プリキュアとの奇妙な冒険‐ようこそヒーリングっど♥へ!‐   作:アンチマターマイン

83 / 84
もはや恥も何もない。失踪申し訳ございません。
今後は不定期更新になるとは思いますが、
久々に戻ってきた作者が一話だけ書いてまた失踪は超よくあること。
無益にいろいろ考えて何もできなくなることが一番ヤバイので、
少量でもいいから書いては投稿して先に進めることを優先しようと思ってます。

評価9をくださった方、ありがとうございます。
やっぱり期待には応えたいものです。
また、捜索掲示板にて拙作を挙げていただいた方にも深い感謝を。
ひとつの目標というか、夢に近いものだったので。

今回はおよそ5500字。ちゆちー視点。


目覚めて、黄金の風!ジョルノの見る夢‐その2

反射的に出てはいったものの、とうじじゃあないことはすぐにわかったわね。

ないわ、モミアゲの伸ばしてる部分が!私にもあるアレ!

それ以前に、においも、触れた感触も、ちょっとした反射の動きも全然違ったわ。

だからといって、やることは変わらないわよ?

小さな子供が暴力を振るわれて黙っているようなら、プリキュアの資格なしよね。

とはいえ、相手は警察官……夢の中ダケド

短く刈り揃えた銀髪の、男の警察官よ。

目つきが悪くて、顔つきも険しい。まるで冷たいカミソリよ。

背の高さもすごいわね。承太郎さんくらいあるんじゃあないかしら。

 

「この子が一体、何をしたっていうのかしら?」

 

努めて、声を落として聞いてみる。

まずは向こうの言い分を知らないと、打つべき手も見えないわ。

最悪こっちが悪者にされて、この子を助けるどころじゃあなくなっちゃうかも…

そんな風に考えてる間にも時間は経つんだけど……反応しないわね?

男の子の方から私の方に、ゆっくり視線を移しただけよ。

 

「聞こえているの?あなた、警察でしょう?なんでこんなことッ」

「…いつ……って…、…シは、ねえ」

「え?」

 

語気を強めて問いただしてみたら、何かを言っている。

しゃべっているのはわかるのよ?

けれど、どうもよく聞こえないわ。

音と音が重なったり、消しあったりしているみたいに!

仕方ないから耳を凝らしたけど、やっと聞き取れたのは。

 

「そいつ……っていい、シは、ねえ……せろ」

 

言葉だけだと苦しいわ。警察官の後ろで開いたままになってるドアの奥を見る。

何人かいるわね?食事をとっているわ…ピザね。マルガリータピザかしら。

食べている人は、ほとんど『影』だわ。

例えでもなんでもないの。『影』が食べているのよ、ピザをッ

女の子が一人いるわ。体格からそうだと思うだけだけど。

その隣の男の人?たぶんバンダナをしてる…が、キノコが乗ったピザを食べてて、

そのまた隣は、ボウズ頭?の男がイチゴケーキを……いえ、何かかぶってるみたい?

わからないわ。形しか…真っ黒が立体を作ってるだけなんだもの。黒いだけの人型なんだもの。

もっと目をこらして見ようとしたけど、気づかれたのかしら?

その『影』たちはザッと立ち上がると、そろって奥に行ってしまったわね。

 

「……ろ……い……めを…てえ…か」

 

目を離していたら、警察官の方から声をかけてきたわ。

やっぱりほとんど聞き取れないけれど、この口調は、いかめしい威圧よ。

ろくな人ではないのかもしれないわね。

おばあちゃんの頃、すこやか市にもいたらしいのよ。ヤクザのワイロを握った汚職警官……

そう思った瞬間、聞こえた言葉がつながったわ。

 

『そいつの食っていいメシはねえ』

 

……カッとなったわね。

ただ、抑えたわ。私は旅館の娘。商売人の娘よ!

小さな男の子とはいえ、ねだられたからってお金もなしにご飯は出せない。道理だわ。

仮に、あまりにしつこく居座られていたのなら、手荒く追い出すのも、理解はする。

 

「グレース、お金を!」

「うん」

 

グレースが懐から取り出してくれた万札の束…ここまでやらなくていいわよ!…を、

警察官の前に差し出して、今度は私から頼んでみるわ。

状況が呑み込めてないみたいな、この子に代わって、ね。

 

「お金なら払うわ!私たちがね…日本円だけど、食べ放題には充分のはずよ」

「………………」

「どうかしら?」

 

話を聞いているんだかいないんだか。

警察官の男は、しばらく私の差し出した札束を見やってきたけど……

 

スチャ!

