鉄血のプリンセスコネクト!Re:Dive   作:モンターク

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というわけで初投稿です(大嘘)
やっとキャルちゃんじゃ……!


Menu2 きまぐれ猫の悪戯 〜黄金色のポカポカおにぎり〜
前編


「あんたはいかないの?」

 

しゃがんで灰色の猫に話しかける一人の少女。その少女は猫耳としっぽを生やしており、猫の獣人(ビースト)族のようであった

その猫は近くに色は違えど同じ猫がいるにも関わらず、そこへ行こうとしなかった。

 

「にゃー」

 

「そうよね。仲間なんて……一人のほうが気楽よね」

 

そう呟いた後、猫の様子を見つつ、立ち上がった。

 

「……いかなくちゃ」

 

歩き出したその少女へ猫はただただ見つめていた。

 

――――――――――――

 

「ふんっ!」

 

「お、良いじゃねえか」

 

あの後、俺達はきのこ採取の報酬を貰うことができ、無事に宿を取ることができた。

そんでその次の日の朝、俺とミカはユウキの特訓に付き合っている。

宿屋前にある木に丸太を付けたロープをくくりつけ、いわゆる剣術の修行ってやつだ。

まあ剣なんか俺にとっては専門外だが、ユウキにはそうも言ってられねえ。

銃を持たせて撃たせるわけにもいかねえし……。

 

ちなみに、あん時ユウキが出していた魔法みてえなやつはあの後もう一回やってくれと頼んだが、発動することはなかった。

どうやらあの時は「火事場の馬鹿力」という言葉通りにいつの間にかできていたものらしい。

ユウキの奥底には力はあるが、その力の引き出し法がいまいちわからない……とミカは推測していた。

だからとりあえず、生身での戦いをみている。

強くなればいずれその力をいつも使えるようになるかもしれねえからだ。

 

「ミカ、どう思う?」

 

「良いと思うよ。俺がバルバトスの時に使う太刀と同じ風に考えていいかはわからないけど……」

 

「だろうな……」

 

ちなみにこの特訓はユウキのほうから片言やら身振り手振りで志願してきた。

どうやら今の状況はユウキにとってもあまり良くないらしい……。

まあ、守られるばかりじゃいられねえからな……俺も守るのは仕事だが、守りきれねえ時がいつか来るかもしれねえしよ……。

 

「ふんっ!」

 

「よし、もっぺんやってくれるか?」

 

「ふんっ!」

 

そして、ユウキが打ったその丸太は――

 

「ぐおっ!?」

 

「え?」

 

ユウキに直撃した後、何故か俺の方向にそれて、側頭部に勢いよくぶつかった。

 

「ぐっ!?」

 

これが朝一番の希望の花の発動だった。

朝っぱらから死ぬのか俺は……。

 

「オルガ、こんなところで寝たら風邪引くよ」

 

「そういうことじゃねえぞ……」

 

ちなみにミカはすっかりこの希望の花に慣れちまったからか、突っ込んでくることは一切ねえ……。

むしろミカの銃撃で俺が死ぬことが多い気がするしよ………。

なおユウキは丸太の直撃にも耐え、再び練習を始めていた。

やっぱり俺より耐久性がある……すげえよ、ユウキは…。

 

――――――――――――

 

その後、俺達4人は朝食を取っている。

久しぶりの結構まともな食事だ。

サラダにパンとソーセージに目玉焼き……いかにも朝食ってやつだ。

 

「きのこの報酬が多くて、助かりました」

 

「きのこ、サイコー」

 

(いつかは安全な仕事だけで生計を立てさせたいが……まあそれでも当分は先になるな)

 

コッコロとユウキの話を聞きつつ、俺とミカも飯を食べる。

ちなみにミカは元の世界じゃあることで右半身が動かなくなっちまって、俺が連れて行かねえといけねえくらいになっちまったが……今はそんなことはなく、普通に左も右も使って飯を食っている。

