プリキュアとの奇妙な冒険‐ようこそヒーリングっど♥へ!‐ 作:アンチマターマイン
できれば、もっと量の多い更新をしたかったけど、
まずは目標を達成できたことを喜ぼう。
気が付けば第一話から一年経過。
一年前の自分に教えてやりたい。
一年経ってもまだ、バテテモーダの影も形もないって。
最近、ここすきをいくつかいただいたことが励みになってます。
マジにテンション上がる。
今回の語り部はF・F。次回は神視点になりそうだけど。
文字数は5500字弱。ほぼ標準量。
魁の背から腹に向かっていくつもトンネルが開通した。
そいつを認識したあたしが最初にやらなきゃならなかったことは、
ヤツに引きずられて気絶するよりも前に、ヒーリングアニマルとして個を確立。
あたし単独がヤツの意識から分離することだった。
これ自体は以前のスカー・ティシュー戦でもやってるんだがな……
今、数えたが……12か所だ。穴の個数は12か所!
うち3か所が致命的な動脈をとらえて、うち2か所が重要な臓器をブチ抜いていってるな。
衝撃とダメージと出血により、数秒経たずにショック症状に陥った魁の意識はすでにない。
これに引きずられてたら、あたしもおしまいだった。
そして、こいつも終わらせやしない。これがあたしなのよ。今も、昔も。
まず出血を止める。こいつは最優先だが……
(来やがったな)
松永とかいう担任の先公だ。渡り廊下から大股でこっちに来る。
片手には『銃』をぶらさげている……この平和ボケ国家日本でか?
ナンセンスだな…だいいち、あの形状には見覚えがある。承太郎が記憶しているぜ。
DIOが死んだ後、ちゃっかりSPW財団に雇われてエージェントをやってたヤツは、
何度か承太郎と共闘もしてるんだが、2008年を最後に突如消息を絶ってる。
その成れの果てがDISCで、アレってわけね。
こんな考え事をしてる間にも、傷の中で増殖して血は止めているが……
近寄ってくる担任が、確実なるトドメを刺そうってんなら…いちかばちかで奇襲するしかない。
だが、はっきり言う。パワーが足りない。
ここでヤツを殺すほどのパワーを出し養分を消耗するというのなら、
魁の生存をあきらめざるを得なくなる。本末転倒ってやつ。…さあ、どう出る?
「…………。死んだな。クズが」
しばらく見ていた担任だが、それだけ吐き捨てるとさらに近寄り、
銃の把手で、仰向けに倒れた魁のサイドキックのポケットをパシパシと叩き……
スマホを探り当てると、銃につっかけて取り出し、持って行った。
なんてこった。のどかに連絡を入れる前だったんだぞ。
これで助けを呼べなくなった……だけど黙って見ているしかない。
「この地球上で呼吸をする資格もないカスども。
電話帳から……探してやる…
この世は、少しでも……キレイでなくては」
うわあコイツ危ねえ。そして、独り言からなんとなく察しがついた。
こいつは、『悪人を殺せ』みたいな命令DISCを詰められてる可能性が高い。
円山とかいう先公いわく、今日のこいつはおかしいそうだからな。
『悪人を殺す』結論ありきで動くんだったらそうもなる。
たぶん、てめえの良心と正義感を納得させながらやってるんだろうな。イイ迷惑だぜ。
もっとも、素がコレで、ホワイトスネイクに見込まれた可能性もあるが……
よし、視界外まで去ったな。この間に、臓器の穴もすでにふさいでるけど。
心臓がすでに止まっててね…あたしが機能を代行してる。
ここまで来て直感的にわかった。本人の意識を覚醒させないと、このまま死ぬ。
肉体の…脳の状態は、言うまでもなく、昏睡。いつ魂が離れてもおかしくない。
肉体の記憶を見る。それを通じて、今こいつが見てる景色を見るんだ。
(……走馬灯ってやつよね、これ)
まず見たのは、すこ中ではない学校の風景。
複数人がかりでリンチされ、頭からゴミバケツに突っ込まれてゴミ捨て場に放置されてた。
足が動かねえから自力で外に出ることもできない。
手首を後ろ手に縛られてるから、あがいてもほとんど意味がない。
ゴミ汁の混じった空気をアップアップ吸いながら、か細く叫ぶだけ。
「出せッ……誰か、出せよぉぉぉぉぉぉ
ブッ殺すぞ…ぼくの家が、黙っちゃあいないぞおおお」
近くを何人も通ってる気配だとか音はあるが、誰にも相手されてない。
……ま、『水族館』でも見かけてたわね。こーゆーのは。
ボスの座から転落した不良囚人なんて、こんなものよ。
こいつはそれだけのことをしてたんだ。同情はしないし、本人も望まないだろうね。
だから今、こんなものはどうでもいい。必要なのは、さっさと目を覚まさせる方法だ。
あっ、場面が変わった。足が元気に動くようになってる。
「いいシューズだ。おまえにはリッパすぎてモッタイない!
お焚き上げって知ってるか?…捧げるんだってよ、神様に!
