今日も夏は終わらない   作:だるまや

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※SS初心者、処女作ですorz

しかも小説の書き方など全く知らない作者が思いつきで書いてますorzorz

はっきり言って表現不足、意味不明な日本語、独自解釈のオンパレードとなっています笑

それでも見てやろうという器の大きい方は恐縮ではございますがそのままお進みください。


第0話

「あー、次の授業だる」

 

 

 

 泉俊介は極めてだるそうに言いながら大学の門をくぐり、銀杏並木の道をとぼとぼ歩きつつ、友人である楠悠佳と共に講義室を目指していた。

 

 東京の郊外にあるこの大学はこれといった特徴もない私立大学で、彼自身大した勉強もせず適当に家から近いのを理由に選んだ。紹介しようにも正門からまっすぐに続いている銀杏並木ぐらいしか説明できない。

 

 今日でついに7月も半ば、とうとう始まった前期のテストとうだるような本州特有の暑さが同時にやってきた。今日の最高気温は35℃を超えると気象庁が注意を呼びかけていたこともあり、直射日光が二人の肌をじりじりと焼いていく。

 

 ふと歩きながら右を向けば、テストをやらかしたのだろうか、目に光のない生徒がまるでゾンビのような足取りで次の授業に向かっているし、左を向けばどこぞのバカップルが、夏休みの計画を大声で話しながら自転車で泉たちの横を走り抜けて、早々と帰宅の途についていた。

 

 おおかた授業をサボってどこか遊びに行くのだろう。彼女がいない泉としてはそのまま正門の前の交差点でトラックにでも突っ込んでいただきたいと半ば怨念がましく視線を送った。周りの空気に触発され泉もなんだか気が滅入ってしまう。

 

 

 

「あーほんと太陽うざい」

 

 

 

 さらに追い討ちをかけるかように昼休みをはさんで次の授業は、必修のためでなければならない仏教の授業である。

 

 自然と文句がでてきても何ら不思議ではないし、むしろこのくらいで我慢できている自分を褒めてあげたいぐらいだと泉は思っていた。

 

 そもそも敬虔威尊な仏教徒ではないためそんな授業には一切興味ない。

 

 だがこんな冒頭から魅力のなさそうな人物が主人公なのだから、読んでくれている人にはほんとに申し訳ないと思う。

 

 しかし自己紹介をするうえで、誤解が無いようにまず先に伝えておきたいが、泉はこれといってイケメンではない。若干寝癖のついた髪の毛からも無気力さが伝わってくる。

 

 付け加えれば切れ目なせいか目つきが若干悪く見られてしまい、周りからはいつもヤンキーまがいだと揶揄されてきた。現在も伸び続けている180cmの身長と口の悪さからそのイメージは定着しつつある。

 

 とうとう今年で二十歳になったが、しかし有り体に言えば特に何も変わらないごく普通のどこにでもいる大学生である。

 

 いや、むしろ隙さえあらば講義中に爆睡し、気分が乗らないと講義自体を欠席し、あまつさえ常に教授の愚痴を言っているあたり、泉自身自分でもあまりろくな人間ではないなとつくづく思う。

 

 

 

「大体俺は仏なんか信じちゃいねーよ、ったく」

 

 

 

「俊介は神様とかが嫌いだもんね〜」

 

 

 

 泉は性懲りもなくいつものように楠に愚痴をぶつけていた。

 

 楠もいつも聞かされる愚痴に困ったようではあるが、しかし笑って返してくれている。というのも、泉と楠は付き合いが長い、いわゆる幼馴染というやつだ。

 

 やはり幼稚園から大学まで一緒というのはなかなか珍しいらしく、周りにそれを言うとびっくりされる。まあ、びっくりされるのはそれだけではないのだが。

 

 

 

「しかし、せめてお前が可愛い彼女ならこんな授業の前から萎えなくて済むんだかな」

 

 

 

 泉はは死んだ目で楠をみていつものようにつぶやいた。しかし楠は

 

 

 

「俊介〜、そんなつれないこと言わないでよ〜。僕は俊介と学校に行けるの楽しいよ!」

 

 

 

 とやはりいつものように満面の笑みでこちらを見返してくるのである。

 

 そもそもなんでこんな会話をわざわざお決まりでしているのか、それは主に楠の容姿に原因がある。

 

 長めの黒髪を一つ結んだ髪型、ほんわかした雰囲気、一見そんじょそこらの女子より目鼻のパッチリした可愛い顔と155cm程の華奢な体格のおかげで、二人は何度もカップルと勘違いされてきたのである。

 

 泉はもちろんそっちの趣味は全くないし、楠にそんな感情を抱いたことも一切ない。しかし楠はなぜかいつも言われるたび嬉しそうである。

 

 ふとそんなことを思い出しつつ半ば古さだけ感じる講義棟の自動ドアをくぐり、汗をかきながら年寄りにはきついであろう階段を上る。時々楠がかまって欲しいのか、じゃれてくるのを泉が押さえつけているとやっと講義室についた。講義室は七割がた埋まりかけていて、前の席ばかり空いていた。大学生にもなって前の席を座るほど泉も人間ができていない。

