後は編集だけだ!という訳で六話!どうぞ
フィール「ん、エルレイ先生にエルソーくん、ユウキくんと……エルザ!?何でここに!?」
フィールは扉を開けると、見知った顔がいた。それに驚愕するがグレンもまた新しい顔が……と呟いている。
エルザ「フィ、フィールちゃん!?君もいたの!?」
エルザが驚愕の声を上げる。
ユウキ「知らない人が2人増えてるし……(ルミアと……誰だ?あいつやばそう……)」
ユウキは、教室に入ってロクサスたちを見た時そんなことを思っていた。
フィール「……エルレイ先生の世界のエルザか。エルレイ先生、ミアルさんとロクサスくん連れて––––」
フィールがエルレイに伝えるとエルレイの様子がおかしい。今にも飛び出しそう……いや、クラウチングスタート決める勢いだ。
憑依グレン「……嫌な予感。俺、ちょっと退避~」
グレンは今までで一番冷や汗を流しながら、教室の端にこっそり移動する。
エルレイ「死にさらせぇ!!」
刹那───。
エルレイの打撃は即座に…。
ダンっ!!!と駆け抜け、ミアルへと向かった。
ミアル「ふふ、来ると思った」
シュウ「死に晒せクソ兄貴!」
ロクサス「はははっ!!威勢がいいなぁシュウよォ!!」
こっちもか。
ユウキ「うそーーん…」
いきなりの出来事にいろいろと追いつかないユウキ。
フィール「ですよね……エルザ、止めてきて」
エルザ「無理!」
エルザはフィールを抱きしめて後退りした。
憑依グレン「はいはーい。みんなー、あんな大人になってはダメですよー。先生みたいな、紳士を目指しましょうねぇ」
まるで説得力を感じないグレンの言葉だった。
フィール「止まらないと思いますよ?ユウキくん、止めてきて」
ユウキ「はぁ…仕方ないな……《とりあえず・落ち着け》!」
ユウキは【第七園】を小規模展開させて、4人を炎でそれぞれ個別で囲むように展開させて、4人の動きを止めた。
ユウキ「一旦落ち着いてくださいよ。情報整理どころじゃないじゃないですか!」
フィール「これで止まってほしいんだけど……」
ミアル「あぅ…ごめん」
エルレイ「…ごめん、落ち着きがなかった」
どうやら、女性陣は止まってくれたようだ。だが……
シュウ「地獄に落ちろっ!!」
ロクサス「ははははっ!!はーっはっはっ!!」
男組がまだだった。
エルソー「…いちごタルト美味しい」
エルソーはついに現実逃避を始めたようで、目に光が宿っていない。
ぐサっ!
突如としてシュウとロクサスの顔面に大剣が突き刺さる。どうやらエルレイとミアルが投げたようだ。
シュウ&ロクサス「目が!メガァァ────ッッ!!!」
エルレイ「状況整理、始めるね」
ユウキ「………まぁ、大丈夫か…」
ユウキはシュウとロクサスが落ち着いたことで【第七園】の炎を消した。
フィール「えっ、放置?モロ顔面に刺さってるっぽいんですけど……」
割とガチで目潰しされてる気がする。バルス待った無しを物理でやるとは思わなかった。
エルレイ「ユゥ君が『大丈夫か…』って言ってるしいいと思う」
憑依グレン「……早く帰りたい」
遠い目をしたグレンが、大きくため息をついた。
フィール「まあ……いいか。状況整理しましょう。私達は幻術にかかってミアルさん達と敵対してました。あと、この人形とセリカ伯……アルフォネア教授が犯人だと言ってましたね」
エルレイは、座ってエルソーを膝に乗せながら話を始めた。
エルレイ「そして……人形を、一定数集めること」
エルソー「…いちごタルト美味しい」
膝に座らされたエルソーは漸く目に光が戻り、だがいちごタルトを食べ続けていた。
ユウキ「人形を集めるには何かと戦ったりしなきゃならないのかな…?まぁ、ここにいるメンツなら大丈夫だとは思うけど…」
シュウやロクサス、フィールたちをチラッと見ながらユウキはそう言った。
シュウ「…こん中だと実力最弱だからこっちに目を向けないでよ…」
シュウはそう言って一、二歩下がった。
ユウキ「【第七園】使えるし、剣も強いし最弱ってほどじゃないと思うけどなぁ。それを言ったらグレン先生の方が……ね?」
ユウキはグレンの方を見て、気まずそうに言った。
地味に辛辣である。
憑依グレン「おっ?ケンカ売ってんのか?買わないぞ?」
いや買わないんかい。
フィール「……うーん。まあこの中じゃねぇ。とにかく、戦闘しなくちゃいけないかもしれないのは否定出来ない。幻術も幻術と気付くのが遅れるくらい悪質だし、海魔っぽいのも居たからトラップも無いとは言い切れない」