お祈りしてやるよ、ぼくたちがな!」
お人好しそーなボーズを取り押さえて脱がした靴を、ライターであぶってる。
やがて火がついて、勢いよく燃え上がりだしたそれをボーズの目の前に放り出し、
ゲタゲタと笑ってる……
「ナンマンダブ、ナンマンダブ、アーメン!ってな。アハハハハハハハハ」
周りの連中は、むしろドン引きしてるけど。少しして、追従するように笑い出した。
これが、引き返せない道の始まりってわけね。周りの連中にとっても。
また、場面が変わる。
「地方トップタイだったそうだな。よろしい…そのまま結果を出し続けろ。
支援をしてやるだけの価値を、おまえは見せている…よくやった、魁」
「父さん……はいッ」
「ところで
名に負う価値を証明できないのであれば。この食卓に、お前の席はないと思え。
『やっと…やっと、食卓にぼくの席が。
あいつを、小兄さまを追い落とせば!
ここは永遠にぼくのもので…今度は、ぼくの番だ』
バカッ広い食卓だなぁぁーーーーッバカじゃあねぇーの?
テーブルの一角を王様みてーに一人で占拠してんのが親父かよ。
日本料理にはゼンゼン詳しくないけど、並んだ料理もバカ豪華みたいで。
端っこにちんまり座ったチビ魁は、それを食べられることに喜びを感じてるらしい。
あっちに座ってんのが母親か?表面上笑ってるけど目が面白くなさそうだぜ……
…あっ、また場面が変わるぞ。どんどん短くなっている?
「と、父さ…助け」
「ン?景弼か……わしは立食パーティーに出てくる。
留守は任せていいだろうな?」
「かしこまりました。行ってらっしゃいませ、父上、母上」
「それと、あまり散らかすんじゃあないぞ。限度はわきまえておけよ」
「もちろんですよ」
血まみれの幼児を前にしての会話じゃあねぇーよなぁ。あたしがおかしいのか?
血がしたたるまでボコボコにされたチビ魁を引きずった兄貴が、
タキシードとドレスで着飾った親父と母親に、優雅なアイサツをしてやがる。
……こいつらと家族?うへェ……世の中広いわ。殺人鬼の生い立ちだな、まるで。
また変わる場面。やべェ。
「ヨシ、ヨシ……怖かったね、ゴメンねぇ?
まだ早かったかな、戦隊ヒーローは……大丈夫だよー、ヨシヨシ」
誰だこいつ。
ほとんど赤ん坊同然の魁をあやしてるってことは、母親……と思うけど。
どう見ても別人だ。髪質とか、顔の系統が全然違う。釣り目くらいしか共通点ない。
ベビーシッターとか、その辺か?
いや、もういい。これ以上さかのぼったら生まれる前だ。
おそらくは今が最後で、このままだと魁は抱きしめられたまま天国に逝っちまう。
(そうはさせねえぞ)
あたしは、分離していた意識をヤツとひとつに戻した。あえてだ。
当然、このままヤツが死ねばあたしも引きずられて死ぬってわけだが!
こうすることで、あたしも意識の世界に入り込む権利を得るッ。
スタンドと精神は不可分なんだぜ。いつものエートロの姿をとり…
そして問答無用だ。走馬灯の中に入り込んだ瞬間、F・F弾を女に向けてブッ放す!
突然乱入してきたあたしに驚いた女は、しかし魁をかばうように立ち。
顔をハチの巣にされてドサッと倒れた。
「アアアアアアアアアアアアアーーーーーッッッ!!??」
金切声みたいな悲鳴を上げるチビの胸倉をつかみ上げ、頭突きをかます。
そのまま眼と眼を合わせてにらみつける。
「忘れたのか?
あんたは、あいつらに何を誓った?」
ヤツのそばに、いつの間にかぬいぐるみが増えていた。
猫と、ペンギンと、ウサギ…それと、犬だ。
「…俺、鳴滝魁は」
返してきた言葉と一緒に、
視界に映るものが溶けるみたいに真っ暗になっていく。
そして、思い出した一言が出ると同時に、全てが消えた。
『生きてることを大切にします』
「…ウ……グ」
「気分はどう?」
「……。最悪」
体を張った甲斐はあったな。
魁はあたしともども、なんとか息を吹き返した。
だが残念なことに!これでメデタシとはいかないのよね。
「早速で悪いんだけど、気づいてる?
あんたのスマホが、あの松永とかいう教師に盗られてる!
「…………どこに行った?」
「さあね。今から探すしかない…ただ、わかっていると思うけど。
もう、ヤツを逃がすことはできない。
ぶちのめしてスマホを奪還し、スタンドDISCをも奪う!
