プリキュアとの奇妙な冒険‐ようこそヒーリングっど♥へ!‐ 作:アンチマターマイン
とはいえ、こういうことも無いとは言えないので、
紹介文最下部の連絡事項は今後も残し、
更新できない場合の連絡を主にここで行う運用にいたします…
今回の語り部も鳴滝くん。
文字数は5000字ちょい。少ないな…
やってきました、校外学習。
だからなんだって話ではあるがな……
松葉杖をつきながら、今日も今日とて俺は孤立しているだけだ。
表面上はな。
『じゃあ、俺は…例によってだが…だいたい、30m離れたあたりにいるから』
『うん。別にスタンド会話でお話してもいいよ?チョットくらいなら』
『やめとく。端から見ると、なんか受信してる電波ヤローだしな』
『べつに平気じゃん?いつもムスーッとしてダマッてるだけなんだしさ』
『否定はしねーけど。お前それ単なる悪口だぞ?』
『ゴメンゴメン』
ニヒヒとか笑ってるよコイツ、スタンド会話で。
存在を思い出した瞬間、他の誰よりも使いこなしやがって。
あれからしばらくの間、平光は現実の俺が射程内に入ると
花寺も巻き込んでガツガツ話しかけてきてたんだよ。脳内に!
半分はバカでも、もう半分では気を使ってくれているのがわかるんで邪険にもできん。
この前、横断幕に星ひとつ入れさせようとしたのもそれだよな。
形は違うが、ニャトランと同じだ。
俺のうぬぼれかもしれねえけど、まあそー思っとくことにしてる。
もっとも、スカー・ティシュー事件に差し掛かったあたりで沢泉に怒られてな。
それからは、業務連絡だけにスタンド会話を使うようになってる。今みたいによ。
聞く限り、花寺に向かってフツーに言葉で話しかけながらスタンドでも同時に
話しかけるみたいなことを平光はやらかしてたらしく、後から入った沢泉が見たものは、
細切れの言葉で意思疎通ができている謎の怪奇空間だったらしい。直ちに禁止した沢泉は正しい。
このやりとり、必然的に沢泉だけが蚊帳の外になるってのもあるしな…
早いところ、彼女に適合するスタンドDISCが欲しい。
こんなことが不和の原因になるとかゴメンだぞ。
ま、みんな出来たヤツらだ。そうおかしなことにはならないとも思うがよ。
『決まりには従おうぜ。
そーだな…三十分おきくらいに、スタンド会話で定時連絡な』
『っつってもさ。スタンド会話も近寄んなきゃダメっしょ?』
『俺から、会話できるギリギリまで近寄る。
俺の方からなら、みんなの位置がわかるからな』
『ン?…あ、そっか』
お前が一番ワカッてるはずだろが、平光。
今までの必要に応じた紆余曲折の末、みんなの体内にフー・ファイターズのコロニーがある。
俺とF・Fからすれば、50mの射程から外れさえしなければ、いつでもそれを動かせるわけで、
当然、場所も常にわかってるっていうわけだ。
この状況は、完全に信頼で成り立っている…なんせ、俺はいつでもあいつらを殺せるんだから。
本当にそんなことをやろうものなら、俺はまた孤立無援の死ぬだけ男に逆戻りするだけだがな。
仮に俺が操られるなりなんなりでそうせざるを得なくなっても、
同じく制御権限を持ってるF・Fが止める。
要は、確かに絶対ありえない。そういう面も含めた信頼だろうな。
『まあ、お話はいつでもできるもんね。夢の中で…
夢なら、ちゆちゃんもいるし』
『そういうことだよな。じゃあ、校外学習だ。真面目に勉強しようぜ』
『カタイねぇ~タッキー。んじゃね』
俺から、その場を後にする。三人から離れねーと。
最後に沢泉が、目配せだけをくれた。
俺たちがスタンド会話をしていることに、気づかないはずもないってことだ。
すでにガラス美術館には来ている。今、入場前の点呼だの注意だのが終わったところ。
歩き始める集団に従いつつ、駐車場のはずれにある木陰に目をやる。
ラビリンにペギタン、ニャトランがそこにはいるはずだった。
ビョーゲンズ襲撃に備えてついてきている……
もちろん、ビョーゲンズの出現を検知できるラテがいなければ片手落ちだ。
表面上、花寺の飼い犬でしかないラテはここに来られるはずもないが、
この問題はすでに解決されている。そう、チリ・ペッパーだ。
ラテのすぐそばには現在進行形でニャトランがチリ・ペッパーを控えさせており、
異変があれば即座にここまで連れてこられる。何ひとつ不都合なし!
