鉄血のプリンセスコネクト!Re:Dive   作:モンターク

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頑張ったぞぉ……。



後編

―――――――――――

 

「きゅっ…」

 

「なにこれ」

 

「ここは…どこでしょう……?」

 

どうしてこんなことになっているんだろう。

厚意で買った荷物をサレンのメイドのスズメが運んでくれることになったんだ。

 

 

街の中を歩きながら、サレンが救護院を作った時の話を聞いたり

主と仕えるものの関係の話とかを聞いて、死ぬ前のオルガとの色々なことを思い出したりで、少しボーっと歩いていて……気づいたらこうなっていた。

 

「バルバトス、これどう思う?」

 

「……」

 

「まあ、わかってる。ただ聞きたかっただけだ」

 

ここらへんの道を知らないコッコロとここの世界に来て浅い俺がたぶん方向音痴の人に案内されたら、普通こうなる。

 

「しかし、昼間だと言うのに、随分暗いというか…魔物とか…」

 

「まままままま魔物!?ど、どこどこですか!?」

 

スズメがそう周りを気にした瞬間、コウモリが大群で飛び去った。

「で、でたああああああああああ!」

 

スズメはそれに勘違いして、ロバとともにその場から走り出した。

だがスズメはすぐ木の根っこに引っかかり、ころんだ。

 

「大丈夫ですか?」

 

「大丈夫?」

 

「だ、大丈夫です……あ!ロバは!」

 

「何処かへ……」

 

「ど、どうしましょう!ロバがいないと荷馬車が!」

 

荷馬車……ここはバルバトスで牽引するしか……

 

「ん?」

 

そう思った時、奥からなんか音が聞こえてくる。

 

「逃げたロバかもしれません」

 

その奥を覗いてみるとたしかにロバのような何かが見える。

 

「あれは…」

 

「ロバ?馬?……え?」

 

「荷台に会ったロープをお借りしますね……」

 

「どうすんの?」

 

「あの動物を捕まえて、荷馬車を引いてもらいましょう」

 

「ナイスアイデアです」

 

コッコロは勢いをつけて、ロープをその馬かなにかのほうへ投げつける。

それでかかったのは―――――

 

「リマリマー!?」

 

「「「え?」」」

 

「苦しい…!食べないでリマー!!」

 

「「喋ったーっ!?」」

 

なんか喋るもふもふしたものだった。

そんなに驚くこと?動物が喋るのなんて、白い虎とかで見飽きてるけど……。

 

―――――――――――

 

ロバか何かと捕まえた動物の正体は二足歩行で喋るもふもふの毛で包まれている獣人のような女性だった。

彼女の名前は「リマ」ロバでも魔物でもないらしい。

この森を抜けた先にある「牧場(エリザベスパーク)」という所で働いているという。

リマはロバが居ない一行のために自ら荷馬車を引くことを提案してくれ、一行はその親切をありがたく受けることにした。

 

「………」

 

なお、三日月は終始無表情ながらもこの親切な正体不明に頭を少し悩ませていた。

なにせ、今までの世界で喋る動物はあれど、ここまでしっかりと動物の姿であるにも関わらず、二足歩行で喋るものはリマしかいなかったからだ。

 

―――――――――――

 

また場所をギルドハウスへ戻すと、オルガはもちろん死んでいた。

 

「だから雑に殺すんじゃねえぞ……」

 

そしてキャルは椅子を二段にしていた。

 

「ねえ、あの窓拭きたいんだけど、手伝って」

 

「……うん」

 

ユウキはサムズアップしてそれを引き受けた。

そして上へ上り、窓を拭き始める。

 

「……そうそう、生活の乱れは心の乱れって言ってね。生活の基盤になる家なんだから、ピッカピカにするわよ♪」

 

「ま、そういうもんだな」

 

(あんまりよくわかんねえが…)

 

「何言ってるかわかんないけど、キャルは頭いい?」

 

