歌姫に拾われた俺がアスタリスクで生活をするのはまちがっているだろうか。 作:リコルト
ついに50000UA!!本当にありがとうございます!
今は学業の関係で間が空きがちになりそうですが、これからも続けていきますよ!
それでは本編をどうぞ!
「そらっ!!」
「おっと!……」
煌式武装同士が至近距離でぶつかり合うことで練習場に合った金属音が響き渡る。また、シルヴィのフォールクヴァング、俺のヴァルハラ、名前の由来となった神話でも縁深い二つの同型の煌式武装から顕現する淡い紫色の刃と暗緑色の刃が交差する姿は絵にでもなりそうな程周りの人の視覚を刺激し、惹き付ける美しさを持っている。
「隙ありっ!!」
「なっ……!?」
だが、戦っている本人らにそれを美術品のように優雅に眺めている暇はない。俺が放った剣撃は彼女に簡単に止められ、その隙を突くように彼女の死角からの剣撃によるカウンターが綺麗に決まる。
「ふっふっふっ、また私の勝ちだね~」
そのままの流れで煌式武装を俺に突き付け、シルヴィはその全身から勝ち誇った様子を隠すこともなく、露にしていた。いや当然だよ、貴女序列一位でしょ、と言いたい所だが、全身で喜びの感情を露にしている彼女にそのツッコミをするのはやめておこうと思う。
「ああ、降参だ……」
俺は素直に敗けを認め、戦闘で使用したヴァルハラを腰にしまうのだった。
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「やっぱり強いな、シルヴィは」
「そうでもないよ、たまに八幡君の攻撃にヒヤヒヤする場面があったから。でも、それはアスタリスクに来た頃より八幡君は成長してる証だと思う。実際、私から見ても八幡君の実力は星武祭に十分通用するぐらいだと思っているし」
「いやいや、まさか。クロエのお陰で射撃や剣術といった基本的な所はマシになったが、魔術師の能力や純星煌式武装の扱いについては全然だからな。今日の特訓でも使っていないし」
特訓が終わり、俺とシルヴィは貸切状態の広い練習場で休憩をしながら今日の特訓について思う所をお互いに話していた。
確かにシルヴィが言うようにアスタリスクに来た頃よりは星脈世代としての戦い方も慣れてきて、様にはなっていると思う。その辺は全て本日不在の優秀な指導員であるクロエのお陰なんだけど。
でも、自分ではまだまだ未熟と感じている。さっきの特訓だってシルヴィは本気を出していない。だって、戦闘中でも攻撃に対処しながら笑っていられる余裕がまだあるんだから。せめて、余裕があるシルヴィに一矢報いるぐらいにはなりたいものだ。男子の尊厳的な意味で。
「そう言えば、八幡君」
「ん?どうした、シルヴィ?」
「前よりは明るくなったんじゃない?眼の濁りもすっかり無くなっているし」
そう言って、シルヴィは指で目を指すようなジェスチャーをしながら話をする。
実はそれさっき入室の際に世間話程度でペトラさんにも言われたんだよな。ペトラさんに鏡を渡されてそれに初めて気付いたんだけど。
あの眼をしていた時は自分は色々と腐っていたからな。あの濁った腐り目はそれを反映した産物だったんだと思う。特に修学旅行以降はさらに酷くなり続けていた。
けど、今は違う。俺は自分を一人の人間として認めてくれる人達に会え、良き理解者ができた。さらには居場所を提供してくれた。そんな人生で一度も感じる事がなかった充実感によって俺の心は自然と療養されていたんだと思う。
「今のこの感じ……変か?」
「そんなことないよ!むしろ、今の方が全然良いって!格好いいと思うよ!」
「そ、そうか………あ、ありがとうな」
シルヴィも良いって言ってくれて良かったと俺は素直に思った。ペトラさんにも同じ質問をしたが、どうやら愚問だったようだな。それにしてもペトラさんも言っていたが、そんなに格好いいか?シルヴィにも言われるのは予想外で、同年代の女子に言われるのはどうも恥ずかしいな。
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「さて、少し休憩を挟んだけど、今度は私の方に付き合ってくれるかな?」
「大丈夫だ。ちなみに、何をするんだ?」
「今度は八幡君に魔術師の能力を使って私と戦ってもらいたいんだよね。王竜星武祭に八幡君みたいな能力を持っている選手が出るか分からないし」
「成る程……対策向けの特訓いうわけか。一応、自身の五感変化についてはマスターしたが、相手の五感を変化させる方はまだ危険すぎるからとクロエに言われて実践的な練習はしてないぞ」
「え~……別に私は大丈夫だから、相手の五感を操る能力も使用して欲しい、な?」
「駄目だ。シルヴィの身に何かあったら、どうする?今回ばかりはそこまで甘えてこられても無理なものは無理。危険だから」
「八幡君のケチ~!アイドルの要望に答えるのがマネージャーの仕事でしょ~!クロエちゃんには私が後で言っておくから!」
「責任を取るのもマネージャーの仕事なんだが!?無理なものは絶対に無理!」
駄々をこねる子供のように俺の背中に抱き付いてまでお願いをするシルヴィを丁寧に離しながら俺は彼女の説得を必死に試みる。強く抱き付いているため彼女の柔らかい豊かなものが背中にフニュッと音を立てるように触れているため、男子の俺としては一刻も早く引き離したい。度々こういう事はあったが、今日は保護者のペトラさんの出番か………?
そう思っていると………
「何をしている、シルヴィアよ。王竜星武祭が近いのに遊びばかりに時間を費やしおって。貴様、王竜星武祭を舐めているわけではあるまいな?」
突如、練習場に気配を消したように綺麗な黒髪と褐色の肌を持った綺麗な女性が入ってきた。クインヴェールの制服っぽいのは着ているが、彼女に合わせて改造されていてシルヴィよりも露出が多く、目のやり場に非常困る制服を着ている。また、その制服や足や腕に着いた装飾品が大人っぽい妖艶な色気を醸し出す。本当に同年代の学生なのか疑うぐらいである。
「ネイトネフェル!?どうしてここに!?」
ネイトネフェルと呼ばれた女子生徒を見てシルヴィは驚いた様子を見せる。
「最近、貴様が普段使っている練習場に顔を出さなくなったと聞いてな。そこで理事長に直々に貴様の場所を聞いて、ここを訪ねたわけだ。序列二位のわらわがベネトナーシュについて深く知っているのも無理はないだろ?そこで貴様が引っ付いているマネージャーも理事長から聞いている」
そう言って褐色の肌を持った女子生徒は初めて俺の方を見て挨拶をする。
「シルヴィアのマネージャーよ、はじめましてだな。わらわの名前はネイトネフェル。そこの歌姫が世話になっている」
ネイトネフェル……原作でもあまり出てなくて口調が難しいです笑。