プリキュアとの奇妙な冒険‐ようこそヒーリングっど♥へ!‐ 作:アンチマターマイン
…大丈夫だ、辻褄は合う!
それはそうと、アンケート投票ありがとうございます。
やはり、両方知って読み進めてる方が多いようで…
お気に入りも2ケタに達し、励みとなっております。
「これで全員揃ったわね?」
「ああ、俺で最後だろ」
昨日の後、結局、鳴滝くんに異常は見られなかった。
だから今日は、ちゆちゃん、ひなたちゃんに、ペギタン、ニャトランも一緒だよ。
ラテは今回も見送り。実験が全部終わって、誰も異常がないことを確認してからって決めた。
今回は、ちゆちゃん、ひなたちゃんの順に入れて、最後に鳴滝くんを入れてる。
寝てるとき当然パジャマだからね。女の子同士はともかく、男の子はダメ!
わたしは見ちゃってるから不公平かもだけど、だからってワザワザ見せる気なんかないもん。
別に恥ずかしいカッコはしてないけど…見せるものじゃない。
男の子の入場は、女の子がみんな着替え終わってからだよ!
「んでー、実験ってなに?」
「最初はね、この場の全員で前回の実験から…」
「前回の実験?…えー、イタイじゃんそんなの!」
「平光、お前な。遊びじゃあねぇーんだぞ」
「とはいえ、気は進まないわね…嫌なものね、自傷行為なんて」
どうやらそうらしい、ということはわかったけど、全員がそうか、も確認するべき。
これも鳴滝くんの提案だった。内容を確認したちゆちゃんも、その通りね、ということで。
千枚通しを出して、全員、自分の右腕にプスッ!痛ーい!トーゼンだけど
「みんなバンソーコーは貼ってきたよな?
血がパジャマにつくと厄介だぞ…家族に何事かと思われるだろうからな」
「抜かりはないわよ。血の汚れは落とすのも大変だしね」
「……あッ、忘れた!うぁぁーッおキニだったのに~~!
治んないかなぁーッ夢の中は思い通りなんでしょ?」
「だとしても治すなよ?今知らなきゃあならないことだぞ、これは」
昨日と同じように、みんなをいったん放して、また夢の世界に連れてくる。
結果は昨日と同じ。ちゃんと傷がついている。
これで、ほぼはっきりとわかった。夢の世界に来た生き物は、みんな同じ条件だって。
そして、昨日、わたしと鳴滝くんに降りかかった『事故』は、思いもよらない成果をくれている。
「のどかっちが寝ちゃったら、ここがホントに全部夢になるんだっけ?」
「うん。大騒ぎしてるうちにちょっとケガしてたはずなんだけど、それもなくって」
「俺も、その間にひとつ自分で傷を増やしておいたんだがな…傷は、なし、だ」
新しく増やした傷の少し右を指さす鳴滝くん。
これも考えてみれば意外でもなんでもないんだよね。
わたしが寝ちゃったのなら、スタンドであるDEATH13も寝てしまう。
あとは、DEATH13が作った夢世界があるだけで、そこは単なるただの夢。
現実世界に夢の中のダメージを持ち込むのはDEATH13の能力なんだから、
いくら傷ついてもダメージを受けても、現実世界には何の関係もない。
でも、DEATH13の夢世界の中にいることはいるから、
今日また夢世界に入ったときにはその記憶を思い出すし、本体であるわたしは必ず全部覚えてる。
鳴滝くんは夢の中のことをみんな忘れていたけど…
それを、覚えたままでいさせることはできるか?
今日、一番大切な実験が、それ。
「夢の中を覚えていられるのなら…作戦会議はみんなここで出来るわね」
「オマケにジュースもお菓子も食べホーダイ!
夢の中だもん、どんだけゼータクしてもお金かからないし太らないとか…めッちゃ夢ッ!」
ケーキとかパフェとかマカロンとか、たくさん出してはバクバク食べて、
ひなたちゃんが目をキラッキラ輝かせてる。
昨日の紅茶とコーヒーの実験の話を聞かせた時から、こういうことやる気だったみたい…
「ほどほどにした方がいいペェ。
これだけリアルな経験だと、体の方が実際に『食べた』って誤解するかもしれないペェ」
「でも実際には食べてないんでしょー?」
「平光…聞け。
目隠しされた人間の腕にだな、ただの鉄棒を当てるんだ。とくに何もしてないやつな。
だが、目隠しされた人間には催眠術をかけるんだよ。
『真っ赤に焼けた鉄の棒を当ててやるぞ』ってな。どうなると思う?」
「え。なんもならないでしょ?なるはずないじゃん」
「真っ赤な火ぶくれができるらしい。人間の思い込みってやつはそれほどの威力があるそうだ…
もし、これが本当なら…デブ一直線だぞ、お前」
「……マジ?」
「さーな、大ボラかも知れねーよ?
