プリキュアとの奇妙な冒険‐ようこそヒーリングっど♥へ!‐   作:アンチマターマイン

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また遅刻でした。申し訳ございません。
これじゃあ日朝九時更新宣言がほぼウソだ…
来週守れなかったら、該当の文言消します。目安にもならん。

評価8をくださり、まことにありがとうございます。
プリキュアたちやビョーゲンズ、スタンド使いたちを踏み台にするような
ことは常に避けようと思ってはいますが、独りよがりじゃあないかっていう
心配は常についてまわってます。それだけにいただけたコメントが
ホントにウレシイのです。鳴滝くんも、ヘンな変節だけはさせないよう引き続き努力します。

今回からアンケートを新しくします。
アンケート内容は、『現時点で、この作品に何を求めて読んでいますか?』
ぜひ、ご協力をお願いいたします。

今回の語り部は、のどかっち。
文字数は5500字弱。標準的。



絶対にバレるな!イップスの後ろ側で‐その3

ちゆちゃんの様子がおかしい。

『夢』でそう思ったから、こっそり様子を見に来てみた。

だって、ひなたちゃんが大会のこと話題に出したらね。

頑張るわね、ってニッコリ笑ってくれはしたけど…

話を、にこやかに打ち切りにかかったように見えたの。

ちょっとの違和感だよ。確信があったわけじゃあない。

だから、遠くからそっと見てたんだけど。

……どよめきだらけだよ。

ちゆちゃん、一度も成功してない。

近くの友達に、ハードルを下げよう、って何度か言われてるみたいだけど…

首を振って返して、また飛んで、またバーが地面に落ちてる。

これで何度目?別に数えたりはしてないよ……でも。

 

「ちゆちー、めっちゃ調子悪い」

「ふわッ!?」

 

いつの間にか真後ろにひなたちゃんがいたよ!?

確信もないことで大事になるのイヤだったから、

ひとりでコッソリ見に来てたのになあ。

考えることは一緒ってこと?…そうなのかも。

 

「ひなたちゃん?」

「やー、なんかウワサ聞いちゃってさ。

 ちゆちー、スリップしてるって」

「ス、スリップ?」

「あ、え?違った?

 ストップ…は、違うし!

 ステップ……アレー?…スクープ、スリープ」

 

な、鳴滝くーん!

…は、いるはずないよ。

ちゆちゃーん!

…は、アッチ!

わたしがツッコむしかない。

 

「えっと、スランプかな?」

「…………。

 そ、そー、そー!ソレ!

 さっすがのどかっち、国語のセンセー!」

 

ホメられてもなぁー。

置いとこう。お話進まなくなっちゃうし。

こういう時間も大好きだけど、今これをやるにはちょっと深刻だもん。

 

「ウワサになってるんだ。どういうウワサ?」

「飛ぶの、イキナリうまくいかなくなっちゃった、って。

 何度飛んでもうまくいってないって、みなちーから」

 

みなちゃんかぁ。

ひなたちゃん経由で、わたしとちゆちゃんともお友達になれてるけど。

『ひなたちゃんの周りの人』で、『ちゆちゃんの周りの人』…

陸上部の人脈とは、ほぼまったく関係ない人なんだよね。

そんなみなちゃんが、そんなウワサを知っているってことは。

 

「かなり大きなウワサになっちゃってるんだ…」

「えっ?……あ、そっか。

 めっちゃイヤじゃん。失敗ばっかウワサされるとか」

「すこ中のホープ、だっけ。

 ちょっとした有名人なんだよね、ちゆちゃん。

 うまくいかなかったら、みんな心配するのかも」

 

もともと有名なら、そんなにおかしな話じゃあないよね。

って言っても、ひなたちゃんの言う通りで。

イヤな気分にしかならないよ、そんなの。

これは……ちょっと、様子見なくちゃあいけないかなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「カッコ悪いところ見られちゃったわね」

 

その日の『夢』で、ちゆちゃんの方から切り出されるとは思わなかった。

 

「気づいてたの?」

「声が聞こえたわよ。ちょっとだけどね」

「その、ごめん」

「なんで謝るのよ。応援、うれしいわ。

 次からはもっと堂々来ていいのよ」

 

こう言われたら、そうするしかないかなぁ。

しっかり応援して、ヘンなウワサなんか気にならなくすればいい。

でも、ウワサが耳に入らないに越したことないから……

って、思ってたら、ひなたちゃんが切り込んだ。

わたしにできないこと、アッサリやってのけるんだよ、ひなたちゃん!

