プリキュアとの奇妙な冒険‐ようこそヒーリングっど♥へ!‐ 作:アンチマターマイン
で、オリ主に対する苦情とか批判を自分でひたすら書き殴ってたら
なんかスッキリして書けるようになった。それでも短いけど…
とにかく、鳴滝くんは隠れて戦おうとした。
隠れたまま、どうしようもない状態になるまで待とうとしたのは確かみたい。
承太郎さんの戦闘経験から教わるには……つまり、それが弱点だよね!
正面からの戦いは、やりたくないと見たよ!
「はぁあッ!」
「うわっ、のどかっち、イキナリ?」
飛び出して、蹴り。
ビョーゲンズになっちゃってるなら、説得なんてたぶん効かないし、
ここで逃げられたら、次に出てきてくれるとは限らない。
いったん、気絶させちゃう以外にない!
「ごアイサツだな、キュアグレース!
何も言わずに蹴ってくるとか、とんでもないヤツだぜ。
偽善者のマネも飽きちまったかぁー?」
…ダメージになってない。受け流された。
蹴りを受けた勢いのままバック転二回転、受け身。
「スゴイ反射神経……もとから、そうだったの?
それ以前に、どうして足が動くの?」
「わかって聞いてんだろ?
もとからフー・ファイターズなら、やろうと思えばできたことだぜ。
役立たずの足を吸い枯らしてフー・ファイターズに置き換えた!
そこをさらにビョーゲンズの力で強化すればよぉぉ~~」
さっきわたしがやったような飛び蹴りが、言葉の終わりと一緒に来た。
この威力…プリキュアと比較しても、負けてないどころか勝ってる!
防御したけど両足が地面にめり込んだ。背中もブロック塀にぶつかって
カケラがあたりに飛び散ってる。
「こんな芸当だって朝飯前なんだよなぁ~」
「……足。吸い枯らした、って……
大切な、足、だったんでしょ?……今、動かなくったって…
いつかまた、動けるようになったかもしれない!……なのに、どうして?」
「そんなツマラナイものにしがみつくのはアホのすることだぜグレースゥゥ
あの足が動かないせいで俺はヒトの慈悲にすがらなきゃあいけなくなった……
そして俺にくれる慈悲なんか宇宙のドコにもねーってことは俺自身がよォォーーく知っていた!
だがそれも終わりだ。俺は人間を超越した!てめーのようになぁぁーーー」
ああ、なんかわかってきた。
まず、このひとは、人がキライなんじゃあない。
人がキライだったら、DISCのこともひなたちゃんのことも
『知ったことか』でオシマイだもん。
そこまではわかってた。それに、少なくとも自分が以前悪いことをしたとは思ってるみたい。
なのに……そう、だからこそ。人から離れていこうとした。
つまり、このひとは自分自身が大嫌いなんだ。
そして、そんな自分を通して見たみんなが怖いんだ。
今まで取られてきた態度とかウソだとか、そういうののワケがやっと見えてきた。
それにしてもずいぶんスッキリした顔…キライな自分が終わったの?ビョーゲンズになって…
だとしたら、おかしいよ!そんなの。
「グレェェ~~スゥゥ、愛しのグッレェエェ~~スゥゥウ~~
うとましかったぜ、てめぇーがよぉぉ~
てめーがごリッパな言葉を吐いて世話を焼いてくれるたび、俺はみじめになった!
お前らは……毒の花だ!
俺を踏み台に咲き誇って、弱っていく俺なんかには気づくこともねえ!」
「ッ…そんなつもりじゃあ!」
「グレース!グレースは全然悪くなんかないラビ…」
「それでいい!それでいいんだよグレェェーーース!
お前は正義!俺は悪だぁぁ…ぞんぶんに踏みにじれよキヒハハハハハハハ
弱いヤツを踏みにじるのって楽しィィィーーーーだろぉぉーーー
それが正義の特権ってもんだぜ…
たった今から俺の番だけどなぁぁーーーーーーーーッ」
…来る!
間に合わない…気がそぞろになっちゃってた!
