ハイスクールD×D~転移の白 転生の赤~   作:新太朗

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新年明けましておめでとうございます。

今年も頑張って更新していくので。

では、どうぞ!!


断ち切れぬ過去

 木場祐斗は教会の『聖剣計画』の有一の生き残りだ。仲間を同志たちの犠牲の上に今、生きている。リアスに拾われて明るい日常を送っていた。昔では思いもしかなった明るい生活だ。

 危険もなければ、実験もない。学校に行って授業を受けて、放課後になればオカ研の部室に集まって悪魔の依頼をこなして行く。

 そんな生活で彼は忘れていたのだ。憎き聖剣の存在を。

 

(忘れるなんて……僕はどうにかしている)

 

 剣の師匠にも復讐を忘れるように言われたが、それでも最後に見た同志たちの顔はずっと夢に見ている。

 だからこそ聖剣を砕く事で払拭しようとした。しかしそれは出来なかった。それどころか横槍を入れてきた一誠は聖剣使いの二人を簡単に退けた。

 

(あの言葉は結構、効いたな……)

 

 二人が去った後に一誠が一樹と祐斗に言った『情けない』という言葉は想像以上に祐斗の心に刺さっていた。

 ライザーとのレーティングゲームのために修行したが、披露する前に一誠に一撃で倒れた。一樹のアドバイスを元に強くなった。

 それでも一誠に勝てるイメージが浮かばなかった。それだけ一誠との実力差があると言う事だ。

 

(みんな、僕はどうすれば……)

 

 雨の降る中、上を見上げたが黒い雨雲が夜空を隠していた。まるで今の祐斗の心そのものだった。どこに向かえばいいか分からない。

 進む道すらも見失ってしまった。

 

「あれ~れ?そこに居るのはいつぞやクソ悪魔君じゃありませんか~!?」

「……フリード・セルゼン!?」

「おひ~さ!元気にしていたかな?俺様はちょー元気だったよ!」

 

 祐斗の前には堕天使レイナーレと一緒にいた白髪のはぐれ退魔師のフリード・セルゼンだった。レイナーレの事は始末を付けたが、フリードはいつの間にか消えていた。

 なので堕天使が持っているどこかの拠点に戻ったものかと思っていた。

 

「どうして君が?」

「あれれ?もしかして気になっちゃう?本当は教えちゃいけないんだけど、今サイコーに気分が教えちゃう!」

「それは……!!?」

 

 祐斗はフリードが腰に帯剣している物が何か気がついた。聖剣だ。それもイリナとゼノヴィアが追っていた奪われた聖剣だ。

 

「これが最強の聖剣のエクスカリバーちゃんだぜ!バルパーのおっさんが聖剣を扱うための核を俺様に入れてくれたから仕えるだよね~!」

「バルパー?まさか……!?」

 

 祐斗は聞き覚えのある名前に気がついた。『聖剣計画』の最高責任者の名前がバルパーだったはずだ。祐斗は『喰光剣』を作りフリードに斬りかかった。

 

「おっと!?」

「そのバルパーはどこにいる!?」

「やべっ!?」

「このっ!」

 

 祐斗はフリードへ斬りかかった。しかしフリードは避けた。何度も祐斗が斬りかかっても何度も避けた。

 

(どうして斬れない!?)

 

 ナイトの駒で転生した祐斗はスピードに関してはそれなりに自信があった。しかしそれなのにフリードには一度も当たらなかった。

 

「無駄無駄!俺様が今持っている聖剣は『天閃の聖剣』は俺様のスピードを上げてくれているんだよね!クソ悪魔のお前じゃ取られえなれないんだよ!」

「なんだと!?舐めるな!!」

 

 スピードの事で馬鹿にされた祐斗は意地になっていた。剣筋が滅茶苦茶になっており、フリードに当たる気配すらない。

 逆に祐斗がフリードの攻撃を受けて、傷だらけになっていた。

 

「はぁ……はぁ……」

「息なんて切らして、これで死ねぇ!!」

「―――ドラゴン。ショット!!」

「あぶねっ!?」

 

 祐斗に止めを刺そうとしたフリードは思わぬ方向から攻撃に身を捩って何とか避けた。判断が遅れていたら致命傷になっていただろう。

 