 

「ちゆちー、もしかして…さあ。

 あたしを助けてくれたのが原因?」

「ひなた?」

「ホラ、チリ・ペッパーの時!

 あん時が初めてじゃん。

 ハイジャンプに大失敗したの!

 あたしが知ってる限り…だけどさ」

「どういうこと?」

 

ちゆちゃんはわかったような顔をしたけど、わたしはわからない。

鳴滝くんもわからないみたい…だから、聞いてみる。

わたしと鳴滝くんが知りようがないタイミングで起こった何か、ってこと?

 

「チリ・ペッパーがザ・ワールドを使ったの!

 あたしを助けようとしてジャンプしたちゆちーが、

 一瞬後には地面にコケてたんだよ?」

「……何、言ってんだ?

 ザ・ワールド?時間止めたって?チリ・ペッパーが?」

「確かだぜッ、ひなたが言ってんのはよぉぉーーーッ」

 

なんでそうなる?って顔に書いてある鳴滝くんの正面に、

ニャトランが飛び込んでまくし立てた。

 

「チリ・ペッパーはあの時、オレたちを電線に引きずり込もうとしやがってた!

 ちゆはそれを止めよーと攻撃したんだよ。ヒーリング・ストリームでなッ」

「…そうよ。確かよ」

 

ちゆちゃんも、ニャトランに続けて鳴滝くんを見た。

 

「私に言えることは……ヒーリング・ストリームを撃ち込もうとした瞬間ッ!

 私は地面に転がってた…ってことだけよ。

 何が起きたのか、さっぱりわからなかったわ」

「で……でも!言われてみれば、言う通りだペェ!

 空から地面まで、間の時間がスッ飛んでたペェ!

 スゴイ速さで攻撃されたっていうより、時間を止められたって方が納得だペェ!」

「ちょっと、整理させて」

 

わたしが割り込む。

みんなの前に黒板を出して、チョークで書き出していく。

『前』と、『後』を。『瞬間』で区切る。

 

「ひなたちゃんから見たら……電線に引きずり込もうとしてた

 チリ・ペッパーが次の瞬間には消えてた。で、いいの?」

「うん」

「で、ちゆちゃんから見たら……

 ひなたちゃんを電線に引きずり込もうとしてたチリ・ペッパーを

 空から攻撃しようとしたら、次の瞬間には地面に落っこちてた…

 変身も、いつの間にか解けてた……で、いい?」

「間違いないわ」

「……ひなたちゃんを掴んでたチリ・ペッパーは。

 次の瞬間には、ちゆちゃんから少し離れた場所にいた。

 投げつけられたらしい電線が、ちゆちゃんとの間にあった」

 

なるほどだね。並べてみるとわかるよ。

ひなたちゃんが、今わたしが考えた通りを言ってきた。

 

「どー考えても、時間止められてるっしょ?

 チリ・ペッパーだけが動いてるっしょ?

 電線もさぁーーッ、DIOが投げたナイフとおんなじだよ!」

「言いたいことはわかった。

 平光と、沢泉に見えなかった『瞬間』、チリ・ペッパーだけが攻撃してたんだな?

 そうとしか思えない状況があるんだな?」

「うん。タッキーは気絶してたんだっけ。のどかっちも」

「事実はそれとして、だ!」

 

鳴滝くんも、あまり納得してない顔だけど…

事実として受け取ることにはしたみたい。

そこへ、F・Fが少し大きな声を出した。

みんな、見る。わたしも。

 

「なんで、ひなたはトドメを刺されなかった?ってのが、素朴な疑問。

 時間を止めてるってのにあえて放置して、ちゆの方に向かったっていうのが

 どうにもチグハグだが……そこはまあ、『入門したて』で説明がつく。

 でも、あたしにはそれ以前の疑問があるぜ」

「『入門できた』…『原理』は、何なの?」

 

引き継ぐみたいに言ったちゆちゃんに、F・Fはうなずいた。

鳴滝くんがチカラいっぱいうなずいてる。

言いたいことはわかった、だっけ。納得はできてないってこと。

……うん、わたしも。

ひなたちゃんが、わたしたちを見てオロオロしてる。

 

「げ、原理?」

「スタープラチナは…光の速さを超えることで時間を止めているわ。

 ザ・ワールドも、たぶんそうなんでしょうね……」

「…わ、わかるし!

 だからあたし、チリ・ペッパー早く倒さなきゃって思ったんだし!