問題はセリカ伯母さんが自分が楽しむ為に作った世界なのか、フィール、もしくは特定の人物に会いたいが為に作った世界なのかだ。
何を求めてるのか分からない。人形のチョイスからしたらもしかしたらシスティーナやルミアの人形とかありそうだし。
エルレイ「ん。グレンが最…あ、そうそう」
エルレイは何かを言いかけて、グレンに顔を合わせた。
エルレイ「グレンに業務連絡?私、本名リィエル=レイフォードだから、そこのとこよろしく」
さらっと本名を言ったエルレイ。
憑依グレン「……へ?」
突然のエルレイ……否、リィエルのカミングアウトに、グレンが間の抜けた顔をした。
憑依グレン「えぇぇぇえええええええええ―――ッッッ!?!?!?」
そして、教室中に叫び声が響き渡る。
ユウキ「あはは…違う世界の先生は色んな意味で面白いなぁ……」
グレンの叫び声を聞きながらそうユウキは呟いた。
ロクサス「って、グレン=レーダス。知らなかったのかよ」
ロクサスはため息をついた。
フィール「うん……まあその反応は分からなくはない。リィエルがこうなると思わないでしょ」
だってどの世界でも脳筋思考なのに、成長するとこうなるから、ようじょってふしぎ。
憑依グレン「そ、そんな……それはつまり……」
グレンは頭を抱え
憑依グレン「つまり、アイツは一生、おっぱいも大きくならな――」
絶望の表情で何かを言いかけたグレンだったが、一瞬でエルレイに殴り飛ばされる。
エルレイ「フィーちゃん。この野郎を殴っていいかな?」
と、殴ってから聞くエルレイ。
フィール「女の子にそれは無いって……気が済むまでどうぞ。治癒くらいはかけるから」
それは逆に死すら許されないと言う事でもあるのだが……。
ユウキ「こんなクソみたいな性格のグレン先生がいるなら、システィーナみたいな真面目な先生がいる可能性も……!?」
ハッと何かに気づくユウキ。
色んなグレンがいる可能性を1人でぶつぶつと考えているようだった。
エルソー「…?」
エルレイが何に怒ってるのかわからないエルソーは、小首をかしげながらやはりいちごタルトを食べている。
憑依グレン「さて、いい加減話を戻そうか」
ボコボコにされ、顔中腫れている中、グレンが話題を切り出した。
フィール「……《慈愛の天使よ》」
とりあえず治癒をかけるフィール。
自分の手を火傷させるレベルの無謀なツッコミを、何故するのかため息をつきながら。
エルレイ「とりあえず、知り合いの自己紹介させてね」
エルレイはそう言って、手をパンパンと叩いた。
エルザ「えっと、まずは私から、私はエザリー……」
エルレイ「ごめん。それだと見てる人が混乱するから、本名で言って」
エルザ「え?どういう─」
エルレイ「お願い」
エルザ「えっと、私はエルザです。このエルレイの部下に当たるものです」
そういってエルザはお辞儀をした。
そう言うとフィールはエルザを優しく抱きしめる。
フィール「また会えて嬉しいよ。エルザ」
別世界、エルレイの世界線であろうがエルザである事に変わりない。
だからフィールは嬉しかった。
ユウキ「リィエルに部下……苦労人だろうなぁ……」
ユウキは温かい目でエルザをじっと見る。
エルザ「うん。本当に、また会えてうれしいよ。フィールちゃん」
エルザはフィールに微笑みかけた。
憑依グレン「ふむ、百合の波動を感じる」
とても真面目な顔で、そんなロクでもないことを言うグレン。
エルレイ「……」
エルレイは、フィールとエルザをどこか不機嫌そうに見た。
シュウ「どうしたの?」
エルレイ「……なんでも。というか、苦労人とは失礼な。わたしをなんだと…、ところでエルザって私の部下だっけ?」
シュウ「そ う い う と こ や ぞ ?」
ユウキ「ホントこの人たちは……」
グレンやエルレイたちを見ながら、はぁ…っ、と。ユウキはため息をつく。
常にシスティーナがグレンやリィエルにツッコミ等をしていたので、改めて彼女の偉大さを痛感していた。
シュウ「えっと、俺はシュウ。このエルレイの婚約者だよ」
ミアル「私はミアル、しがない一般女性です」
ロクサス「ロクサス」
フィール「ちょっと待った!?エルレイ先生婚約者居たの!?」
フィールが驚愕する。いや先越されたとかそう言うわけでは無いがあのリィエルに婚約者。想像が追いつかなかった。
憑依グレン「……なるほど、ヒンヌー派か。納得」
グレンの暴走が止まらない。どこかにブレーキはないのか?