このままじゃあ叩きのめされるだけになっちゃう。
あっ、誰か割り込…フォンテーヌ!
間に入ってきたフォンテーヌが、振り下ろされた拳を受け止めてた。
「グレース!こいつの言うことに耳を貸さないで!」
「…ああっ、ひっでぇぇ~~え!
さすがは清く正しいフォンテーヌさまでいらっしゃいますなぁーーー
ヨゴしてぇ……ヨゴしてぇぞそのツラぁ!」
「恥ずかしい自分語りをしに来たの?鳴滝魁…ウンザリね…
いいでしょう、聞いてあげるわ。態度を改めて出直せばの話だけど」
「ダーティ・ウォーター!俺を呼ぶならそう呼べと言ったはずだぜ!
そしてチゲェーよ!こいつは儀式さ……
あわれでみじめな鳴滝魁を捨てちまうための、だ」
「……あっ、そう。なら永遠に捨てさせないわ。他ならぬ私が許さない」
「キヒヒヒヒてめぇーの許可なんざいらねえええ
脳ミソから!モツまで!グジュグジュに溶かして喰ってやるぜ…体内から!」
フォンテーヌの顔面を狙って反対側の拳が来る。
速い、けど受けられない速度じゃあない。プリキュアなら。
すでに構えていたフォンテーヌは真っ向から拳を打ち合わせた。
激突!けど、そこで聞こえてくる音は想像とは全然違った!
ボグ ドグチァ
「なッ……!」
「あああアアアアア痛ッッテェェェェェーーーー
痛ええええ痛えよぉぉぉンンギギヒハハハハハハハハ」
フォンテーヌの拳は正面から鳴滝くんの左拳を砕いてしまった。
比喩でもなんでもない。バラバラに飛び散った骨と肉になったんだから。
「鳴滝魁の左手ェェェ、ポォーーーイ!
手間をはぶいてくれてありがとうフォンテーヌ!」
「ぐっ…まさか、あなた」
「だから言っただろぉ儀式だって!
この調子でどんどん人間のボディを砕いてくれよフォンテーヌゥゥ」
フォンテーヌがひるんだ…わたしもひるんだ。
こんなことをするためにプリキュアになったんじゃないもん。
たった三秒、見る見るうちにさっきのマンホールから汚水が脈打って集まり、
鳴滝くんの左手になっていく。フー・ファイターズにはできる。
でもそれに構うヒマもなくて、苦し紛れみたいに彼女が叫ぶ。ううん。本心だね。
「ご、ご両親からもらった体でしょう?
どうして、こんな粗末にッ…悲しまれるとは思わないの?」
「両親ンンン~~?ハッハッハッ…ないね。絶対にない!
俺は生まれたときからどーでも良かったんだからなぁー
大兄さまと小兄さまでもうたくさんだってさ……
今もあいつらはただ待っているぜ!俺が死ぬのをよ」
「…そんなこと、あるはずがないわ!
ご両親の愛情が、あなたにはわからなかっただけじゃあないの?」
「お幸せな!!お幸せなフォンテェェェェェェッヌゥゥゥゥゥ!!
おまえにはおまえには永久にわからないイイイイイイイイイイ」
否定された瞬間に信じられない憎しみと怒りと嘆きが形を持って実体化した。
汚水から人を象ったドロドロが立ち上がった…四体!
そのうち二体がフォンテーヌの脇をとらえて、その先にある…
いつの間にか形成した、首吊りのロープに押し込もうとしてる!
あまりのことに呆気にとられたフォンテーヌは抵抗できてない。
「首をつらせてやる首を同じようにつらせてやる
同じように同じように同じようにイイイイイイイイイイイイ」
「フォンテーヌ!逃げるペェーッ!」
でも、わたしが黙って見ていない!
横合いに飛んだわたしは、地面をすべって…人形を全部破壊。フォンテーヌごと吹っ飛ばす。
『ダーティ・ウォーター』本人には飛び退って直前で回避されちゃったけど。
「邪魔、を…したってことは……覚悟を決めたかグレェェース!
