今回前半は食蜂視点後半は上条視点となっております
「さて、すべての記憶の知識への変換作業が終わったわよ」
私は記憶を覗いて知った[現実を自分の言った通りに改変する]という先生の能力《
「お疲れ様、じゃあ先生を起こしてその上条当麻? だっけ、そいつのところに向かいましょう」
私は能力を使い続け疲れているのに彼女はそんなことをのうのうとのたまう、まぁ、上条さんに先生を会わせるのは大賛成なんだけど
「とりあえず先生を起こすわぁ、ぽちっ」
能力を解除すると先生はゆっくりと起き上がった
「うーん、ここは」
そうのんびりとのたまう先生はいつもどうり微笑んでいた
「悪いけど先生、あなたの記憶を覗かせてもらったわぁ」
私はそう言って彼の反応を見た
「そうでしたか、では、私の言っていることが本当だと分かっていただけましたか?」
やはり彼は能力を使われたのにもかかわらず平然としていた
「ええ、でも貴方は自身の状況のことを一つ誤解していたわぁ」
そういうと彼は
「どういうことですか?」
といつもの調子で聞いてくるだから私は少し驚かせてやろうと
「貴方は記憶することができないのではなく、記憶を思い出すことができない、そういう状態におかれているのよぉ」
と言った
「つまり、あんたは他人の記憶からこそこそ自分の行動の記録を収集しなくても、既に覚えているってことよ」
横から御坂さんがフォローを入れてきた
「そうでしたか、それは驚きです」
自分の今までの行動を否定するような事実なのに彼はたいして驚いた様子もなくそう答えた
「だからぁ、私が貴方の今までの記憶を皆知識として覚えさせてあげたわぁ、人から集めた記録よりはよっぽどいいと思うけどどうかしらぁ?」
そういうと彼は目を閉じ少し頭の中の記憶を、彼の場合知識を探った後
「さすがレベル5≪
とこれまた平然と答えた
「これからもあなたの体験した出来事を記録としてのこしてあげるわぁ、だから貴方はもう他人の記憶を漁って記録を集めなくてもいいのよぉ」
「まったく、これからは変な手紙とか送らないでよね、後、ちゃんとクラスの皆に謝ること、いいわね」
すかさず美琴さんがそう言った
「それが御坂さんの望みなのであれば私はそれに従いましょう」
「何よそれ、自分で謝ろうとは思わないわけ?」
彼のセリフは御坂さんの逆鱗にふれたらしい
「怒っても無駄よぉ御坂さん、彼は過去の人生の記録はあれど実感がないの、多分自分を他人の為になる者だと定義して自意識らしきものを作っているのよ、いわば究極の指示待ち人間ね」
そう言って御坂さんをなだめた、思えば彼は驚かせようとして彼の現状を言ったときだけ 「驚きました」と言っていた、多分それも同じ理屈だろう
「それってどうにかならないの?」
御坂さんは少し怒って言った
「多分上条さんに会って記憶を思い出せるようになれば過去の実感もできて、自意識も芽生えると思うけどね、まぁ少し実年齢より幼い自意識になると思うけど」
「ここまで来て見捨てるなんてできないわ、異常を治せるかもしれないて奴がいるらしいから、そいつに会いに行くわよ、嫌とは言えないでしょうけど」
御坂さんは優しい、まぁ私も彼に先生を会わせることが出来てラッキーなのだけど
「それが貴方の望みであれば」
さて、そんなこんなで玄霧先生を助けるため、という口実で、上条さんに会いに行くことになった、私は先生を治すことより、上条さんが私のことを思い出すかもしれないという期待で胸がいっぱいだったのだが、御坂さんにバレない様に務めてポーカーフェイスで歩いていた
「ねぇ、あんたもしかして、その上条とかいう高校生のこと好きなの?」
どうやらバレバレだったようだ
「そ、そんなわけないじゃない」
苦し紛れにそう言う
「先生どう思いますか? こんなうれしそうな顔して好きじゃないと思いますか?」
この女は先生を味方につける気か
「多分好きなんじゃないですか?」
先生もそんなことを言う、だが私はその作戦の穴に気づいた
「ほら~先生もこう言ってるよ」
「もう忘れてしまったのかしらぁ、先生は御坂さんが私が上条さんのことが好きだと思っているから肯定したに過ぎないのよぉ、自分で考えているわけでわないわぁ」
ふぅ、危なかった、もう少しでバレるところだった
「チッ、つまんないの~」
「ほら、ついたわよ、ここが上条さんが住んでいる寮よぉ」
これ以上追及されるとぼろが出そうなので寮についたのは救いだった
「じゃあ早速上条さんとやらの部屋に行きましょうよ」
彼女もそれ以上の追及はしてこないようだった
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ピンポーン!
