プリキュアとの奇妙な冒険‐ようこそヒーリングっど♥へ!‐ 作:アンチマターマイン
ゴメンナサイ、今回もキツかった。
そのわりに分量もあまりありません。
また、アニメ本編の展開次第では、
のどかのお母さんお父さんの描写がありえなくなる可能性ががががが
そのときは、可能な限り後から収集を図ります。最悪まるっと書き直す。
「じゃあ、お母さんとお父さんを呼ぶから。
ラビリン…ホントに隠れてるの?夢だから別にいい気もするんだけど」
「イイ夢を見せてあげたいんだったら、覚えてなきゃあ意味がないラビ。
だったら、ラビリンが見られるのはマズいラビ」
「そっか。ラビリンがホントにいることがバレたら、
プリキュアのことまでバレかねないもんね…わかった。ラテは任せて」
足元でラテが、アン!と返事すると、ラビリンは物陰に隠れていく。
ここはわたしの家…DEATH13で再現した、夢の中のわたしの家だけど。
わたしも当然DEATH13の姿はしてない。今は小さい頃のわたしの姿。
9歳くらいの頃をイメージして作ったわたし。
本来のその頃のわたしは、大きくなれずに死ぬ危険をようやく脱したあたりのはず。
あまりにも弱すぎて、病院の外になんかとても出られなかった頃。
そんなわたしのそばに、お母さんとお父さんはいてくれたんだ。
少しでも具合が悪くなれば、そうでなくても、わたしが寂しくて泣いたりすれば、
ちょっと遅くなったって、必ず来てくれたんだ。
それは、今でもほとんど変わっていない。
少なくとも、お母さんのお仕事に暗く影を落としてる。
楽じゃあないのは今に始まったことじゃあない、って、お母さんは言った。
せめて、夢で癒したい。楽しい気持ちを持ってほしい。
だから、わたしはDEATH13にすがった。
今日も窓際に立ちながら、お母さんとお父さんが眠ったことを感じ取る。
さすがに同じ家で暮らしていれば、スタンドの能力ですぐにでも探知できた。
数km単位の射程を持つ、果てしなく薄い幻影。それが現実世界のDEATH13。
それが、寝ている人の魂をつかんで夢の世界に瞬間移動する。
顔と名前を見知った人間が眠っていれば、その魂だけを感じ取り、つかめる。
それ以外には何もできない代わり、現実世界のDEATH13を探知、攻撃できる存在はない。
条件がそろえば無敵に近くなる系統のスタンドなんだよね。
ずるがしこい人がこれでわたしたちに敵対したら、たぶん何もできずに全滅する。
当然、
目の前のソファに寝そべって出てきたお母さんとお父さんを見て、気を引き締めた。
「まず、いつもの服に着せ替えて、と…」
何を着て何をはいてるか、だいたいわかる。
お洗濯だって手伝えるようになったもんね。
イメージさえできれば、着せ替えはプリキュアの変身よりも一瞬で終わる。
目を覚ます…さあ、ここからが本番だよ。
「あれ?こんなところで寝てた?」
「……のどか?だ、大丈夫なの?」
いぶかしげにするお父さんと、わたしに気づいて駆け寄ってくるお母さん。
お父さんも、お母さんを目で追った先にいたわたしに気づいて、同じように寄ってくる。
「のどか。病院に…病院はどうしたんだ?
体は大丈夫なのかッ?」
そう、ここは夢。
夢の中そのままの対応をするお母さんとお父さんは正しいの。
ましてや、わたしは9歳のわたし。
それを見たふたりがどう反応するかなんて、わたしはよく知っていたはずなのに。
ちょっと目頭が熱くなっちゃったけど、そんな場合じゃあない。
「……やだなぁー、何言ってるの?
今日はみんなで遊びに行く日でしょ?」
「えっ?そ、そうなの?
なんて言ったっけぼくは?」
「ゆ・う・え・ん・ち。
わたしの、はじめての遊園地だよ!」
だから、わたしも夢なんだ。夢のままにふるまうよ。
こういう反応も想定済み。寝ボケ同然なみんなの姿をすでに見てるもん。
遊園地も、お母さんお父さんから何度か話を聞いて知っている。
日本で、というか世界的にとっても有名な遊園地!
