憑依グレン「さてと。俺らはどうする?ぶっちゃけ腹減ったから食堂行きたいんだが」
フィールたちが入っていった扉を見つめ、グレンがそう言う。
エルソー「…ん、食堂行こう。いちごタルトが減ってきた」
エルソーもそう言ってユウキは?と視線を送る。
ユウキ「良いですね、食堂行きましょうか」
憑依グレン「よーし出発!」
そして、一同は一気に食堂まで向かった。
特に何もないが、先ほどエルレイ達が戦った痕跡、火の跡が至る所に残っている。
憑依グレン「いや、お前ら何してたの?」
グレンがユウキとエルソーに困惑の視線を向ける。
ユウキ「シュウと俺が主に炎の魔術とかを使ってたって言えば分かります……?」
ユウキはさっきの戦いを思い出してグレンにそう伝えた。
エルソー「…ん、炎がいっぱいあった」
エルソーもそう言ってキッチンのほうに向かう。
憑依グレン「なるほど……キャンプファイヤーか」
しかし、グレンの想像は斜め上を飛んでいった。
シュウ「あれ、ほとんど俺とユウキ君のせい?」
ユウキ「さっきの教室みたいに物がこの空間では壊れないんで、床とか直ってると思ったんですけどね…ダメだったか…」
食堂内を調べながらユウキはそう言った。
エルソー「…なかった」
エルソーは無言のまま食べられるものがないか探していたが、何もなかったようで引き返してきた。
ユウキ「あちゃー…なかったかぁ…。さっきの戦闘から何も変わってなさそうですし、場所移しますか?」
エルソーの報告を聞いて、グレンにそう尋ねる。
憑依グレン「……はぁ。食い物がねえならこんなとこに用はねぇ。さっさと場所変えるぞ」
そう言って、グレンたちが場所を変えようとした。
その時
『はああああああぁっっはっはっはっは―――ッ!!!』
突如として、甲高い笑い声が食堂に響き渡った。
ユウキ「……笑い声…?」
突然聞こえた笑い声にユウキはビクッ!として、辺りを見渡す。
憑依グレン「くそ、次から次へと。誰だ⁉喧しいぞ!」
エルソー「…ん、うるさい」
ロリカ「ロリカ!!ここに参上!!」
スタン!!
そこに降り立ったのは、金髪の幼女で、どこかセリカに似ている風貌の子供だった。
ユウキ(今回の黒幕来たぁぁぁ!?)
ロリカの姿を見て心の中で叫ぶユウキ。
憑依グレン「……よし、次の場所イクゾー」
グレンは厄介ごとの気配を感知し、無視することにした。
ロリカ「無視とはひどいよー!」
「「「「「「ぱぱあああああぁ!!!!!」」」」」
さらに、大量のロリカが出現した。
まるで多重影分身である。忍かお前は。
憑依グレン「うぎゃああああああ――ッッ!?!?」
突如出現したちびっこ軍団に驚き、情けない悲鳴を上げるグレン。
エルソー「…グレンもうるさい」
手で耳を塞いで少し煩わしいそうな表情を浮かべるエルソー。
ユウキ「うわぁ…多い……」
大量のロリカを見てユウキはため息を吐く。
ロリカ1「ぱぱ!無視しないでよ」
ロリカ2「そーだそーだ!」
ロリカ4「わたしとパパの仲じゃんか!」
ロリカ8「そーだ!そーだ!」
シュウ「……うっわ」
憑依グレン「ほほほほら、よよ呼んでるぞユウキ!!」
顔を真っ青にしてユウキにすべてを擦り付けようとするグレン。
そもそも、セリカが大量発生しているとか本来なら戦争が起きるレベルだ。というか、六英雄いらなくね?
