ロクでなしに憑依した   作:山羊次郎

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ようやくだ。



大型コラボ・九話:終章

 男子立ち入り禁止の部屋を探索していたエルレイとフィール。

 そこで何があったかは他の方のssを読んで欲しい。

 

エルレイ「ほんとにやめ………ん?」

 

 突如として、エルレイの近く。ドアのあたりが光りだす。

 

ミアル「な…なに!?」

 

 そこから現れたのは……。

 

憑依グレン「痛ってぇ……」

 

 先ほど離れたはずの、グレンとエルソーとユウキ。

 男チームだった。

 

エルレイ「………なにやってんの?」

 

ユウキ「あれ……俺たち光にのまれて……って、エルレイさん達!?」

 

 自分たちの前にいたエルレイ達に驚くユウキ。

 

フィール「ちょっ!?み、見ないで!///」

 

 フィールはスカートを押さえながら涙目で叫ぶ。

 全員条件を達成したのかドアが消えて代わりに男子組が現れた。

 

エルレイ「~ッ///」

 

ミアル「うぅ……」

 

 と思ったが違うようだ。現にミアルとエルレイはまだ下着姿のままだ。

 

ユウキ「え?って…あわわわ!」

 

 フィールの格好やエルレイ達の下着姿をチラッと見たユウキは慌てて目を逸らす。

 

憑依グレン「……とりあえずどっかに射影機は――」

 

 目の前の光景を目に焼き付けるどころか形にして残そうとするグレン。

 

シュウ「ちょ…だれ!?」

 

エルザ「はーい、シュウ君はこっちねー」

 

 エルザはシュウを抱きしめ、そのまま手で目隠しをしながら外に逃がす。

 

エルソー「…?ん、射影機」

 

 首をかしげながらグレンに射影機を手渡すエルソー。この状況に特に何も思わないのか、平常運転だ。

 

エルレイ「ロクサスは…いないか。さて。そこの三人。遺言を聞こう」

 

 エルレイは道端のゴミを見る目ではあるが、かなり恥ずかしがっているのがわかるほど顔を真っ赤にしている。

 ピンクのフリフリのかわいらしい下着を着ている彼女の姿は、グレンが胸がないと馬鹿にできないほど魅力的だ。

 

エルレイ「──っ!じっとみるな!」

 

憑依グレン「バカやろう!どうせお前らこのあと俺らのことボコボコにするんだろ!だったらまずはこの光景を目に焼き付けても罰は当たらないはず――」

 

 いたって真面目な顔でそんな最低発言をするグレン。 

 どさくさに紛れて射影機を構えるが

 

フィール「《見・る・な》あああああああ!」

 

 フィールはグレンに向けて【ゲイル・ブロウ】を放つ。強風で自分のスカートが捲れながらも、投影機ごとグレンを吹き飛ばした。

 

フィール「あっ、ちょっ!……シュウくん、ユウキくん……見た?」

 

ユウキ「………似合ってるよ」

 

 目をそらしながらフィールの質問にユウキは答えた。

 

フィール「〜〜〜〜!///」

 

 フィールは涙目になりながらも帝国のコートを素早く着ていた。

 一瞬下着を褒められたと思って真っ赤になったが、服装の事を言っているのだろう。多分。

 

ミアル「……ロクサス」

 

ロクサス「ここに」

 

 ミアルが呼ぶと、突然その場にロクサスが跪いて登場する。ミアルはロクサスから大剣を受け取る。

 

ミアル「ありがとう」

 

ロクサス「おう」

 

 ロクサスは消滅した。……えっ?

 

エルレイ「さて……遺言はそれでいい?」

 

ユウキ「……グレン先生…こう言う場合、どうすれば良いんですかね」

 

 一応目をそらしながらグレンに対してそう言うユウキ。

 冷や汗ダラダラである。

 

憑依グレン「」

 

 しかし残念。グレンは既に気絶している。

 

ユウキ「え、ちょ………」

 

エルレイ「シュウ」

 

シュウ「イエーイ、呼ん……え、うぇぇ!!! ななな、なんでそんな!!!////」

 

エルレイ「そ、そんなことはどうでもいい!貸して」

 

シュウ「う、うん」

 

 シュウは、エルレイに剣を渡し、消えていった。

 

エルレイ「さて、まず…、ユウキ=イグナイト」

 

