鉄血のプリンセスコネクト!Re:Dive   作:モンターク

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ラストスパート1じゃああああ!!


Menu12 裏と表
皆のために!


「みんなー!朝どれ卵の目玉焼きですよー!」

 

ペコリーヌはいつもどおり朝ごはんの時間を知らせている。

 

「おー」

 

「美味しそうじゃねえか」

 

「だね」

 

「半熟にしてくれた?」

 

「もちろんです☆」

 

ユウキは早速一目散に食べている。

成長したもののやはりまだまだというところか。

 

「朝出掛けられたのは市場だったのですね…」

 

だがキャルは目玉焼きを見て食べようとしない。

 

「キャルさま?」

 

「ちょっとまって…」

 

「ん?」

 

「どした?」

 

オルガも食べているようである。

 

「ないじゃない!この美味しそうな半熟目玉焼きを挟むパンが!!」

 

キャルは不服そうだ。

それに対してペコリーヌはワンテンポ置いて話し始める。

 

「そうなんです!よく気づきましたねキャルちゃん!そこで、皆に相談がありまして」

 

「は?」

 

「じゃん!市場に出かけたら商品が少なくてですね。聞いたら街道をつなぐ橋に魔物が住み着いちゃったみたいで…小麦とか商品の流通ができなくて皆困っているそうなんです」

 

「それは難儀な…」

 

「国が…ランドソルがなんとかしてくれればいいですが…何故か王宮は動いてくれず」

 

キャルは意味深な表情をしているが特に何も言わない。

 

「ハナから国なんか当てにならねえだろ。聞いた話じゃ治安維持もだいぶヤバいみたいだしな」

 

オルガはこれまでの経験からそう話す。

ハナから国が…というかギャラルホルンと戦い、そして滅ぼされたというものなので当然である。

 

「ギルド管理協会に行ったら、クエストの募集もかかっていたので…ぜひ受けたいんですけど…」

 

珍しくペコリーヌにしては弱い論調だ。

 

「…クエストランク、ちょっと見せて」

 

キャルがそう言うとペコリーヌはそのポスターを見せつけたまま動かない。

 

「んん?」

 

「……」

 

そして下の見えない方を指でちらっと見てみると……とてもじゃないが恐ろしいランクのようであった。

 

「こわっ!?ちょっとなにこれ!朝からとんでもないクエストをもってこないで!!!」

 

「キャルちゃん、そんな事言わずに。皆困ってるんですよ。そうだ!受けてくれたら毎日ハグして起こしてあげますから☆」

 

「いらんわ!!!」

 

いつもどおりな美食殿であった。

 

――――――――

QUEST START

 

「グアアアアアアッ!!」

 

「いやああああ

あっ!」

 

「その先に俺は居るぞ!!」

 

その今回の目標の魔物に追いかけられているキャルとオルガであった。

 

『魔物を倒しても橋が壊れては意味がありません。ですから、おびき寄せてから倒しましょう!』

 

『具体的には?』

 

『私の肩当ては防御力が飛躍的上がるので囮役が魔物を橋から引き離してください。少々のことでは怪我しませんから』

 

「もう!アホリーヌ!こんな役、倒す役のミカやトロいユウキやコロ助にできるわけないじゃない!!」

 

ということでキャルが志願したというのである。

一応オルガも居るのであるが…。

 

「俺もいるぞ!」

 

「あんたは最悪すぐ死ぬじゃない!!」

 

「これくらいなんてこた…ぐうっ!!」

 

オルガは盛大に転んで希望の花を咲かせてしまった。そしてそのまま魔物に踏み潰されていった。

こういう理由なのでオルガ単独は無理であるのだろう。

 

「アタシは頭脳派なのに!ばかああっ!!」

 

そう嘆きながらも全速で走るキャルであった。

 

「なんだかんだで囮役を買ってくれるキャルちゃん、大好きです。もちろんオルガ君の犠牲も無駄にはしません!」

 

後ろではユウキとコッコロと三日月がロープを木々に張っていた。

転ばせるためである。

 

「来ましたよ」

 

「うん!」

 

「ああ」

 

ペコリーヌも準備完了し三日月はバルバトスを身に纏う。

 

「はぁっはあっはぁっはっあっあっ!」

 

「あの速さですから足を封じて確実に仕留めましょう」

 

「うん、わかった」

 

戦う構えを取る2人。

 

「アホリーヌ!あんたのワガママに付き合うのはこれが最後なんだからあああ!」

 

キャルはそのロープを華麗に飛んだ後、魔物もそれに続くがロープにより態勢を崩される。

大きさゆえにロープを張っていた木2本は倒れてしまったがその役割は果たせたようだ。

 

「ありがとうキャルちゃん!確実に仕留めます!!」

 

「ああ!」

 

三日月はツインメイスを持ち、その魔物を徹底的に叩く。

まるで太鼓を叩くかのように。

 

「グアアッグアッ!」

 

「いいよー!」

 

そして三日月が退避した後、ペコリーヌは剣を構える。

 

「プリンセス!ストラァァァイク!!!」

 

王冠のエフェクトのようなものが大きく出来上がり、それと同時に魔物は完全に伸びたようだ。

 

「ヤッター」

 

「うん」

 

「はあっはあっ…こんくれえなんてこたねえ…」

 

「これでランドソルの人達もお腹いっぱいにご飯を食べられるようになりますね」

 

その後ペコリーヌは改まって皆に目線を向ける。

 

「キャルちゃん、ユウキ君、コッコロちゃん、オルガ君、三日月君」

 

「「「「「?」」」」」

 

「本当にありがとうございます!」

 

流石に5人全員を抱き込むのは難しかったがそれでも抱きしめる。

 

