遅くなって……本当にぃ申し訳ない。堀とか堀とか堀で忙しかったんだ。結局フレッチャーは出ていないが……。
そしてUA500越えありがとうございます!しおりも九件、お気に入りも十二件。本当に光栄に思います!まだまだ堀と一緒に頑張っていきますよー!
三話後編ですお。今日も今日とて中盤がなんか違和感を感じるお
堀も見切り発車な三流提督の書いたお話。まだ失速はせんぞ!
と言う訳で第三話後編 能ある鷹の爪③いっくぜー!
現地時間2020年10月5日、時間一四二〇、位置ショートランド泊地、工廠・船渠内、視点 明石
「どうしよっかなー」
私の名前は明石。艦種は工作艦で装備改修や修理、入院施設の管理者兼看護師のようなことをやっています。
ただ、今は軽口を叩ける状態じゃないのです。実は新しい艦の方が来るのですが、問題はその方が大破した状態で来るということなんです。
大破状態自体は新造艦でも直すこと自体は簡単なのですが……高速修理材、通称バケツを使うことが難しいんです。なぜなら、バケツはそもそも劇薬。使い方を間違えると人体が崩れ、盲目になったり、四肢が欠損したり。最悪の場合には死亡するもの。多いと死亡、少ないと中途半端にしか治らず、死に至る可能性もありえるんです。見てからの調整が完了しない場合もありますから来るまでの時間に調整をしたいんですけどね。
「……いかんせん情報が足りなすぎるんですよねぇ」
そう、情報。艦名もしくは艦種さえわかれば大体の必要量が分かるんですけどねぇ。吹雪さんが急いで連れて行った所為で艦種どころが大きさも大体しか分からないって言いますし……。
「その大体が吹雪さんよりは大きかったじゃあ分かりませんねぇ」
駆逐艦でもまだ大きい方な吹雪さんですけど、それでも絞れるのは軽巡以上という事だけ。
やっぱり、到着を待つしかないのかなぁ……。
そうして、私は悩むことしかできなかった。治療および入渠の準備は出来ているが、バケツの配分量だけがどうしようもできなかった。
分からないものを考えても仕方ないと思いながらも、そのことを考えてしまう。やっぱり、工作艦の性なのだろうか。
「結局分からないなら、物がそろっているのかの確認をすればいいのに」
自分にぼやいてしまう。直ぐに来る大破艦に今は何もできないことを悔やむ。私は治すことしかできない。戦闘は全くできるようなもんじゃないし、対潜攻撃が得意なわけでもない。なら、できることは万全の準備で迎えてあげたいというのもまた性なのだろう。
ただ私は机に突っ伏して待つしかできないのだ。
現地時間2020年10月5日、時間一四三〇、位置ショートランド泊地、工廠・船渠内、視点 明石
夕張さんが扉を開け放ったのは机に突っ伏してからそう時間もかかっていないときだった。
「明石さん!患者が到着しました!」
「分かりました!」
どうしても患者は待ってくれない。急いで治療ドッグに行く。
治療ドッグの開け放たれた扉の奥に見えたものは悲惨の一言だった。すでに死んでいるかと思うほどの大穴がお腹を中心に約半径7センチ開いていた。未だ吹き出続ける血はまだ生きている証だった。
「……これは高速修復材が必要ですね。見たことのない艦娘ですが軽巡致死量前までに調整をしたものを使うしかないでしょう」
そういうと、自分は薬棚の中から『軽巡』と書かれた引き出しから一本注射針を取り出し艦娘に刺します。少しづつですが七センチだった穴は六センチ、五センチと小さくなり、内臓も治っていっているのが見えます。速度のよって大体どれくらい効いているかは分かるのですがそれでも艦娘によって、それも同じ艦娘でも少しずつ効き具合は違いが出ますし……それで致死量を超えて死亡した件も数は少ないですがあります。
「高速修復材の怖いところってそこなんですよねぇ」
なんて独り言を呟きながらそれでも逐一目を離さずに治り具合を観察します。見方によっては実験動物に実験しているようにも見えますが、これは安全の為です。艦娘の身体で実験なんてしようものなら大惨事ですよ。
「本当にこれで治ってくれればいいんですけどねぇ」
これ以上投与すると軽巡の場合だと本当に死んでしまうかもしれない。重巡でも人によっては効く濃度ではあるはずですし。
それでも失敗してしまったらと思うと怖くて怖くて仕方ありません。自分のミスで人を殺すことになっては工作艦としては駄目です……。まず解体ものでしょう。提督がそんなことするとは思えませんが。
失敗は許されない。そう思うとどうしても目が霞み、集中が散漫になってしまいます。
