大変遅くなってしまい申しわけございませんでした。リアルの方が忙しくなり、こちらにも艦これにも手を付けにくくなってしまったのが原因です。なおイベントは参加し、E4でつまっている模様。……ですが寝る間も惜しんで描いた作品なので読むのだポッター。
UA1000突破及び感想一件、しおり十三件、お気に入り二十七件ありがとうございます! このご恩は一生…!!! 忘れません!!!!
と言う訳でいつもの
第四話ですお。今回のは寝る間を惜しんで描いた作品なのにいつもよりいい出来だと思いますお。
いつも毎日見切り発車。イベント中でもそれは変わらん!
と言う訳で第四話 死にかけの邂逅 張り切ってまいりましょー!
なぞのばしょ
俺は浮かんでいた。海の上に。また、独りで。
あの夢とは違うのは俺がおそらく死んだときの恰好ということ。
艦でもなければ艦娘でもない。100%人間の俺と言えばいいだろうか。
身体に艤装はついていないが、なぜか浮かんでいる。辺りは真っ暗で見えるのは周囲三メートルくらいか?
そこ以外は闇に閉ざされたとかそういうちゃちなもんじゃなく、墨で塗りつぶされたかのようだった。
「で、ここは何処だ」
今回で三回目か?俺ってどこかに連れ去られる才能でもあるんかな?たぶん、連れ去られているわけでは無いんだろうけどさ。でもさ、最低限位置が分かる場所がいいな。なんもわかんねぇよ。
「何があったんだっけな?」
確か、三十隻の超大艦隊に突っ込んで……。
「あぁ……つまり二度目の死か?本当の天界か?いや地獄かもしれんけどさ」
腹に大穴空いたらいくら艦娘でも死ぬじゃん。海の上でじゃなくてもさ。
「……ん?あれ?」
俺はあの時大破状態だとは思ったけど、普通腹に大穴空いたら死ぬ、艦娘でも例外ではないはずだし。ならさ
「なんで俺は沈まなかったんだ?」
そう、あのダメージなら即落ち二コマ並みに早く沈んでもおかしくないはずだ。それなのに少しずつ沈んでいったとはいえ、戦闘終了時にパッと沈まなかったんだ?そもそも、戦闘中に「I'll be back」って親指突き上げて死んでもおかしくはない。
「……わからん!さっぱりわからん!」
もういいや、なんでも。とりあえず
「動くか」
海の上ってことは陸があると思う。いや、大海原地獄とかだったら一生無いのかもしれんけど。
そんな頭の悪いことを考えていて気が付く。
「臭いがしない……いや、淡水みたいな臭いか?潮の匂いじゃないな」
そう、潮の匂いがしないのだ。此処を海とするのなら、潮の匂いがしないとおかしい、此処が現実ならの話だけど。いや、天界とか地獄とかでも臭いとか音とかはする気がするし……。
「うーーーーーーん?どういうことだってばよ」
どうしても知らないことには結論は出せない。だが仮定はできる。無い頭をフル回転してその仮定を作る。
「海のように広いが潮の匂いはしない……というか淡水のような臭いがする……」
あー、河か?川じゃなくて広いほうの河。三メートルも見えるなら向こう岸も見えるはずだし……
「……あ、此処は三途の川か?つまり、まだ死んでないのか?」
どうしよう、これ向き間違えたら死ぬな……最低限日本人として日本で死にたいからまだ生きたいんだけどな……死に場所くらいは選ばせてほしい。
「さーて、どちらにしようかなーって」
どちらって言っても四方向だけどな。ははは……はぁ。
「もうどうにでもなれー!」
そう叫ぶと、俺は適当に向いていた方向に向けて走り出した。これで死んだらそういう運命だったってことで。
そうして走り出したら急激に光が強くなる。
「うぉ!まぶしっ!」
??年??月??日時間、一九〇三位置、知らない病室
目が覚めると知らない天井だった。……これ結構有名なフレーズだとは思うけどまさか使うことになるとはね。
恐らく昼だろうか、窓から光が差し込んでいる。
「……とりあえず、賭けに勝ったみたいだな」
天井を見続けながら呟く。背中に当たったベットの感触は自分に何となく生きていると思わせてくれる。
それで此処は何処だ?もう何度目のセリフにはなるが結局その言葉が気に入ってしまっているがあえてもう一度言おう。此処は何処だ?