 

次の瞬間、脇から銃を抜いてきたわ。なにそれ。

さすがにこんな反応されると、ひどい誤解があったのかと思って

なだめようといったん手を下げようとした、またさらに次の瞬間。

 

バスッ!!

シバッ バチィ!

…フワァァーーz_ッ

 

衝撃が来た。万札の束に穴が開いたのが見えた。

手元からすっ飛ばされて宙に浮いたそれは、空中でさらに別の何かに打ち砕かれて!

紙吹雪になって飛び散ってしまったわ。

 

「な、銃?いえ、スタン」

「フォンテーヌ、今は引き下がるペェ!」

「ペギタン!?」

「何もわからないまま戦うわけにはいかないペェ!」

「…その通りね」

 

戦闘態勢に入るなりペギタンにたしなめられた私は、

かばっていた男の子を持ち上げると、飛び去ってその場から逃げ…

 

「跳んじゃダメ、フォンテーヌッ

 狙い撃ちになっちゃう!」

 

そうよ、相手は銃…よね、たぶん!

さえぎるものが何もない空中に行ったら、撃ち落されてしまいかねない。

どうもよくないわ。冷静さを欠いている…

ネガティブな自己批判なんかしてるヒマもなく、

地を滑るようにして逃げるグレースのすぐ後を追う。

グレースも当然、鳴滝くんをおぶってるわね。

警察官の男は銃を抜いて立ち尽くしたまま、追撃してくることはなかったわ。

 

「ハァァ~ッ どうなることかと思ったラビ」

「……私のやり方がまずかったのかしら?」

「イキナリ銃抜く相手にどうするってんだよ。誰だろーがムリムリ」

 

少し離れた岸まで逃げ切ってから、グレースと地べたに座り込む。

鳴滝くんだけはベンチだけど…気を遣わせてしまっているわね。

その辺、気になりはするけれどね。

夜に手紙のやり取りをしたのも、これ以上ギクシャクした関係にならないためよ。

私がヘンに気にしたら、それこそ苦労が無になるわ。

 

「そうね。そうよね。ありがとう」

 

それだけ返すと、少しだけ、みんな沈黙した。

そんなことしてる場合でもないから、すぐに私が口を開いたけど。

 

「で、結局あれはスタンド攻撃だったのかしら?」

「たぶん、そう。銃弾が空中で行ったり来たりしてたと思う」

「夢の中ではあるけどな。

 俺たちなんかより、ずっと戦歴の長いスタンド使いの夢だからよ…

 スタンドと考える方が自然だろうよ」

 

グレースも鳴滝君も、あれがスタンドの仕業だっていうのに異存ないみたい。

でも、すると…グレースの言うとおりなのなら!

 

「『皇帝』?ホル・ホースはジョルノさんにも腕前売り込んでたっていうの?」

 

自在に弾道が変わる銃のスタンドなんて、イコールで『皇帝』じゃない!

と思ったけど、グレースはためらいがちに首を横に振った。

 

「ううん。似たようなスタンド、もうひとつあるよ。

 マンハッタン・トランスファー」

 

あ。いたわね。そういえば。

決して印象が薄いわけでもないのに。

というか、承太郎さんが心を抜き取られた事件の、思いっきり当事者よ?

犯人の一人だっていうのに、もうッ

 

「ライフル弾の軌道を変える狙撃衛星だよな。

 アレもホワイトスネイクの幻だった気はするが…幻を作るにもディティールは必要だ。

 現実で襲ってきたときも銃を使ってたし、能力自体は本物と見るべきかもな」

「しかも本体ジョンガリ・AはDIOの狂信者!

 ジョルノ・ジョバァーナにつきまとった時期があってもおかしくないね」

 

鳴滝君もウンウンうなずいて、

F・Fも上手な相槌を入れてるからチョット肩身が狭いわ…

(F・Fは鳴滝君のクチの中からシャベッてるわよ)

ショボンとしていたんでしょうね。私。

それを察したらしいグレースが、かばうみたいに言ってくれたわ。

 

「もちろん、ホル・ホースさんの線が消えたわけじゃあないよ?