なお異世界に飛んだ当初のあるモビルアーマーとの戦いでもまた付随になっちまったが、あん時は「リカバリー」の魔法で治っちまったんだっけ……。

まああれ以降はモビルアーマーとの戦いでもなるべくリミッターを解除しねえようにはして、今に至るんだがよ……。

 

「そういえば……ペコリーヌさまは大丈夫だったのでしょうか?」

 

コッコロのセリフと共に、俺は昨日の光景を思い出す。

あの後、ペコリーヌはコッコロが持っていたきのこをそのまま生で食っちまって、まるで酒を飲んで酔うのようにベロベロになっていた。まあきのこは生食しちゃいけねえし、あれで済んだのが奇跡なのかもしれねえが……。

その後、ペコリーヌとはランドソルの広場でベロベロのまま別れちまったが……。

 

「大丈夫だと思う。あいつ強いし」

 

「そうですね。三日月さま……」

 

ミカの言う通り、確かに強え。俺やユウキよりは確実にな。

変な連中が居ても撃退はできるだろう。

特に騒ぎの噂も効かねえし、まあ大丈夫だと思うけどな。

 

――――――――――――

 

その後俺達は再び依頼を探そうと管理協会や街の掲示板をあたっている。

きのこの金はまだあるが、金はあるに越したことはない。

 

「とりあえず、目先の仕事が決まらないことには話にならねえ……」

 

「はい、いい仕事が見つかると良いのですが……」

 

「何でも良いよ?オルガが決めたことなら」

 

ミカは火星ヤシを食いつつ、掲示板の紙を見ていた。

まあミカがいるなら討伐なんか楽勝だが……

 

「ミカは良いかもしれねえが、あの赤ちゃんみてえなユウキには無理させられねえ」

 

 

ユウキが一番危ねえ。

へっぽこなのは俺もだが、俺とは違い生き返る能力はねえし……。

 

「「「うおおおおお!」」」

 

「ん?」

 

「あ?」

 

そう話していると広場の方から歓声が聞こえてくる。

どうやら何かイベントをやっているらしい。

 

「邪魔するぜぇ」

 

気になった俺達は人並みを避けて前に出る。

 

「あ?」

 

そしてそこでは大食い大会をやっていたんだが……見たことがあるやつが、物凄く食べていた。

 

「ぷはーっ!おいしい!!おかわりくださーい!」

 

「ペコリーヌさま!?」

 

コッコロの言う通り、ペコリーヌが皿を舐めあげるように食っておかわりを要求していた。

他の参加者はすでに伸びでいる上に、ペコリーヌの横に積み上がっていた皿は他の参加者より結構な数があった。

 

「おっ、コッコロちゃんにユウキ君とオルガ君と三日月君!おいっす~☆」

 

そして当然ながら俺達のほうに気づいたようで、すぐにペコリーヌは駆け寄ってきた。

 

「昨日は街まで送ってくれてありがとうございました。お陰で起きたらスッキリ、ごはんもサイコー!」

 

「そ、そいつは良かったな……」

 

「ふーん……」

 

いくらなんでも食いすぎじゃねえのか……?

あんな大食い、今までの世界でもあんま見たことねえぞ……?

一方のミカも少し驚いている。

 

「ヤバいですね☆」

 

確かにやべえぞぉ……

そしてそう話している内にある男の二人組がこっちを見ているのをペコリーヌが気づいた

 

「ああっ、脚気の人!」

 

「「ぎくーっ!?」」

 

アフロのような髪の男と金髪のリーゼントのような男はペコリーヌに気づかれた途端にすぐに逃げ出していった。

 

「待ってくださーい!お薬!お薬ありますよー!」

 

「ペコリーヌさま!?」

 

ペコリーヌはその男たちを追いかけていき、コッコロやユウキもそれを追いかける。

 

「待ちやがれ!」

 