ラテにスタンドは見えないってのが不便ではあるけどな。
静電気のバチッとするやつをモールス信号みたいに繰り返して合図するんだとか。
…さて勉強だ。友達もいない俺には、まじにそれしかやることないからな。
そして勉強は力だぜ。フー・ファイターズが消火器にやられるとか思ってもみなかったんだよ。
後で知ったが吸熱反応ってやつらしいな。
微生物であるフー・ファイターズは一定の水温がないと生存できない。
それをとっさに思いついて実践してきたあのクソ野…松永先生は、やっぱりちゃんと先生だった…今日は来てるぜ。
まあ、逆を言えば、『知って』さえいれば俺にも似たようなことができるってことだ。
ピンチで知識を使えるかどうかは生死に直結する。そのためには明日は待てない。今始める。
俺にプリキュアの超パワーはない。なら、それに代わるものを身につけなければ。
今日見るのはアートとしてのガラス製品だが、それならそれで学べるものはあるだろうよ。
「先生に呼び出されていたとか?」
とか思ってたらヘンなのにつかまった。
もうテメーに用はねえ、関わんじゃあねぇーよ益子道男!冗談抜きで死ぬぞ!
ってのが本音ではあるが、こいつの情報提供がなかったら俺たちはどうなっていたか。
そう考えるとうかつに突き放すのもな。
平光人脈は前回だけ使えた借り物だ。
危険にならない範囲で、俺もこいつを確保する必要はあるのかも…
「呼び出されていたな。例の件でだ」
「ええ、こっちでつかんでいた情報通りです。
アチコチで聞きまわっていたようですねえ、どうも」
「わかってると思うが。お前も嗅ぎまわってるんじゃあないぞ。
ウワサが、またどこから…」
「わかってますよ。状況を把握しときたいだけです!
前にも言ったと思いますが、明らかに火消しに動いた人間がいるんですよねぇー
やり口から考えるに、あなたでは無理です…
陸上部関係かとも思いましたが、これもどうやら違う…じゃあ誰が?」
「もう話は解決したし、俺がお前に教えてやれることもないぜ。
おとなしく次のスクープを探すんだな」
「……そうする気ですよ。さしあたっては先生ですね。だから聞いたんです」
なんだよ、今の間は。やっぱり危険か、こいつ。
だが、だからといってどうするっていうんだ。殺すのか?できるわけねーだろ!
むしろ逆で、死にに行かないように誘導してやらないといけない。
メンドくせーヤローめ!
……ふと右を見たら一面の鏡張りだった。映ってる俺が見返してきていた。
その隣にいるのが、当然ヤツ。溜息をついた俺は、続きをうながすことにした。
「…んで?」
「あなたが先生に呼び出された日が境なんですよ。
先生が…落ち込みきって、学校を休んだりし始めたのは!
そこで何か起こったと考えるのが自然です。
…いえ、駐車場あたりの校舎が何者かに破壊された騒ぎもありましたけど。
その周辺で目撃証言があったところで別に全然不審じゃあないんですよねえ」
まずはよかった。致命的なところを嗅ぎ付けちゃあいない。
F・Fが教えてくれたんだ。監視カメラはきちんとツブしておけってな。
正体不明のドロドロでダメにされた監視カメラの修理には金がかかっただろうが、
これで少なくとも一人の善良(?)なオッサンが破滅から救われたぜ。
あの後でスタンドも消したから、何者だろうと俺にはたどり着けん。
もちろん目の前のコイツもだ。
まあ、いいか。俺にあったことくらいは教えてやれる。
「いいカンだとは言っとく。俺も心当たりはその辺くらいしかない」
「やはり、何かあったと?」
「円山先生が同席しててな。
アチコチ聞き回ったことについて、かなりこっぴどく怒られてた」
「…先生が?先生の方が、ですよね?」
「ああ。まずはそっちの火消しが先だってよ」
眼鏡の縁を指で軽くはさみ持ち上げたヤツは、もう片手にあるメモに手をつける気配がない。
そのまま少し考え込んで、自分で自分の考えに納得したようにうなずいてきた。
「なるほど。そうなるでしょうね、円山先生なら…
しかし……弱いですねぇ~、あそこまで意気消沈するには。
どうしたっていうんでしょう?」
「それ以上は知らん、わからん。よそを当たりな」
安心して突き放せるってもんだ。ここから先はたどり着きようがない。
東京都心の実家を訪ねた帰り、電車で居合わせたクズ野郎が下りたところを見えない銃で殺害。
この事件、電車は止まることなく、犯人たる先生を乗せたまま走り去ってしまっているのだ。
これでどうやって先生と不可解な変死事件に関連づけるところまで持っていけるんだ?