 似たようなスタンドならいるよ、っていうだけ……

 さっきのも、わたしたちが知らないスタンドかも」

「銃声はひとつだった。撃ったのはあのポリ公じゃあないね」

「俺にゃ何がなんだかだった。わかったのは、空中で金属叩いたみたいな音がしただけ」

「フツーの人間に銃弾見るのは厳しいと思うペェ」

「ラビリンも、グレースと一緒じゃなかったら全然見えないと思うラビ!」

 

おかげさま、ね。少し落ち着けたかしら。

ここでようやく思い至ったのよ。つまり……

 

「みんな、ひとまずはその辺にしない?」

「その辺に、って…敵スタンドの話だぞ?…ン?敵?…あっ」

「そうだね。後にしよっか」

 

鳴滝君は反論しかけて止まって、グレースはゆったりと笑顔を見せた。

そう。ペギタンが私を止めた意味がここにあるわ。

敵と決まったわけじゃあない(・・・・・・・・・・・・・)のよね。あの警察官。

何もわからない今の状況だと、むしろ私達の方が敵対行為を働いた可能性すらある。

そしてそれより前に、もっと気にするべきことがあるのよ。私達がプリキュアであるのならね。

つまりねえ。

 

「ホッポラカシで話し込んじゃってごめんなさいね。大丈夫だったかしら?」

 

店から蹴りだされた男の子を放置して、話が進むわけないじゃない。

何ひとつ事情を聴かないで、何ができるっていうのよ。

状況についてこれていないのか、ボケーッとしたままになってた彼に、

私は今やっと、まともな声をかけた。

 

「別、に……大丈夫、だけど」

 

そのまま放っておかれると思っていたのかもしれないわね。

話しかけられると思わなかった、みたいな態度でぼそぼそと答えているわ。

 

「蹴り飛ばされたのよ?痛かったでしょう」

「それは、まあ」

 

…他人事みたいな反応ね?蹴られたのはあなたよ?

少し考えてみたけど、単純に、私たちに何も期待してないのかもね。

存在を無視して回りで長いこと勝手に話し込んでいれば、それはそう、よ。

この子から私たちに話しかけるスキも、なかったのかもしれないわ。

つ、つくづく悪いことをしたわね。私たち。

 

「…あの。すみません。急いでます……ありがとうございました」

 

って、ちょっと待ってよ。話を切り上げて行こうとしないで!

ペコリと頭を下げた男の子は、よそよそしくスタスタと走りだしちゃって、

慌てて呼び止めようとしたところに、鳴滝君が鋭い声で先んじた。

 

「どこに行くのか言えよ。『ありがとう』が口先だけじゃあねえんならよ…」

 

何やってるのよ。そんな小さな子を脅かしてどうするのよ?

なんて考えが先に立ったけど…いえ、反応を見るぶんには悪くないわね。結果論だけど。

一瞬、足を止めたあの子がこっちを見た目つきに……何か、後ろめたい気配があったわね!

決まりよ。私は立ちふさがることにしたわ。

すぐにまた走り去ろうとする男の子の眼前に、私はひとっ飛びして着地した。

 

「悪いけれど、私も聞きたいわね。

 もし、あなたが危ないところに行くのなら!

 助けた私がバカみたいだもの」

「…どいてよ。関係ない人には……つまんない話です」

「かもしれないわね。ダメ元でいいから、お姉さんに話してみない?」

 

仮にも、お客様の中の小さな子を何度もおもてなししてきた私よ。

しゃがんで視線を合わせて、安心させようとするんだけれど。

うつむいたこの子から感じるわずかな雰囲気は、不快感、拒否反応…ね。

ペギタンもヒーリングステッキから、そっとささやいてくるわ。

 

「フォンテーヌ、言いたくないことかもしれないペェ」

「そうは言うけど……傷つけられに行くのを、みすみす見逃せないわよ」

 

私自身も、そうは言うけど、よ。

状況証拠しかないのよね。私の言ってること。

これで付きまとうのにはちょっと無理があるの。見方変えればアヤシイオトナ!