 使いこなされちゃったらヤバイ、って」

「平光」

 

ちょっと遠慮がちに、鳴滝くんがひなたちゃんの言葉をさえぎった。

 

「『電気は光の速度を超えられるか?』

 問題はそこなんだけどよ……お前、わかるか?」

「ウグッ……」

 

…わかるわけないよ。

わたしもわかんないし、ちゆちゃんにもわからないよ。

F・Fまで首フッちゃってる。

『違うよ』じゃあなくって、『わかんない』って意味で!

 

「俺にもわからん。だから調べる。

 本をながめてる時間なら、いくらでもあるからな俺には」

「えと、丸投げしちゃってイイ?」

「適材適所だ。効率よくやろうぜ」

「テキ……?」

「モチはモチ…あー、まかせろってわけだ!

 お前はお前でなんかやってろ!

 沢泉がうまくいってなくて、お前はそいつをなんとかしたいんだろ?

 話はそーいうことだよな?」

「…ン!じゃ、頼んだー!」

 

昨日のことで、ちょっと心配してたけど…これなら問題ないかな。

鳴滝くんは、ひなたちゃんを助けたから、ここに居場所が出来た経緯がある。

そのひなたちゃんに嫌がられたら、

また一人で抱えてヘンなコト起こしかねないんだよね。

今だって、なんか距離遠いし。近づかないでー、みたいなコト言われたんだね?

几帳面っていうか意地っ張りさん。

 

「ありがとう、ひなた。鳴滝くんも」

 

ちゆちゃんがクスッと笑った。

時間停止の話よりも、ちゆちゃんの不調の話が先だったよね。

 

「でもね、うまくいかない原因を自分の外に求めちゃあいけないの。

 それは、アスリートとしての敗北よ」

「別に…お前だけの問題じゃあねぇーだろ。沢泉。

 仮に平光の言う通りだったら、

 ニャトランが『世界』に入門できるってことになるんだぜ」

「…そうね。じゃ、私からも頼むわね。

 私は、私との戦いに専念するわ。

 私のライバルは、私よ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ってコトだから!

 あたし、ちゆちーの応援に使うハタ作るよ!」

「ハタ?」

 

翌日の放課後、ひなたちゃんチに呼ばれるまんまついていったら。

横長のおっきい布が、ひなたちゃんの部屋に置いてあった。

 

「もしかして、横断幕のこと?」

「あ、ソレソレ!

 ウワサ止めるなんてムリだしさぁー。

 そんなのフッ飛ばすくらい応援しよーじゃん!」

「…うんッ、賛成!」

 

正攻法。それしかないよね。

さっそく足りない材料を買い出しに行って、作り始める。

…あ、そろそろ、わたしのおサイフもアブナイ。

お小遣いまでもうチョット。ガンバろ。

 

「よっしゃ、作るぞー!」

「まず、チャコペーパーで下書きしていこう?

 デザイン、もう決まってる?」

「モチ!」

「ラビリンもお手伝いするラビ!

 …でも、何すればいいラビ?」

「ンー、アイロンがけとか?」

「それはちょっと怖いよ。他に何か…」

「オレは外回ってくんぜ。んじゃ、後でなー」

 

ラビリンも張り切ってくれた。

ラテも連れてきてるから、そっちのお世話が優先だけどね。

ニャトランは外回りだよ。ちょっと前から話してた、ウワサ集めね。

スタンド使いに奇襲されたら、場合によっては全滅しかねないから。

常にアンテナは張っておかないと、ね。

 

「書く文字は、『空へ!』『限界突波!』…黄色が外で、オレンジが内側」

「ウン、書いてこ書いてこ」

「…………アッ、待って。誤字」

「え?」

「『さんずい』じゃあないの。『いしへん』だよ」

 

プリキュアだとか、スタンド使いだとか。

そういうのに巻き込まれてないわたしだったら、これも気づいてなかったかも。

そんな風に思わず苦笑しながら、ひなたちゃんとラビリンと、楽しく作業するわたし。

うん、生きてるって感じ!もっと伸び伸びしたいなぁ~

今日の作業は終わりかなってところで、ひなたちゃんがおずおずと提案してきた。

 

「あ…その、さ」

「どうしたラビ?」

「文字のワキにさ、ちょっと残ってる布でさ。星マークつけよーよ」

「彩り増やす感じ?いいかも」

「…でさ。一個くらいさ。やってもらおーよ。タッキーに」

 

後になるほど、言いにくそうになるひなたちゃん。

……微妙だね。

 

「いい…と、思うな。わたしは。

 でも、鳴滝くんが引き受けてくれるかは……ちょっと」

「そ、そっか…ま、頼んでみよっと」

「頼んでみるよ、わたしから。

 一個、星を作ってもらってね。わたしたちで縫い付けよう?」

 

