鉄血のプリンセスコネクト!Re:Dive   作:モンターク

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補完は三割まし(当社比)


後編

「やっぱりあいつ剣を失っているわね……」

 

キャルは猫の如く木の上に登り、しっぽをひょこひょこ動かしつつ考え事していた。

 

「あいつにとって特別な剣のはずなのに……昨日遺跡で襲った時も持ってなかったし、さっきの戦いで確信したわ。今こそやるチャンスよ」

 

「チクショー!!」

 

そうキャルが話していると、どこからか男二人の声が聞こえる。

キャルがその方を振り向くと、アフロな髪型の太った男と金髪リーゼントな痩せ型の男が「剣」を持って歩いていた。

 

「まさかあの姉ちゃんもランドソルに居たとは…」

 

「ああ…パーリィーナイッ!できると思ったのに~」

 

(あれは……)

 

その剣は間違いなくペコリーヌが持っていたものであった。

 

「さあ、見つかる前にずらかるぞ」

 

「あいよ。兄貴」

 

どうやら別の街に高飛びしようとしているらしい。

 

「なあ、チャーリーよ」

 

「おいっす、チャーリーっす」

 

「この前、変な街に行ったんだよ」

 

「ほうほう?」

 

「いきなりおばさんに洗剤を売りつけられたり、なんかの書類に名前書けと強要されてよ」

 

「ほうほう?」

 

そう他愛もない話をしていると急に二人周辺に影ができた。

 

「ん?なんだ?急に雨でも降んのか?」

 

「あ?」

 

何かの気配を感じた二人が振り向くとそこにはなんと大きなドラゴンが滞空していたのだ。

 

「「ゔああああああっ!?」」

 

「ドラゴン?こんな王都の近くで!?」

 

キャルがそう言っている間に男二人は逃げるが、当然追いつかれて、二人はそのまま連れ去られてしまった。

 

「「ああああああああああああああああ!?」」

 

 

キャルはその後、すぐさま木から降りてドラゴンが去っていく方向を見極める。

そこはちょうど山岳地帯のところであった。

 

「こいつは使えるかも知れないわね……」

 

そしてキャルは同時にペコリーヌを確実に暗殺できる方法を思いついていた。

それを実行するためにキャルはまず、ランドソルのほうへ向かっていくのであった。

 

――――――――――――

 

「いないですね…どこいっちゃったんでしょう?」

 

あの後、俺達はランドソルの街を見渡せる高い橋みたいなところであの二人組を探していた。

間違いなくこそ泥みたいな類だし、間違いなく野放しにはできねえ……。

まあ俺達もある意味はヤバいやつに分類されるかもしれねえが…今はあんま関係ねえから置いておく。

 

「なにか、手がかりがあるとよいのですが……」

 

「なんか捜し物?」

 

「あ?」

 

俺達がそうしていると、誰かが俺達に声をかけてくる。

 

「…なんで猫の人がいるの?」

 

ミカの言う通り、そいつはさっきの猫の少女だった。

 

「うっさいわ!あたしにはキャルって名前があんの!!変な呼び方しないで」

 

「…ごめん」

 

どっかのガリガリとかなんとかの時とは違い、ミカはすぐに謝った。

まあ敵対とかしてるわけじゃねえしな。

 

「キャル…キャルちゃん!可愛い名前ですね!!やばいですね☆」

 

ペコリーヌはその名前を聞いて目を光らせる。

――流石に人を食うつもりじゃねえよな……?

 

「やばくないわ!人の名前をやばいとか言うなー!」

 

結構怒っているような仕草だったが、なにか別のことを思い出したのか、怒るのをやめてあることを話し始めた。

 

「ところであんた達、なんか困ってるみたいだけど。さっきは一応親切にしてもらったし、あたしにできることがあれば手伝って上げてもいいわよ」

 

「本当か?」

 

「本当ですか?このお薬を脚気の人に渡したいんですけど…」

 

「どこにおられるのか……」

 

「なんかさ、特徴とかないの?見た目とか持ち物とか」

 

「確かアフロみたいな人と金髪のガリガリな人。あとなんか大きな剣をもってた」

 

「大きな剣?」

 

ミカが言った内容にキャルはそれに引っかかったようで、なにか思い出そうとする仕草をする

 

「キャル様、なにか?」

 

「あたし、そいつら知ってるかも」

 

「本当ですか?一体何処で……」

 

「あっちでドラゴンに剣ごと連れ去られてたわよ」

 

「「ドラゴン!?」」

 

「ドラゴンだと?」

 

「ふーん」

 

確かあの掲示板で財宝を集める習性があるドラゴンの討伐クエストが貼ってあったな。

ここ最近、ランドソル近辺に現れてるやつらしい。

まあモビルアーマーやら今まで戦ってきた化け物に比べれば、どうってことはないほうだが……それでも結構でけえしなぁ…。

なおミカは「そう驚くこと?」と言わんばかりに反応は変えてない。いつも思うが適応力凄くねえか…?