平日の放課後、買い出しから戻るとチャイムがなった
「ハイハイ今開けますよっと」
ドアを開けると見たことのない中学生二人と一人の若い男がたっていた
「どちら様でせうか」
当然の反応だと思う
「突然ごめんなさいねぇ、上条さん、今日はちょっとお願いがあってきましたぁ」
金髪の子がそう言いながらずかずか上がりこんできて、残りの二人もそれに続いた
「ホントに誰なんだよあんたら」
結局その子に押し切られ、ちゃぶ台を囲んで座ったところで俺は声を上げた
「ちょっと、知り合いなんじゃないの?」
「ちゃんと知り合いよぉ、上条さんが忘れちゃってるだけで」
申し訳ないが本当に記憶がない
「どこかで会いましたでしょうか?」
忘れてしまっているのではないかと申し訳なく思いつつ訊くと
「忘れちゃうなんて酷いわぁ上条さん、けど、その話は後、先にこの人の頭を触ってみてくれない? うちの学校の先生なんだけどね、何かしらの力で記憶障害が起きてるのぉ、あなたのその右手なら治せるかもしれないわぁ」
俺の右手のことを知っているのなら本当に知り合いかもしれない、忘れてしまっていることを申し訳なく思いつつも、その先生が困っているのなら先に助けてあげようと思い
「それ位の事ならお安い御用だ」
そう言って先生の頭に触る
能力を消した時のキュイーンという音が尋常じゃない位響き渡った後、男の人の頭からものすごい突風が吹き荒れ、俺たちは壁に激突した
「痛い」「きゃあ!」「痛ぁ~い」
「みんな無事か?」
俺が確認すると
「何とかね」 「とんでもない衝撃力だったわ」
どうやら二人とも無事らしい
そういえば、と俺が右手で触った先生を見てみると、なんと部屋の真ん中で静かに涙を流していた
「大丈夫か?」
俺がそう聞くと
「大丈夫です、全て思い出すことが出来ました、皆さんのおかげです、本当にありがとうございます」
よかった何か異常があって泣いていたわけではないみたいだ
「生徒の前で泣いてしまうなんて教師失格ですね」
「五歳から記憶を失ってたようなもんだから仕方ないでしょ、よかったわね」
「そうよぉ、よかったですねぇ玄霧先生」
そんなに長い間記憶障害だったのかと驚いていると
「三人には大きな借りができてしまいましたね、私にできることなら何でもします、何なりと言ってください」
そんなことを言うので
「いいよそんなこと、俺は触っただけなんだ礼なら二人にしてやってくれ」
というと
「私もいらないわ」
「あらぁ、二人とも無欲ねぇ私はお願いさせてもらうわよぉ」
なんと金髪の少女は見返りを求めるのか!?いい子そうだったのに
「何?あんたの傀儡にでもする気?」
物騒な話が聞こえた気がするが、上条さんは何も聞いてません
「違うわよぉ、ただ」
「「ただ?」」
「先生の力で上条さんに私のことを思い出させてほしいの」
と、とんでもないことをのたまったのだった
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