それを聞かされて、お母さんお父さんが思い浮かべたイメージを、
あとはわたしが拾うだけ。
風景が塗りつぶされる。わたしの家から…一瞬で遊園地に!
わたしは見たことないよ、テレビでしか!
「……え、えッ?」
「のどか、これ……えぇッ?」
「行こ、お母さん、お父さん」
少し間をおいて、たぶん夢だと割り切ったお母さんとお父さんは、
笑顔で歩き始めた。左右からわたしの手をつないで。
足元には、ラテも一緒についてきている。
ここってペット入れたっけ?そんなことは気にしない。だって夢だもん。
最初に行ったのはカリブ海賊のゴンドラ!
コワイところあるんだねここ!お父さんが止めてきた通り、ラテを置いてってよかった。
落っこちるみたいなのがあるアトラクションじゃあラテを抱えるのも無理だしね…
当然、ジェットコースターもラテは無理!
初めて乗るジェットコースターだったけど、思ったより怖くなかった。
けっこうノンキな乗り物だったなと思って、
ドームの中にある別のジェットコースターにも挑戦したけど、
こっちはキツイ!プリキュア経験してなかったら悲鳴上げちゃってたかも。
お父さんもお母さんも、ここ以外のジェットコースターをいくつか知ってるみたいで、
良ければいつか行こうね、って言ってくれたけど……
最近、いろんな遊園地が閉まってるし。実際に一緒に行ける時はあるかなあ?
それよりもラテだよ。ラテお断りのところばっかりに行ったもんだから、
ラテがガッカリ顔になりかけちゃってるよ。
だから今度は、『小さな世界』をめぐるボートに乗った。
ボートでゆっくりめぐるだけだから、これならラテも平気。
お母さんがそう言ってくれて、抱えるのはお父さん。
ラテも素直に抱えられてくれて、一緒に岸のお人形さんたちに見入ってる。
その中に、こっそりラビリンが混じってたの、わたし見逃してないよ。
気づかれないようについてきながら、ラビリンなりに楽しんでくれてるみたい。
ウレシイな。次は、ちゆちゃんにひなたちゃんと行こうね。
こっそり隠れて楽しむなんて、遊園地じゃあ違うと思うから。
でも、東京湾がけっこう遠いなぁ。中学生だと日帰りは苦しいかも。
それと、鳴滝くんを仲間外れはダメだけど…誘っても来ない気がするなぁ~
わたしだったら…男三人に、女一人がわたしだったら…うん、行かないなぁ。
DEATH13の前の本体のことを知った今じゃあ、よっぽど仲良くないと無理。
うーーん、性別の違いが思った以上にキツイ…今考えるのはやめた。
そんなこんなで、そこから先はラテも入れるところをお父さん、お母さんと相談して、
みんな一緒に笑った。楽しんだ。人ごみの中で、はぐれないように手をつないで。
それと、ちょっとしてわかった。
ここは、お父さんとお母さんが一緒に行ったときの記憶だ。
看板の年号を見ればすぐにわかることだったね。
人ごみは、そのまんまふたりの記憶の再現だったみたい。そこに今、わたしはいる。
胸にチクッときた。思い出は、『勇気が生まれる場所』…
今、わたしは…結果として、勝手に土足で踏み込んでる。
閉園前のパレードを待ちながら、そんなことを考えていたわたしを。
「のどか、どうしたんだい?どこか痛いのかい?」
お父さんが、心配そうにのぞき込んできた。
お母さんも、こっちをじっと見てる。
…謝るわけには、いかないよ。だって今のわたしは、夢だから。
夢は醒めるまで夢でなくっちゃあいけない。
「……お父さん、お母さん。ありがとう」
「いきなり何よ。かしこまっちゃって」
「わたしと、いつも一緒にいてくれて、ありがとう。
つらいことだって多くって、わたしだけ見てるわけにはいかないのに」
お母さんは、お父さんと顔を見合わせて…
お互いにうなずくと、次にこう言った。
「わたし達こそありがとう、のどか。
こんなステキな夢を見せてくれて」
「…………!?」
ありえない。ふたりにスタンドのことなんか、わかるわけない。
どうしてわかったの…スタンドがわかるのがスタンドだけというなら、
つまり、お父さんもお母さんも、すでに『こちら側』?