ひなたちゃんは、今のままわたしたちだけで作ったら

露骨な仲間外れになる、って思ってるみたい。

でもまた一方で、ちゆちゃんにあった出来事がそんな簡単じゃあないこともわかってて。

…わたしから行った方がいいね。

ひなたちゃんから話を持っていったら、こじれるかも。

たぶん、鳴滝くん…断るから。

 

 

 

 

 

 

 

 

「できない相談だな」

 

やっぱりというかなんというか、断られた。

その日の『夢』で、一番最初に鳴滝くんを呼んだ。

呼んで説明したよ。ひなたちゃんのお願い。

 

「そこは越えちゃあならない恥の『線』だ」

「恥の『線』?」

「きたならしいクズ野郎のクズ行動で、永久に出禁ってことだよ。

 沢泉は『清算できない』と言った。ならそれが全てで、ケジメがいる……

 俺は、アスリートとしての沢泉ちゆの前には足跡ひとつ見せるべきじゃあない。

 せいぜい『夢』までだ。それが限度だろ」

 

無理だね。説得できない。

わたし自身、半分正しいと思うもん。

ううん、やったことを考えると、これだって『ぬるい』のかも。

 

「ひなたちゃんは…あなたを、仲間外れにしたくないって思ってるよ?」

「……俺は、ケジメをつけないことが裏切りだと思う」

 

まあ、十分かな?

仲間でいるために、ケジメをつけるってことだから。

これだったら、ひなたちゃんも納得してくれると思う。

 

「わかった。わたし、鳴滝くんを尊重する」

「悪いな…」

「いつか、終わりが来るといいね」

「無理だろ」

 

二人で無言になっちゃう。

これで終わりかな。いったん、鳴滝くんを返してからみんなを呼ぼう。

そう思って、(気分だけだけど)指パッチンしようとしたら。

 

「『汚い』のなら」

「えっ?」

「『汚い』のなら、『きれい』にしよう、って…言ったよな。花寺」

「…うん。言ったよ」

「悪あがきは……してみる。結果はわからない、けど」

 

?……そうしようと、してるんだよね。今。

みんなのイメージを良くしようって話、最近してるけど…それだよね?

 

「うん。がんばろうね」

 

ホントにがんばってほしいから。

笑顔を返して、わたしはいつもの『夢』にした。

 




2月21日~5月16日(当話投稿+8時間後くらいまで)に展開したアンケート。
ご協力ありがとうございます。結果は以下となります。
この結果は、アンケートを開始した44話『スカー・ティシューはここにある‐その2』の
末尾にて、投票終了にした上で閲覧可能な状態で保存します。


今のところ、鳴滝くんの人格面に一番いい影響を与えてるのは誰?

花寺のどか 6 / 46%
沢泉ちゆ 2 / 15%
平光ひなた 0 / 0%
ラビリン 0 / 0%
ペギタン 0 / 0%
ニャトラン 2 / 15%
ラテ 0 / 0%
F・F 3 / 23%

のどかが圧倒的といっていい一位ですね……
指針を与えるって意味では、確かにほぼ一人でやってます。鳴滝くんのボス。
自暴自棄の男の自殺的行動を「ありがとう!」の一言で止めたのはデカイか。

二位がF・F。
鳴滝くんの事実上の保護者です。
心身ともに支えてくれてる功績たるやいかばかりか。まさにヒーリングアニマル。

三位同率の1。ちゆ。
ガチの因縁持ちで、ほぼ説教担当になってるからでしょうね…
親身になって怒ってくれます。鳴滝くン、よかったな、感謝しろよ。

三位同率の2。ニャトラン。
今のところ、当作品の中に登場する全生命体の中で、
もっとも鳴滝くんと仲良くしてくれてる存在です。次点ペギタン。

ひなた、ペギタンがゼロは意外でした。
ふたりとも序盤のターニングポイントって認識だったんで。
ラビリン、ラテがゼロは順当。接点がね…

ご意見、ご感想、誤字脱字報告、ぜひよろしくお願いします。

現時点で、この作品に何を求めて読んでいますか?

  • 心優しいプリキュアたちらしい熱血バトル
  • ジョジョらしいどんでん返しの知略バトル
  • プリキュア世界で動くジョジョキャラ
  • ストーリー上の謎がどう展開するか見たい
  • 主人公たちがどう成長していくのか見たい
  • 人間関係がどう変わっていくか見たい
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