「あれ~れ?カズキちゃんじゃん!」

「フリード!お前なんかにちゃん付けされる筋合いはない!」

「冷た~い!」

「か、カズキ君……」

「大丈夫か木場!」

 

 フリードを攻撃したのはなんと一樹だった。それだけではない。フリードを囲むようにリアスたちが到着していた。

 

「私の眷属を傷つけた事を後悔させてあげるわ」

「これは不味いな。逃げるが勝ち!」

「待ちなさい!!」

 

 フリードは不利と思うとすぐに閃光弾を使いこの場から離脱した。すぐに追いかけようとしたが、リアスは祐斗を優先する事にし、この場に留まった。

 

「祐斗。これはどういう事なの?」

「部長……ほっといて下さい。これは僕の問題です」

「祐斗!!」

 

 フラフラになりながらもどこかへ行こうとする祐斗の進行方向を小猫が両手を広げて止めた。

 

「……祐斗先輩。いなくならないでください」

「小猫ちゃん……」

「別にお前の過去がどんなものなんて知らないけど、こんな時くらいは仲間を頼れよ」

「カズキ君……」

 

 一樹は本当は祐斗の事なんてどうでも良かった。だが、これはする必要があった。

 

(男なんてどうでもいいけど、リアスや朱乃たちの好感度を上げるのに一番いいからな!)

 

 所詮、一樹は女の事しか考えていない。自分が世界の主人公だと勘違いしているのだが、それにはまだ気がついていない。

 気がつくのはまだまだ先でその頃には彼は道を踏み外している。

 

「祐斗。貴方は私の可愛い眷属の一人なのよ?貴方は私に剣を捧げたじゃない。私の騎士として私も貴方の敵を倒すわ」

「部長……すいませんでした!僕は間違っていました。同士たちの仇を取る事に目が眩んでいました」

「そうだぜ木場。フェニックスを倒すために強くなったじゃないか!あの時は披露出来なかったけど、見せつけてやろうぜ!聖剣使いの二人や一誠の奴に!」

 

 レーティングゲームでは活躍が出来なかった一樹たち。『原作』を知っている一樹にとってライザーとのゲームは数少ない活躍出来る場であった。

 それを台無しにした一誠を超えるために『原作知識』を最大限活用してレーティングゲーム後、修行を重ねた。全ては一誠を倒すために。

 

(原作に無い事ばかりして、邪魔なんだよな。今回の事件を利用出来れば、一誠を始末出来るんじゃないか?)

 

 コガビエルが関わっている今回の事件。一番の問題は白龍皇の存在だった。しかし今代は一誠だ。コガビエルに一誠をぶつければ、共倒れもしくは一誠が負ける可能性すらある。一樹は笑みをリアスたちから隠した。

 今の表情を見られる訳にはいかなかったからだ。

 

(よしよし!いいぞ。味方と敵を誘導してぶつけて、最後は俺が全部掻っ攫う!!完璧じゃないか!!)

 

 一樹は頭の中でこれからの計画を練っていた。そして結末まで完璧と言える計画を完成させた。

 

「祐斗。まずは身体を休めてからこれからの事を話し合いましょう」

「はい部長。カズキ君もごめん。頼らせてくれるかい?」

「ふん。貸し一つだからな!」

「ああ。もちろん必ず返すよ」

 

 リアスたちは一度、一樹の家に向かう事にした。身体を休めた後、これからの事を話して対策を立てるつもりなのだ。

 その際に一樹は言葉巧みにリアスたちを誘導して、一誠とコガビエルをぶつけるようにした。

 しかし一樹たちはまだ気がついていない。冥界からやってきた、はぐれ悪魔のフィル・バーネットとコガビエルが接触した事に。

 一誠の実力がすでに一樹の予想を大いに超えている事に。この時の一樹たちは知る由も無い。

 

「さて、話し合いはこれくらいでお風呂にしまよう。カズキ、一緒に入りましょう」

「部長ズルいですよ。カズキ君、私とも一緒に入りましょう」

「お、お二人ともズルいです!私もカズキさんと一緒に入ります」

 

 リアス、朱乃、アーシアは一樹と一緒に風呂に入るのは誰か決める戦いを始めるのだった。勝利したのはリアスだった。

 

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