CONTROL   作:白燐乱

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「先日、諜報部隊の報告により建設中のギガントの壁をジェノックが攻略する可能性が上がった。」

 

 

それはとある日のウォータイム前のブリーフィング。

 司令官、イワンの発言で集められた生徒たちはざわめいた。

 

『よって本日から第6小隊、第15小隊を中心とした部隊を編成する。

 

ムラク、マシロ。貴様らが中心となり敵を迎撃しろ』

 

 

「了解」

 

 

 

 

 

 

 

それが2日前の出来事。本日、防衛2日目である。

 

 シオンたちはギガントの壁を現在進行形で防衛している。しかし敵は待てども来やしない。

 

 

『あの情報、ガセちゃいます?』

 

「だねー、すっごくヒマ」

 

飽き飽きとしたヤヨイの言葉にシオンが頷き、防衛部隊の面々も頷く。

 

『お前ら、敵がいつ来るかわからないんだ。気を緩めるな』

 

「はーい」

 

 

 

 

 

 

『こ、こちらに接近する機影あり!!』

 

 

気を緩めていた面々はミオの言葉に気を引き締めた顔となり来る敵に警戒を始めた。

 

 

『ジェノックの部隊です。

数は、小隊5です!』

 

 

 

『了解、各機迎撃開始!!

ヤヨイ、シオン!!』

 

『わかってますよ』

 

「わかってる!!」

 

 

ヤヨイとシオンの機体が高台を目指して走る、それを確認するとマシロがムラクへと通信を繋げる。

 

 

 

「囮部隊がいるみたいだ、頼めるか」

 

『了解した』

 

 

『第24小隊、前に出すぎだ!

37小隊、いけるか!?』

 

マシロの怒号がコントロールポットに響く。それを気にしてないのか二人は着々と準備を進める。

 

 

「準備完了」

 

『了解、僕が右側やります』

 

「了解」

 

 

ドン、と鈍い音が機体を掠める。柱を倒すためにいたピンク色のセイレーンが体制を崩した。それを見て体制を戻す前にもう一発撃つ。すると独特のエフェクトと共に機体がブレイクオーバーになった。

 

 

 

 

 

『敵が撤退を開始しました、どないします?』

 

『深追いはするな、ムラクが傷を受けたようだ。第6小隊、回収急げ』

 

ギガントの壁、防衛成功。

 

 

 

 

「なんだろう、これ。なんかの装置?」

 

『それ、このマップの防御装置ですよ。支柱すべてが破壊されると効果がなくなります』

 

ミオがそう得意げに言うとマシロがなるほど、感心した。

 

 

 

 

 

 

 

「ジェノックは、撤退か。今後、またジェノックが来る可能性もある。気をつけろ」

 

 

イワンの言葉に生徒たちは返事をし、ブリーフィングは終了した。

 

 

 

 

 

 

 

スワン荘、談話室。

 

いつもは隊の垣根を超えて生徒たちが話に花を咲かせているのだが法条ムラクと剣崎マシロ率いる小隊のメンバーたちがいるために誰も近寄る者はいない。

 

 

 

「ムラク、ジェノックの奴らと話したそうだな」

 

「あぁ、俺の機体に傷をつけたのは瀬名アラタが初めてだからな。」

 

一同その言葉に「へぇ」と言う顔になる。あのムラクが他人に対して興味を持つなんて、という意味だ。

 

 

「ムラクさんが、他人を気にいるなんて初めてかな?」

 

「だな、そんなに気になるのか?ムラク」

 

「あぁ」

 

 

「お前たちも、ジェノックに会ったら気をつけろ。奴らはまた必ずロシウスに進軍してくるだろう」

 

 

 

 

 

ー

 

土日を挟み、週明け最初のウォータイム。

 

第14小隊は、またもや任務がなかった。

 

 戦況観覧室

 

多数の生徒が本日のウォータイムを見るために訪れている。その一角にマシロ達もいた。

 

 

画面が4つに分けられ、左端の画面にはジェノックとロシウスの機体が映っている。

 

「あ、イーストエンドブリッジですよ、」

 

「ほんまですわ、ジェノックは全部隊総出であんなところを攻略しはるんですね」

 

「変なの…」

 

 

今回もジェノックが拠点制圧を完了し、生徒たちは驚きの声を上げる。

 

 

「おい、またジェノックがやったぞ!」

 

「最近のジェノックすごいわね!!」

 

「しかも新しいLBXもあるわよ!」

 

悪意のない声が戦況観覧室を埋め尽くす。それに嫌気が差したのかマシロが「帰るぞ」と声を掛けた。

 

 

 

 

「ジェノックってあんなに強かったのかな」

 

「さぁ…どうだろ。」

 

どこか暗い顔をしているマシロにシオンが声を掛けた。その後ろでヤヨイとミオが楽しげに話している。

 

 

「隊長?」

 

「いや、考え事だ」

 

 

 

「へぇ……、私達がロストしたらどうしよ〜、とか考えてるんでしょ?」

 

「なっ……!」

 

「へーきへーき、私もヤヨイさんも充分強いから。隊長が気にするほどじゃないって。」

 

 

マシロを追い越した。慣れたように松葉杖を使って坂を下るシオン。

 

「ま、気持ちはわかるけどさ。それにあれは誰のせいでもないから…しいては言えばアイツらが悪かったんだよ。」

 

 

それだけ言うとシオンはそそくさと帰った。残されたマシロに後ろから来たヤヨイが肩を叩く。

 

 

「や、ヤヨイ!?」

 

「シオンちゃんになんか言われたんとちゃいます?」

 

「シーちゃん、照れ隠し多いんですよ…」

 

 

 

 

ヤヨイとミオの言葉に「あぁ…そうだな」とマシロは答えた。

どうやら先程の珍しい行動は照れ隠しだったらしい。

 

 

 

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