 

 空いてる席がないか周りを見渡しながら入ると、未だにカップルだと思っているのか何人かが泉を見てくる。投げつけられる視線には未だ慣れない。

 

 

 

「俊介どうかした?早く座らないと俊介の嫌いな前の席以外なくなっちゃうよ?」

 

 

 

 視線に気を取られていると、楠が顔を覗きながら訊いてきた。

 

 

 

「ああ、わかってるよ。しっかしこんなクソ暑い日に200人は入る講義室がほとんど埋まるとかどんな生き地獄だよ」

 

 

 

「今日はテスト前最後の授業だからね。普段サボってる人とかもみんなきてるからじゃないかな?」

 

 

 

「だろうな。にしたって暑すぎるぞ。せめてエアコンの近くに席を取らねーと俺は死ぬ」

 

 

 

「俊介暑いの苦手だもんね。ほら!ちょうどいいところに席空いてるよ!急ご!」

 

 

 

 早速席を見つけたのようで、楠は元気いっぱいにそう伝えると先に走って席を取りに行ってしまった。

 

 

 

 泉には追いかける元気はないのでゆっくり歩いて席に座ると、となりでは既に楠がノートをとる準備をしていた。

 

 

 

「よくもまあこんな暑くてだるいのに真面目にノート取れるな。尊敬に値するわ」

 

 

 

 泉は頬杖を付きながら綺麗にまとめられているノートを覗いた。相変わらず字の綺麗なやつだ。

 

 

 

「あ〜、そんなこと言うなら、僕のノート俊介に見せてあげないよ?俊介困るんじゃないのかな〜」

 

 

 

「ごめんなさい悠佳様。ノート写させてください、お願いします」

 

 

 

 勝ち誇ったように楠が泉の持っていたノートをさらっと取り上げると、泉は手のひらを返して机に頭をつけた。なんせ泉は授業を基本爆睡しているため単位を取るには楠のノートを見せてもらうしかない。小学校から続いてきたいわば伝統行事のようなものだ。去年無事進級できたのも楠が辛抱強く面倒を見てくれた賜物である。

 

 

 

「うそうそ。でも俊介は頭良いんだからちゃんと勉強しないのはもったいないよ?」

 

 

 

「頭なんざちっともよくねえよ。いいか悠佳?ほんとに頭のいいやつはこんな二流大学にも通ってないし、単位を取るのに苦労しないし、ちゃんとノートも取るんだよ。俺は何一つ当てはまってないだろ?」

 

 

 

 我ながら自分のクズっぷりを堂々と胸を張って話すのもどうかとは思うが。

 

 

 

「ははは…。いつにも増して自虐的だね。」

 

 

 

「そうか?でも事実だからな」

 

 

 

「でも俊介の場合どちらかというとただめんどくさがっているだけじゃない?僕は俊介ならなんでもできると思うよ!」

 

 

 

 楠はいつものようにあたかも自分の言った言葉が真実と疑わないかのように笑ってみせた。

 

 

 

「毎度毎度そりゃどうも。ほら授業始まるぞ」

 

 

 

 教授が入ってきたのを見て泉は楠の純粋な期待に少し照れくさかったのもあり、少々強引に話を終わらせると楠の頭を少し小突いて前を向いた。ここまでのやり取り、周りから見たらただの大学内にいるカップルのイチャイチャにしか見えないのを泉は分かっていない。

 

 

 

「あいた!俊介はすぐそうやって話変えるんだから」

 

 

 

 不満げに若干頬を膨らませながら、しかし最後ははにかんで楠は授業を受け始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 ーキーンコーンカーンコーンー

 

 

 

 

 

 

 

 長かった授業も終わり、開放感からか生徒たちも笑顔を見せながら帰る準備をしている。ほとんどの生徒はこの授業で今日は終わりのためその足取りは軽そうだ。なかにはより良い成績を取るために急ぎ研究室へ戻ろうとしていた教授を捕まえて熱心に質問しているのもチラホラ見える。時間は三時を回り、暑さも一段落してきたしてきた中、泉と楠は放課後の予定を話していた。

 

 

 

「ねえねえ、俊介!!このあと時間ある?」

 

 

 

 泉が授業で使用した教科書をカバンにしまっていると、楠は机をバンと叩き何か待ちきれないといったような表情で話かけてきた。妙にテンションが高い。

 

 

 

「このあとか?まあ別に何もないけど」

 

 

 

「じゃあさ!駅前に新しいケーキ屋さんができたから一緒に行こうよ!」

 

 

 

 嬉々とした顔でそう言うと、すぐさま立ち上がり早く早く!言わんばかりに服を引っ張ってきた。その姿はまさに主人になつく子犬のようである。しっぽがブンブンとふられているのがよくわかる。

 

 言い忘れていたが楠は非常に甘いものが大好きであり、ご飯よりも甘いものがあればいいと常日頃から豪語しているほどの甘党だ。駅前にケーキ屋が出来たとなれば黙ってはいられないだろう。