しかたねえ……俺達もいくぞぉ!…と思ったがミカは何かを警戒しているようで、キョロキョロと当たりを見つつもミカは立ち止まったままだった。

 

「どうした?ミカ?」

 

「なんか、誰か俺達のこと見てる」

 

「あ?こんな人が多いんだから当たり前だろ?さっさと行くぞ」

 

「……うん」

 

俺達はミカを引っ張って一足遅れてコッコロを追いかけていった。

 

――――――――――――

 

ランドソルの外壁でペコリーヌ達に追いついたが、どうやらあの男たちを見失ったようで、ペコリーヌはキョロキョロとあたりを見回していた。

 

「また見失ってしまいました…」

 

「あのお二人はお知り合いなのですか?」

 

「はい。あの人は脚気という病気で、私はそのお薬を預かっているんです」

 

「脚気?ですが、あの方病人には……」

 

脚気ってのは専門じゃねえから詳しくは知らねえが、足のしびれとかむくみが起きるんじゃなかったか?

そしてあの二人は元気に走ってたし、そこおかしくねえか…?と突っ込もうとしたが、その瞬間に他から複数の悲鳴が聞こえてくる。

 

「きゃあああああっ!」

 

「あ?」

 

そこには魔物が3体も現れた

豚というかイノシシが進化したようなやつで、棍棒も持っていやがる。

 

「「「ピギャアアアアアアッ!」」」

 

「こんな人里近くに……どうして……」

 

「街のみんなに被害が出ちゃいますね……ここは私に…!」

 

「ペコリーヌさま!」

 

「朝ごはんたくさん頂いたので、元気百倍ですよ~!」

 

確かにこいつは強いが流石に3体も相手はキツいだろう。

なら――!

 

「ミカ、やってくれるか!」

 

「ああ、邪魔するやつは全部敵だ。あの魔物は「普通じゃない」みたいだし」

 

「普通じゃねえ?どういうことだ」

 

「なんとなく。じゃあ」

 

ミカはなんかに気づいているようだが、俺にはいまいちわからねえ……人里近くに現れるから普通じゃねえってことか?まあいい。

ミカはバルバトスを身に纏い、戦闘態勢に入った。

ちなみにミカはこの世界ではバルバトスをMSサイズに具現化させることができると同時に、人型サイズとして出すこともできるようになったみてえで、今のバルバトスはミカの体格くらいの小さいものになっていた。

 

ちなみに俺も場合によれば獅電を使えたんだが…この世界じゃ出すことはできねえぞ……。

 

「オルガ君、三日月君?」

 

「流石にペコリーヌだけに任せちまうわけにはいかねえからよ……いくぞ!!」

 

「ありがとうございます!おりゃー!!」

 

そしてペコリーヌ、ミカと俺はすぐさま魔物に攻撃をする。

ミカはルプスの時のツインメイスを使い、すぐさま魔物を弾き飛ばした。

すげえよ…ミカは……

一方の俺は――

 

「ぐっ!?ぐおおおおおおおおおおっ!?」

 

棍棒を喰らい、「希望の花」を発動させて銃を発砲し、ヘッドショットを食らわせて魔物を黙らせた。

クソッ、俺も獅電さえ使えれば……!

 

そして残るペコリーヌは魔物が振り上げてきた棍棒を片手で止め――

 

「この街は…私が守ります!」

 

ティアラを光らせて、右手でその魔物に強烈な腹パンを食らわせる。

当然ながらそれで魔物は吹き飛び、後ろにあった廃屋に叩きつけられた。

 

「ふぅ……」

 

それで人通りの敵は倒せたんだが……ペコリーヌが叩きつけたその廃屋の近くのほうでなんかの気配を感じた。

俺達がそこに駆け寄るとぶっ飛ばした魔物の横にある少女が倒れていた。

猫耳、しっぽと……どうやら猫の獣人(ビースト)族だった。

 

「これは…」

 