ひ・と・ご・ろ・しになる覚悟をよぉぉーーー」
「ううん。そんな覚悟はしないよ、ダーティ・ウォーター」
「ああん?…おおッ、呼ぶ気になったかよその名で!ヒヒ」
「別に。あなたと鳴滝くんは全然別人だから。当然だよ!」
「……ハァ?」
わかった。ハッキリとわかったよ。
『こいつ』は鳴滝くんじゃあない。
たった三日の付き合いだけど、これはわかるよ。
鳴滝くんは確かに、わたしたちを都合よく操ろうとはしてた。
けど、わたしたちが決して被害者にならないように頑張ってた。
可能な限り、泥をかぶるのは自分だけで話を終わらせようとしてたよね。
元々、わたしたちと関わりを持とうとしたのも、
メガビョーゲンとプリキュア、それとDISCがあったから。
それが無ければ、きっと、ずっと黙って過ごしてて…
今日も、わたしとは関係ない毎日を生きていたはず。
そこに来て今、目の前にいる『こいつ』はどうなの?…全然かみ合わないよね。
つらい気持ちをわかってほしいって思ったとして、こんなやり方は絶対にしない。
答えはひとつ。乗り移ったビョーゲンズが、鳴滝くんの身も心ももてあそんでいるってこと。
もしかしたら、本心の中の悪い心だけが表に出てるのかもしれない。
さっきの激怒か悲鳴がウソやお芝居だとはとても思えなかったし……
でも、どっちみち同じことだよ。悪い姿だけを見られるなんて、わたし耐えられない!
「鳴滝くん…恥ずかしくて泣きたいよね、きっと」
「何言ってんだてめぇ。都合のイイお花畑でも見てんのか?」
「頑張って。悪い気持ちに負けないで。
今、わたしたちが助けるから」
「グァァ…ッ、吐きッ、気がするぜ!
偽善も、お花畑も、ここまで来るとよぉぉーーーー」
「『ダーティ・ウォーター』あなたを倒します!
倒して、鳴滝くんを取り戻してみせるよ!」
宣戦布告。わたし、戦うって決めてるよ!
ビョーゲンズとは、最初からそのつもり。何も変わらない。
誰かの大切なものを踏みにじって、
自分たちだけに都合いいように汚染するっていうのなら!
「いいねぇ、その威勢!
ただ、惜しいなぁ~~~それだけじゃあ勝てない!
だってお前らはもう詰んでるんだぜ?」
……軽く扱うわけにはいかないことを言われた。
すぐに考える。わたしたちは今、どういう状態にある?
周りは汚水だらけで、さっきわたしはフォンテーヌごと汚泥人形を蹴り飛ばして…
「……ううッ!?」
「気づいたなぁ~ッ泥まみれのイイ景色だぜ~~~
フー・ファイターズはッ!ちょっと顔面にぶっかかっただけで!
体内に侵入して首を切り飛ばせる!思い出したかぁーーー?」
「グレース、土よ!土を巻き上げて乾か…」
「間に合うかよウスノロどもがぁぁーーーーーーッ
脳ミソを乗っ取って肉人形にしてやるぜぇぇ~」
わ…わかる!今、プリキュアの力が必死で侵入を防御してるのが!
でも、これだけ全身にかぶってしまったから…もう、持たない。
こんな、こんな終わりなんて……あきらめちゃダメ、何か方法は?
あっ、防御が、解けッ……
終わりの瞬間は……来ない?
「ど、どういうこと?全身の泥がッ!一気に、乾いて…?」
「あ……『熱い』!
それにこの、耐えていられねぇ忌まわしいパワーは……
ああ、そうかよ、そうだよなぁチキショオ!」
空を見た。
太陽が……『ふたつ』!
片方は近い。神々しい輝きを放つ太陽が、そこにある!
物陰から、そっと顔を出したのはスパークル。
「や……やっと首ツッコメた!
あたしのスタンド、『太陽』の威力、どーよ!」
「ビョーゲンズの力でスタンドが強くなる、ってんならよぉー
プリキュアの力でも同じこと、ってワケよ。イイぜ!スパークル!」
『太陽』は、フー・ファイターズへの露骨なまでのメタだった…