動画も見切り発車なら、小説も見切り発車。
ちなみに元動画でのDB勢や黒咲などの「やりたい放題」な感じは全て差し替えていきます。お好きな方には申し訳ございません。
改変を許可してくださった作者様、ありがとうございます。
前編
「……ぐっ…!?」
俺はあるところで目が覚めた。
そこはどこか幻想的な空間…文字通りの青い空が目一杯映るくらい綺麗なものだ。
まあこういう空間を見るのは慣れたがよ……。
最初の時はそんな空間にこたつとかがあったような…。
そこではボロボロの服や花びらなどを身にまとった女が空中に映し出された計器かなんかの操作をしていた。
「ごめん、起こしちゃった?まだ寝ててもいいわよ。作業に集中したいし」
この空間、そしてそこにいる唯一の人。
どうやらこいつがこの世界の神様かなんからしいが……。
「待ってくれ。あんた、誰なんだよ」
そう俺が質問するとなんかの作業を止めて、俺のほうに目線を向ける。
「まあ、そう問いてくるのが普通よね。私は…まあ、アメスとでも名乗っておくわ」
「あ、ああ…だが、俺がここにいるってことは、また俺は転生したってことで差し支えねえよな?」
「ええ、そういうことになるわね。オルガ・イツカ」
やっぱりな……。
俺はあることで死んで、転生ってのをした。
そして俺はその転生した世界からも更に転生して…を繰り返すことになった。
辿り着く場所ってのを探すためにな……。
今回もどうやらその転生できたってことだが……ん?
「アメスって言ったか、なんで俺の名前を知ってやがる。まだ俺は名乗ってねえぞ?」
「あなたが眠っている間にあなたの記憶を色々と拝見させてもらったからよ。しかし、あなた、壮絶な人生を送っているわね。今まで見たこともないくらい」
「ああ、まあな…」
転生する前のあの世界での出来事も色々とあった。
だが俺は色々としくじっちまって……後悔してもしきれないほどのな。
今思えば、他にも色々とできたかもしれねえが、後の祭りでしかならねえ。
もちろん転生した後も色々とあったが、前に比べれば随分マシなことばかりだ。
「転生したその後も色々とあったみたいだし……でも、まさかこの世界に来るなんて本当に物好きね」
「物好き?どういう意味だそれ」
「まんまの意味よ。私も最初は驚いたんだから」
まあ、転生を繰り返すやつなんて滅多にいねえよな……
「そういや、俺以外にも来てんのか?ミカとかマクギリスとか」
「そこまではわからないわ。私はまだ自己修復が終わっていないから、現実を精密に観測するのは難しいし。でも干渉の反応は探知したから多分いるんじゃない?」
わかんねえのか……。
まあ、いるかもしれないとわかっただけまだマシだがよ…。
「で、あんたには頼みたいことがあるの」
「なんだ?魔王とかを倒せとか言うんじゃねえよな?」
「違うわ。こいつのことよ」
アメスが指差したのはポッドみたいなので安らかに眠っている男だ。
人畜無害ってのがそのまま当てはまるかのように棘もない。
いわば「普通の青年」ってやつだ。
「あんたにこいつの補助ってのを頼みたいのよ。こいついろいろとあっていわゆる記憶喪失で何も知らない男の子同然でね。一応現実でのガイド役はコッコロたんに頼んであるんだけど、それでも心配だし。かなり経験豊富なあんたならこいつを導くのも可能でしょ?」
何も知らねえ男の子……
俺と同じ転生者か…?
「ちなみにこいつはあんたみたいな転生者じゃないわ。まあいろいろとあったことはあんたとあんまり変わらないかも知れないけど」
なんだよ……。
しかし…サポートってのをやれってことか?
「まあ、やれねえことはねえが……」
「あ、そろそろ時間切れね…」
「は?」
おい、まだOKって言ってねえぞ!?
待てよ…待てって…!