前の学校で仲間だったヤツらに聞いた話だし…
ただ、気にしておく価値はあるかもなぁー」
「……そーする、ウン」
「みんなで食べようよ。これ、どこのケーキ?」
「あ、これはねー、商店街入ってすぐのトコ。
あそこ、あたしが生まれる前からあってさぁー」
しばらく雑談に花が咲いちゃった。
でも、昨日と同じ失敗は繰り返さないよ。
今のわたしは、ベッドに入らず、窓の前で月を見上げて立っているの!
いくらなんでもこの状態で寝ちゃうはずがないよ!
「…で。夢の中を覚えていられれば、の続きなんだがな。
思うに、ここで訓練できるだろ。戦いの」
「訓練…『有り』ね、それは。
花寺さんが寝てしまえば、ダメージを引きずることもないわ。
理想的じゃない」
差し出されたマカロンにやっと手を出した鳴滝くんの提案に、ちゆちゃんがうなずく。
プリキュアも、スタンドも、人目があるところじゃあ戦いの練習なんかできない。
それも、もしかしたらこのDEATH13でどうにかなるかもしれない。
うん、いいね…まだみんな、戦いに巻き込まれたばかりで、
(承太郎さんとF・Fの記憶の助けはあるけど)どうしても攻め手がぎこちなくなってた。
夢の中で練習できれば、補えるかも。
「アレだよね、『精神と時の部屋』?」
ひなたちゃんが、有名なマンガに例えて言った。
言いたいことはわかるよ。目指すところはそうなるだろうし。
わたしも、体調が多少マシになってきた時期に再放送を見てたからね。
一般常識程度には覚えてるんだ。ドラゴンボール。
ちゆちゃんもうなずいてる。弟のとうじくんがいるもんね。たぶん一緒に見てる。
だけど、まさかの反応が、この場のたった一人の男の子から帰ってきた。
(ペギタンとニャトランもいるけど)
「精神と、時の…なんだって?
なんかオカルトか?」
「『精神と時の部屋』だよ、タッキー。ドラゴンボールの!」
「ドラゴンボール?あぁ、それは…知ってる。まともに見てねーけど」
みんな、なんともいえない沈黙に包まれちゃった。
そ、そうだよ。ありえない話じゃあないよ。
夢中になれるマンガとか、他にいろいろあるもん。
えぇーっと…妖怪ウォッチとか!
「あ、あなた…何見てたの?小さいとき…」
「ん?…戦隊モノのDVDとかは見てたな…
スプリンター目指してからは、ほとんど見てない。
テレビ自体ほとんど…縁がなかったし」
「そう…そうね。ありえることよね」
ちょっと突っ込んで聞いてみたちゆちゃんも、すぐに引き下がった。
あんまりイイことなさそうな気配してるし。
…元いじめっ子だよね?みんなに溶け込んでいける話題もなくて、
どうやってそんな怖い人たちの中心に立ってたの?
実家の権力があるって言っても、仲間意識が持てないんじゃあ限度があると思うけど。
「ムムム……よし!」
「なに?平光さん」
「ちゆちー、孫悟空やって!あたしフリーザ!」
「……な、なにを言っているの?」
「知らないってんなら教えてやろーじゃん!
夢の中なんだしさぁーーッ、『完全再現』できない?」
「そんなことをイキナリ言われたって!?」
DEATH13をなんだと思ってるの!?
これほど怖いスタンドも、ひなたちゃんにかかればVRゲームだよ?
…その後、結局、ちゆちゃんは折れて孫悟空をやりました。
なんというか、ヘタにウマく演技をしようとしてるだけに…すごく、痛々しいです。
必死さとウロ覚えが顔に浮かんで、常にわたしの方をチラチラ見てくるんです。
ひなたちゃんは……単にノリと勢いだけです。
つまり、単なるゴッコ遊びでした。ナメック星でエネルギー波が飛び交うゴッコ遊び!