ユウキ「は、はい!」

 

 ぴーん!と背筋を正すユウキ。

 あまりのエルレイの威圧感にビビりまくりだ。

 

フィール「……目を逸らしたから減刑の余地ありで……」

 

エルレイ「私たちを見た瞬間、すぐに目をそらしたのはいい判断です。ですが、あの状況の『似合っている』はダメです」

 

 リィエルとも思えない淡々とした言い方だ。とても怖い。

 

エルレイ「しかし、あなたは年ごろで仕方ない。そう解釈します。行ってよし」

 

 エルレイが、ドアを指差す。今すぐいかねば大変なことになる気がしたユウキはさっさと出ていく。

 

ユウキ「あ、ありがとうございまぁぁぁす!フィールもありがとね!」

 

 綺麗なお辞儀をして急いでユウキは外に出た。

 

エルレイ「次、エルソー=シェード」

 

フィール「……関心なし。ショタ。無罪」

 

 子供だし邪な考えもないからいいんじゃないかとフィールは思った。

 

エルソー「?…ん」

 

 エルソーは目の前で行われていることに首をかしげていたが、呼ばれて返事をする。

 

エルレイ「フィール=ウォルフォレン。ショタという言い方は止めなさい。あとで少し、男女としてのプライバシーを教育します。今はユウキ君のもとへ向かってください」

 

フィール「……えっ、私被害者なんですが?」

 

エルレイ「うるさい」

 

 まさかのマジギレ。

 

エルソー「…わかった?」

 

 終始首を傾げていたエルソーも部屋を出ていった。

 

フィール「りょ、了解です……」

 

エルレイ「あの状況で【ゲイル・ブロウ】をうった自業自得です。最低限の魔術のマナーは守ってください」

 

 エルレイの説教を聞き流しながら、部屋を出ていくフィール。

 

フィール「は、はーい……」

 

 何故だろう。

 今のエルレイに逆らったらヤバい気がするので、大人しくユウキの所へ向かったフィール。

 

エルレイ「………さてと」

 

憑依グレン「……、」

 

 エルレイはいまだに気絶するグレンに微笑みかける。いや、彼女は()()()()()()()()()()()()()()のを見逃さなかった。

 

エルレイ「あとは、グレン、だね」

 

 とてもいい笑顔でそう言うエルレイ。

 

憑依グレン「《――》!!」

 

 実は気絶していた振りをしていたグレンは、身の危険を感じ【セルフ・トランスパレント】で姿を消して、行方を眩まそうとする。

 

ミアル「逃がしませんよ?」

 

 しかしミアルに捕まってしまった。これでは姿を消しても意味がない。

 

ミアル「さて…グレン先生どうする?」

 

エルレイ「すべてはエルミアナ様の望むままに……」

 

憑依グレン「ちょ、待った!お、落ち着けお前ら!人間ってのは話し合いで解決できる生き物なんだ!ここは平和的に穏便に――」

 

 どれだけ惨めでも、抗うことを諦めないグレン。内容は非常に情けないが。

 

エルレイ「グレン、いいこと教えてあげる。言ってわかれば戦争なんてなくなるの。わからないから敵になる。そして…敵は撃たねばならない」

 

 グレンにとって、とてもリィエルは成長しているように見えるであろう。こんな状況じゃなかったら。

 

憑依グレン(どうする!?どうすればこの状況を切り抜けられる!?考えろ、宮廷魔導士時代に培った全技術を終結させろ!)

 

 そして、その技術はそろってこう結論付けた。

 

技術たち「諦めたら?」

 

 自身の技術にすら見捨てられたグレンの目が死んだ。

 

ミアル「………ん?」

 

 ミアルは何かに気が付いたようだ。

 グレンをペタペタと触りだす。

 

ミアル「リィエル。無罪で」

 

エルレイ「…は?」

 

 エルレイは素っ頓狂な声を上げた。

 

ミアル「転生者のお決まりだったっぽい。グレン先生は無罪で、いいね?」

 

エルレイ「……はっ」

 

 エルレイはその場で跪いた。

 

憑依グレン「え、はっ、え?」

 

 しかし、運には見放されていなかったようだ。

 

ミアル「だから、何も言いませんから無罪で。ユウキ君たちのもとに行っていいですよ?」

 

 ミアルはにこっと微笑んだ。

 