 

「へー、つまりあいつらが持っていた剣に興味があったわけだ」

 

「大変です!私の剣を預かってもらっていたばっかりに!」

 

「え?あの剣はペコリーヌさまのものだったのですか?」

 

「はい、お父様から授かった剣なんです」

 

「……何か、違うような……」

 

「俺も違う気がするぞぉ……」

 

十中八九奪われたの間違いなんじゃねえのか…?

まあ本人がそうじゃねえのなら……いいのか…?

 

「あんた達、運が良かったわね。あたし、あいつらの居場所わかるわよ」

 

「本当ですか?キャルちゃん!大好きです!ありがとう!!」

 

そしてペコリーヌはキャルに抱きついた。

よほど嬉しいらしい。オーバーな気もするがまあいい……

 

「うわっ、ちょっ、ひっつくなー!!」

 

そしてキャルは流石にそれに驚いていたようであった。

 

――――――――――――

 

そんでキャルの案内で俺達はドラゴンが居るところへ来た。

ドラゴンの周りには結構な量の財宝があり、ここが住処らしい。

そして剣はドラゴンの口に咥えられ、男二人はしっぽに巻かれて捕まっているようだ。

 

「確かに、あれは私の剣です」

 

「あたしはここまでよ。流石にあんなの相手にしてられないわ」

 

「うんうん。キャルちゃん!案内してくれてありがとうございます!」

 

ペコリーヌはキャルの手を取り、感謝の言葉を言っている。

だがキャルはその手を振り払う。

 

「あ、あたしは安全なところで待ってるから……」

 

「…ねえ」

 

そしてミカもなんか思ったのか、彼女に声をかける

 

「な、なに?あんた、まだなんか用?」

 

「…ありがとう」

 

「……ふんっ!」

 

ミカの御礼の言葉を聞くとキャルはすぐにここから離れていった。

たく素直じゃねえというのかなんというのか……。

俺にはよくわかんねえ。

 

「思いっきり口に咥えていますね……」

 

さて改めてこいつはどうするか……

 

俺達はどうやって剣を取り返すか考え、ユウキがポンっと閃いた。

 

「あっ」

 

「どうした?ユウキ?」

 

――――――――――――

 

そしてオルガ達は剣とついでに男たちの救出作戦を開始した。

 

「……!」

 

ユウキは自分のマントを使い、闘牛士の要領でドラゴンをひきつける。

当然、ドラゴンはユウキの存在に気づく。

 

「な、なんだ?あいつ」

 

「おうっ…」

 

「シーッ」

 

そして近くの岩場からペコリーヌが二人へ話しかける。

 

「もう少し辛抱してくださいね」

 

「た、助けてくれるのか?」

 

その問に肯定の意味でペコリーヌ微笑んだ。

 

「頼むぜ。いかれたあんちゃん…!」

 

一方、ドラゴンとユウキは暫く睨み合いが続く。

そして――

 

「グウウウッ!グアッ!」

 

なんとユウキをすぐに口に咥えてしまった。

 

「「食われたァアアアアア!?」」

 

「神の御加護を……!」

 

すかさずコッコロはユウキの補助魔法をかけ

 

「いくぞぉ!!」

 

オルガは銃を発砲し、牽制攻撃を仕掛ける。

なおその銃弾はドラゴンの厚い皮膚に弾かれてしまった。

 

「結構当たるけど駄目じゃねえか……」

 

そのスキにペコリーヌがドラゴンに飛び移り、口の方へ駆け上がる。

 

「ありがとうユウキ君!今助けます!!」

 

そして顔のところに到達した時に少し離れた地点に居たキャルが魔法陣を発動させる。

 

「かかったわね…ペコリーヌ。あたしのプリンセスナイトの力であんたを潰す…!魔物を支配する力でね…!」

 

その声とともにドラゴンの目に魔法陣が現れる。

それにより、ドラゴンは先程暴れたイノシシの魔物と同様にキャルの意のままとなる。

 

「さあ、やっちゃいなさい!!」

 

そしてその掛け声とともにドラゴンが動き出し、近くの岩にぶつけ、ペコリーヌを顔から追い落とす。

 

「ペコリーヌさま!」

 

幸い、剣のところを掴み、完全に落ちることはなかったが――

 

「良いわよその調子!ガンガンいっちゃいなさい!」

 

今度はドラゴンがかなりの高度まで飛び上がる。

 

「主さま!ペコリーヌさま!」

 

(くっ、頼んだぞミカ…!)

