歌姫に拾われた俺がアスタリスクで生活をするのはまちがっているだろうか。 作:リコルト
ふぅ……ようやく半分課題が終わりました。
新章突入です!
アスタリスクに来てから一ヶ月が経って
アスタリスクで生活を始めて今日で一ヶ月が経った。シルヴィとペトラさんに拾われた人生の転機であるあの真夏のような日々は治まる気配を見せ、季節はすでに過ごしやすい秋へと移り変わっている。
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「ペトラさん、仕分け終わりました」
いくつも連なった書類の束を俺はペトラさんがいる理事長室へと持って来て、彼女が座って作業している机に書類を積み上げる。
「ありがとう、新宮君」
そう言って、ペトラさんは俺が持って来たシルヴィの今後のスケジュールをまとめた書類に早速手をかけて処理を行っていく。
「うん、綺麗なまとめ方ね。シルヴィのマネージャーもすっかり板に付いてきたじゃない」
「いえ、まだまだですよ」
聞いて分かると思うが一ヶ月が経って、マネージャーとして必要な研修も終わり、俺は正式なシルヴィのマネージャーとして働くことになった。といっても、まだ外部での仕事が一切無いから、基本は書類の処理やスケジュールを組み立てる事務作業しかしてないけど。
「それにしてもシルヴィへのテレビ番組のオファーや雑誌の取材が最近やけに多いですね。全部星武祭関連ですか?」
「ええ、シルヴィは前の王竜星武祭の準優勝者だから。今年は優勝出来るだろうという期待の意味も含めて取材の仕事が特に多いのよ。それに前の王竜星武祭の覇者さんは絶対に取材には応えないからその分の仕事もこっちにね」
「あー………
孤毒の魔女ー名前をオーフェリア・ランドルーフェン。それはハ〇ー・ポ〇ターに出てきそうな名前を呼んでいけないあのお方のアスタリスク版みたいな人物で、アスタリスクでは俺にトラウマを植え付けた万有天羅に匹敵するかもしれない実力を持ち、前の王竜星武祭ではあのシルヴィを倒した数少ない人物でもある。
マネージャーとして芸能事情に詳しくなるため、何度か俺は孤毒の魔女についての記録を調べたことがあるが、彼女の外見は白髪が目立つ一見可愛らしい風貌を持った女性である。性格も物静かそうな印象で、最初は俺も彼女が本当に恐れられている孤毒の魔女なのか疑うぐらいだった。
けれど、戦闘記録を見てその考えは一瞬で覆った。全ての戦闘で彼女と戦った選手は苦しむように敗北するのだ。一度、彼女と戦ったことがあるシルヴィに話を聞いたら、彼女は生命に影響を与える毒・瘴気を身体から発する事が出来る魔女らしい。
彼女と戦った者の中には星脈世代として引退せざるを得ない程まで毒で追い込まれた人もいて、最悪彼女の瘴気は人をも簡単に殺せるだろうとペトラさんとシルヴィは推測している。確かにそんな恐ろしい人物をメディア側としてもスタジオとかに呼びたくは無いよな。俺もアスタリスクで出会わないことを願いたい。
「そう言えば……新宮君は大丈夫なの?」
「あー………あの件ですか」
ペトラさんが訊ねているのはつい先週近くから取り上げられている総武中学の件だ。メディア系に携わる仕事をしているため本当は知る気はなかったが、嫌という程そのニュースは流れてくる。
ニュースによると、やはり校長先生達が虐めの問題について公表した様子だった。ニュースでも校長先生の謝罪する映像が毎度のように流れている。ただ、校長先生の話では俺が渡した資料の他に名前は伏せられているが、証言者という人物がいたらしい。修学旅行について詳しい証言者だったので、俺的には戸部と海老名さん辺りだと思っている。
結果、総武中学は大炎上。虐めに関わった生徒達はそれ相応の罰が与えられている。しかも、虐めに関わった生徒の多くは俺と同じ学年の受験生で、彼等の推薦などによる受験は絶望的だろう。中には転校をした生徒や家で引き籠り始めた生徒もいるとか。恨まれても別に俺は悪くないからな。
今も新しい情報は無いかと中学の前にマスコミが集まっている状態で、どこから手に入れたのか分からないが、すでに虐めに加わった一部の生徒は名前が週刊誌に漏れているようだ。戸塚や材木座や川崎、それに校長先生や平塚先生達など虐めに無関係の人達が悪いように報道されないと良いんだが。
「別にそこまで気にしてませんね。あの校長先生ならいつかやるだろうと思っていましたので。強いて言うなら、無関係な人達への心配ぐらいです。デマ情報とかって今はなかなか怖いので」
「そうね……ちなみに、家族の方は?」
「そっちに関してはもう自業自得としか言いようがないです。心配する必要以前に、前の家族になんて興味すらもありませんよ」
実は総武中学の虐め問題に関連して、別ベクトルで今も炎上しているニュースがあるのだ。
それは俺の家族の問題だ。何でも警察が虐めの取り調べをしようと俺がいるであろう家族の家に訪問したら、そこから俺と絶縁した証拠が見つかり、家族すらも息子の虐めに加担しているのではないかと日本中で批判を受けている最中である。
家族は家庭内での虐めを一向に否定しているが、絶縁した書類に、俺の銀行口座の使用記録など証拠が揃っていて信用する人は誰もいないだろう。逮捕されるかまでは興味は無いが、少なくともまともな人生は歩めないな。家もバレているし。
「本当に可哀想な人達よね。もう少し考えていれば、取り返しのつかない事にはならなかったのに」
ペトラさんも俺の元家族について呆れている様子だ。本当だよな、全く……。
「じゃあ、俺はこれで後にします。そろそろ特訓の時間があるので」
「あら?今日はクロエは別の任務でいない筈よ。一人で特訓するのかしら?」
「いえ、シルヴィが練習に付き合うと………」
「はぁ、全く……あの子といったら」
それを聞いて、ペトラさんは頭を手で押さえてやれやれと言った感じである。俺も心配はしているが、目をウルウルとして残念そうな表情をするからどうも断れない。
「まぁ……こんな大事な時期にメンタル面を崩すよりはマシですね。新宮君には申し訳ありませんが、彼女に付き合ってあげてください」
「分かりました。では、失礼します」
さてと、練習場に行きますか。
私情の関係でなかなか答えられませんでしたが、前話のアンチ組の話について多くのアドバイスをありがとうございました。中には物足りない、続きは?という意見があったのですが、アンチ組の話はちょいちょい挟みますのでまだまだ続きます!
自分では思い付かないような話のアイデアの意見も頂いてとても参考になりましたm(._.)m