憑依グレン「……………………………よっしゃーーーーーー!!!」

 

 雄叫びを上げて部屋を出ていくグレン。

 そして、どうやら終わりの時が来たようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――

 

─────―

 

───

 

 結局、全員揃ったので一度教室に戻ろうということになったのだが、

 

セリカ「あははあはは!!!あはははあはは!!ぎゃはははあ!!!!」

 

 全員合流した教室で、セリカは一人ゲラゲラと笑っていた。

 

セリカ「いや~楽しんだ楽しんだ!おばさん大満足!」

 

憑依グレン「テンメェ!さっきはよくもやってくれたな!おかげで死にかけたぞこら!」

 

 グレンがセリカに食って掛かるが、

 

セリカ「それはお前の自業自得だろ!それにサービス見せてやったんだからいいだろ!」

 

 まさしく正論を返すセリカ。

 

憑依グレン「ふざっけんな割に合わねぇよバッキャロー!」

 

ユウキ「グレン先生。それ以上はまた殺されかけますよ……」

 

エルソー「…セリカも居たの?」

 

 エルソーはいまだに気づいていなかったようで、純粋に驚いているようだった。

 

セリカ「ああ、いたんだよ少女エルソー」

 

 そう言いながら、セリカは満面の笑みでエルソーを撫でる。

 

フィール「それで?セリカ伯……アルフォネア教授は何故こんな事を?」

 

 フィールはセリカの思惑を本人の口から聞きたいようだ。

 

セリカ「おう!フィール!そのメイド服似合っているぞっ!もっとゴスロリチックのほうがよかったか…」

 

フィール「アルフォネア教授?説明」

 

 酷くいい笑顔でセリカに問いかける。

 

エルレイ「さっさといいなさい」

 

セリカ「おっふ!」

 

 セリカは怖い二人の女性に。少し後づさりする。

 

シュウ「……なんかあった?」

 

エルザ「あーうん、シュウ君は多分エルレイの下着しか見てないだろうから気にしなくていいよ?」

 

 そして、観念したセリカが言う。

 

セリカ「なに、ちょっとした気まぐれさ。話すほどの事でもない」

 

 そう言いながら。セリカはからからと笑った。

 

フィール「気まぐれで魔法級の空間作らないでください」

 

 ため息をつき、フィールはグレン達を見る。並行世界からどうやったらこれだけの人達を引き寄せたのか分からない。

 相変わらずの無茶苦茶具合にフィールは呆れしかない。

 

セリカ「よーし!最後の締めに!このセリカおばさんと最終決戦……」

 

 そう言いかけ。シュウとロクサスを見ながら止まる。

 

セリカ「……と思ったが、さすがに今度は本気で来られそうだな。やめておこう」

 

憑依グレン「ふっ、賢明な判断だな」

 

 まさに虎の威を借るグレン。シュウとロクサスにビビるセリカを見て勝ち誇った顔をしてそんなことをのたまう。

 

ユウキ「グレン先生そこドヤ顔してもカッコよくないです……」

 

 グレンに呆れながら突っ込むユウキ。

 

セリカ「さて。そろそろ返してやろう。別れは今のうちにたのむぞ?」

 

 と、言う訳で、それぞれ別れの言葉を。

 

ユウキ「みんな、何だかんだで楽しかったです!俺の世界に戻っても、みんなのこと忘れないです!また、いつか出会えた時は仲良くしてくれると嬉しいです、ありがとうございました!」

 

 エルレイ達の顔を見ながら笑顔で言うユウキ。

 

フィール「またね。ユウキくん、其方のイヴによろしくね」

 

 フィール達は手を振ると、ユウキの身体が光に包まれていく。ユウキ達だけではない、エルソーもユウキに続いて光出している。

 

エルソー「…とても楽しかった。いちごタルトもおいしかった。…また会える時を楽しみにしてる。……みんなありがとう」 

 

 そう言って初めて表情を崩して、はにかんで見せたエルソーは、とてもかわいかった。

 

エルレイ「ん、私もえっちゃんにあえて。うれしかった」

 

 そう言いながらエルレイは薄く微笑む。とてもリィエルらしい、儚い笑顔だ。

 

憑依グレン「……まっ、特に何かいうことはねえよ。似合わねえのは自覚あるし、何処にだってグレン=レーダス(主人公)はいるだろうからな。……でもまあ、俺が居るってことを、記憶の片隅にでも記憶してくれてたら、それでいい。……元気でな」