「ちょ、だきつくなー!!」

 

「はなせーーーー!!!」

 

キャルの照れ隠しがその一面に響いたのは言うまでもない。

 

――――――――

 

その後、ランドソルでは皆に迎えられ、感謝されていた。

その中にはヤスコやイカッチ達の姿もある。

当然シノもいる。

 

「おう、シノ」

 

「オルガ!」

 

「お前も来てたってミカから聞いたが元気そうだな」

 

「おうよ!しっかしあのペコリーヌ…だったよな?いい女だよなぁ。なんか上品なところもあってさ」

 

「上品?」

 

オルガは首を傾げる。上品とは思ったことはそうないが…確かにどこか上流的な雰囲気はある。

基本ですます口調だったり、格好もキレイめ。

そもそも必殺技の名前が「プリンセスストライク」というのもひっかかる。

 

「上品?クーデリアみたいなの?」

 

三日月は尋ねる。

 

「そうとも言うな。まあでもここにはああいう店もねえし…いつもいつもヤスコさんと一緒…はあっ」

 

シノは溜息を付いているのであった。

どうやら色々と溜まっているらしい。

サキュバスの店でもあれば紹介したいくらいには。

 

「シノらしいな」

 

オルガはいつも通りのシノにどこか笑みを浮かべていたのであった。

 

――――――――

 

「皆喜んでたね」

 

「はい。やっぱりランドソルは皆の笑顔で溢れていないと!ですから」

 

「ふふっ」

 

それなりに流暢になったユウキとご機嫌なペコリーヌ。

 

「キャル様も感謝されておりましたね」

 

「アタシはそんなガラじゃないわー」

 

コッコロのことに堪えている時に腹の音を鳴らすキャル。

 

「お腹すいたの?」

 

「んっ……///」

 

三日月の問いにも言い返せない。

どうやら先程の装備の影響でお腹が余計に空いたらしい。

 

「お腹すいちゃいましたか?午後の「軽い」デザートでも食べに行きましょう♪」

 

「「軽い…?」」

 

どう考えても軽いとは言えない気がすると目をパチクリさせるキャルとコッコロであった。

 

「つきましたよー」

 

そしてついたのは最初の日の時に来たクレープ屋であった。

 

「ここ…」

 

「ランドソルに来た日に…」

 

「食べたところじゃねえか」

 

「おや?3人とも食べたことあります?チャーリーさんに教えてもらったんですけど、ここのクレープ美味しいのに何故か繁盛してないらしくて、穴場らしいんですよ☆」

 

くるっと一回転しつつもそう話すペコリーヌ。

確かに人の気はない。

 

そして奥から人影が現れる。

 

「あーはいはい。いらっしゃいませ~…ってヴアアアアアアッ!!」

 

それは紛れもなくリノであった。

戦闘服ではなくクレープ屋らしい格好であるがリノである。

 

「あ」

 

「なぁに?リノちゃん、お客さんに迷惑だz…って」

 

「「ああああああああっ!!!」」

 

 

その横から現れた同じような格好をしているシズル。

その2人が同時に悲鳴を上げる。

 

「どうしたの?二人共。鶏が〆られたような声をだして」

 

更にその後ろから現れるのはメガネをした少しミステリアスな雰囲気を出す女性。

コッコロたちが最初出会ったクレープ屋のお姉さんである…のだが。

 

「あら、久しぶり。もう金貨かじってないかい?」

 

そう言われてユウキは反応する。

 

「お金、大切」

 

前からしっかり学習しているのであった。

 

(成長したな…へへっ)

 

オルガも感慨深いらしい。

 

「そ…安心したよ」

 

だがこのクレープ屋のお姉さんも感慨深い目であった。

 

「以前頂いたクレープ、とても美味しかったです」

 

「ありがとう。そちらの3人は……」

 

キャル、ペコリーヌ、三日月の事を指している。

 

「なかま」

 

ペコリーヌは肯定するようにほほえみ、キャルはやれやれと思いつつ否定はしない。

三日月も否定しないものの火星ヤシを齧っている。

するとそのお姉さんは両手の指で四角を作り、手カメラのポーズを取る。

その先には6人が収まる。

 

「…良い絵だ」

 

そうボソっと呟いた。

その目はどこか優しげな感じである。

 

「?」

 

「さて、あたしはちょっと用事があるから後はよろしく」

 

「了解」

 

お姉さんはシズル達に留守番を任せて行くようであった。

 

 

 

「さあさあ、弟くんのギルドなんだもん!サービスしちゃうぞ!どんどん食べてね!」

 

シズルが言うそのことに対し、リノはその後ろで相槌を打っている。

 

「ホントですか!!!」

 

だがその相手はペコリーヌである。

此処から先、何があったかはご想像におまかせしよう。

ただ一つ確かなことは…そのクレープ屋にはフリージアが流れたそうな。

 

 

――――――――

 

時は夕暮れ。

そのクレープ屋のお姉さんはある村に居た。

いや、正確に言えば廃村同然であるが…生きている住人が1人もいないのだ。

 

「…」

 

抱えようとしたその子供も黒くそして崩れ落ちるように消えてしまった。

 

 

そしてその近くではあのシャドウ()()が何かを求めるように動いていた。

 

「グウウウッ…」

 

「クランクニー…トクムサンサ……」

 

その二体のシャドウは進化していた。

片方は明確な腕を生やし、もう片方は黒いモヤが薄くなりつつあった。

だが次の瞬間、その2体のシャドウは融合し、一つとなっていた。

そしてゆっくりと足を進めている。

 

その進路の先にはランドソルが見えていた。

 




久しぶりに前後編分割しました。
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