プリキュアとの奇妙な冒険‐ようこそヒーリングっど♥へ!‐   作:アンチマターマイン

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うぐぐぐ。遅くなりとうなかった…
展開に悩んだ結果、取り掛かりそのものが超遅くなってしまった。
これでも、感想をいただけたことがかなり助けになってるんですマジで。

今回の語り部は鳴滝くん。
文字数は5000字ちょい。標準弱。



枯れることなきブラッド・フラワー‐その1

中間試験は無事に終わり、点数も戻ってきた。

すこ中だと、順位は上位30人に限り張り出している。

沢泉の名前は、その中にあった。俺はというと、無関係だな。

 

「よーし、終わった終わった!自由だー!」

 

『夢』の中、カフェ・ドゥ・マゴ。

はしゃいでいる平光を、沢泉はあんまり感心した目で見ていない。

花寺は苦笑してるな。ドッチかとゆーと困り気味に。

…やる必要、あるか?憎まれ役。

考えてる間に、沢泉がツッコンだ。

 

「首の皮一枚だったじゃないの追試まで!

 このままだと今回良くても次がダメよ?」

「…こ、今回良かったんだからさぁー、イイじゃん」

「良くねーよッ」

 

誰かの後だと強気になるもんだ。

虎の威を借るなんとやら、ってか。情けない。

が、言わねえとヤバイのも確かだろうよ。

 

「平光、お前な。

 ビョーゲンズが出たとき、追試やってる気かよ?

 そーなるぞ、最悪よぉー」

「グッ……そんなコトゆータッキーはどーなのさー?」

「問題ないね。二週間以上前から備えてた。

 基本をおさえりゃ60点はいける…それで追試は回避できるだろ」

「ンムー!」

 

ふくれッツラでソッポ向いてもダメだかんな?

と、そこで首を斜めに傾けたのは花寺だ。こっちを見ている…

 

「何か?」

「二週間以上、で…60点?

 鳴滝くんなら、もっとできる気がするけど?

 わたし、だいたい70点から80点だよ?…あッ、69点あった」

 

聞いてみれば、まあ、もっともだな。

100点を狙うことはできるだろう。

そこに全力を傾けさえすれば。

 

「宿題とか除いて、一日あたり1時間程度だからな。

 いくらでもあるだろ?他にやること…

 戦いの邪魔にならない限りは、どうでもいい」

 

その1時間の範囲では全力でやってんだぞ?

何せ俺は、陸上で調子コキはじめてからは勉学をほぼガン無視したし、

こっちに転校してきてからの3ヵ月では一応ちゃんと授業を聞いていたものの…

ま、身が入ってたとは到底言えないね。赤点手前だった。

今回はそれらを挽回する必要があったんだ。みんなの邪魔にならないためにな。

 

「ンあーーーーッ!

 イヤミ!このイヤミーーーッ!!」

 

ブチキレられても困るぞ平光。

とはいえ、思考が次々ワープするクセは課題ではあるな。

コイツが勉強できないの、絶対そのせいだ。

頭が悪いはずないのに。

 

「どうでもいいっていうのは賛成できないわね」

 

今度は沢泉が席から立って、腰に両手を当てて俺を見下ろしてきた。

咎められるようなことは……

 

「あ、悪い…沢泉の成績を軽んじる気はない。

 あくまでも俺にとっての無駄って話であって」

「それこそが悪いっていうのよ?

 ちょっと前に、消火器なんかにしてやられそうになったのは誰だったかしら?」

「それは…それだろ。使える知識とテストの点数じゃあ、目的が根本から違うし…

 さっきも言ったが!もっと優先すべきことを、俺たちはたくさん抱えてる」

「でもそれを軽んじるのは間違いよ。あなたにだって将来があるでしょう?」

「…………」

 

突拍子もないことを言われたと思った。将来だって?

言われてみれば……まあ。生き続ける限り、たどりつく先は、ある。

でもそれを、今、気にしたところで…なんだ?

