ハイスクールD×D~転移の白 転生の赤~   作:新太朗

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初の二話連続更新です!

ですので、一話戻ってください。




外道勇者と奪われた聖剣

 冥界のある貴族の屋敷の庭で一人の少女が庭を見ながら紅茶を飲んでいた。表情は重く、ため息を時おり漏らしていた。

 そんな少女に初老の悪魔執事が近づいてきた。

 

「お嬢様。そろそろお部屋にお戻りになられては?」

「もう少しここに居させて……」

「ご当主様に言われた事で悩んでいるのですか?」

「それはそうよ。フェニックス家と縁談を絶対に成功させろとか無理よ!!」

 

 彼女は今朝、父親である当主にフェニックス家との縁談の話を成功させろと言われた。相手はフェニックス家の三男、ライザーだ。

 最近、グレモリー家のリアスとの婚姻が白紙になったばかりだ。しかも詳しい破談内容が伏せられていた。

 

(絶対に赤龍帝が関係していますわ……)

 

 内容が伏せられていようと想像する事は簡単だ。リアスの眷属には伝説の赤き龍の魂を封印した『神滅具』を持った転生悪魔が居る。

 破談内容が伏せられた事から公開する事の出来ない事から知られれば、悪魔にとって不都合な事があると言う事だ。

 グレモリー家のリアスは『我が儘姫』として有名だ。なんせ、現魔王の妹なのだから。しかもグレモリー家の次期当主だ。

 両親からたっぷり甘やかされた事だろう。だからこその不名誉な二つ名だ。

 

「縁談と言っても当のライザー氏は部屋から出てこない事じゃない」

「はい。レーティングゲームも全て棄権したとかで……」

「余程、赤龍帝に負けたのが堪えたのね」

「挫折を知らない者が一度、折れた心を直すのは至難な事ですから」

「そんな情けない男と結婚だとか嫌になるわ……」

 

 彼女の理想としてはライザーの顔は好みだった。しかし一度負けたくらいで部屋に引き篭もるような軟弱な精神の持ち主では話にならない。

 だが、当主の父の命令は絶対だ。ここでフェニックス家と縁を結ぶ事が出来れば、傾いた一族の復興も夢ではない。

 だからこそこの縁談は絶対に成功しなければならないプレッシャーが彼女を襲っていた。

 その時だった。空から『何か』が落ちてきた。

 

「きゃぁ!?な、何!?」

「お嬢様!御下がりを!!」

「あ、あれは……?」

「まさか……人間か?」

 

 空から降ってきたのは何と鎧を着た若い男の人間だった。ピクリとも動かない。執事がそっと確認してみると死んでいた。

 

「死んでおります」

「そう……でもどうやって人間が冥界の空から降ってくるのかしら?」

「それは……分かりません。それとこの人間、死んで間もないです」

「そうなの?だったら……」

「お嬢様、まさか!?」

 

 彼女が懐から取り出したのは『悪魔の駒』の騎士だ。鎧の男の上に置いてみたが、何も起こらなかった。

 なら、と彼女はもう一つの騎士の駒を置いた。すると反応が起こった。駒は鎧の男の中に消えて行った。

 

「まさかナイトの駒を二つも消費するなんて、掘り出し物ね」

「しかし目を覚ましませんね」

「彼をベッドに運んでちょうだい」

「承知しました」

 

 執事は鎧の男を抱えて、屋敷に戻った。しかし彼女はとんでもない男を悪魔に転生させてしまった。

 鎧の男が目を覚まして一時間もしない内に屋敷は地獄とかした。部屋や廊下は血で真っ赤に染まっていた。

 

「こ、こんなことをして、どういうつもりなの?」

「だって、悪魔だなんて害虫は駆除しなくてはならないでしょ?」

「この、外道……!!」

「悪魔風情に言われたくはないですね」

「ま、魔王様がきっとお前なんかを―――」

 

 彼女は最後まで言葉を発する事無く絶命した。鎧の男の持っている剣で首を斬られたからだ。男は自信満々の顔をしていた。

 

「魔王なら都合がいい。何故なら僕は勇者なのだから」

 

