レジスタンスプリキュア   作:ベリー

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第二話「怒りの炎、キュアファシェ誕生」

いつも通り旅をしていた日、僕はある噂を聞いた。

今まで誰も抵抗出来なかったあいつらを倒せる人がいるらしい。

僕は、その噂を聞いたときそんなことあるわけがないと思いながら少し期待をしてしまった。

もし、自分が倒せたら今まで旅をしている間に連れ去られてしまった人達を助けられたかも知れない、そして皆を守れたかも知れない。

そんなことを考えると涙が出てきた。誰かが連れ去られる度に泣いた、皆大切な人だった。

もし本当にいるなら会ってみたい、そして僕にもその方法を教えてほしい。皆を守りたい。

「おい、アグルなにしてんだよ。」

「あ、ごめんもう出発?」

「そうだよ、早くいこう。」

この2人はメルトとブラン。僕がこの集団に入ったときから一緒にいる仲間だ。・・・・もう僕が入ったときからいるメンバーは少ない。この2人もあわせて5人くらいだ。僕が入ったときのリーダーも居なくなってしまった。

「あっでもちょっと先に行って少し待っててくれないかな、忘れ物があるんだ。」

「何を忘れたんだよ?まぁいいか、分かった先に行って待ってるぞ。」

「早く来てね❗️」

2人は歩いていった。僕も忘れ物をとりにいこう。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

えっと、確かこの辺りにおいておいたはずだけど、、、有った!!入ったときにリーダーからもらったペンダント、これを忘れるなんて考え込みすぎてたみたいだ。

さて、早くいかないと。

(ねぇ、そこの貴女ちょっといい?)

ん?何か声がした?でもここには僕しかいないし。

空耳かな?

(空耳じゃないわ、ここよここ)

心の声を、読んだ❗️❗️というか本当にどこから聞こえてくるんだろう?

あれ、なにか光ってる。

(そうここよ、それよりあなたはちゃんと見えるのね?

普通の人は声は聞こえても光ってるのも見えないはずなのだけど。)

普通に見えている、ここまで光っていれば普通に見えると思うけど。

(それが見えないのよ。それより見えるなら私を連れていきなさい、次いつ見える人に出会えるか分からないんだから。)

えー、なんかよく分からない喋って光る石を持っていくのか?

(私を持って行ったらいいことが有るかも知れないわよ?)

それでも怪しい。

「オーイ、アグルなにしてんだよ❗️遅いから迎えに戻って来たぞ。」

まずい❗️時間をかけすぎた。

急がないと❗️取り敢えずこの石も持っていこう。

「本当にごめん、メルト❗️迎えに来てくれてありがとう。」

「全く、戻ったら皆にも謝れよ?」

「もちろん、早く戻ろう」

皆に迷惑をかけてしまった。

(まぁあんまり気にするんじゃないわよ)

他人事みたいに言ってるけど大体君のせいだよね?

(まず忘れ物したのは貴女よね?)

はい、そうです、人のせいにしてすいませんでした。

(それでいいのよ。)

この石偉そうだなぁ。

「あれ、さっきまで皆ここで待ってたんだがどこに行ったんだ?」

どうやらさっきまでいたところに皆がいないらしい。

先に行ったとかは無いと思うからどこに言ったんだろう。

ひとまずこの辺りを探してみよう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

この辺りを探してみたけどどこにもいない、どこに行ったんだろう。

「アグル、そっちいたか?」

「いや、見つからなかった。ここまで見つからないのは可笑しいよね?」

「そうだな、今までも誰かが遅れてもいなくなったなんてことは、なかったんだ。何かが起きたのか?」

ドガーンドタドタドタドタドタドタ

「この音は、まさかあいつら❗️❗️しかもこの音はかなりの数いるぞ。」

「え、この近くにたくさんのあいつらが?それで皆いないということは。」

最悪の事態になった。そんな状態で想像できることなんて一つだけ。

「「皆が、捕まった??」」

その先の言葉を紡げなかった。皆が、捕まった。

僕が遅かったから?皆集まっていたから捕まった。

考えれば分かる。今までも少しのミスで減っていったじゃないか。僕はどれだけ待たせた?

もう考えて居られなかった。

皆を取り返す、どうやってなんて考えない。

皆が居なくなったら僕はもうどうしようもない。もう生きたいとも思えない。

(ねぇ、あなたは皆を助けたいんでしょう。そのためなら何でも出来る?)

出来る❗️❗️皆を助けられるなら何だって出来る❗️

(そう、じゃあ強く思いなさい、今のあなたの気持ちを)

今の僕の気持ち?そんな物ただ一つだ。憎きあいつらから皆を取り戻す。もう絶対に大切な人達を奪わせない。

僕の体が光始めた。昔の光景が思い出される。今までの連れ去られたときの光景だ。そうだ、泣いていたのは僕だけじゃなかった。

この気持ちが強くなる。あいつらから皆を取り返す、もう誰も悲しませない。

僕の体を黒くて赤い炎が包み込む。僕の体は小さく細くなっていく。髪が紅くなり腰まで伸びる。服は赤と黒で彩られてズボンはスカートになっていく。

「沸き上がる怒り❗️キュアファシェ❗️」

力がわき出る、足も早くなる。もうあいつらが見えてきた。

「まてぇぇぇぇぇ❗️」

こちらを向く前に殴りかかる。吹っ飛んでいく。

数は20体くらい。今まで見てきた中でも一番多い。

でも関係ない。今までの僕じゃない、全員倒すその力が今の僕にはある。

(あなたは炎を使えるわ。一網打尽にしてやりなさい。)

不思議と力の使い方は分かる。こう言えばいいんだね。

「燃え盛れ❗️プリキュアファイヤーサークル❗️」

周りに炎の円が出来る。そして炎が吹き上がる。

あいつらは燃えるのではなく光に包まれて消えていく。

そして炎が消える。でも皆はいなかった。あの炎で燃えたわけでもない。

なのに居ない。全身の力が抜ける。いつの間にか体も戻っていたがどうでもいい。

僕は、どうすればいいんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 


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