 

「あわわわわわわ……ぐっ…あっ!」

 

この状況でその剣を持ったままというのはいくらペコリーヌといえど難しく、手を話してしまった。

 

「うわっ…あっ!」

 

ドラゴンの体にぶつかりながら、最終的にはなんとか掴むところができた。

そこは――

 

「いてててて!!」

 

「ミラクル!?」

 

「あっ、おいっす!思わず掴んじゃいました。ごめんなさい、痛いですよね?」

 

「大丈夫だ!俺の毛根を信じろー!」

 

「はい!」

 

かなりギリギリだが、なんとか助かったペコリーヌ

そして――

 

「よし…捕まえた…!」

 

ガンダム・バルバトス第6形態を身に纏った三日月が到着する。

なお前世においては無重力である宇宙戦以外では自由に飛ぶことが出来なかったが、この世界では重力下でもガンダムフレームの()()()()のように自在に飛ぶことは流石に不可能であるが、かなりの飛行能力を手に入れた。

そのため、ドラゴンのような飛行物体とも戦えるようになった。

 

そしてレンチメイスをドラゴンにぶつけ、なんとかドラゴンの態勢を崩そうとする。

 

「チッ!」

 

ドラゴンからも反撃され、なんとかメイスで受け止め、それを押し返す。

それと同時にメイスから鉄血太刀に装備を変え、ドラゴンを切断しようとしたが――

 

「クソッ…嫌に固いな……」

 

カンカンッと跳ね返り、太刀すらその皮膚は通さなかった。

 

(この目……さっきのやつと同じ……)

 

ミカはドラゴンの目に映る魔法陣のようなものにも気づく。

だがそれについて考える暇もなく、ドラゴンは更に空へ舞い上がる。

 

「うわあああああっ!」

 

それに対し、ペコリーヌは髪の毛を掴みつつなんとか耐える。

 

「メンドイ……!」

 

(内側なら……!)

 

そして今度はドラゴンの外側の皮膚ではなく、内側のお腹のところに太刀を叩き込む。

それにより、深くはないものの、傷ができた。

 

「しぶといわね…これならどう!」

 

そしてキャルは操る能力でドラゴンを更に攻撃させ、バルバトスを大きく突き放す。

 

「くっ!?」

 

それと同時に、ペコリーヌが掴んでいた髪の毛が殆ど抜けてしまった。

 

「俺のもうこぉおおおおん!!」

 

「アニキィィィ!」

 

「うわわわわっ!?」

 

そしてペコリーヌはそのまま自由落下してしまう。

それで手応えをキャルは感じたようで

 

「これであの「お方」が私を認めてくれる…褒めてくれるわ……!」

 

その目はキラキラしたものとなっていた。

 

そしてドラゴンはペコリーヌのほうに突撃してくる。

 

「うわああああっ!?」

 

「ペコーっ!!」

 

だがそこはユウキがマントを使い、ドラゴンの目を隠させ、撹乱させる。

 

「ナイスです。ユウキ君!はああああっ!」

 

「いけっ…!」

 

そしてペコリーヌは再び装備を光らせ、力を拳に集中させてドラゴンの頭部に攻撃を命中させ、更にバルバトスもメイスを投げ込み同じく命中させる。

 

「「やったあああああっ…あっええええええっ!?」」

 

その後、ドラゴンはそのまま落下し、岩山の中をぶつかりながらも進み――

 

「え?」

 

まさかのキャルが居るところへ着地することとなり、キャルは逃げようとするも間に合わず、衝撃波により倒れた。

 

「いった……っ…」

 

そしてそのことにより、ドラゴンを操っていたその力が解除されたのか、目のところから魔法陣は消失しまった。

 

「あっ…!しまったっ!」

 

「くっ、猫の人が…っ!」

 