とりあえず、起き上がってみるか。あの傷だと、どうなってるかわからんし。
そう思い、身体を起き上がらせる。
「ってぇっ!」
やばい、変な声出た。めっちゃ痛いわ。てそりゃそうだよな、腹に穴開いたんだからな。
そしてまずは現状把握。周りを見渡すと……病院か?此処。
ほぼ白色の清潔感のある壁紙、病院にありそうな棚、そして……生命維持装置。やっぱりそれだけ危険な状態だったのだろうか。
見える範囲はこれだけ。個室で殺風景。まぁ、病院って大体こういうもんだし、まぁ、いいけど。
さて、どうしますか。少し動いたときにナースコールのようなものを見つけたので手に持っているが。
よくよく考えると俺は艦娘、おそらく軍事機密的な物もあってここはおそらく野戦病院。下手に動くと何が起こるかが分からないのよなー。実はミリタリーの知識はある程度話についていける程度の知識しかない。
俺は、艦これオタク(笑)であってミリタリーオタクではないのだ。グハハハハハ。
とりあえず呼び出すのはいいが、問題がいくつか。
まず、日本語が通じるか。あの傷で、俺を日本まで運ぶには無理がある。となると此処は海外。日本語が通じない可能性は大いにある。
二つ目にあの超大規模艦隊を壊滅させたことをよくよく考えると一般的に見ておかしい。たった一隻であの数を壊滅できるなら深海棲艦なんて無限湧きでない限りすでにこの世にはいないはずだ。
つまり、俺は離れ業をしたと同義、此処から観測できたかは分からないけれど俺が回収されたということは誰かが派遣されたと言うことだと思う。……それに気絶する直前に誰かの声も聞こえたし。つまり、なにかしら問題ごとに巻き込まれ可能性大。多少はしょうがないとは思うが、長期的に巻き込まれるとなると流石に嫌になる。
それを回避する方法。一つはある程度はぐらかすこと。数は三十もいなかったとか、自分以外にもいたとか。だが、それをするにはあまりにも知識がない。艦これの世界と言えど、公表されていない情報や、不明な点もあるし。この世界では姫を一隻どころか十二隻で倒すことなど不可能並みに強いとされていれば
面倒事どころかスパイ容疑で拷問かけられてもおかしくないかもしれない、知らんけど。
他に思いつく方法、逃げ出すこと。これは多分捕まるから無理。そして逃亡者生活とか嫌だ。何も悪いことしてないけど。
最終手段……と言うか自分の頭で思いついた一番いい手段は記憶喪失を演じること。と言っても全てではなく一部の。それならば生活には支障をきたさずに隠したい部分を隠せると思う。ばれる恐れはあるが仕方ない。
とりあえずは人が来るまでは外でも眺めていようか。
??年??月??日時間、一九一二位置、知らない病室
ボーっとし始めて数分がたった。そしてボーっとしていると眠気が回ってくるがもし寝ている合間に人が来るのは計画的にまずい。記憶喪失を演じ今起きた風を装うとなると寝ているところを見られるのはまずい。
そんなことを考えていると廊下から一つの足音が聞こえ、すぐに扉が開く音がする。
俺はすぐにそちらを振り向くとそこに居たのは……
「あ……起きたんですね!今明石さんを呼んできます!」
吹雪だった。と言ってもすぐに明石を呼びに行ってしまったようだが。
……にしても何故吹雪なんだ?お見舞いに来るほど艦時代にですら仲良くはないというかおそらく初対面の筈。見回りなら自分が工廠組と読んでいる夕張か明石だと思うし……。
「あ、スイッチ入れておかないと。男勝りの話し方は似合わないし」
そう、小声で呟きボーっとしていた自分に喝を入れる。
俺じゃなくて私……俺じゃなくて私……。
「よし」
そう呟くと同時に明石が駆けて入ってくる。そして少し遅れて吹雪も入ってくる。
「大丈夫ですか?!」
そう声を掛けられるが俺はわざと返さない。首をかしげながら明石の目を見続けるまで。おそらくそれが状況が把握できていないことを知らせるには効果的だと思う。
「あの……ここは何処かわかりますか?」
「……分からないです」
「では今は何年の何月何日かわかりますか?」
「……ごめんなさい。分からないです」
「じゃあ……名前は分かりますか?」
此処が重要。悩んだふりをしながらどうしても思いだせない風を装う。
「……ごめんなさい。思い出せないんです」
そういうと、明石は青ざめた様子で病室を出ていった。……あれ?ミスったかもしれん。名前は憶えていてもよかったかもしれんな。たまたま戦いの所を忘れていたことにすればよかったかもしれない。やってしまった……。
「えっと……ごめんなさい。心配させてしまってるみたいで」
「え、あ、えっと。大丈夫だと思います。あれでも明石さんはしっかりしていますし。あ、私吹雪って言います」
「はい。吹雪さんですね。私の名前は分からないもんですから……ごめんなさい」
……なんかすごい。暗い雰囲気になってしまった。と言っても当たり前だ。見ず知らずの人でも記憶喪失だって言われたら何を話せばいいか分からなっくなるはずだし。俺だったらそうなる。
「……あの、ごめんなさい。眠くなってきてしまったので、一度寝させてもらってもいいですか」
「あ、じゃあ明石さんが戻ってきたら話しておきますね。おやすみなさい」
空気が重くて逃げたくなるのとボーっとしていたのと体の疲れとで実はとても眠いのを治すために寝ると伝えて自分が楽だと思う体勢に移り、目をつむる。
後は明日の自分に任せた……。
今日の黒宮反省会。
遅い。何よりも遅い。サラマンダーよりずっと遅ーい。おっそーい(島風)
と言う訳で次回予告
大まかには決まってるけど未定!
デュエルスタンバイ!