 異変を感じた悪魔たちが屋敷を訪れた時にはすでに生きている者はいなかった。そして新たな転生悪魔が指名手配になった。

 名を『鮮血のフィル・バーネット』だ。

 

 

▲▲▲

 

 

 この日、ヴァチカンでは朝か大騒ぎになっていた。何十人の聖職者が厳戒態勢を取っていたからだ。

 その理由がある物が盗まれたからだ。

 

「間違いないのか?」

「はい!エクスカリバーが盗まれました!!」

 

 聖剣エクスカリバー。伝説の聖剣でかの騎士王が持っていたとされる物だ。しかし過去にエクスカリバーは折られており、そこから錬金術で七本へと分かれた。

 しかしその内の一本は現在行方不明になっており、残りの六本を二本ずつ三箇所で保管していた。

 

「プロステタントと正教会からも一本ずつ奪われたとの事です!」

「そうか……それで奪取した者は堕天使のコカビエルで間違いないのだな?」

「はい。それとバルパー・ガリレイの姿を見た者がおります」

「何!?あの皆殺しの大司教のか!?」

「はい。間違いありません……」

 

 バルパー・ガリレイ。かつて人工的に聖剣使いを増やそうとする計画、『聖剣計画』が存在していた。彼はそこの責任者だった男だ。

 そもそもこの計画は数少ない聖剣使いを増やそうとするものだったが、バルパーが被験者から聖剣を扱うための『核』を抜き取るために殺してしまったために計画は凍結されたしまったのだ。

 

(バルパーの奴は何を考えている?)

 

 教会から追放されてから堕天使たちの組織、『神の子を見張る者』に身を置いていると聞いた事がある。教会から追放された者の辿る道は殆どがこれだ。

 だからコカビエルと一緒に居ても可笑しくはない。しかし堕天使が聖剣に興味があるとは思えなかった。

 

(なら聖剣を奪ったのだ?まさかバルパーか?)

 

 聖剣に異様な執着があった男だ。なら奪った聖剣で何かをするのは想像にするのは容易い。司教は過去にバルパーが行った計画の事を思い出し、バルパーが何をしようとしているのかが分かった。

 

(まさか、聖剣の統合が目的!?)

 

 教会に居た頃からバルパーは七つに分かれた聖剣の統合を唱えていた。しかし教会はそれを許可しなかった。

 理由は単純にヴァチカン、プロステタント、正教会の力のバランスが崩れるからだ。絶妙な力のバランスが崩れるのは誰も臨んでいない。

 それに聖剣の統合には莫大なエネルギーをしようするからだ。そんな場所なんて地上に数箇所しかない。そんな場所を教会に使わせてもらえる訳がない。

 

(待て、この状況は利用出来るのではないか?)

 

 司教はバルパーのしようとしている事を逆に利用しようと考えていた。バルパーの目的が聖剣の統合だと言う事はまだ自分しか知っていない。バルパーの使用としている事

 

「使徒イリナとゼノヴィアの二人にバルパーとコカビエルの後を追わせるのです」

「し、しかし司教様。聖剣の使い手とは言え、若い二人には無理なのでは?」

「何を言うのですか?これは主より与えられた試練なのです。見事、この試練をこなした際、二人はより使徒として高みへ行くのです」

「な、なるほど!!これは失礼しました!!」

「二人のは『破壊の聖剣』と『擬態の聖剣』を持たせるのです」

「はい。分かりました!!」

 

 司教に言われて男はすぐさま二人の下へと走った。その光景を司教は笑ってみていた。これから起こる事で自分の昇進を夢みて。

 

「バルパー。さらに材料を送ってやるのだ。しっかりやってくれ」

 

 盗まれたのは三本だ。もしここにさらに二本の聖剣が加われば五本の聖剣の統合がなる。そうなれば、どうれだけ強い聖剣になるのか分からない。

 もしかするとかつての聖剣エクスカリバーを取り戻せるかもしれない。男もまた聖剣に憧れる者の一人だった。

 しかし司教は知らない。コカビエルの向かった先に白き龍の皇帝が居る事など。

 

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