ミカもキャルに気づくも、バルバトスと言えど、瞬時に向かうのは不可能に近い。

ドラゴンの爪がキャルを襲おうとしたその時――

 

ドラゴンを怯ませる光を伴った衝撃がキャルを庇うかのように発せられる。

そしてキャルがそれに気づいて前を向くと、そこにはあの剣を持ったペコリーヌの姿があった。

 

「ペコリーヌ…?」

 

「無事ですか?キャルちゃん」

 

「あんた、それ…」

 

「はい、ようやく取り戻せました!」

 

そしてドラゴンは口に居たユウキを吐き出しーー

 

「主さま!?」

 

「守るのは俺の仕事だ!」

 

目の前のペコリーヌへ火を放つ。

だがそれは剣の一振りで相殺された。

 

「やっぱり使い慣れた剣は良いものです!」

 

ドラゴンは翼を跳ねて、逃げようとするも――

 

「逃がすわけ無いだろ……!」

 

ミカがルプスレクスの超大型メイスを翼に投げ込み、それを妨害する。

あの悪魔が居る以上、そこから逃げるのはもはや不可能である。

 

「ありがとうございます!三日月君!」

 

そしてペコリーヌは自分が持つ力を剣に集中させる。

その剣はとても輝かしい光に包まれていた。

 

「全力…全開…!」

 

そしてその剣を力いっぱい振るった。

その「名」とともに――

 

「プリンセスストラァァァァイク!!」

 

「!?」

 

そしてその剣が放った衝撃波でドラゴンはもちろん、周囲の岩をも巻き込んで大爆発を起こす。

なおその煙でキャルから一瞬ペコリーヌが見えなくなるが、その煙が晴れるとまだ光が残るペコリーヌの姿があった。

 

(これが……こいつの力なの…?)

 

「あの方」から聞かされてはいたものの、実際に目をするのは初めてであったので、とても驚いていたのであった。

 

そして一方のふっ飛ばされたユウキは――

 

「主さま…ご無事で……お、オルガさま!?」

 

「だからよ、止まるんじゃねえぞ…」

 

オルガが下敷きになって着地したためほぼ無傷であった。

もちろん、オルガはそれで「希望の花」を発動させていたのは言うまでもない。

 

――――――――――――

 

「なんとか終わったみてえだな…」

 

「うん」

 

あの男二人組の片割れはすっかりハゲちまったが、ペコリーヌに感謝しているようで、そして渡された脚気の薬を飲んでよほど苦いのかムセていた。

やっぱりそういうことか…まあ、あいつも剣を取り戻せたようだし、俺がとやかく言うことじゃねえが……

 

「キャルちゃんもありがとう!」

 

「え?」

 

そんでペコリーヌはキャルの両手を掴んで、握手していた。

 

「ちょ、あたしは別に……」

 

「キャルちゃんが案内してくれたから、おじさんたちも助けられたし、大事な剣も戻ってきたんです」

 

「……ば、バッカじゃないの……」

 

キャルは照れくさいのか少し目をそらす。

素直じゃねえな……

 

「ん…」

 

「どうしたミカ?」

 

「…別に」

 

ミカはなんか感じたのか、少し考える仕草をしていたんだが、すぐにやめてまた火星ヤシを頬張り始めた。

さっきのドラゴンのことか?確かにやけに暴れていた印象だが……俺にはよくわかんねえ。

 

――――――――――――

 

「キャルちゃん、一緒にごはん食べましょ!」

 

「は?」

 

ペコリーヌは昼間のあの混ぜご飯をおにぎりにしたやつをキャルに差し出しながらそう言った。

どうやらコッコロがおにぎりにしてくれたらしい。

 

「い、いらないし!」

 

それと同時に鳴る音……なんだよ、結構腹減ってるんじゃねえか……。

 

「おなかすいてるんだよね?」

 

「んんんっ………ああ、もうわかったわよ!」

 

ミカに指摘され、観念したようだ。

その後、夕日がよく見える高台で俺達はおにぎりを食う。

 

「はぁぁ…やっぱりごはんは命のエネルギー!」

 

なおペコリーヌが持ってるおにぎりは結構大きい。

よく食えるな……。

 

「うんうん」

 

そしてユウキは口の中を膨らませながらもそれに相槌を打つ。

たく、ちゃんと噛んで食えよ?