「じゃあ頼んだわね」
「待ってくれ!待ってって言ってるだろうg」
俺の制止は届かず、そのまま一面は光に包まれた。
俺の意識もまたピタっと途切れた。
………だが、導くか……。
俺にできるのか?んなこと…。
まあ、頼まれた以上、やるしかねえけどよ。
―――――――――
「始めちょろちょろ中ぱっぱ…」
「……ん?」
そしてその次に目が覚めた時は子守唄のようなものが聞こえてきた。
もっとも俺のほうへ聞かせているのではなく、あっちの男のほうに聞かせているようであった。
俺が起き上がるのと同時にあっちの男も起き上がってきた。
そしてその唄を歌っていたのは小さい女の子だった。
「あんた一体……」
「お二人共、お怪我はないようでございますね。わたくしは偉大なるアメス様によって派遣されたガイド役…名前は、コッコロと申します」
なるほどな。
こいつがアメスが言うガイド役ってやつか……。
よく見るとアトラやビスケットの双子よりも小さく見える。
「主様をお守りし、おはようからおやすみまで…揺り籠から棺桶まで、誠心誠意お世話するのがわたくしの役目でございます」
コッコロがそう話す中、あいつはコッコロのほうを向いてキョトンとした表情のままだ。
まだ何があったのかもわかってねえらしい。
「おや、よろしければお名前をお聞かせ願いますか?」
あいつが考える仕草をすると、ポソっと言葉が出る。
「ユウキ…僕の名はユウキ…」
どうやらこいつの名前はユウキというらしい。
まあ至って普通の名前だ。
そしてあいつも名乗ったなら俺も行くしかねえ。
「俺はぁ、こいつのサポート役の…オルガ・イツカだぞぉ……」
「よかった…アメス様の託宣通りで間違いないようです」
そうコッコロが話していると、コッコロは横で竹筒で飯を作っていたようで、それを使っておにぎりってのを作り始める。
「あんた…俺たちの為に……」
転生直後だからというのもあるかもしれねえが、今の俺は結構腹が減っていた。
当然ユウキも腹の音がなって、コッコロから渡されたおにぎりを美味しそうに食っている。
飯にありつけるじゃねえか……!と俺は思ったが、そう簡単にうまくいくはずもねえ。
ここは見る限りの原っぱだ。他に人もいねえ。
そしてここが今までの世界のようなファンタジーなら……当然――
「グルルルルルッ!」
食いつくやつもいるというわけだ。
どうやらこの匂いを嗅ぎつけて…いや、この感じはこいつ…「ユウキ」を狙って狼のモンスターが集まってきたらしい。
しかも普通の狼とは違い、目ン玉も舌も飛び出てるいかにもヤバそうなやつだ。
「やはり出てきましたか……」
コッコロは得物らしき槍…いや、杖か…?
ともかく、そういうやつを構える。
「主さま、今のわたくし達に見合った丁度いい相手です。経験を積んでいけば主様本来の力を取り戻し、向かうところ敵なしとなりましょう。わたくしも主様に降りかかる火の粉は払って参ります」
本来の力?
どうやらこいつは何かを持っているらしい。
「オルガさまも戦いはよろしいでしょうか?」
「ああ、まあできなくはねえ」
俺が持っているのはまあいつものミカの銃と……おそらくはいつもの「アレ」――「希望の花」ってやつだ。
簡単に言うとどう死んでもすぐに生き返ることができるやつだ。銃で撃たれても、剣で刺されても、ダインスレイヴで遠距離から狙撃されてもだ。
しかもどうやっても俺自身が人間の形を崩すことはなく、形を保ったまま死んで蘇生される。
恐らくは体が切断されても普通に再生されるだろう。
死なねえってことだから一見デメリット無しに見えるが、一回死ぬほど痛みを食らうのは変わらねえから結構辛いことには変わりねえ。
ちなみに俺はもう一つ能力があるんだが、それは今の世界じゃ使うことはねえ……「あいつ」がいる世界ではねえし、あいつが居ねえ時に無闇に使えば時空が歪んじまうらしいからよ……。
「……!」
おにぎりを食べ終わったユウキは持っていた剣を構える。
剣の構えはへっぴり腰というやつじゃなくて、しっかりしている。
「…いざ、参りましょう!」
「いくぞお前ら!」
「うんっ」
そしてユウキはその狼に突貫する。
気合は十分……こいつはいけるんじゃねえのか…?
「やっちまえ!ユウキィ!!」
「はああああああっ!」
――だが、ユウキがその狼に接近するより前に狼は高速でユウキに突進をかました。
「はあっ!?」
ユウキはその狼二匹に近づくこともできず、そのまま何回か突進を食らった後、そのまま倒れ、狼に体を引きずられていった。
「主さま!?」
「なにやってんだァアアアアアア!」
その後、なんとかユウキを狼から引き離し、態勢を立て直すが、狼は依然俺たちを狙っていやがる……
「仕方ねえ……」
白兵戦は慣れてねえが……やるしかねえ!
