歌姫に拾われた俺がアスタリスクで生活をするのはまちがっているだろうか。 作:リコルト
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それでも良いという方はどうぞ。
八幡がいなくなった後の一週間近くで彼がかつて在籍していた総武中学では生徒達にいくつかの動きが見られるようになった。
ある者は疫病神がいなくなったと喜ぶように叫び、ある者は『えっ?いなくなったの?ふ~ん』といった意図的に冷たく興味すら無い素振りを見せていた。総武中学の生徒のほとんどはいずれの二つに分類されるだろう。
ただ、どんなものにも例外はある。数は少ないながらも彼の失踪を深く心配する者達、彼の失踪については気にしつつもそこまで心配するような事ではないと思っている鈍感な者達、彼の失踪で内心焦りつつも平生を装うとする者、そして彼の失踪の真相を知る者達。
八幡の失踪で、彼がいた居場所でどういった影響があったのだろうか………少し見てみよう。
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ー雪乃sideー
八幡が部活に顔を出さなくなってもう一週間近くね。由比ヶ浜さんが言うにはどうやら部活だけではなく、学校すらも欠席しているみたいだけど。
彼がいなくなってから、一度携帯をかけたけど全く応答しないから少し心配にはなったけど、平塚先生が体調不良と言っているからそこまで心配しなくても多分大丈夫よ。
それにしても最近は比企谷君がいなくなってまた騒がしくなったわね。受験生の私の事も考えて欲しいわ。集中できないのよ。
けど、彼はそれだけ騒がれる程最低な事をしたのよ。嘘告白のような人の心を弄ぶような事をするなんて、私がやった方がマシだったわ。
でも、それはもう一年前近くの話。もう今となってはどうでも良いわ。それ以降、彼の目の腐り具合は異常だったけど、部活の備品の彼が気に病んでる筈が無いわよね?
どうせ、しばらくしたら彼はその腐った魚みたいな目と共に部室に来るでしょう。でも、もう彼には依頼を邪魔されたくないわ。優秀な私と由比ヶ浜さんがどんな依頼も解決させてみせるんだから。
……昔の私は彼の何処が好きだったのかしら?
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ー由比ヶ浜sideー
ヒッキーったら、一週間近くも欠席するなんてありえないし!!総武中学で一緒にいられるのも残り少ないのに、マジ考えられない!?
しかも、携帯電話に全く出ないとか人として最低!!ゆきのんも心配してたんだから!!
はやく、戻って来て残り少ない学園生活を楽しまないと!ヒッキーは絶対に楽しくないなんて言わないもん!早く帰って来て、私とゆきのんに修学旅行の告白の件について謝罪するし!一回も謝って貰ってないんだから!
そうだ、小町ちゃんなら何かヒッキーについて知ってるかも!でも、小町ちゃんも受験するって言っていたから電話したら迷惑だよね……?
体調不良だったら、もう少しでヒッキーは来るよね。だったら、連絡はまだしないでおこうか!
そう言えば、最近戸部君と姫菜の二人付き合い悪いんだよね。カラオケに誘っても職員室や校長室に通うようになったんだー。
何故かいつも二人共忙しそうだし、私もジュケン?を頑張らないとね!