 

「…ビョーゲンズを倒して、レクイエムの秘密を守り切る。

 今、大切なのはそれだけだろ。違うのか?」

 

沢泉は、苦り切ったような顔を一瞬した。

それから、押し殺したような息をひとつついて、表情を戻した。

 

「……。私が無神経だったわね。

 ええ、それでいいわ。今はね」

 

言葉の意味を図りかねた。俺は何か間違ったことを言ったらしい。

左右を見る。平光が、さっきのブータレを引っ込めて神妙な顔をしている。

俺と沢泉の顔を交互に見ているようだった。

花寺は…どこでもない宙を少し見上げていたと思うと、

首をひとつ縦に振ってから、身を乗り出してきた。

 

「鳴滝くん。ひとつ、見落としてると思わない?」

「ん、いや…何を?」

 

正解はそこにあるのか?

俺の方からも思わず身を乗り出すと、

少し得意げにした花寺が続ける。

 

「鳴滝くんが、テストでみんな満点取ってね?

 順位が一番で貼り出されるでしょ?

 想像してみて?…どうなるかな?」

「俺が一番であることが知られる。それがど……あ」

 

わかった。言わんとしていることが。

確かにこれは、俺の目的のひとつにつながるかもしれない。

気を取り直したらしい沢泉が、横から不敵な顔をした。

 

「一目置かれるわよ、あなた。

 少なくとも、わけのわからない親切と愛想を突然ばらまき出すよりもね」

 

ぐうの音も出ない。

重要なのは、これに軽く見られる要素がどこにもないことだ。

妙なやっかみを受ける可能性は、そりゃああるが。

そんなもの、他の何をやっても同じだ。

かつて俺が考えたやり方よりも、ずっとずっと効果的だろう。

イメージが下降する要素は、ない。

 

「……いや待て。カンニングの疑いをかけられる可能性が高い」

「なら、そうならないように、イメージも一緒に作っていこう?

 授業中に手を挙げるのなら、誰も文句言わないよ」

「いい考えね。

 それを理由にして突っかかってくるヤツなんていたら、みっともないだけだもの。

 大人の対応で流してやればいいわ」

 

メリット以上のデメリットを、見出せそうにないな。

効果的だ……花寺。お前はいつも、一段と広いところからみんなを捉えるな。

そこに来て俺は、近くしか見えない。近視眼的ってやつか。

これではダメだ。変わらなくては!

みんなのために、役立つために。

 

「鳴滝くんが見落とすなんて、らしくない失敗だったけど。

 でも、次はきっと、スゴイよね?」

「全力は、尽くしてみる…出来る範囲で、だけど」

「簡単にはいかせないわよ?私も聞いたからには、ね?

 私も同じように頑張ってやるわ」

「…お手柔らかに」

「お断りよ」

 

高飛車めにふんぞり返ったところで、そんな沢泉を咎められるヤツはいないだろう。

勉強も運動もできて素行の良さもこの上ない、パーフェクト女だからな…

やり取りしている俺自身、全然不快は感じない。

これはむしろ合わせてくれてるだけだからだ。そう思う。

旅館の看板娘か。これもまた、おもてなしってやつを体得してるからこそなのかもな。

俺に対してそれをしているのは何の因果か。手間をかけさせすぎているな…

 

「…………」

 

……ええと。

黙ったままのヤツがいる。

憮然としたというか、悲しそうというか。

そんなにイヤだったのか?今の話に首突っ込めなかったのが。

そんな顔する必要、どこにあんだよ。

ムスッと、手元の紅茶をすすってる。

わからんが、原因が俺にあるのは確かっぽい。

何なのかわからんのに謝ったところで神経を逆なでするだけでは…

『夢』だからな。強く思い浮かべて…手元にチョコミントアイスを作った。ダブルな。

そいつを差し出してやる。平光の前に。

 

「…ン、え、えッ?イキナし何?」

 

困惑されたよ。

俺はやっぱりわかってないヤツなのか?