「俺がいくぞぉ!」
と、俺が駆け出したその時、狼の突進が俺に炸裂する。
「ぐっ!?」
……そういや、忘れてた。
俺はあの「希望の花」がある限りはしなねえ……だがその分、耐久力が常人より殆どねえんだ。
ユウキでも何発も耐えることができたそのやつを俺は一撃も耐えることができずに…死ぬ。
「ぐおおおおおおおおおおおおっ!!」
俺は最後の力を振り絞って銃を狼に発砲する。
何発かは狼に当たり、致命傷にはならなかったが、それで狼はなんとか引いてくれた。
「なんだよ…結構あたんじゃねえか……」
「オルガ様!?」
「なんて声…出してやがる……コッコロォ……」
俺は…鉄華団団長…オルガ・イツカだぞぉ…こんくれえなんてこたねえ…!
「だからよ……止まるんじゃねえぞ…」
……これがこの世界で初めての「希望の花」の発動だった。
やっぱりこれには相変わらず慣れねえ……。
――――――――――――
ここへ来て初っ端から色々とあったが、なんとかコッコロに案内されて俺達は王都「ランドソル」ってところに来た。
……いかにも異世界って感じなところだな。
言うなれば雰囲気はカズマ達のところのアクセルの街に近え感じだ。
だがここは王都…つまり首都ってことだから、あの街より結構発展しているみてえだ。
「付きましたね……でも、主さまのお怪我はなくてよかったです」
ユウキは結構狼に引きずられ…遊ばれていたというのが正しいが、それでもこいつは大きな怪我はねえ。
よほど頑丈らしい。
それに比べて俺は……。
「オルガさまは……本当に大丈夫なのでしょうか…?」
「ああ、気にしなくていいぞ。俺は死んでもすぐに生き返る能力を持ってる。だがその代わりこいつよりも耐えれねぇ弱っちいミソッカスだがよ…」
「そ、そうなのですか……アメスさまが使わしてくださったサポート役ですから、尋常ではないとは思いましたが…」
「ああ……」
俺とコッコロがそう話している内に、ユウキは周りの人が気になっちまったようで、指を指していた
「……しっぽ?」
「おお、確かにしっぽだな」
「あの方はビースト族でございますね。この世界にはヒューマンやエルフ族、ビースト族に魔族など。様々な種族が暮らしております。ちなみにわたくしはエルフ族です」
コッコロは自分のそのとんがった耳を指しながらも説明している。
やはりここも異種族は多いんだな……どこかとは違って特定の種族が迫害されているような雰囲気じゃねえようだし、いたって平和だ。
しかしこういう種の違いってやつは元いた世界じゃ考えられなかったが、もう慣れちまったな……。
まああの世界じゃ同じ人間同士で差別し合ってたしよ……。
そしてコッコロは珍しそうにその周辺の町並みを見回している。
「どうしたんだ?なんか珍しいのか?」
「あ、すみません。つい物珍しくて……」
「なんだよ、見たことねえのか?」
「はい、わたくしの故郷はこのように発展しておりませんでしたので……え?」
「……あ?」
ふと気づくとユウキの姿が見えなくなっていた。
俺とコッコロで話しちまったせいでどっかにいっちまったじゃねえか…!
「主さま?」
コッコロが後ろを向くと、そこには匂いにつられて歩いているユウキの姿があった。
なんだよ…いるじゃねえか。ハラハラさせやがって。
そしてその匂いのもとを行くとそこにはクレープ屋があった。
どうやらユウキはこれを食べたいらしい。
「行って来いよ。俺はここで待つからよ」
「いいのですか?」
「ああ……少し休みたいしよ」
転生したばかりだからか、それで初っ端から「希望の花」しちまったせいか、急に疲れがどっときた。
俺はベンチに座り、コッコロとユウキのクレープを買う様子を遠くからみつつ、ふと空を見上げる。
……しかし、確かに異世界なんだが、さっきからどうにも違和感的な何かがありやがる。
言い表せねえからもどかしいが、とにかく、変な感じだ。
まあ、単に思い過ごしだと思いたいが…俺はここに来てまだ数時間も経っちゃいねえし、この世界についてまだよく知らねえしよ……。
「主さま!?」
「あ?」
コッコロの慌てた声に気づき、俺はコッコロ達のほうへ顔を向ける。
そこではなんとユウキが金のコインをかじってる姿が見えた。
なにやってんだああああああああああああああ!?
