「オルガさん!今日は友達作りのための作戦を考えたんです!」
俺が来て急にこんなことを言い始めた。
結構自信があるみたいじゃねえか……。
「なんと、秘密兵器を作ったんです!」
「秘密兵器?」
おいおい、ダインスレイヴみたいなもんじゃねえよな……?
いや、警戒する俺がおかしいかもしれねえが……
「見てください!じゃじゃーん!これが、秘密兵器です!」
…なんだこれ。
バネみてえなのでできてる……服か?
「名付けて、『友達養成ギプス』です!持ってみてください、オルガさん」
アオイからその服を手渡される。
ぐっ……!?この重さは……!
「結構重いじゃねえか……」
「なにしろ銅と鉄をふんだんに使いましたから!ちょっとやそっとじゃ千切れません!」
「なるほどな……で、これで何をするつもりだ?」
「まず、誰かに会った私が、『友達になってくれませんか』と言ったとします。すると当然断られます」
当然断られるのか……?
「私の存在価値は、ぬけた眉毛以下ですから」
「ま、眉毛以下ぁ…?」
あまりにも卑屈に見過ぎじゃねえのか……?
そいつはおかしいんじゃねえのか?…と突っ込もうとしたが、アオイは話をそのまま勧めていく。
「しかし、そこで!私がさっと上着を脱ぐと!そこには、このギプスを着用した私が!相手は、『こ、こいつ!今までこんな重いものをつけて友だちになろうって言ってきてたのか……!』と衝撃を受け、友達にさせてくれ!って言ってくれるんです!」
「そういうもんじゃねえような……」
「いえいえ、まんがでそんな感じの話を読みましたから、きっと正しいと思います!」
そんな漫画あるのかよ…?
俺もよく知らねえが、少なくともそういうやつじゃねえ気がするぞ……。
「だいたい、結構重いギプスを付けて動けるのか?俺やミカでも無理な気がするぞ……」
昭弘ならいけるかもしれねえが……。
「それなら、試しにつけてみます」
そうするとアオイはその重いギプスを着けはじめた。
「よいしょ…っと…あ、バ、バネが結構強いですね……これ、想像以上に、バネが…強……きょわ!?」
そうするとアオイはそのバネの力に抗えず、きれいな感じで丸まった。
動物のアルマジロってやつか?ともかく、間違いなく実用じゃねえ……。
つか大丈夫か!?
「おい!大丈夫か!?」
「た、たすけて……くださーい……」
――――――――
その後、なんとかそのギプスのバネを切り、アオイを救出する。
それでも結構固く、ほとんど壊しちまったがな…
「ふ、ふう…おせわさまです……」
「こんくれぇなんてこたねえ……でも壊しちまったな」
「いえ、あれは私には使いこなせないものですし……でも!挫けませんよ!ギプスは失敗しましたが、実はまだ、友達作りの作戦はまだあるのです!」
その意志はやっぱかてえじゃねえか……
そういうのはいい傾向だ。止まるんじゃねえぞ……
「名付けて「限界突破友達作りデスレース作戦」です!」
「……なんなんだそれ」
その作戦名少し物騒じゃねえのか…?
だがそんな俺の思いを他所にアオイはその作戦の説明をし始める。
「ここに、スイッチがあります。これをオンにすると10秒後に丸太が勢いよく飛び出してくる仕掛けになっています」
なんで丸太なんだ…
つかそれが何の役に立つんだ……?
「その前に『友だちになってください』と言わないと、装置は止まりません。タイムリミットを超えてこの丸太に弾き出されてしまうと、私の体は深さ10mの落とし穴に落下!命はありません!」
「い、いくらなんでもやりすぎなんじゃねえのか…つか、そんな装置いつの間にか作ってたのかよ…」
「いえいえ、友達をつくるほうがもっと大変ですので……」
そこまで大変なのか……?装置は結構凝ってるようだが……。
これ作ってる暇があるなら…と言おうともしたが、アオイの頑張ってるのを冷ますような気がしたから、思いとどまる。
「では、始めますよ!限界突破友達作りデスレース!見届けてください、オルガさん!」
アオイは予めつけておいた印の上に立つ。
そのアオイの目の前にはロープで吊るされて固定されていた丸太があった。
そんな太いものじゃないが、俺が当たれば確実に死ぬやつだ。
「スイッチ、オーン!」
その掛け声と同時にスイッチが押され、カウントダウンが始まる。
「わ、わっ、わたしと…とも…ともぐい……じゃない、とも……ともだ…ともだおれに…!」
アオイは一向に言えていない。
よほど空回りしちまっているようだ。
「わ、わたし…わたあた……わたあめ!ああー、もうダメですっ!」
「おい、アオイ!」
それと同時に仕掛けに備え付けの目覚まし時計が鳴り、丸太が勢いよく飛び出していく。
……ああ、わかってる……団員を守るのは俺の仕事だ!
