体型をしていた。だからこそ一誠は黒歌を眷属に誘ったのだ。

 

「でもはぐれを眷属には出来ないにゃ……」

「その辺りはサーゼクスさんにでも相談してみるかな……」

 

 一誠はスマホである番号へと掛けた。数回コールしたのち、相手が電話に出た。

 

 

 

▲▲▲

 

 

 

 サーゼクスは目の前の大量の書類に顔を埋めていた。一誠との話し合いから帰ってきてから片付けなければならない書類が山のようにあった。

 徹夜で何とか必要書類に目を通し終わった所だった。終わった所に眷属の女王であるグレイフィアがコーヒーを持って現れた。

 

「お疲れ様です。サーゼクス様」

「ああ……本当に疲れたよ。しばらくは書類は見たくないよぉ……」

「サーゼクス様。スマホが鳴っていますが」

「あ、ああ。これの番号はイッセー君か。もしもし?」

 

 サーゼクスは焼き肉屋の帰り際に一誠と連絡先を交換していた。まさか昨日の今日に掛かってくるとは思いもしかったが。

 

『どうも。サーゼクスさん』

「さん?」

『いや~一応、俺の上司なので呼び捨ては不味いかなって思って。でも様付けするほど関係でもないと思って』

「なるほど。こちらはそれで構わないさ。それでどうしたんだい?こんな朝早くに?」

『一人目の眷属が決まってな』

「もうかい!?」

 

 サーゼクスは一誠の眷属決めの速さに驚いた。しかしまだ『悪魔の駒』は渡していない。だから電話をしてきたのだろう。

 もうしかしたら優秀な人材で他の眷属にしたくないのだろうとサーゼクスは考えた。

 

「それで名前はなんだい?」

『黒歌だ』

「……済まない。確認なんだけど、その黒歌は妖怪かい?」

『ああ、猫の半妖だけど?』

 

 一誠からの返答にサーゼクスは頭を抱えた。その人物ならよく知っている。妹リアスの眷属の一人、塔上小猫―――白音の姉だ。

 主殺しのSS級のはぐれ悪魔だ。これまで何度も討伐を試みた悪魔が居たが、尽く失敗に終わっている。

 そんな彼女を一誠は眷属にしようとしているのだ。

 

「どうして彼女なんだい?」

『それが話を聞くと黒歌だけが悪いとは思えないんだわ』

「それはどういう意味だい?」

『それは……』

 

 サーゼクスは一誠から黒歌の話を聞いて、さらに頭を抱えた。眷属にしたはいいが、そこからのエスカレートする命令。

 まるで奴隷のような扱いに身内を人質に取った脅迫。こんな事をするために『悪魔の駒』を作った訳ではない。

 サーゼクスは自分が悪魔に産まれた事を酷く後悔していた。

 

「……分かった。彼女のはぐれ解除を進めておくよ」

『いや、当分ははぐれのままでいい』

「どうしてだい?君としてもはぐれではない方がいいのではないかい?」

 

 サーゼクスは黒歌の話を聞いて、彼女のはぐれ解除を進めようとしていたが、一誠に止められた。

 サーゼクスとしても主を殺したとはいえ、主の悪魔が全面的に悪いのでせめてもの罪滅ぼしとしていたのに。

 

『黒歌は今、あるテロ組織に身を置いている。もう少し情報を集めておきたいんだ。そのためには「はぐれ」の方が動きやすい』

「あるテロ組織?それは……」

『何でも無限の龍神がトップなんだと』

「オーフィスが!?」

 

 サーゼクスはテロリストのトップがまさかの『無限の龍神』である事に驚きが隠せなかった。

 何故なら世界最強の龍族だからだ。神ですら手を出すのを躊躇させる相手だ。そんな龍神がテロリストになっていたなんて、酷い悪夢もあったものだ。

 

『他にも人間、悪魔、天使、堕天使と色々と混ざった組織らしい』

「悪魔はおろか天使に堕天使までも……」

『派閥で別れているんだけど、関わっている悪魔の情報は詳しい方がいいだろ?黒歌の罪を軽くするのにもってこいだ』

「なるほど……分かった。詳しい情報が分かったこちらに回してくれ」

『了解』

 

 サーゼクスはスマホを置くと椅子の背もたれに体重を掛けた。漸く問題が解決したと思ったら次の問題がやってきた。

 本当なら投げ出したい。だが、『ルシファー』を名乗っているからにはそんな事は許されない。なら出来るだけ早く問題を解決するだけだ。

 

「サーゼクス様。一度、屋敷に戻られては?」

「そうだね……少し休んで朝食にしよう」

「はい。では、そのように」

 

 サーゼクスはグレイフィアと共に執務室を後にした。グレモリー家の屋敷で休憩と朝食を済ませたら、一誠から聞いた事を精査しなければならない。

 だが魔王とて、生きている。ならば休息は必要だ。より効率よく仕事をするには。

 

「グレイフィア。ライザー君を人間界への移送は?」

「はい。フェニックス卿からも了承を貰っております」

「そうか。出来れば、明日辺りがいいんだけど……」

「はい。問題ありません。むしろ早い方がよろしいかと」

 

 ライザーを一誠に魔力の流れを元に戻させる。そうすれば、フェニックスの不死は問題なく発動して、傷を癒すはずだ。

 

(問題はメンタルか……)

 

 例え魔力の流れが戻っても精神面がボロボロではフェニックスの不死は意味を成さない。これが一番の問題だろう。

 この事に関して、サーゼクスは妹リアスの再教育を検討していた。これ以上、グレモリー家の名に泥を塗らないためにも。

 

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