ヤツのスタンドは
「ッ…どうりで。屋上あたりから撃って弾丸を曲げてきたんだな?」
松葉杖を使って立とうとする魁だったが、
あまりにもダメージを受けすぎだ。すぐに気が遠くなっていく。
流した血の上に尻もちをついても、
歯を食いしばって意識を保ったのはほめてやるぜ。
「こいつは……俺の血かよ」
「可能な限り回収はした。
残ったのは土に混ざってどうしようもないやつだけだ」
「花寺の血は、どれだけ出てった?」
「わかるわけないだろ。もう、あんたの血に混じりきってる。
区別なんか、つけてられない」
ギリッと歯を鳴らす音がした。
無理やりに意識をハッキリさせて松葉杖をつき、再度立つ。
今度はギリギリうまくやれた。体を傾けて前進する。校内に向かって。
「重ねに重ねて……よくも、やってくれたもんだな。クソ野郎」
「どうする気?正面からじゃあ、殺されに行くのも同じよ」
「やるしかねーだろがッ」
「考えてよ、魁。
フー・ファイターズは実体化していて一般人にも見えるスタンド!
でも、
銃を撃つなら、あたしたちにも出来る。
能力で、指先を銃に変えて撃つF・F弾があるんだからな。
でも、決定的な差がそこにあるのよ。
冷静になれば当然、あんたにもわかる。
「……衆人環視の中、見えない銃撃が一方的に襲ってくるってか。
しかもあっちは弾道を自在に変えられる……
なるほど、こりゃあ勝てない…悪い、忠告くれなきゃあ死んでた」
「さらに言う。今のあんたは半死人よ。
生きているとわかったら、大喜びでトドメを刺されるだけの存在。
もう、ひとりでの挽回は不可能だと思う」
「スマホを取られた俺にどうしろと?
花寺の番号、覚えてねえぞ」
「陸上部のグラウンドに行け。ちゆが確実にいる!」
歩き出した足……松葉杖が止まった。
心持ちうつむいたヤツの視線が空中をにらんだ。
あたしも必死だ。説得できなきゃあ、助けた命がムダになる。
たぶん、あたしも死ぬだろうしね。
「すでに生きる死ぬの問題になってるのよ。
ここでちゆを頼ったところで、あいつは絶対にあんたを責めない」
「いいや責めるね。俺が責める。俺を責める」
「……。いいか。あいつのハイジャンプと、おまえの短距離走を」
「わかってるってんだよ!」
混同するなと言おうとしたのが、有無を言わさない口調で止められた。
「俺の短距離走に重ねて見た、手前勝手な感傷だってんだろ?
だろうよ!わかってんだよ……
確かに、悪いウワサひとつで足が動かなくなるわけじゃあない。
まだまだ若いし、高校まで含めれば部活やってられる時間も長いんだ。
いずれ取返しはつくんだろうよ。俺とは違うよな?」
「だったら」
「でも、これだけはどうやら同じみたいだぜ。
短距離走は、俺が、俺であることを見つけられる場所だったはずなんだよ。
『これが俺なんだ』って。俺は風を切って進む人なんだ、って。
……その先に、俺をむかえてくれる人だっていたのかもしれない。
いや、いたんだよ。今ならわかる。あいつだったんだ。
でも俺は、その場の怒りにまかせてあいつのシューズを焼いた。
俺を刺すほどまでに追い詰めて、結局みんなダメにした」
そこで言葉を切ったヤツは、頭の中のDISCにしかいないあたしに、
改めて向き直るように姿勢を正した。
「F・F。
そういうことなんだろ、『聖なるもの』を穢すっていうのは。
ましてや沢泉のそれをかよ?
嫌だね。絶対に嫌だ。これだけは俺の意地だ」
「……命を賭けてもか?」
「そうだな。そうなる」
「陸上部のグラウンドには行かないっていうんだな?」
「くどいぜ」
……ハァ、テコでも聞かないわね、こりゃ。
でも、ま……悪くない。面白くなってきた。
この状況で、誰の手も借りないって?正気じゃあないね。
絶望的なそいつに、ちょっぴり勇気がわいてきた。
「そこまで言うんなら、あんたに賭けてやる…ただし覚悟しろ!
あたしはあんたの死を許さない。
あんたは陸上部のグラウンドに行かず、プリキュアを呼ばない。
これ以外なら、
その覚悟が、あんたにはあるの?」
「クソを食えと言うなら食うし、ホモ野郎になれというなら、なる!」
「よし。なら、追うぜ。
まずは、敵の場所を知ること。
そして、今のあたしたちで戦える方法を見つけること!」
「職員室だな。あのクソ野郎がどういうつもりだろうが、
退勤時には必ず現れるし、退勤済みなら自宅で襲うまでだ。
……逃がさねえよ?」
ゼェ、ハァ、ゼェ、ハァ言いながら、半身不随の半死人の反撃が始まる。
といっても、あんまし悲壮感とかはないね。
徐倫とかエルメェスもそんな感じだったし、あたしだってそうだしね。
さあやるか。あたしたちには『勝ち』あるのみだぜ。
※お焚き上げ…
故人の遺品など、粗末に扱えない品物を供養して焼き、天に返すこと。
物品を神様に捧げる儀式ではありません。タッキーめっちゃ間違ってる。
Q.『どうゆう』ってどういう事だぁぁ~~~ッ?ナメやがって!クソッ!クソッ!
A.ジャイロが使ってます。F・Fが使ってもいいでしょう。
ご意見、ご感想、誤字脱字報告、ぜひよろしくお願いします。
現時点で、この作品に何を求めて読んでいますか?
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