状況証拠すらそろわねえんだからよ。安全に無視できるぜ。
「ムムム。あなたの言ったセンからさらに調べるのは…
例のウワサを再燃させかねない暴挙ですね。
手を引くしかありませんか」
「ぜひそうしてくれ。恨みを買いたくないならな」
「ボクはジャーナリストですよ?それも敏!腕!の!
他人を貶めるスキャンダル、それもでっち上げに手を出すつもりはありませんよ!」
「そう願いたいね!」
「取材に協力、感謝しますよ。何かあったらすこ中ジャーナルまで!」
慌ただしく去っていくヤツに、軽く手をふって見送る。
アレは元からこーゆーキャラらしいからな。
俺に突撃取材してきたって、周りからみると『まーたやってるよ』で済むみたいだ。
そういや、件のすこ中ジャーナルとやら。沢泉が写真つきで載ってたな…
その姿すら見るべきではないんで、すぐに視線から外したから文面はまったく見てないが。
お前いつか盗撮と間違われるぞ。いや、もしかして…とうの昔に疑われ済か?
俺が気にすることじゃあないな。忘れる。
『できたんだね、お友達』
ブフッ!?
脳内に響いてきた声に思い切り吹いた。
『ハァ?友達?』
『違うの?仲良く話してたみたいだったから』
『盗み聞きとは趣味悪いぞ、花寺』
『聞こえなかったよ?見てただけ…
気づいてるでしょ?さっきまでわたし、かなり離れてたでしょ?』
花寺がこう言うなら信じるしかないという、な。
気づくも何も、さっきはずっと話に集中してたしな。
わかってる。責める材料なんざ最初からないし、無益だ。
『離れてたぞ、魁』
『わざわざどーも!』
決まり悪いったらねえ。思わずちょいと舌打ち。
わかってやってるよなF・F、そのユカイそーな声からして。
『友達じゃあないとしてもね。
わたし、ちょっと安心しちゃった…
わたしたちと先生以外で初めて見たんだもん。
誰かと話して、気持ちを表に出してるところ』
ムズかゆい上に気恥ずかしい。
花寺の声は暖かいだけになんとも生暖かい。
それだけにかなり耐え難いものがあった。カンベンしてくれ。
…でも、だ。花寺の言う安心の先にあるのは…
花寺が手を貸す必要のない俺ってことか……それは、悪くない、のかな?
友達ウンヌンはゼンゼン別のハナシだけどな!
平光がやかましく横入りしてきた。脳内に。
『アイツ知ってるよ。エェーーッと、スコルプジャーナル、だっけ?』
『お前、通ってんのドコ中だヨ』
『…すこ中ジャーナル!すこ中ジャーナルとかゆー雑誌出してるヤツだよね』
『雑誌、って…あ、いや。英単語的には間違いじゃあない。
ジャーナルには雑誌って意味もあるにはある…』
『でしょー?チャンと覚えてんだよあたしだって!
中間だって怖くない!』
振り返って視界の隅に見つけたヤツは、エヘンと胸を張っていた。
……あ、やばい。脱線コースだ。脱線させちまったの俺だ。
そしてそれを即座に収拾する花寺。
『で、その、すこ中ジャーナルの人がどうしたの?』
『ン。有名だよ、いろんなトコに突撃取材してるって…
タッキーも取材された?イキナリ?』
『まあ、そんなとこだな』
『取材?…あんまり、いい考えは浮かんでこないけど』
『今、話し込むのはマズイだろ。夢でな』
今は打ち切らせてもらう。沢泉も混じってるところで、一度で済ませた方がいい。
差し障りのない説明ができる余地は十分にある。慌てる要素はないな。
定時連絡終わり。改めて勉強させてもらおうと、周囲を見回しに入ったところ。
『鳴滝くん、外!街灯が!』
花寺にうながされるまま、窓から外を見る。
そこから見えるすべての街灯がチカチカ光る異常事態が発生していた。
昼飯前の時間帯だ。自然に点灯するはずがない。
とすると、これは。チリ・ペッパーの仕業以外にはない。
別のスタンド使いがやらかしている可能性もあるが、だったらますます合流の必要がある。
花寺たちを女子トイレに走らせ、俺はそのかなり後ろをついていった。
こんな時ですら、ただでは終わらないらしいな。
できれば、楽に済んでくれよ……?
のどかっちは原作でも間を取り持って走る苦労人属性を多少持ってますが、
当作では鳴滝くんの存在のせいでそれが大幅増量の有様になってます。
来週で一旦、アンケートを区切りとします。
代わりにとるアンケートの当てが現状ないので、そのままになると思われますが…
ご意見、ご感想、誤字脱字報告、ぜひよろしくお願いします。
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