オリジムシと話せると自称する補助オペレーター 作:アンチマテリアル竹輪
いろいろ忙しくていつ更新出来るかわかりませんがそこそこ頑張っていきます。
いたずら好きなEscargotが教えてくれたんだ。
驚いた顔で虫かごの中を見つめるスネイルと、ピタッと動きを止めゆっくり此方を向くEscargot、まるでコントのような一体感、息の合ったコンビネーションの見本だ。
「作戦記録に混ざってた、あのレシピを実際に試す日が来るとはね。ちょっと待っててドクター、こいつを上品なヴィーヴル料理にしてくるから」
虫かごがテーブルからコンロの上に移動する、直置きだ。
Escargotが微振動しているせいで、コンロと虫かごが擦れてカタカタと音がする。
此方に向かって親指をさげているオリジムシが見えるが、まぶたが重くなってきたので焼き上がるまで少し仮眠でも取る事にする。
目を閉じて少々頼りない椅子に体重を預けた。
(龍門幣が足りない、いくら貯めても吹っ飛ぶ時は一瞬なのだから、纏まった金額が貯まることはない。……というか作戦記録を見るのに龍門幣が必要なの納得いかない……機密情報護送するか……)
(疲れた……すごい疲れたもう理性ないよ疲れたよアーミヤ。おやその手に持っているのは理性回復剤? 期限が今日まで? …………いやじゃ、もう働きたくn)
(ドクター、終わってない仕事が沢山ありますから、休んじゃだめですよ)
椅子から転げ落ちそうになる己の体、それでも混乱した頭は直ちに体を立て直す。
結果、音もなく椅子を道連れにしながら、床に向かってソフトランディング。
机を蹴り上げない様に咄嗟に捻りを加えた私は天才では無いだろうか。
幸い怪我もなく、椅子も無事だった。
何か辛く苦しい記憶が引きずり出された気がするが、全て忘れた。
何事もなかったかのように椅子を戻し、座り直す。
「そんな仲じゃないって、あくまで上司、ほんとほんと、私と、ドクターは、仕事上の関係、オーケー?」
スネイルとヴィーヴル料r…………Escargotが何やら言い争いをしている。
調味料の香りやら、香草の香りやらがしない。
コンロには火にかけられる虫かごは無く、フライパンもなく、湯沸かししか置かれていない。
代わりにスネイルがマグカップにお湯を注いだので、コーヒーの香りが漂ってきた。
どうやらEscargotは皿の上に乗る事なく、無事にコンロの上から脱出する事ができたようだ。
「ドクター、おまたせ、胃に優しめのコーヒーだよ〜」
ありがとう
コーヒー……ではなくカフェオレか?
「どうせブラックばかり飲んでるんでしょ? たまにはカフェラテでもどうかなと思って」
いつも飲んでいるのは純正……そう純正のブラックコーヒーばかりだったな、うん。
手渡されたカップを受け取り、一口飲む。
安心する味、普通のカフェラテだ。
飛び抜けて美味しい訳では無く、むしろ少し安っぽさが感じられるインスタントだが、何処か凝り固まっていた気が緩む気がする。
砂糖は入っていないが、ミルクが多めに入っているため、刺々しい苦味はない。美味しい
「……実は今砂糖は切らしちゃってるから、ミルク多めにしてみたんだけど、大丈夫?」
美味しいから大丈夫だ。
たまにはいいかもしれない、今度自分でも入れてみようか。
「良かった、始めて人に飲んでもらったから心配だったんだ」
普通に飲めるレベルだから心配しなくていい。
さて、一応仕事だ、会議を始めようじゃないか。
「……さっき仕事時間中寝てたのは見逃してあげるね」
…………バレてたか。
第二資料
大抵の場所ならスネイルはオリジムシを呼び出し、協力してもらう事が出来る。
あくまで協力的な個体に限るそうだが、純粋に戦力となる上、オリジムシにしか出来ない事もあるかも知れない、ともかく戦略の幅はかなり広がるだろう。
彼女いわく、「ロドスに居るオリジムシは他と比較すると臆病で大人しく人前には出てこないが、わりといっぱい居る」らしい。