 

 全員……、特にフィールを見てそう言うグレン。

 

フィール「……忘れませんよ。忘れる訳がないでしょ。ありがとう、並行世界の大事な人」

 

 フィールは胸に手を当てて、そう呟いた。決して父とは言わない。けど、フィールには大切な人に変わりないのだから。

 

エルレイ「んじゃ、わたしからは…… さ よ う な ら タ ル ト 」

 

 

 エルレイ…、いや、リィエルはその場のみんなに何かを投げ渡した。

 それはイチゴタルトの形をした。腕時計だ。

 とてもリィエルらしく、少しみんな笑みがこぼれる。

 

エルレイ「後…、ごめんねみんな。フィールちゃんには特別」

 

 そして、エルレイはポケットから、金色の球体を出した。しかしどこか形が歪だ。

 だが、全員がすぐにわかった。

 これは…、エルレイが…、いや、リィエルが作っものだと。

 

エルレイ「《我は世界を否定する殺戮人形なり・魔力を練り上げ知識を基盤に彼方を幻想せよ・真実のヴェールで覆いし者よ・今一度聖歌の幻想を・我が命脈に従い・奇跡と彼方の巡礼を》」

 

 するとエルレイを中心に綺麗な花が咲く。そして、その空間に調和するかのように花は光り、周りが満月の月の如く、幻想的な空間を生み出す。

 そして、その球体をやさしく、フィールに渡す。

 

エルレイ「忘れ物……確かに渡したよ。フィーちゃん…またね」

 

フィール「……ありがとうございます。また、会えるといいですね。エルレイ先生。ミアルさん、エルザ、シュウくんにロクサスくんも、いつかまた」

 

 受け取ったあの魔導機を握りしめて、エルレイとミアル、エルザを抱きしめる。

 

エルレイ「ん…」

 

エルザ「また…会えるといいね」

 

 エルザとエルレイは、そのまま身をまかせ、フィールを抱きしめる。

 

ミアル「うん…またね」

 

 ミアルも、そのまま二人を優しく抱きしめた。

 

シュウ「うん!また…」

 

ロクサス「おう」

 

 二人の兄弟も答える。

 

フィール「あっ、私もそろそろかな……」

 

 フィールの足元が光り出した。

 どうやら時間切れのようだ。元の世界に戻る時間が来てしまった。

 

フィール「私が言える事はただ一つ。迷わないで、どんな事も諦めないで、自分を大切に」

 

 フィールは最後にセリカの方に向く。

 

フィール「貴女は遠からず、危険な目に遭う。だけど、私は貴女なら乗り越えれるって信じてるから」

 

 最後に少女のように微笑んだ。 

 セリカに向けて、可憐な笑顔で。

 

フィール「ありがとう―――セリカ伯母さん」

 

セリカ「ああ………、ありがとう」

 

 セリカはそれ以上は何も言わなかった。

 いや、言う必要はない。

 

 

 

 

───そして、少女、少年達の意識は暗転していった……

 

 

 

 

 

―――――――――

 

――――――

 

―――

 

 

「……ん?」

「ちょっと先生!いつまで寝てるんですか⁉」

 

 そんなシスティーナの怒鳴り声で、グレンは目を覚ます。

 いつもと変わらない教室、いつもの景色だ。

 

「あれ?どうしたんですか先生?」

「何がだ?」

「いや、何かにやけてるし……いい夢でも見られたんですか?」

 

 ジト目でそんなことを言うシスティーナ。

 ふと、懐に手を伸ばすグレン。

 

「あ……」

「なんですかそれ?()()()()()()()()()()?」

「……イチゴタルト?」

 

 システィーナの言葉に、グレンと同じく眠っていたリィエルが目覚めた。

 イチゴタルトの腕時計……少なくとも、市販で売っているものではなく、オーダーメイドだろう。

 

「へっ……さて、授業始めるか」

「えっ?……あ、はい!」

 

 珍しくやる気のあるグレンに戸惑うも、嬉しそうに答えるシスティーナ。

 こうして、彼らの日常は、また過ぎていく。

 

 この物語の主人公(グレン=レーダス)に、新たな思い出を与えて。

 

 




という訳で大型コラボ編完結です!
正直だらだらしすぎな希ガス
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