オリジムシと話せると自称する補助オペレーター 作:アンチマテリアル竹輪
いいや、投げちゃえ(理性0)
何これ(理性30)
薄暗い廊下にはドクターと1人のオペレーター、そしてオリジムシがいた。
「ドクター、また来るかもしれないとは思ったけど、三日は早過ぎると思うよ」
わざとらしくため息をつくのはスネイルと、やれやれとため息をつくEscargot……心なしかそう見えるだけだが。
仕方ないじゃないか、理性がないんだもの
戦闘指揮はとても疲れるのだ、わかってくれないか、スネイル君。
「あ〜駄目そうだね、これは」
そっと端末を取り出すスネイル、オリジムシのデフォルメストラップがつけられていている。何処で買ったのだろうか。
「もしもし、教官? スネイルです。ドクターの事で、ええ、アーミヤ代表に繋いでくれませんか、えっ、ああ、はい、了解しました」
オリジムシの着ぐるみを着たアーミヤ、あり? うーむ、ありよりの、うーむ
ウサ耳のオリジムシ……
「ドクター、アーミヤ代表から、今日の仕事内容についてだって」
手渡された端末からはアーミヤの声、どこか疲れが感じられる。
「ドクター、今から迎えに行きます。仕事の準備をしておいてください、いいですね!」
フル回転するドクターの頭脳はロドスに数カ所ある、入り組んでいて見つかり難い場所への最短ルートをピックアップし始めた。
尚、疲れ切ったドクターの体力は考え無いものとする。
「なんて、ジョークです。三日不眠不休のお仕事お疲れ様です。今日の午後はしっかり休んでください」
一日中休みではなく、午前中は勤務時間であった、一日中勤務よりマシだが辛い
理性をすり減らしたドクターは、書類仕事1時間で理性なき獣となり、あらゆるオペレーターをモフモフしに行くであろう。
若干Escargotが引いてる気がするが気のせいだ。
「今日の勤務内容、ドクター風に言うなら《戦場におけるオリジムシなどの感染生物に対する対応について、専門家と会議せよ》ってところですね」
感染生物を利用した攻撃への対策を考察し、レポートにまとめて提出、ついでに実地でテストって事だな。
10理性分モフモフしてやる、毛並みを綺麗にして待っているがよい。
「スネイルさんとお話しして下さいって事です。息抜きと生活リズム調整も兼ねてますが、最近では感染生物による攻撃が散見されます。これからの作戦に役立つと思いますよ」
確かに敵の中には感染生物も混じっていたのは記憶に新しい。ヴィクナが器用にオリジムシの角に槍を引っ掛け、暴徒に投げ飛ばしたのが印象的だった。
今はそこまで多くないからいいが、大量に押し寄せて来くる事は想像に難くない。対策は必須だ。
「それではドクター、中々休めない状況ではありますが、一緒に頑張りましょう、また明日」
アーミヤもしっかり休息を取るように、では明日
端末を返しながら今日の仕事内容を伝える
するとスネイルは嬉しそうに顔を綻ばせた
「じゃあ私の研究室に来てよ! コーヒーも入れられるようになったんだ!」
スネイルはとてもいい笑顔で、腕を掴みぐいぐいと引っ張っていく。
少しばかり強引たが、疲労で動かし難い体にはちょうど良い。
それにこの引っ張られる感覚は、なんだか懐かしく感じられた。
その時、揺れる虫かごにEscargotは必死にしがみ付いていた、まるで水流に揉まれる水草のように。
《健康診断》
造影検査の結果、臓器の輪郭は不鮮明で異常陰影も認められる
循環器系源石顆粒検査の結果においても、同じく鉱石病の兆候が認められる。
以上の結果から感染者と認定
【源石融合率】9%
体表に源石結晶は見られない
【血液中源石密度】0.22u/L
感染状況は浅く、現状明らかな影響は出ていない
しかし感染生物の研究者という性質上、細かな経過観察が必要