早い話、私も、鳴滝君も、ペギタンも、グレースも、ラビリンも…

この子が、またあの警察官のところに戻ってひどい目に遭わされるのを危険視しているわ。

それは間違いないはずよね。

 

「話したくないなら、話さなくてもいいよ」

 

かける言葉に迷っていたら、グレースが一歩前に出た。

 

「わたしたちは、あなたが殴られたり蹴られたりするのがイヤなだけ。

 だから、一緒についていくの、許してくれないかな?」

 

理屈つけるのをあきらめて、素直な言葉で押し切ることにしたみたいね。

結局、私達みんなそれなんだから、正しいと言えばそうなんだけれど。

でも、残念ね。あの男の子はうさんくさそうな顔しかしていない。

 

「……迷惑です。それじゃ」

 

それだけ言って今度こそ走り去ってしまったわね。

路地裏に飛び込んでいってしまった…土地勘のない私達に、追いつくのは無理ね。

 

「だ、ダメかぁー。…ツライなぁー」

「ンもー、どーするラビー?」

 

苦笑してるグレースに、ラビリンが割と強めに咎めてる。

本人の口から、ついに何も聞けないままだものね。

一見、グレースはあんまり悲観はしてないように見えるけど…

私の代わりみたいに、ペギタンが聞いてくれた。

 

「どうするペェ……なんにもわかんないまんまだペェ?」

「こうなったら、スタンド使いは引かれ合う、に頼るしかないよね」

「どーゆーコトラビ?」

 

何が言いたいのか、私にはわかったわ。

本人に聞けないなら、向こう(・・・)に聞くしかないってことでしょう?

鳴滝君もそれがわかったんでしょうね。

ただ、賛成はできないみたいで、呼び止めるみたいにグレースに聞いてる。

 

「おい…無策で行くのか?

 スタンド使いが何人いて、何をしてくるのかもわからないのにか?」

「だから、どーゆーコトラビ?」

「グレースは、さっきの警察官と、奥にいた影人間どもに事情を聴く、って言ってんだ。

 俺としては賛成がむずかしい……が、現実問題、それしかできねえよな?」

 

ヒーリングステッキから飛び出してるラビリンの顔がこわばるのが見えたわね。

今の物言いで、ラビリンにもわかったみたいね?

そう、私達には。

 

「時間がないもん。わたしたちに、というか、ジョルノさんに」

「時間かけてたら死んじゃうペェ。でもそれだけに失敗できないペェ。

 起きてるみんなの意見は聞いてるペェ?」

「今聞いたよ。ラテが一番急いでる」

「焦らなきゃマズイ、ってことね」

 

いよいよ、一分一秒が惜しくなってきたわ。

病院に乗り込んでジョルノさんにヒーリング・オアシスをかける強硬手段は、

やるなら今が最後のチャンスな気がする、けど。

どっちにしても博打でしかないわね。やるも、やらないも。

迷いがジョルノさんを殺すわ。

 

「行きましょう、早く!

 ここがジョルノさんの夢であるなら、スタンド使いが無意味な幻とはどのみち思えないわ」

「あのガキもだ。スタンド使いと絡んだ以上、何かある…

 ジョルノの精神に強く焼き付いた誰かだっていうのなら、あいつがカギになる。

 見失ったり、キズつけたりしたのなら、たぶん俺たちは失敗する!」

「そしてスタンド使いが引かれ合うならッ

 行先は…さっきのレストランしかないよ!

 あの、一瞬だけした後ろめたい目も含めて!」

 

私達は、さっきのレストランまで突っ走ってたどりつくのよ。

あの子よりもずっと先にね。




とったままだったアンケートにかなり回答をいただいてまして、
キリがいいところでまた結果についてコメントをしたいです。
「ありがとう」…それしか言う言葉が見つからない

ご意見、ご感想、誤字脱字報告、ここすき等、ぜひよろしくお願いします。

現時点で、この作品に何を求めて読んでいますか?

  • 心優しいプリキュアたちらしい熱血バトル
  • ジョジョらしいどんでん返しの知略バトル
  • プリキュア世界で動くジョジョキャラ
  • ストーリー上の謎がどう展開するか見たい
  • 主人公たちがどう成長していくのか見たい
  • 人間関係がどう変わっていくか見たい
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。