 

 

 

「なになに、ケーキ屋?めんどくせーから一人で行ってこいよ」

 

 

 

 頭の中で何時間もケーキ屋に並ぶのを想像してしまい、思わずげんなりとして言ってしまった。こんな夏の暑い日に店に何時間も並ぶのは、暑いのが大の苦手な泉にとって正直避けたい事態である。

 

 

 

「そ、そうだよね…。俊介あんまり甘いの好きじゃないもんね…」

 

 

 

 そう言うと楠はショックで椅子に座ってしまい、さっきまで見せていた天真爛漫な笑顔も、一瞬で雨に打たれ続けている子犬のような表情になってしまった。目には若干涙すらたまり始めているし、さっきまでふっていたしっぽも動きを失ってしまった。

 

 泉自身内心しまったと思い、なんとかこの場を挽回しようと思いを巡らす。このままでは周りになんと思われるかわからないし、なにより楠が悲しい顔をしていると泉もいたたまれない気持ちになってしまう。口はいつも悪いが泉にも人並み以上には楠を思う気持ちはあるのだ。

 

 

 

「あー!悠佳俺がわるかったよ!その駅前?にあるケーキ屋一緒に行ってやるから!そんな泣くなよ」

 

 

 

 泉は腕をしたにして顔を伏せている楠に対してそう伝えたが反応がない。よく見ると少し肩を震わせて鼻をすすり始めている。

 

 

 

(あれ?もしかしてガチで泣いちゃったのか?)

 

 

 

 こうなると付き合いが長いだけにわかってしまうが、楠は本格的に泣いてしまうとすぐには泣き止まない、そうなってしまえばもう手遅れだ。どう考えても傍から見れば可愛い子を泣かしている目つきの悪い男という構図が出来上がってしまう。満場一致でこっちが有罪である。

 

 泉もさすがにまずいと焦り始め、何か泣き止む方法がないかと焦りながら考える。

 

 

 

「なあ。悠佳わるかったよ…。そんなに行きたいとは思わなくてさ。なんでもするから許してくれよ」

 

 

 

 泉は最大限済まなかったという表情をしながら楠に謝った。いろいろ考えたが素直に謝るしか方法がないという結論に落ち着いたようだ。ちなみになんでもするは泉が楠によく使う全面降伏の意味を持つ言葉だ。これでダメならもう泣き止むまでひたすら横にいて面倒を見る羽目になる。なんとか泣き止んでくれと願っていると楠の方からクスクスと笑い声が聞こえてきた。察するに全部うそ泣きだったようだ。

 

 

 

「ふふふ。俊介はいつも僕のこと見破れないね。まだまだだなあ」

 

 

 

「やかましい。これ以上人の神経逆なでするなら帰る」

 

 

 

 楠がいたずらっぽく笑いながら起き上がると、泉は騙された悔しさから一睨みするとすぐさまカバンを背負って講義室から出ようとした。今日に始まったことではないが何度も騙されるのは流石に気分が悪い。

 

 

 

「そんなつれないこと言わないでよ。早く行こ行こ!」

 

 

 

 そう言うと楠は泉の腕をつかみ嬉しそうにケーキ屋へと連れて行くのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、ほのぼのとした空気のなか唐突で大変申し訳ないが、実は二人はこのあと正門の前にある交差点で10tトラックにはねられてしまう。不運にも運転手の信号無視で。ケーキが楽しみで仕方ない者と、仕方なくといった表情で足取り重く歩く者。二人はぶつかった瞬間に生死がわかってしまうほど無残に跳ね飛ばされ、いつも学生の笑い声かする楽しい通学路が一瞬で地獄へと化したのだ。

 

 

 

 本来ならばここで泉俊介と楠悠佳の人生は終を迎えるはずであった。当たり前だが二人は某物語の吸血鬼のような便利な体を持ち合わせていなかったため、後は神様の審判によって天国か地獄にでも送られて余生?を過ごす流れになるはずだったのだ。

 

 しかしなんの気まぐれかはわからないが、そのまま無事天国に向かうことはなかった。神様の気まぐれなのだろうか?二人はこれから急転直下のジェットコースターのような体験をすることになる。衝撃的で、摩訶不思議で、一生忘れることのないひと夏の出来事を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ー提督…。大丈夫ですか…?」

 

 

 

 俺は微睡む意識の中、誰か女性に話しかけられているのをぼんやりと感じた。肩のあたりを叩かれているのを感じるあたりこれは悠佳か?あれ?でもこの声は悠佳じゃないぞ?てか、俺はさっきまで悠佳と一緒に歩いてて…。そうだ!気づいたら横からトラックが来てぶつかって…。あれ?じゃあなんで俺は生きてんだ?

 

 泉は若干混乱しながらも呼び続けられている声の主を確認するためにゆっくりと目を開けた。

 

 

 

「よかった…。ようやく目が覚めましたね」

 

 

 

 重いまぶたを開けてみると、隣にはメガネをかけた黒髪ロングのー通称 任務娘ーが書類をもって笑顔で座っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 




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