プリキュアとの奇妙な冒険‐ようこそヒーリングっど♥へ!‐ 作:アンチマターマイン
言わばフルヌードdeスカイダイビング。
予定、装備、着地点。全部ない。いつ潰れたトマトになるか不明。
大好きで重なる勇気は最強なんだけど、この投稿者は勇気を知らん!
ノミと同類よォォォォーーーッ!
それでもよければ、読んでヒマをつぶしてってください。
公園にいたのは、まあ、いつも通りだった。
休日なんかになったところで、やることなんかとくにない。
ひなたぼっこくらいしか楽しみがない、ほとんど老人の生活を
今日もまた続けていただけなんだ。
ただ、気になることといったら、昨日、突然部屋に落ちていた『DISC』。
それを太陽光に照らして考え込んでいただけだった。
そこに突然、意味のわからない怪物が現れるなんて、誰が考える?
中二病乙、とかいう言い回しがあったけれど、あいにく俺には無関係だと思う。
むしろ、このとき働いていたのは正常性バイアスってやつで。
闇の塊に『モヤ』みたいな光を浮かべた、たぶん特撮だと思われる巨体は、
結局のところダンプカーみたいな重さがあるらしく…
俺は、いとも簡単にフッ飛ばされた。空き缶みたいに!
何メートルか転がされてから、やがて樹に頬をぶつけて止まる。
しびれた頭で無意識に探した松葉杖は、片方は遠く転がり、
やがてもう片方が近所で折れ曲がっているのを見つけることになった。
…忘れていた。自己紹介しとこう。俺は鳴滝魁(なるたき かい)。中学二年生。
画数が多くて、小さい頃から大層難儀させられた。
とりあえず、両足がうまく動かない。
今蹴とばされてこうなったのではない。およそ七か月前からだ。
松葉杖二本あれば日常生活はなんとか可能だが、たった今、台無しにされたらしい。
首だけを起こして怪物を見る。目が合った。何か『溜めている』。
次の瞬間、衝撃を受けた。何かされたようだ。
意識が途切れるのを感じ…それでも持っていた『DISC』が、頭に刺さった。
途切れた意識の中を、スゴイ映像と音の奔流が駆け巡っていった。
――『知性』という力―――
――――――――ブタの逆―
――左足のヘンな指――――
――――――――懲罰房棟―
―DISC――――――――
――――ホワイトスネイク―
―――『思い出』―――――
―――『さよなら』
「…あ、目、覚めました?」
夕方の空を背景に、垢ぬけない女の子がいた。
あずき色めいたボブカットに、見覚えはとくにない。
どうやらベンチに寝かされているようだ。
まず聞くべきは。
「スンマセン、何時ッスか…今」
「えっ、ちょっと待って。うっ…五時半! うわッ、着信だらけ!」
わたわたと慌てだす女の子。俺はというと、もう遅い。
今から急いでもタイムセールには到底間に合うまい。
そして、状況証拠的に、この子はわざわざじっと看ていてくれたようだ。
だから、ついでに聞く。
「あの、見ました? バケモノ」
「あー、それなら」
「のどかー、プリキュアは内緒ラビー!」
「…あ、あ、あ、見てないですぅ、見てな~い!」
…ん?
変な声が聞こえたが。幻聴か。
妙に焦っているこの子は一体。
女の子は、ごまかすように脇に置いていたものを差し出してきた。
「それより、これ」
「あ、松葉杖」
「片っぽは曲がっちゃってたんで、出来るだけ戻してみました。
その…不自由、なんですか? 足…」
「ちょっとばかり」
受け取って、立ち上がる。
今や自由になるのは腰から上だけだ。
足は、かろうじて曲がるので松葉杖があればなんとか歩行が成立する。
まだ運がいいケースだろう。おそらく俺には生ぬるい。
「最近、引っ越してきた人ですかね。あなた」
「えっ? わかるんですか?」
「やっぱりか」
家に帰ろう。もはや、作り置きの予定はツブレたが…
考え込むべきことが、現在進行形で脳ミソに溢れている。
止まらなくて頭痛がするくらいだ。
「ありがとうございます。お礼に、ひとつだけ」
「いえ、そんなぁ。わたし、役に立ちたくて」
「俺のことは今後放っておけ」
「え…」
固まった女の子を置いて立ち去る。可能な限り足早に。
幸い、とくに追ってくることもなく。
俺は無事、今の我が家たるワンルームに帰り着くことができた。
パイプ机と、パイプ椅子と、冷蔵庫と、布団と、ゴミ。以上。
あと、申し訳程度にクローゼットがあって。
『DISC』はここで拾った。
昨日の夜、ベルトでちょっと首を吊ってみて、失敗したらそこにあった。
うまくやれば頸椎の破壊で即死できるらしいが、そうはいかず。
それでも意識がブラックアウトしていったから、それはそれで『やれる』はずだったんだが。
地面に落っこちて即座に意識が戻って、ベルトを見たらチョン切れていて。
そして、そこに『DISC』があった。
奇妙なのは、ベルトの切れ目はハサミで切ったようにキレイだったこと。
首吊りして、何がどうなったらこうなるんだ?
失敗した俺は『DISC』を持って丸一日中首をかしげて…今、もっと首をヒネッている。
頭の中に入り込んでしまったらしい『DISC』から脳内に飛び出してくるのは、
どこかの誰かの強烈な記憶だ。名前は『フー・ファイターズ』。
刑務所で生まれたプランクトンは女囚と戦い、救われ、守り、そして天に昇った。
お涙頂戴といえばそれまでだが、なにしろ密度が濃い。
感情をそのまま追体験させられるのはちょっとした暴力だった。
さて。そして。こんなものを持って、どうする?
『記憶』にある通り、頭から『DISC』を引っ張り出して考える。
おそらく、これは『記憶のDISC』だろう。が。
こんな腐った男にこれを見せて、どこかの誰かは何を期待してるんだ?
更生させたいのか? だとして、したところで『彼』は大して喜ばないと思うが。
ともあれ、こいつが邪魔をしたらしいのは確かだ。
いっそ、フリスビーみたいに投げ捨ててやってからリトライするか。
しかし、あのバケモノは何か。『DISC』によると、ああいった超常現象は
『スタンド能力』というらしく、『スタンドDISC』を頭にはめると使用可能。
そこにきて、バケモノについて聞かれて焦るあの女の子。
…驚いた。無差別攻撃か? 善人ぶったサイコ野郎だったのか。
いや。少し違う気がする…『続きは無意味』と思ったが…
(確認するのは、悪くない、か…)
あんな巨大な何かは、ひどく使いにくい『スタンド』だ。
『スタンド使い』ではない俺に視認されている以上、隠す方法なんか皆無に等しい。
またどこかで使われるなら、確実に不自然な何かが起こる。
顔は覚えている。放課後に探してみるのもいいだろう…
それに。
――――これがあたしなの…
――さよならを言うあたしなのよ
所詮、追体験させられただけで他人事の俺にはわからない。
わからないが、あの満ち足りた『死』…
俺は、あれが…『欲しくなった』
そしてそれは、今ここで死んでも手に入らない。
久しく無かった目的が生まれた。
俺は、理想の『死』を探す。
クソ劣化ジョオニィ・ジオシュッター
俺もそー思う
でも書いてる本人がそんな風にクサすのはもっとダメだろう