「おい、大丈夫か!?」

 

――――――――――――

 

「はじめちょろちょろ…なかぱっぱ」

 

「あ、目を覚ましましたよ!」

 

コッコロがまたあの唄を歌っているときにこの少女は目を覚ました。

なおコッコロとユウキは近くで焚き火をし、ある飯を作っている。

 

「おお、起きたか」

 

「大丈夫ですか?どこか痛くないですか?気持ち悪いとか無いですか?」

 

「ちょ、ち、近い!」

 

倒れていたが、見る限りは大丈夫そうだ。

 

「良かった。その様子だとお怪我はないようでございますね」

 

「うん」

 

コッコロがそう言い、ユウキが相槌を打つ。

 

「なによ、あんた達」

 

「わたくしはコッコロと申します。こちらは主のユウキ様…それと――」

 

コッコロから振られ、まあ言うまでもなく俺は「いつもの」行動に走った。

 

「俺は…鉄華団団長…オルガ・イツカだぞぉ…」

 

「三日月・オーガス…です」

 

「はい。そしてそちらの方はペコリーヌ様です」

 

「ペコリーヌ?」

 

ペコリーヌはそいつに引き続き笑顔を向けている。

 

「魔物が暴れておりまして、近くにあなた様が倒れておりましたので……」

 

「お腹空いているんじゃないですか?炊きたてですよ、美味しいですよ☆」

 

先程この少女が寝ている間に炊いた炊き込みご飯をペコリーヌがそいつにあげようとする。

 

「…あつーっ!!ちょっと!突然人の口に熱々のご飯を押し込むなんてどういうことよ!」

 

まあ確かに熱々だな。猫に熱いものは駄目とか…いや、

…そいつがそんなことを言ってるとミカが火星ヤシを持って、そいつに差し出す。

 

「熱くないのなら…いる?」

 

「いらんわ!」

 

ミカの火星ヤシを払い除け、そいつは立ち上がり、どこかへ足を向ける。

 

「別にそんなお腹すいてないし、余計なことしないで……あぅっ…」

 

だが急に立ちくらみをし、ミカがとっさに彼女のことを支えようとするが、既のところで踏みとどまり――

 

「なによ…あんた……」

 

「急に足が変になってたから……大丈夫?」

 

「大丈夫よ……一人で歩けるわ」

 

「ふーん……そう」

 

「…礼なんか言わないわよ。あんた達が勝手にやったことなんだから」

 

そしてそのままそいつは歩きだしていった。

足取りはあんまよくねえし…本当に大丈夫なのか……?

 

「……もぐっ」

 

そしてミカは差し出そうとした火星ヤシを食べていた。

ちなみにここは火星じゃねえんで、火星ヤシは本来はないはずなんだが、何故か殆ど同じヤシが店に売ってたんで、ミカはそいつを大量に買って食っている感じだ。

どんな飯をくおうともこの「癖」は抜けねえようだ。

まあ、ミカらしい。

 

――――――――――――

 

「なによなによなによ!大失敗だわ!まさか狙っていたやつに介抱されるとか…!」

 

彼女「キャル」はある方の指示でペコリーヌを暗殺する任務を行っており、ペコリーヌが化けきのこに襲われたり、先程の魔物に襲われたりすることも全て彼女に持たされた力を行使したものである。

なお、先程倒れていたのはその力を使いこなせずに無理してしまったことによるものだ。

 

「だいたい、何?ペコリーヌってどういうこと?ふざけてんの!あいつの名は……!」

 

その真名を言おうとしたが、流石にヒートアップしすぎたと思い、立ち止まってため息をつく。

 

「……このことがあの御方に知れたら……うんうん…次こそは必ず仕留めるわ……あの方のために…!」

 

キャルは彼女を暗殺すると改めて「あの方」に誓った。

それが自分のなすべきことと固く思いながら……。

 




キャルちゃんはいいぜよ。
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