プリキュアとの奇妙な冒険‐ようこそヒーリングっど♥へ!‐ 作:アンチマターマイン
書いてる間に寝てた、が最近よく起こる。自分自身をお手当てせんと。
さて、今日からキュアサマーの活躍が始まりますね。あなたはどんな勇者?
まあ、前書きで触れることはもう無いと思いますが。
現状、当作品と無関係になるので。
原作の放映が終わったので、当作品にて
原作に明らかにそぐわない部分をおいおい修正します。
幸い、話が丸ごとオジャンになることはありませんでした。
今回の語り部は、ちゆちー。
文字数は6000字弱。
「つぶやきまで消えちってんの!
これ……なんか、あるよね?」
『夢』の中。今日も、杜王町のカフェ・ドゥ・マゴ。
杜王町とは言ったけど、あくまで『夢』で再現しただけで。
形兆さんが眠ってる霊園の向こうにヒーリングガーデンが『置いて』あったりもするから、
リアルな夢でも現実感があまりなくなってきた今日この頃ね。
そんなことはどうでもいいわ。『夢』に入るなり、ひなたがまくし立ててきた。
昼休みに話した、例の動画投稿者が、すべての動画…聞いてる限り、アカウントを消したって。
そして、『つぶやき』まで消した……足跡を消しに来てるっていうの?
「一番おめでたい考えを言うんならだ。
身内にとがめられて犯罪予告もろとも消した。
…ってのもあるんだろーがな」
「そうだといいよね」
鳴滝くんの言葉に、のどかはシュンとなってるわね。
ふたりとも、カケラもそうだとは思ってないわ。もちろん、私も。
「スタンド使いはひかれ合う…わ。
決行の日が近い、と受け取るべきでしょうね。
このスピード感からして…下手をすれば、明日か、明後日かもね」
「それなんだけどな、図書館でここ一週間の新聞を当たってみた。
不審な事件…今回は『盗み』に絞って探したんだがな……」
「え?……あ、ありがとう。大変だったんじゃない?」
「…こんくらいはするよ。命がけだろ俺だって。
ホントならゆめポートの本館行くべきなんだろうが、
無理なんで近所ので済ませた…あんま期待すんな」
確かに。スタンド使いだったら、不審な事件を起こす可能性はあるわね……
ひなたがそうだったみたいに、DISCで与えられたスタンドなら、
使い方を把握するところからまず始めなくっちゃあいけないわ。
スタンドという概念を理解していないのなら、ますますそうよ。
それにしても、気合の入ったこと始めたわねぇ。いきなり……
「まず、殺人を伴ったやつは除いた。
予告なんかしたんだ。その前に復讐始めるとか、帳尻合わねえマネはないだろ」
「殺人ありも、あったのね?」
「ああ。都内のATM強盗。死者一名。犯人は四人組。
重機で物理的にATMを持ち出そうとしたバカヤロウどもだ。
犠牲になったのは、たまたま居合わせちまったオッサンな。
ただ、目撃しちまったからやられた……それ以上の理由なんてない『殺し』だな」
「見たよ。それ、ニュースで……ひどいよね」
のどかが紅茶のカップをギュッと握って、内側の水面を覗いてる。
それを見てた鳴滝くんは、アイスティーをグイッとあおった。
お茶請けのシフォンケーキはみんな手付かずのままね。ひなたまで。
「オッサンの冥福は祈るとして、犯人は全員逮捕されてる。
仮に、これが動画のヤツに関係があるとして、
犯罪の予行練習だったとしたら…ヤツのスタンドは、人間を操る類だ。
アクア・ネックレスかヘヴンズ・ドアーか。はたまたホワイトスネイク本人か。
「ヘヴンズ・ドアー?露伴ちゃんヤラれちゃってたってコト?プッチに!」
鳴滝くんが挙げた単語のひとつに、ひなたが目の色を変えた。
承太郎さんの記憶の中に、当然、岸部露伴さんはいるわ。
ふてぶてしいひねくれ者の漫画家さんだけど、
吉良吉影の事件では誰よりも活発に探りまわっていたのよ。
他ならぬ自分自身のために正義を行った…尊敬すべき、承太郎さんの仲間。
それがやられたってことなら…杉本鈴美さんが命と引き換えに救った命が消えたっていうのなら。
私だって、のどかだって同じ顔をするわよ。
もっとも鳴滝くんは、そんなつもりで言ったんじゃあないわね。どう見ても。
「例だよ例!例えばの話!そーいうタイプのスタンドかもって話!