「なに怯えちゃってるのよ。そんなビックリしなくてもいいじゃない」
「どうしてそう思ったの?」
「空の色。お花の配置。人の雰囲気……なんとなくよね。
のどかのお絵かきとか、お手紙とか。
ずっと見てきたわたし達だからわかるのよ」
一瞬だけ、ごまかそうと思った。
でも思い直す。もう、それができる段階は過ぎている。
もう…仕方ない。この夢は、忘れてもらうしかない。
だから、もう偽らない。事情も、気持ちも。
「お母さん、お父さん。
……ごめんね。わたし、ふたりの思い出を勝手に使ったよ。
遊園地に、行ったことなかったから」
「どうして謝るの?
どうやってかはわからないけど…
のどかは、わたし達を楽しませてくれようとしたんでしょう?」
「思い出は…土足で踏み込んじゃあいけない場所だって……
それしか方法がなくって…わたしが、弱かったから。
やっぱり、弱く生まれたのがダメだった、のかな?」
「そんなふうに思わないで!」
にこやかな顔から、まじめな顔にサッと変わった。
「そんなふうに思われるくらいだったら、恨まれた方がマシよ。
どうして弱く産んだんだ、って。それなら、わたし達が受け止められる。
わたしは、あなたのお母さんなんだから」
「…できないよ。そんなの」
「そんなのどかの優しさに、ぼくらは十分救われているんだ。
…いや、そうじゃあない。のどかがいてくれること、それだけでもう十分なんだよ。
確かにこんな風に遊びたかったよぼくらも。でも、それに負けない思い出がある」
「のどか。ありがとう、わたし達と一緒にいてくれて」
……そっか。わかっちゃった。
ここには最初から、わたしの望みしかなかったんだ。
弱いわたしの思い出をこそ、お母さんとお父さんは大切にしてくれている。
なら、ここからは。
「お母さん、お父さん。聞いてくれる?わたしの…わがまま」
「うん」
「言ってみて」
「もっと、一緒に遊ぼう!
海も、山も、行きたかったの!
夢の中はなんでもありなんだよ!」
「……ン、ンー。のどか?もう起きてたラビ?」
「うん。朝日…見てたんだ」
わたしは、最後まで起きてい続けた。
夢の世界からお母さんとお父さんを見送るまで。
見送ってしまえば、ついさっきまでのことでも、もうふたりとも覚えていない。
夢を使う能力の情報は…残せない。最悪、わたしたちの事情に巻き込まれちゃう。
「のどか。泣いてるラビ?」
だから、昨日はただの夢。
わたしの未練を埋めようと、スタンド能力まで使ったとしても、
目が醒めたのならただの夢。
「ラビリン」
「…ラビ?」
「もう、必要なとき以外は…絶対に、DEATH13は使わない。
こんなことをしていたら……わたしが夢におぼれちゃう」
「のどかが、そう思うんなら…きっと、それが正しいラビ」
アン!
起き出してきたラテが、わたしの足元にすり寄ってきた。
わかるよ。はげましてくれてるのが。
一時間も泣いたんだもん。もう十分だよね。
今はさよなら、わたしの未練。
また別の形で出会っちゃうかもしれないけど。
「おはよう、のどか。早いね」
「おはよう、お父さん、お母さん。
ちょっと寝つきが悪くって」
「そう?実はわたしもなのよね…
なんか、スゴイ夢を見てたような…」
「……そうなの?」
「ああ、ぼくもだよ。
小さい頃ののどかの夢だったかな?
よくわからないけど、楽しかったかな」
「そっか。わたしも見たよ。楽しい夢」
最初に書いてるとき、思いっきり遊園地の固有名詞を出して書いてた。
そしてハーメルンの規約を読んで、規約違反になると判断した。
よって、すべてぼかした。
作品として取り上げるのはセーフと思うけど、
企業の利益に連なる土地を扱っちゃうと一気にギルティー。