あ、ナメック星作ったの、わたしです。
鳴滝くんは、マカロンをつまみながら、終始首をかしげていました。
「これ。覚えたままにしておくようにするね。明日、確認しよう?」
「沢泉が……それで、いいのか?」
「…いいのかな」
「たまにはハメ外すのもいいんじゃねーの?
ひなた、スッゲー楽しそうだしよ」
「ひなたが良くても、ちゆが後でヘコみそうラビ」
バカヤローーーーーーーーッ!!!!!!
あっ、決着がついた。
そこはハッキリ覚えてたんだね、ちゆちゃん……
背後からだまし撃ちしようとしたフリーザは、悟空に返り討ちにされました。
「……自己嫌悪がモノスゴイんだけど。
得たものは大きかったわね、昨日の夢」
翌朝、ランニングの名目で公園に集まったわたしたちの真ん中で、
ちゆちゃんだけがドンヨリ沈み込んでた。
そうもしていられないって、ちゆちゃん自身が思ってか、
自分の頬を自分の両手でパンと鳴らして、すぐに姿勢を正したけどね。
「夢の世界で、DEATH13による危害と自傷行為以外のダメージは現実に残らない。
そうでなければ、昨日のアレで私も平光さんも全身ズタボロよね」
「あたし絶好調!腕のキズ以外は、だけど」
「やっちゃったんだね、パジャマ」
「うん…」
それで、今こうしていることからもわかるように。
みんな、夢の中のことをはっきりと覚えていた。
今回、必要な実験を済ませてから、わたしは意図的に寝た。
ラビリンだけを夢の中に残して、起きるまで夢の中で一緒。
そこでのことを、起きた後のラビリンはしっかりと覚えていた。
覚えておかせる、忘れる…を、DEATH13が個々に決められるみたい。
これだけわかれば、もう怖くない。
「なら、できるね。夢の中での訓練」
「ええ。これは最高よ。実戦経験を常に積んでいけるわ。
今日からか、明日からか…さっそく、始めましょう?」
「そうだね…明日からで。寝る時間を揃えて、一緒に始めよっか」
そのまま、夜の十一時開始で話がまとまる。
ひなたちゃんがちょっと不満そうにしたけど、
「訓練の方が大事だよね。あたしだって死にたくないし!
でも、たまには息抜きしよーねッ」
って、ひなたちゃんの方から言ってきた。
うん。夢の中だけとは言わず、現実でももっとみんなと遊びたいよ。
そのためにも、ある程度安心できるくらい強くなっておかないと。
集会はお開き…学校へ行って、慣れてきた日常を過ごす。
これも、わたしたちが守りたい風景だよね。
そして……夜。
そろそろ寝ようと思ってトイレに立ったわたしは、
お母さんとお父さんの内緒話を聞いてしまった。
ホントに偶然。ダイニングに残ってたお父さんとお母さんの気配から、
声をたまたま耳に捕まえてしまっただけ。
「そっか…ダメだったか」
「帰れない日が出るんじゃあ折り合わないわ。
のどかは、昔よりずっと具合はよくなった…でも、まだ安心はしきれない。
万が一のとき、そばにいてあげられないんじゃあ、ね」
「収入面はぼくに任せてもいいんだよ?
楽ではないけど、ぼくだってプロなんだから」
「それもダメ。あなただけに押し付けたりなんてしないわ。
楽ではないなんて、今に始まったことじゃあないでしょう?」
…お母さんが、お勤めの面接に行って、落ちた。原因は、わたし。
身体が弱いわたしを、お母さんがまだ守ろうとしてくれているから。
ずっと、苦を強いちゃってるんだよなぁ。わたし。
もちろん、わたしは悪くない。誰も悪くなんかない。
わたしは好きで弱く生まれたんじゃあなくって、そこに責任なんか取れるわけない。
ただ、何もできない事実だけは噛みしめるしかなくって…
今のわたしにできることはなんだろう?
お母さんとお父さんの、誇れる子でいること。支えてあげること…
中学二年はまだまだ子供だった。現実では心構えくらいしか、できることはない。
「……『現実』では」
でも『夢』なら?
今日一晩の夢だけでも、素敵な時間を作ってあげられるなら?
かなえられない夢が、『夢の中』だけでもかなうなら?
わたしだって、行きたかった。
お母さんとお父さんと、海に、映画に、遊園地に。
わたしは、決めた。
お母さんとお父さんと、わたし自身のためだけに。
今日は、わたしの『夢』を使う。
ヒーリングっどプリキュア御一行は、ドラゴンボール改と超の世代ですね。
無限大イマジネーションでドラゴンボールごっこ。