だいいち、プッチの持ってるDISC全部ワカるワケねーだろ。
どれだけの人間からスタンドと心を奪い取ってきたかわからねえ野郎なんだぞ」
「あッ……だよね。ゴメン」
「ま、調べてみるのはアリか…F・F。岸」
「岸部露伴なら、まず確実に無事ね。2011年頭に読み切り出してる…
承太郎本人が読んでるぜ。『水族館』にいるプッチがチョッカイかける時間なんかない」
待ってたみたいに一気に説明したわね。F・F…
聞かれることがわかってたわね。あなた。
「そ、そっか。良き良き」
「良きだな。話戻すぞ」
「承太郎辞典かよ!あたし…いいけど」
「ついでにさ、その読み切り読ましてくんない?F・Fぅー」
「話戻すっつってんだろコラ」
苦笑いしながらたじろぐひなた。
調子戻ったわね。じゃ、私が戻しましょうか。
「人間を操る能力で、ATM強盗事件を起こしたとして…
そうなると口ぶりがおかしいわよね。
そこまでするヤツなら、犯罪予告の時点でもっと悪ぶってるはずだわ」
「ならフェイク…フェイントかって考えも出てくるが。
だとして、誰に向かってやってんだ?
例の動画投稿者は俺たちを知らないし、知りようがない。
さらに、さっきも言ったが…犯罪予告と帳尻が合わねえ。
どう見ても、このATM事件…俺たちに関わりがある線は薄いぜ」
最初に『除いた』って言ってたのにずいぶん食いついちゃったわ。
納得してみると、悪かったわね。話の腰を折ってしまったわ…
そう思ったんだけどね。のどかはちょっと違ったみたい。ラビリンも。
「大体、賛成。だけど、ひとつだけ…違うと思う」
「ラビ!大切なコト忘れてもらっちゃあ困るラビ!」
「…そうだペェ。大事なコトが確かに抜けてるペェ」
「…………オウ。言いてーコトわかったぜ。オレもよぉー」
「アン!アン!」
えっ、ペギタン?ニャトラン?ラテまで?
ヒーリングアニマルのみんなが、そろって?
…………『ヒーリングアニマルのみんなが』!?
「ま、まさか…ありえるわね?」
「大切な?お前らみんながわかって、俺がわから…………あッ」
「盲点でもなんでもねえ。最初っから見えてる問題だったな」
「ど…どったの?どゆこと?」
話についていけなかったひなたに、のどかが教えた。
私にとっても、考えすらしなかったのがちょっと恥ずかしいわ。
「ひなたちゃん、わたしね……
動画を投稿した人が『すでにビョーゲンズにされてる』可能性、あると思う」
「…えっ。……えぇェェ~~~~ーーッッッ!!?」
大声を出して驚くひなた。
…でもあなた。それ、ノリでしょ?
案の定、大声を出すだけ出してから、アゴに手を当ててウーンと考えだしたわね。
イイ傾向よ……ウン。丸投げはやめなさいね?
「えェェ~~~ッとチョット待って。
あのヒトがビョーゲンズにされてるってことはぁ……
ダルイゼンとかから、あたしたちのことも…聞いてる?聞くってコト?」
「うん。それでね、わたしが言いたいのは
向こうがわたしたちを『知らない』って前提は、危ないよって言いたかったの」
「…ど、どゆこと?
えぇっと、ATM事件やらせた真犯人があのヒトで、
しかもビョーゲンズで、ヘヴンズ・ドアーだったら……めっちゃヤバくない?」
「大丈夫。それ、ないから」
ひなたを安心させようとするみたいに、
のどかは微笑んでから、テーブルに肘をついた右手をフリフリ。
「そんなことになってたら、犯罪予告なんてする意味ないよ?
わたしたちが見つけるかだってわからない犯罪予告なんかするくらいなら、
『人を操るスタンド』で、適当に選んだ人たちを次々使って、ね?