そう感じていた時、治りの速度が少しずつ遅くなっているのに気が付きました。
「これは……追加したほうが良いでしょうか」
ただ、即決はいけません。もう少し様子を見なくては。と思っている間にも約三センチの向こうの診療台の見える穴は閉じる気配を見せなくなってしまいました。
「これは追加する必要がありそうですね」
そう呟くと、自分は薬棚に入っている追加用注射バケツを取り出し注射をします。
そうやって、閉じる気配を見せなくなれば注射を繰り返し、完全に穴が塞いだのは二時間をたったころ頃でした。
「ふぅ……ようやく傷が閉じました……あとは点滴で少しずつ栄養剤を入れていくのがいいですね」
点滴を入れるにしてもまずは病室に運ぶとしますか。報告書類は後でも大丈夫ですし。
担架に艦娘を乗せ病室へと運びます。
「しかし……よくあれで生きてましたねぇ」
いくら人より耐久力や生命力が高いとはいえ病気や出血多量で死亡することはあります。それを四十分は曳航されたのですし……。
「……あれ?そうですよ。何で今まで気が付かなかったんでしょう。七センチは穴が開いているのに四十分曳航されんですよね。普通死にますよ」
大破と言ったって限度はあります。正確に大破を説明すると
「今回は近かったうえに発見が早く救出も早急だったことを考慮しても……死亡しないってことは……あり得るんですかねぇ」
その辺りは調べてみないと分かりませんね。大本営だったら犯罪艦娘を使ってそういう実験してそうですし。最大生存記録とか。
治療室と病室は近いので直ぐに病室に付きます。というか近くないと運ぶのに不便ですからね。
艦娘を担架からベットに移すと、忘れないうちに提督に連絡を入れ、病室で艦娘の事を調べながら提督の事を待ちます。
「でも、分からないんですよねぇ。この艦娘の名前。艦の頃に見たことあるならだれか思い出したりすると思うんですけど」
そう呟きながら、大本営のデータベースに接続し、艦娘のデータを調べます。
「……やっぱりないですねぇ。大体察してましたけど」
大本営にデータがない。つまり新造艦ということです。いつもなら心躍るところなんですけど。困りましたねぇ。これで「治療に失敗して死亡しました」はかなり許されない話です。情報が聞き出せないですし、新造艦発見報告書の方も書けなくなってしまいます。
そんなことを考えていると背を向けていた病室の扉がゆっくりと開き一人入ってきます。
「あの……」
「あ、吹雪さん。どうしましたか?」
どうしたかと反射的に聞いてしまいましたが吹雪さんなら容態を見に来たんでしょう。恐らくそうです。
「あの……容態の方はどうですか」
「一応一命はとりとめたと考えて大丈夫ですが、目は離せない状況ですね。何が起きるかわかりませんし」
吹雪さんは「そうですよね」と言った後、黙りこくってベットの隣に置いた椅子に座ってしまいました。
とある時のこともあって自分のせいで死んでしまうのではないかと心配なのでしょう。
「あの、この艦娘を見つけた時の事を教えてもらってもいいですか?いろいろ書く必要もありますし、単純にどうしてあぁなったのかの気になりますし」
「……わかりました」
吹雪さんの口から発された言葉は不可解な点がいくつかあるものでした。
「……その話は本当なんですか?」
「はい」
「……にわかに信じられません。全門斉射とはいえ一撃で……。いえ、それ以前に最初の砲音からほぼ直ぐと言って良いほどついたのに30の艦がいないというのも気になります」
「でも、帰投するまで一隻も見ていませんし、姫級を置いて撤退するなんてありえないと思います!」
吹雪さんは嘘を吐いているようには思えません、もちろんあの大破を見て錯乱したとも思えません。それでも……それでもあり得ないという思いで頭がいっぱいになります。一撃で倒せるのもあり得ない、三十隻前後を一気に沈めたというのもあり得ない。そんなの私はともかく大和さんでもできるかどうか……。
「どうした?」
そうやって考え込んでいた私の肩を叩いたのは提督でした。私はすぐに吹雪さんに聞いた話をします。
「……どう思いますか?」
「……信じられん。が、信じるしかないだろう。そうでもなければ、こうしてこの陸には上がっていないだろうさ」
「……そうですね。まずは起きて話を聞いてからです」
話を聞いてからどうするか決めましょう。それまでは書類仕事を済ませておきますか。
今回の黒宮反省会
私に足りないものは表現・思想・根性・頭脳そしてなによりもォォォオオオオッ!!
速さが全く足りない!
今回もやる次回予告!
「次回、滅鷹散る!」
デュエ〇スタンバイ!