「きゃあっ!」
「危ねえ!」
俺はアオイをとっさに庇う。
「ぐっ!?うおおおおおおっ!!!」」
そしてそのまま丸太の直撃を俺は食らい、そんで銃撃で丸太を破壊した。
「はあっ…はあっ…なんだよ……結構あたんじゃねえか……」
「お、オルガさん……また……!」
「なんて、声…出してやがる……アオイ……!」
「そんな、私なんかのために…!」
「団員を守るのは俺の仕事だ……!」
アオイが無事で何よりだ……。
「だからよ…止まるんじゃねえぞ……」
そしてここで「希望の花」が発動し、再び立ち上がる。
「ほ、本当に大丈夫なんですか!?」
当然ながらアオイは驚いている。
まあ死んで生き返る能力はこの世界じゃねえらしいから、当然だが…。
「ああ……俺はそういう能力を持っているからよ……気にしなくていい」
「そ、そう言われましても……ん?」
アオイはなにかいいかけるとなんかに気づいたのか、周囲を見回す。
すると急に叫びだした。
「あああああ!だいじょぶマイフレンドくん1号改が……!」
その人形は無残にも粉々になっていた。
この感じは銃だよな……?
つまり、俺が撃った時にこいつが……!?
「す、すまねえ!俺がやっちまった!俺ならどうにでも殺してくれ!何度でも殺してくれ!首をはねてそこらに晒してくれても良い!」
「い、いえ!オルガさんが私を守ってくれたからそれでこうなっても仕方ありません…けど、ううっ…友達作り一歩後退してしまいました……」
アオイは項垂れてしまった。
完全にやっちまった……!
「本当にすまねえ……お前の大事な物を壊しちまって……」
「いえ……いいんです………オルガさん、知ってると思いますが、この森は僻地で人は滅多に来ません。まあ、いつものことですが…それでも寂しいものなんです……もちろん、ギルドには入ってて、皆さんよくしてくれて、大好きなんですけど…」
アオイはギルド「フォレスティエ」に入ってて、俺達もそこの収穫の手伝いをしたことがある。
確かに雰囲気も良くて、アオイも恥ずかしながらも色々と働いていたな…。
「いつも会えるわけじゃないし、なにより、明るいみんなの足を引っ張りたくないから……私は私で友だちを作りたかったんです」
……なるほどな……。
「…真面目に頑張ってるんだな…すげえよ、アオイは」
「真面目なんて……私なんか、くそまじめなだけで…どちらかというとくそ寄りのくそまじめですから……」
「真面目には変わらねえよ。そういうのはもっと誇っても良いんじゃねえのか?」
「誇ることなんて……本当にくそ寄りですから…」
相変わらず卑屈だな……まあ、こういうのはゆっくり変えるしかねえからな。
……だけど、いまいちわからねえ。果たしてこういう感じでいいのか…?
そう俺が思っていると、アオイは再びそのマイフレンドくんの残骸を見てため息をつく。
「……でも、「だいじょぶマイフレンドくん1号改」…新しいの作るのにどれくらいかかるかなあ……」
……これはどう考えても俺が悪い……ならやることは一つしかねえ!
「わかった。俺はあんたに乗ってやる」
「え?」
「俺がそいつの代わりになってやる。壊しちまった償い…にもならねえかもしれねえが…」
「……ええええええっ!?さ、さすがBB団の団長ですっ……」
そうするとアオイは跳ね上がるように驚く。
こんくれえなんてこたねえ……。
「お、お願いします!なんなら、これからオルガさんを「だいじょぶマイフレンドくん2号さん」と……」
「いや、そんなことしなくていいぞぉ……?」
「い、嫌ですか…すみません、また差し出がましいまねでした……!」
「そういうことじゃなくてだな……」
こりゃ先が思いやられるな……けど、この頑張りようは間違いねえ。
俺もこれくらい頑張れるようにしねえとな……。
つーわけで、俺とアオイの友達づくりの計画ってやつが進んでいく……。
まだまだ道は長いが、止まんねえからよ……止まるんじゃねえぞ……!
アオイのエピソードを元にしてますが騎士君故にできたことはカットしてるので……
オルガって使いやすいなぁ…
こういう短編は好きか?
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好き
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本編進めて☆
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俺に質問するな…(無回答)