わたしたちを24時間狙わせるだけでいいんだもん。耐えられないと思うよ?
……やらない理由、ないよね?ビョーゲンズなら」
「うぇぇぇ~~~ッホラーすぎるじゃんソレ!?」
とてつもなく
鳴滝くんまでこわばってるじゃないの。
F・Fは軽くうなずいただけだけど…ひなたの反応が正常だと思うわ、ここは。
ヒーリングアニマルのみんなは…言うまでもないわね。全身の毛が総立ちよ。
「でも、のどかっちの言ってるコト、わかった!
確かに予告するイミないねソレだと!めっちゃ無敵だし…」
「だからね。『ATM事件は無関係』…今はそれでいいと思うな。
本題は、ここからだよね?…鳴滝くん?」
「…………お、オウよ」
アイスティーをガブ飲みして気を取り直した鳴滝くんが、
咳払いをしてから改めて話を再開ね。
私もホットコーヒーをひと口……
学生向けで安いわりに小じゃれてて、お茶とコーヒーもいいのよね。
カフェ・ドゥ・マゴ……私たちの温泉街にも欲しいくらいだわ。
「四日前だな…横須賀の音楽スタジオで『盗み』があった。
スピーカーだのアンプだのの機材がごっそり消えたそうだ」
「それに……何か、不思議があったのかしら?」
「三日前。東京、多摩の新興住宅地で不審な騒音騒ぎがあった。
苦情を受けて警察が駆け付けたが、そこには何もなかったそうだ。
騒ぎ自体は本物らしい。三十人以上が体調不良で病院に運ばれてる……
ガラスが割れそうな爆音だった、って話だ」
「…この二件はつながっている。そう言いたいわけね?」
「警察でもそう考えてるらしいな。
だが、大量の機材を一瞬で撤収した方法がわからない。
事件は起こってるのに人間の形跡がない…犯人もわかりようがないってことだ」
なるほど。奇妙な事件だわ。
音楽スタジオのことはよく知らないけど…
大量の機材を一気に盗み出す方法があった、まではいいわよ。
遠く多摩まで持っていくのも、トラックでもあればいいでしょうね。
でも、設営を済ませたそれを一瞬で片づけてどこかに持っていく?
無理よ。複数人でかかればやれるかもだけど、目撃者くらいは絶対に出るわよね。
幽霊みたいに忽然と消えるなんて、ありえない。
考え込んで、最初に口を開いたのはラビリンだったわ。
「スピーカーなら、わかるラビ…
そーゆー機械をみんなまとめてメガビョーゲンにしたのなら、
動かすことはできるラビ!」
「でも、ラテ様がクシャミしてないペェ」
「ウーン……
機械が消えたのは、スタンド能力の方で考えた方がいーかも知んねーぜ?」
だとしたら、どういうスタンド?
物の重さや大きさを、一瞬で消してしまえるスタンド。
そして、すぐにでもそれを戻せるスタンドってことだわ。
……あったわね。心当たりが。
承太郎さんにとっては、知識しかないスタンドになるわ。
「エニグマ……かしら?」
「エニグマ、えぇっと…承太郎さん戦ってるっけ?」
「戦ってないよ。戦ったのは、仗助さんと康一さん。
あと、噴上さんだよ。バイクの人!」
「ン……あー!オンナのコ三人カコッてたアイツ!」
「そうそう、女の子三人…」
…あー、いたわね。そんなヒト。
ただ、こんなトコで思い出すコトじゃあなかったわねぇ。
言わんこっちゃない、だわ。視線が集中しちゃったじゃない。
この場唯一の人間の男の子に、よ。
「……なんだよ」
「気にしないでいいわよ。あなたに囲われた覚えはないわ」
「わかってる」
ンもう、気まずい雰囲気に…私は因縁ありなのよ?
こういう話になられたら、和やかにとはもういかないわ。
あなた、大人の判断はできる男よね?すぐにでも空気を戻しなさい。
視線で訴えていると、軽くため息をつかれた。
「…そーだな、あれだ。エニグマなら…謎の答えには、なるな。
巨大なスピーカーだろうが精密機器だろうが、
紙にして持ち歩けば重さもほぼゼロだ……
本人自身も紙にできるから、運賃もゼロにできるかもしれん」
…ま、いいでしょう。これからも平和でいたいわね?