「それは口に加えてはなりません!それは食べ物ではないので、ペってしてください!ぺって!」
コッコロが慌ててそうユウキに伝えると、ユウキ文字通りぺっとしてそのコインを口から出す。
おいおい、記憶喪失で言葉も喋れねえどころか金のことすらわからねえのか…?
昔の俺たち以下ってことかよ……!?
「はぁっ……主さまは記憶を失っておいででしたね……。これはお金です。これと引き換えにして、お店などで商品を得たりできます。決して食べ物ではございません」
なんつーか、本当に記憶のそのままが消えちまってるのか……。
子供……いや、生まれたての赤ちゃんみてえなことになっていやがる…。
「おわかりいただけたでしょうか?」
「うんうん」
ユウキはそれを相槌で返すが、本当にわかったかは怪しい。
たく……この先本当に大丈夫なのか……?
――――――――――――
その後、俺たちはまた別のベンチに座り、クレープを食うことにした。
いつの間にか時間は過ぎて夕暮れになっちまった。
ま、正確に言えばコッコロとユウキは同じベンチに座り、俺はそこから少し離れた隣のベンチに座ってるんだがよ。
「はむ…おいしい……」
「もぐもぐもぐ…」
「わたくし、このような食べ物初めて食しました。とても甘くて、このいちごのような」
「………」
コッコロが食べてるのをユウキはクレープを食べながらも見て、にっこりと笑っていた。
それを見てコッコロは顔を赤くしていた。
へへっ、楽しそうじゃねえか……。
それに比べて俺は一人寂しく食ってるようなもんだ。
あの後いろいろと聞いては見たが、ミカはどこにいるかもまだわからねえ。もしかすればここには居ねえのかもしれねえな……。
「………」
……そういや『あの時』の夕暮れもこんな感じだったな。
俺とミカのあの時も――
「あなた~」
「おいおい離してくれよ~」
「いやよ。絶対離さないわ♪」
「あ?」
感傷に浸りかけた時に遠くから変な声が聞こえてくる。
その方向を見ると、男と女…まあ、カップルってやつがなんかいろいろと絡みまくっていた。
どっかで聞いたが、いわゆる「リア充」ってやつらしい。
……ちなみに俺はそういうのに興味がないわけじゃねえ。
けどあの時の俺にはそんな余裕はなかった。ただ生きるために…進むために……しかなかった。
おまけにミカほど器用じゃねえしよ……。
こんな不器用なやつに惚れることなんてねえに決まってる。
転生しだしてからも恋愛とかには全く縁はねえのは言うまでもねえ。まあ、とっくに諦めはついてるから良いけどよ。
「……うめえ」
そのまま俺は静かにクレープを食っていた。
ま、今はんなこと考えてる場合じゃねえ、ここで地に足をつけねえと…!
――――――――――――
「……ん…」
少年――三日月・オーガスはある森の中で目を覚ます。
彼は元いた世界ではモビルスーツ「ガンダム・バルバトス」を操り、オルガの相棒。そして鉄華団の遊撃隊長として戦場で大暴れしたが、最期の戦いではダインスレイヴの遠距離斉射を喰らい、それでも交戦し続けたが限界を迎え、彼はバルバトスと阿頼耶識システムで繋がったままその生涯を終えた。
「……ここは……「また」かな」
三日月も転生にはすっかり慣れており、この状況を冷静に整理していた。
なお周りを見回すときのこが多く生え茂っている。
(俺がここにいるなら……オルガは近くにいるのかな?)
そして三日月はどこからともなく取り出した火星ヤシをかじりつつ、暫く森の中を探索するようであった。
「ププププ…プチ?」
小さな『きのこ』がその様子に気づきながらも……。
お気づきの方もいると思いますが、このオルガは最初の異世界オルガはもちろんのこと祝福オルガ、Re:オルガなどを経験しています。
本当に経験豊富という……(ちなみに学園オルガのIO、オルライブ、閃乱オルガ、ガル鉄などは経験してない感じです)
なお、それ自体は本題には絡まないのでわからない方はあまり気にしなくても大丈夫です。
動画版はまだ2話後編までしか投稿されていないので、本当にゆっくり参ります……。
止まるんじゃねえぞ……。