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ー葉山sideー
……比企谷がいなくなったか。噂では体調不良とか引きこもりになったとか言われているが、それは俺にとって好都合だ。
自殺みたいな事をされて、修学旅行の件をバラされたら流石の俺でも対処のしようがないが、このまま黙って学校にも来ないなら完璧だ。雪乃ちゃんも彼がいた頃よりも話してくるようになったからな。
けど、雪乃ちゃんや結衣は依頼を解決したと修学旅行以降も自慢しているが、ほとんど比企谷が解決したものだ。彼女達には依頼を解決する力はない。そこは彼の能力を素直に褒めるべきだろう。そのために面倒臭いが彼に代わる埋め合わせを俺がしないといけない。
このまま行けば、俺の家系と彼女の家系である雪ノ下グループの取り決めにより、俺と雪乃ちゃんは結ばれるだろう。あんな男が雪乃ちゃんと一緒にいるなんてずっと許せなかったんだ。
比企谷も音沙汰無いようだし、今はこの状態を維持しよう。最近、戸部と姫菜が校長室に通うになったが、受験関係の話だよな……多分。
俺も二人に負けずに受験頑張らないと。
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「………これでようやく本格的に動けるよ。よく自分から言ってくれたね、二人共」
優しそうな声で話しかける校長先生の先には二人の男女が対面するように座っていた。
その二人とはは八幡が嘘告白をした修学旅行の件の当事者である戸部、海老名であった。彼等は元々八幡に対して申し訳なく思っていて、彼が急に不可解な欠席をしてから彼にやった罪悪感に耐えきれず、平塚先生を通して校長先生に修学旅行の件について度々報告していたのだ。
「比企谷君……本当に悪い事をしたべ」
「ごめんなさい………比企谷君」
報告を終えた二人は初めて校長先生の口から八幡の現状について話を聞いた。親に捨てられた事、それにより名前を変えて別の場所で生活している事、事態の深刻さに二人は話の終始ずっと涙を抑えることが出来なかった。
「校長、これで………」
「ああ、平塚先生。明日から忙しくなるぞ」
後日、総武中学での一人の学生に対する学校を巻き込んだ虐めが明らかになり、総武中学には多くの批判が相次いだ。虐めの関係者だった学生達はすでに処罰を受けており、受験生は絶望的な状態である。校長や先生らは辞任覚悟だったものの、減給のみで許され、教育委員会からは今後の改善が期待されている。
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「貴方、総武中学の評判が………」
「ああ、知っている。だが、ああいう学校はすぐに立て直す。小町の受験について心配はない」
「そうよね………けど、八幡が虐めを受けていたなんて。私知らなかったわ」
「全くだな。最初からそう言えば良かったのに。そしたら、加害者の奴等から慰謝料を請求してやったんだが。自分の価値の使いどころを全く理解していないな、あいつは」
そう言って、八幡の元父親は自分の息子の虐めを受けていた辛さに共感するわけでもなく、八幡が絶縁したため多額の慰謝料が貰えなかったことを狂うように口惜しんでいるだけだった。
『ピンポーン!!』
「誰だ?この時間に」
忙しい仕事から帰ってきて寛いでいる父親と彼の話を聞いていた母親の耳に玄関に来客が来た事を知らせるインターホンの音が入る。時間もすでに夜の10時。宅配とかの類いでは無いだろう。
「もしかして……八幡じゃないかしら?」
「おお!それは良い。それなら慰謝料も貰える事だし、受験の件も考え直しても良いかもな!」
自身の都合の良すぎるプランを自慢しながら、代表して父親は玄関の方へと向かう。この時まで二人は八幡が帰って来たと思っていた。
しかしそれは……
「すいません、警察です。八幡君はいますか?」
「はい?」
玄関の前に立っていたのは2~3人の警察官。さらにその後ろにはテレビカメラを持ったカメラマンやアナウンサー、近所の住人も何かを見に来るように家の前に集団が出来ていた。
「えっ……これは?」
「虐めを受けていた八幡君に総武中学での虐めの詳細について教えて頂こうと思いまして。八幡君は自宅にいらっしゃいますよね?」
警察の言葉に八幡の元父親は………
「いえ、八幡はいません」
その後、警察の取り調べで八幡と絶縁したという事実がメディアで取り上げられ、比企谷家が日本中から批判を浴びることになったのは言うまでも無い。
本当は長々と書きたいと思いましたが、力及ばず何か結果論だけ述べただけみたいであっさりしちゃいましたね。
次話からは時間を飛ばして新章に突入する予定です!ただ、今日英語とフランス語と中国語の課題が出されたので、もしかしたら明日明後日の投稿無いかもです!楽しみにしてくれている方々、本当にすいません!
出来次第、すぐに投稿はしますので!