ここまでずっと、しょーもない、って顔で紅茶グビグビ飲んでたF・Fも、
軌道修正に乗ってきたわ。
「電気も紙にできるぜ。それでシュレッダーも動かしたんだろ?
つまり、完全に謎は解けるってわけだが……
そんなこと言うなら、もひとつ話が単純になるスタンドがいると思うのよ」
「F・F……それって!」
私が考えている間に、のどかが気づいた。
前から思うけど、発想力ならのどかの方が上よね。
見習いたいって思ってるのよ。
その意味なら、ひなただって私より上かも…
「そう。『電気』のスタンドがいるぜ。
クソ重てえ機械を、みんな『電気』に変えて持ち運べるヤツが……
レッド・ホット・チリ・ペッパー、っていうんだけどよぉぉーーーッ
こいつがビョーゲンズになってたら死ぬほどやばいと思わない?」
のどかに続いて、全員が凍っていくわね。
電気の速さで一瞬でどこまでも行けて、
しかも無尽蔵に電気を自分のパワーにできるあのスタンドが、ビョーゲンズに?
ペギタンが悲鳴を上げたわ。正直、私も上げたい。
「そ、そんなの!日本中が一瞬でビョーゲンズだペェ!?」
「か…勝てるのか?
たとえば、原子力発電所を丸ごと食ったビョーゲンズに…!?
いくらプリキュアっつってもッ……!?」
「ニャーーッ!?ゾウとアリのケンカになっちまうじゃあねぇーーかッ!?」
「めっっちゃヤバイじゃん。てゆーか無理じゃん?」
「どうすればいいラビ~~ッ!」
みんながうろたえてる中で、のどかもやっぱりオロオロしてたけど。
紅茶を飲み始めたんで『飲んでる場合!?』って言いそうになっちゃったけれど。
紅茶を飲み干したら、落ち着いたみたい。腹を決めたみたいに言ってくれたわ。
「そうだとしたら。最高のチャンスだね」
「のどか、どういうことラビ?」
「スピーカーを盗むなんて『情けないコト』をやってるうちに倒せるんだよ?
みんなが今言ったみたいなことに、本人が気づいてない証明だよ。
もし、レッド・ホット・チリ・ペッパーで正しいのなら…
むしろ、倒すなら今しかないってこと!」
…そ、そうよ。言う通りだわ。
自分の力に気づかれる前に倒せたのなら。
最悪の事態を、芽が出る前に摘み取れることになるわね。
みんなも、目に見えて安心していった。
ホントは気を引き締めるところだって思うんだけどね。
「ま、こいつは最悪の予想かもしれないし、
それすら超えたことが起こるかもしれない……
プッチ神父がどんなスタンドDISCを持ってるかなんてわからないんだからな。
でも今は、チリ・ペッパー。それかエニグマに備えて待つのがいい。
何も起こんなかったら『バァーーーーーーーーカ!!』って笑えばいいでしょ」
「…ま、だよな。俺が見た事件とつながりが無ければそれまでだし。
それ以前に、動画配信者がスタンド使いでもビョーゲンズでも無けりゃあ、
バンザイってとこだな…」
実際、他にどうしようもないのが弱いところよね。
なら、今日のところは訓練で、精いっぱい備えるまでよ。
チリ・ペッパーみたいな強敵を想定しておくことは、決して無駄じゃあないわ。
承太郎さんが仗助さんから聞いていた話を元に、
あちこちの電線やコンセントから次々出てきて攻撃してくる
チリ・ペッパーに反撃する訓練をみんなでやって、
なんとか対応できるようになったところで『夢』が終わって。
翌日放課後に、覚悟していた予兆を迎えたわ。
『雷のエレメントさんが泣いてるラテ…!』
さあ、ここからは己との戦いです。
完結までキッチリ書き切るか、途中でヘシ折れるか。
ご意見、ご感想、誤字脱字報告、ぜひよろしくお願いします。
その一言がマジでウレシイんです。