 

「うん、美味しい」

 

火星ヤシばかり食べてる印象があるミカだが、飯はうまそうに食っている。

腕につけている「アイツ」のミサンガを少し見つつだが――

思い出してんのか?やっぱ

 

「ご飯はいつでも美味しいですが、やっぱりみんなで食べると格別です。ずっと一人で旅してましたから……なんだか嬉しくなっちゃいます。ヤバイですね☆」

 

なるほどな……まあ確かに仲間で食べる飯は違う…とこの異世界を巡る内に結論は出していた。

元の世界じゃそれより考えることが多すぎてそれどころじゃないってのもあったが……。

 

 

「確かに、残ったご飯を握っただけですが、はむっ……んふっ……おいひいです」

 

コッコロも俺と同じ結論だった。

だけどあんまがっつくなよ……最悪の場合どっかの時の俺みたいに吐くからよ……。

死ぬことはねえけどよ。

 

「そうだ!私達で美食ギルドを結成しませんか?」

 

「ギルドだと?」

 

「はい。みんなで美味しいものを求め、活動するギルドです」

 

「おお、良いんじゃねえのか?」

 

「うん、良いと思うよ」

 

「願ってもない申し出です。わたくしたちもギルドを結成したかったので」

 

「うん」

 

ペコリーヌの提案に俺やミカ、コッコロ、ユウキは賛成する。

確かに良いかもな……こうしてみるだけで結構美味そうなものがあるし、あとこのランドソルじゃギルドの加入は義務付けられているらしく、加入しないと信用が得られねえとも聞いた。

ここで地に足をつけるためには必ず必要と言っていい。

 

もちろんギルドの名前は鉄華だ…

 

「あ!?」

 

「ねえ?」

 

何故か突然俺の胸ぐらをつかむミカ。

え?俺なんかした…?

 

「鉄華団って言おうとしてるんだろうけど駄目だよオルガ」

 

「え?」

 

心の中読まれてるじゃねえか……

勘弁してくれよ……。

 

「それを決めるのはペコリーヌだから。俺達よりこの世界のことは詳しいだろうし」

 

「あ、ああ……すみませんでした」

 

確かにミカの言うとおりだ。

ここは俺は一団員としているしかねえ。

 

「キャルちゃん!キャルちゃんも入りましょう!」

 

「え?は、入るわけ無いでしょ!いつあたしがあんたたちの仲間になったのよ」

 

キャルはペコリーヌからの勧誘を蹴っちまった。

まあなんとなく予想はついていたが……

 

「勝手に盛り上がらないでよ……」

 

「………」

 

立ち去ろうとするキャルにミカが立ちふさがる。

 

「…なに?あんたも勧誘するの?」

 

「…火星ヤシ、食べる?」

 

「は?」

 

キャルに火星ヤシを差し出すミカ。

さっきのことといい、そんなに食わせたいのか…?

 

「だから……はぁっ……わかったわよ。受け取ればいいんでしょ!」

 

キャルは火星ヤシを勢いよくひったくって、その場を後にした。

 

「なあ、なんで火星ヤシなんだ?」

 

「結構疲れてたみたいだし、頭使った後とかはこれが良いと思ったから」

 

「ああ?」

 

まあ、ドラゴンに襲われてたし、結構疲れていたのはわかったが……。

そこまでじゃねえんじゃねえのか……?

そう思いながらも俺は残りのおにぎりを食べていたのであった。

 

――――――――――――

 

「バカ、バカ、バカ、バカ!何をやってんのよあたしは…」

 

本来の任務を達成できず、しかもまた助けられてしまったキャル。

その上、暗殺するべき相手から感謝されてもいた。

その罪悪感やらが渦巻き、足取りは強くなっていた。

 

「こんなんじゃ……あたしはあのお方に……」

 

だがそんなときに朝居た場所に戻ってきたのだが、朝一人ぼっちだった猫は、いつの間にか集まっていた猫の輪の中に入っていたようであった。

 

「……仲間なんて……」

 

そしてキャルは持っていたおにぎりを一口食べる。

熱くはなく、程よい暖かさであった。

 

「おいしい………こっちも……」

 

それと同時に、ミカから受け取った火星ヤシも食べてみる。

こちらはシンプルだが、飽きない味であった。

 

「……意外と行けるじゃない。あいつのも」

 

キャルは少し機嫌が良くなったのか、しっぽを動かし始めていたのであった。

 

 




ミカとキャルの描写に気合い入れた。

オルガは………まだもう少し先で……。
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