でも今更引っ込めてももっと感じ悪いわ。

 

「何って……

 なんか落ち込み気味に見えたんで。

 いらねーなら、引っ込める。引っ込めた方がいいなら」

「……。う、ウウン?いる、いる!

 あんがとね!なら、あたしは……コレ!」

 

ひったくるみたいにチョコミントアイスを持って行った平光は、

入れ替わりに俺の前に紙コップを差し出してきた。

同じように『夢』の中で、だいぶ前にふるまってもらっている。

平光姉の屋台で出してるっていう、ジュースにグミをトッピングしたやつだった。

…いや、なんで?

 

「あ、アリガトウよ」

「ウン」

 

シャク、シャクシャク…

ズ、ズ ズーーーッ…

 

食う音と飲む音だけが聞こえる。

ウマイよ?ウマイ…こんなゼータク品、俺にはほぼ縁がないんだし。

だがその場にあるのは、ただただ困惑だけだった。

花寺も沢泉も、怪訝な顔をしているのみだ。

1分近くそれが続いたんだが、打ち砕いてくれたのはニャトランだった。

 

「オウオウオウ。

 そんな筋合いねェーんじゃあなかったのかヨ?魁よぉー!」

「…、うるせー。お前も食ってろ」

「ニヒヒヒヒ、ありがとよ」

 

その後、なし崩し的に全員にふるまう羽目になった。

チョコミントアイスのダブルを。

そんな特別なモンじゃあねえぞ。俺が好きな味ではあるけど。

思い返すに、コレだってヒトから強請ったカネで食ってたんだし。

そう思うと、途端にみんなを汚物で汚染したかのようにも感じてしまう…

くだらん話はここまでだ。

何度でも言うが、俺たちは他にいくらでもやるべきコト抱えてるだろーがッ

 

「確か、ラテだったよな?

 ラテから何かあるって話だったよな?」

「うん。遠くから嫌な何かを感じるって」

 

花寺に抱っこされたラテも交えて聞くに。

以前から、何か嫌な感覚を覚えてはいたらしいのだが、

それがここ数日で存在感を大きくしつつあるとのことだ。

場所はまだ特定できていないが、おおよその方向までは花寺が割り出した。

北東だ。すこやか市からすると、神奈川だとか東京の方角だ。

あるいはその先の埼玉だとか茨城、福島かも知れないがな。

 

「そうなると、やることはひとつよね。

 ラテに方向が感じられるっていうのなら」

「またオレの番だぜ。

 ッつーか、チリ・ペッパーの番だぜ正確には」

「出ずっぱりだペェ」

「人間社会じゃあ便利すぎるラビ!

 ヒーリングガーデンじゃあ役立たずラビーッ」

「頼り切った戦いをしてたら、電気がない時にヒドイことになるから。

 そこはちゃんと考えないとね…それは置いとこう?やることは…」

 

ニャトランがチリ・ペッパーで遠隔地のポイントにラテを連れまわし、

そこから嫌な感覚の方向を探る。

それをいくつも繰り返し、それぞれ感知した方向を結んだ先が答えになる。

相手が移動していない限りはな。今のところ、それはないらしい。

 

「ラテの立場は飼い犬だし、そう簡単に出られないわね」

「アゥン…」

「お父さんにお母さんの目を盗んでになるから。ちょっと時間かかるね」

「ならその間にさぁー、例の事件解決しよーよ!富士山の行方不明!」

 

平光がかなり強めに言ってきたのは、ここ数日でみんなの話題になっている事件だ。

富士山麓近郊の道路で、車の事故が相次ぎ、

しかも乗っていた人間が全員行方不明になっているという…

だが警察が出張り始めるなり、忽然と事件の足跡は途絶えた。

同様の事故が、突然起こらなくなってしまったのだ。

普通の交通事故はあるものの、共通点も、不審な点もないらしい。

これらを受けて、すでに俺たちもいったん結論を出している。

 

「ひなた。私の気持ちもあなたと同じよ?