ユウキ「パパ……?って、俺じゃなくてグレン先生の方に群がってるじゃないですか!」
ロリカの言葉を聞いてグレンをじっと見つめるユウキ。
セリカに似ているこのロリカ、パパという言葉が本当ならグレンとセリカは……と考えるユウキ。
憑依グレン「だぁぁぁぁ―――ッッ!!なんで俺に群がるの!?砂糖に飛びつく蟻かテメェら‼」
食堂にグレンの叫び声が響き渡る。
ユウキ「グレン先生に群がるロリセリカさん……もしかしてグレン先生に構って欲しいんじゃ?」
この状況の考察を始めるユウキ。
黒幕がセリカで大量のロリカをグレンに群がらせるなら、おそらく単純に構って欲しいのか困らせたいのかの二択になるだろう、とセリカの性格から考える。
エルソー「???」
何もわかってないエルソーはグレンたちを見て、首をずっと傾げている。
ロクサス「そのようだな。……よし、ユウキ、シュウ、エルソー。ほっとくぞ」
ロクサスは、食堂のドアを親指で指さした。
憑依グレン「ザッケンナァァァァアアアア―――ッッ!!」
そんなロクサスの後頭部を、不意を突いたグレンが蹴りつけた。
ロクサス「いて」
あまり痛そうではないロクサスを見て、シュウはため息をつく。
シュウ「それで?何用ですか?セリカ教授」
ロリカ「ロリカだよっ!」
ユウキ「あくまでセリカとは言わないのかこの人は……ロリカさんは…グレン先生に会いにきたんですか?」
グレンに群がる大量のロリカを見て、そう尋ねるユウキ。
ロリカ「うーん……」
ロリカは分身を消し、腕を組んで考え始める。
ロリカ「なんでだっけ☆」
憑依グレン「ぶっ飛ばすぞクソガキ!」
涙目で叫ぶグレン。どうやら、ロリカの正体にはまだ気づいていないらしい。ホント鈍いなこいつ。
エルソー「…?よくわからない」
鈍いやつ二人目が登場した。どうやらエルソーもロリカの正体が未だに分かっていないらしい。
ユウキ「やめた方が良いんじゃ無いですか?見た目ロリになってますけど魔力量とかはセリカさんですよ、この子」
しゃがみながらロリカを撫でるユウキがグレンに対してそう言った。
ロリカ「だって仕方ないじゃんパパ!私が登場してから何日たったと思ってるの!?
20だよ!20!読者にはわかんないけど、コラボの日程が合わなくて、かなり私の登場から時間がたって……わぁい☆」
ロリカは叫んでいたが、ユウキに撫でられた瞬間おとなしくなった。
憑依グレン「わーおメタ発言。ギャグ時空じゃなきゃ通じないね」
グレンの目が死んだ。
ロクサス「とりま、このガキ縛るか」
エルソー「ん、わかった。これ縄」
エルソーが取り出したのは見るからに頑丈そうで太い縄だった。
その時、不思議なことが起こった。
エルソーの持っていた太い縄はまるで竜のように空に舞い上がり、グレンを拘束したのだ(亀甲縛り)。
ユウキ「ブッ…!」
思わず吹き出すユウキ。
シュウ「…?変な縛り方」
シュウは何もわかってなさげに首をかしげる。
憑依グレン「なんでさ!」
流石のグレンも思わずツッコム。というか、最近グレンがツッコミしてばかりなんだが。
エルソー「…縄が飛んでった」
エルソーは自分の手をまじまじと見つめてそう呟いた。
憑依グレン「どう考えてもテメェの仕業だろセリカー!」
ロリカ「えーなんのことー?ろりかー。こどもだからー。わっかんな~い」
ロリカは舌をペロッとだし、あざとく笑う。
憑依グレン「助けてエルソー!」
一番純粋なエルソーに助けを求めるグレン。
エルソー「…グレン、その縄は一度結ばれたら一時間はほどけない」
エルソーは顔を若干伏せながらそう言う。
憑依グレン「え、うそん」
呆然とするグレン。どうやらこれから一時間は探索に参加できないようだ。
エルソー「…嘘。簡単にほどける」
顔をあげたエルソーは若干笑っている顔でグレンの縄をほどきに行く。
憑依グレン「うぉぉぉい!ビビらせんなよォォォォ!!」
ユウキ「良かったですね、グレン先生。あのままほどけなかったらエルレイさん達にクソみたいな目で見られてましたよ」
笑顔でサラッと言うユウキ。なかなか辛辣である。
ロクサス「エルソーが結構小悪魔で草生えるんだが」
笑えない冗談をしたエルソーに、ロクサスは苦笑いを浮かべた。
ロリカ「う~ん……話が進まない……、よし!」
ロリカは何かを思いついたように、手をポンっと叩いた。
ロリカ「ロリカ、いいこと思いついた!」
ロリカはそう言いながら人形を掲げる。
ロリカ「ロリカ!みんなと喧嘩したい!私に勝ったらこの人形あげる!」
ユウキ「喜びそうなのは1人いるけど…マジで…?」
ロクサスをチラッと見てそう言うユウキ。
ロクサス「君は俺を何だと思ってるんだ?」
ロリカ「まじまじおおまじおー!