エルレイ「……なに、婚約者いて文句ある?」
エルレイは頬を膨らませながらそっぽを向いた。
シュウ「ごめん、グレン先輩、ちょっとなにいってるのかわかんない」
エルソー「…ヒンヌー?」
純粋なエルソーはグレンの言ったことに首をかしげて聞き返す。
フィール「……いや、私の知ってるリィエルとエルレイ先生は違うけど……マジですか。リィエルに婚約者……ごめんなさいやっぱ想像が追いつかない」
ユウキ「エルソーは、グレン先生が言うことを全部無視すればOK!良い?」
ユウキはしゃがんでエルソーの目線に合わせてそう言った。
エルソー「?…ん、わかった」
エルソーはユウキの言うことに小首をかしげながらも素直にうなずいた。めっちゃいい子。
フィール(いや待てよ?過去にこんな事言ってたっけ?)
フィール「『おかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしい、私とシュウもルミアとロクサスもディープまでいくのは相当時間を費やしたのに、というかELSAが、フィーちゃんとき、き、き、キ…ス?お、落ち着け落ち着け落ち着け私落ち着け、ここで冷静にならなくてどうする?先ずはキスの定義を考えなければいけない、あれはキスとしては分類されても好意のキスではない…ハズ、そもそも────』……とか言ってたような……」
結構ガッツリ覚えているフィール。
そのセリフを聞いた瞬間、エルレイの顔が真っ赤になる。
憑依グレン「……えっ、怖い。なんでそんな一語一句覚えてるの?ボイスレコーダー?」
エルレイ「~~~!そ、そんなこと言ったけ?」
ロクサス「ああ、シュウが恐ろしいほどの初心だから、そういうことした事ないんだよほとんど」
シュウ「ちょっ!くそ兄貴!マジで殺すぞ!!」
憑依グレン「今のフィールの話でさらっとロクサスとミアルの関係にも疑いが出てきたんだが、どう思うユウキ君や」
唐突な話題振り。
ユウキ「んー…ルミアにちゃんと好きな人ができていて良かったなと思いますね。ロクサス強そうだし、姫と騎士みたいな感じで良いんじゃないですか?」
ユウキはあえてフィールが言った『ディープ』を無視して、グレンの質問に答える。
エルソー「…?」
もはや鈍感主人公のようになってきたエルソーは、ひたすらいちごタルトを食べながら首をかしげている。
ミアル「あれ?よく気付いたね、私がルミアだって」
そう言いながらミアルはくすくすと笑った。
ロクサス「ちなみに、俺らはふつーに結婚してるからな?」
ユウキ「まぁ…リィエルやエルザが偽名使ってるし、ミアルも外見もろルミアだし……」
憑依グレン「……えっ、待って。ミアルってルミアなの?全く気付かなかったんだけど。俺、自分の教え子殴ろうとしてたの?」
鈍感っぷりでは負けていないグレン。いや、どちらかと言うと無能っぷりか。
フィール「と言うかルミアさんも!?……いやでも想像できる……うん。エルレイ先生と比べるとよっぽど……」
エルレイ「おいそれどういう意味じゃゴラ」
ユウキ(……果たして俺らは帰れるのか…?)
ユウキは手で顔を覆いながらはぁ…とため息をついた。
ユウキ「……システィーナ助けてくれぇ……」
ユウキくん胃薬必須ですね