 でもね、だからこそ、もう一度言うわね。

 …相手の正体も、能力もわからないのに?

 このまま行ったら、ミイラ取りがミイラになってしまうわ」

「でもさ、七人だよ?

 しかもさ、うち一人は小3の女の子なんだよ?

 このままほっといたら、どんどん助からなくなっちゃうじゃん」

「そして、そこで足跡が、事件が途絶えた…

 ニャトランが監視する他には、今ある材料から追っかけるしかねえんだよ。

 その子がすでにダメだとしたら、俺のせいだ。俺の調査がトロいせいだ。

 恨んでも憎んでもいいけどよ、とにかく今行かせるわけにはいかねえよ」

「……そんなアンタより、もっと何もできないあたしなんだけど?」

「わたしたち全員の限界なんだよ、ひなたちゃん。これも前に言ったよ?

 できること、やっていくしかない……ごめんね」

 

今、調べがついている範囲では。

被害者の身元はみんなわかっているという。新聞とネット、週刊誌を総当たりした。

それによると、三件の事件のうち、ひとつは営業に向かっていた会社員。名古屋在住。

ひとつは夫婦旅行の帰り。栃木在住。

そしてもうひとつは富士山近所の町へ、家族四人で引っ越し。元の住まいは千葉。

いずれの世帯同士も関わり合いはない。狙われるような遺恨があるかは不明。

営業の会社員だけは、やや多額の借金ありとかいう情報が週刊誌一個にだけあった。

信憑性は、相当疑わしい。ソースがぼかされすぎてアテにならん。

ここまでの情報を額面通りに受け取るとするなら、

犯人はほぼ一か所に張り込んで、ある意味無差別で攻撃を仕掛けている。

犯行時刻はすべて夜だ。最後の家族襲撃だけは、やや早い20時頃だが。

さて、乗用車をメチャクチャに破壊して、大ケガをさせた中の人間を

天狗の仕業かのように連れ去ってしまう犯人は、いったいどういう利益を求めている?

わからないのだ。誘拐して人身売買でもするのなら、大ケガさせるのは大馬鹿野郎だ。

犯人のスタンドがクレイジー・ダイヤモンドなら別だがな。考慮に値しねえ。

そこを置いて、外に這い出した形跡を残してみんな姿を消したって側面だけを取り出しても

エニグマかもしれないし、アクア・ネックレスかもしれない。

リンプ・ビズキットもありえる。もしかしたらジャンピン・ジャック・フラッシュかも。

あるいはスタンドなんか使わずに、手品じみた完全犯罪を達成しているのか?

そもそも犯人は人類か?キャトルミューティレーションと言われても納得できるぞ?

とにかく、今時点では、わからん、と言うしかないんだよ。

今はただ、追跡調査を続けつつ、現地の電線をチリ・ペッパーにパトロールさせるだけだ。

 

「だから今は、すぐに手をつけられそうな、ラテの話を優先するよ。

 鳴滝くんは富士山事件の調査、続けて」

 

俺たちのリーダーの決が出た。

 




敵の正体と能力、どっちも不明のまま勇み足を踏んだ結果どうなるかは
ポルナレフが証明しています。承太郎も当然それを知っています。
承太郎インストールしてるプリキュアたちは立ち止まらざるをえない。

どっちも不明の状態から襲い掛かられて、挽回して勝った例も
多いっちゃあ多いんですけどね。

すこ中のテスト順位うんぬんは捏造設定になります。
ナターシャの回しかテストの描写は無かったはず。

ご意見、ご感想、誤字脱字報告、ここすき等、ぜひよろしくお願いします。

現時点で、この作品に何を求めて読んでいますか?

  • 心優しいプリキュアたちらしい熱血バトル
  • ジョジョらしいどんでん返しの知略バトル
  • プリキュア世界で動くジョジョキャラ
  • ストーリー上の謎がどう展開するか見たい
  • 主人公たちがどう成長していくのか見たい
  • 人間関係がどう変わっていくか見たい
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