ぴょんぴょんとはしゃぐロリカ。どんな言語だ。
ロリカ「さ!どこからでもかかってこい!」
ロリカは両手を上げて、ほくそ笑んだ。
ロクサス「あのガキが主犯だからな、やるしかねえ」
エルソー「…ん、頑張る」
油断なく回り込みながら左手を構えるエルソー。
憑依グレン「じゃ、頑張れよ~」
そういって物陰に隠れて応援するグレン。
ユウキ「まぁ、先手必勝ってことで!」
ユウキは太陽のアルカナをかざし【太陽の世界】を発動する。
食堂内が【第七園】と同じぐらいの炎で包まれる。
ロリカ「じゃあ今度はこっちからいっくよ~」
ロリカは手を前にかざし、魔方陣を展開する。
ロリカ「《はあああああぁぁぁ》――ッッ!!」
刹那───。
ロリカは咆哮を即興改変で一節詠唱し、まさかの【イクスティクション・レイ】と同等の破壊力のビームを発射させた。
シュウ「ほっ」
ぶんっと。
シュウが軽く剣を振ると、そのビームは消失する。
ユウキ「……あの人も味方もヤバい件について……」
一連の流れを見て唖然とするユウキ。
ロリカのあまりの詠唱スピードに魔術を封じる炎が間に合わなかった。
憑依グレン「よし、俺の出番は入らねえな。このままこのおっかない部屋から退散退散~」
今回ばかりはグレンの言い分も分かる。明らかに彼では足手纏いになるレベルの異次元戦闘。
巻き込まれる可能性もあるので邪魔しないようにするのは当然なのだ。
エルソー「…ん、強すぎる」
エルソーはにげていくグレンの言葉に同意して、いつでも逃げれるように扉付近に陣取った。
自分の力量がわかっているからこその行動だろう。しかし、そこでいちごタルトを食べ始めるのはなぜだろうか。
エルソー「…大丈夫、けん制はするから」
そう言ってサムズアップするエルソー。
ユウキ「……俺の固有魔術が通用しないなら…刀で攻めるしか無いか…」
ユウキは魔術の封殺は諦め、【太陽の世界】を【第七園】に切り替えて、刀を構える。
ロクサス「行くぞ!小手調べくらえや!」
ブォォォォン――ッッ!!、と。
凄まじい音とともに、ロクサスはその場で大剣を振り下ろす。
ユウキ「はぁぁぁ!」
ロクサスに続いてユウキもロリカに斬りかかる。
エルソー「…ん」
エルソーも扉から
憑依グレン「えっ、これ俺も何かするところ?……《まあ・取りあえず・ぶっ飛べ》」
貴重な魔力を即興改変によってかっこよく見せる為に消耗しつつ、【ゲイル・ブロウ】を発動するグレン。
ロリカ「ふはははあ!!そんな攻撃あたら──ぐはぁ!!」
ロリカはずっと逃げていたが、突然体が吸い寄せられ、ユウキとエルソー、グレンの攻撃をもろに食らう。
ロクサス「さっきスカッたときブラックホール作っといた」
ロリカ「いや~ん☆もしかして私勝てない?」
憑依グレン「軽く人間やめてる人いるんですが……あれ?アイツ何者?」
引き攣った笑みでコメントするグレン。
ロクサス「いや、セリカ教授が人間やめてんのはいつもの事だろ」
シュウ「多分お前の事だよ兄さま」
シュウはそう言いながら。ロリカの波動砲を軽々と消滅させていく。
え、何これ怖い。
ユウキ「味方だと非常にありがたいけど、敵にだけはしたくないな……」
ロクサスやシュウの戦い方を見てゾッとするユウキ。
ロリカ「………がぁ…………ぁ」
その場に倒れたロリカは、血を流しながらも立ち上がる。
あれ?いつの間に倒されてたの?
ロリカ「ぐ……」
バタン!!と。
力尽きたのか、ロリカはその後にその場の床に倒れた。動く気配はない。
シュウ「ちょ、流石にやりすぎ……!」
憑依グレン「……お、おい?う、嘘だろセリカ?……ど、どうせ魔術かなんかで誤魔化して、油断したところを襲ってくるんだ。お前ら気を付け――」
明らかに動揺し、震える声でそんなことを言うグレン。
全員が少し、ほんのすこしロリカを心配し近づいたその時───。
ロリカ「あっはははは!!ばぁかめえ!!トリックだよ!!」
突如、全員の周りに魔方陣が展開される。
憑依グレン「読んでたわバカ野郎がァァァァ!!」
それを待っていたと言わんばかりに【愚者の世界】を発動するグレン。魔方陣はその光を消し、消失していく。
ロリカ「フン!!もうおそいわ!!」
しかし、ギリギリで魔術は発動し、全員の意識が暗転した。