「むっ…良いに決まってるでしょ。バカにしてるの?あんたもちょっとは勉強しなさいよ。記憶がないってことに甘えてたらダメよ?」

 

「ああ、読み書きとかは大切だからよ」

 

「おいすっ~」

 

ユウキにとってはまだ難しいことだからか、理解できていないようだ。

 

「ちょい!やる気ないでし…ひゃあああああああああああっ!?」

 

その上、キャルの足の所に虫がひっつき、キャルは悲鳴を上げる。

 

「どうした!?」

 

「うぎゃっ、ぎゃあああっ!?」

 

「あ、あ、あわあっ!」

 

「え?……ヴアアアアアアアアアアッ!?」

 

キャルの支えを失った椅子が崩れ、オルガのほうへユウキごと崩れてた。

 

「ちょ!?あんたら大丈夫!?ねえったら!起きなさいよ!」

 

そしてふたりとも気を失ってしまった。

 

―――――――――――

 

「ほい、久しぶり」

 

「ん?」

 

「……勘弁してくれよ……」

 

そしてオルガとユウキはアメス様のところに居た…いや、気絶と同時に意識が飛ばされたと言うべきか。

 

「まあ、久しぶりじゃないのもいるみたいだけど……三日月」

 

「あ?」

 

オルガは急に胸ぐらを掴まれる。

その相手はもちろん三日月であった

 

「み、ミカ……おう」

 

「おうじゃないよ……ねえ、なにこれ?」

 

「まあ、おそらくはあんた達二人が気を失った時にオルガとのリンクが強い三日月もそれに引っ張られたのね。安心して、死んでるとかじゃないから」

 

「ふーん……」

 

アメスのその答えに三日月はまあ納得したのか、とりあえず胸ぐらを掴むのを止めた。

 

(だから勘弁してくれよ……)

 

そしてアメスの話は続いた。

 

 

「無事にギルドを結成できたみたいだけど…やっぱり意外なメンツというか……この世界の謎に関わる子たちとギルドを組むことになったわね……」

 

「謎?」

 

「そう、あの世界に住む人達が当たり前と思っている真実は真実ではないの」

 

(どういうことだ?そいつは…)

 

「ま、ペコリーヌちゃんにキャルちゃん…そしてコッコロたん…彼女たちにはそれぞれの問題や使命があるの。特に、キャルちゃんは難しい立場にいるわ」

 

「…まあそうだよね」

 

三日月はそれで今までのことを回想する。

そして少し考え込むような仕草を取った。

 

「今、あんた達に私が知りうるすべてを伝えたとしても、解決にはならない……むしろ、行動しにくくなるだけ…気をつけて、敵もあんた達の存在に気づいているわ」

 

「わかってる」

 

「ミカ……」

 

三日月は考える仕草を止め、再び目を前へ向ける。

それと同時に3人はこの場所から離れるような感覚がした。

 

「これから彼女たちと紡いでいく絆が、きっとあんた…ユウキを成長させる。その時が来たら、昔のようにあんたの力になるから」

 

「ん?」

 

(昔…?)

 

オルガはその発言に少し引っかかるが、続けてアメスはオルガ達に話す。

 

「それまでユウキのサポートは頼んだわよ。オルガ……そしてキャルちゃんのこともね。三日月」

 

「ああ、わかってる」

 

「うん、わかった」

 

それと同時にこの空間より三人は転送され、元の地点へ戻っていった。

 

そして一人となったアメスはため息を付き、あることをつぶやいた。

 

「…オルガ・イツカ、三日月・オーガス……この世界には本来はいない……だからこの「終わらない戦い」を…きっと……」

 

そしてアメスは再びなにかの作業に戻っていくのであった。

 

―――――――――――

 

「三日月様?」

 

「…ん?」

 

「どうなさいましたか?心、ここにあらずというご様子でしたが……」

 

「いや、別に……」

 

三日月はアメスの言った言葉が引っかかっていた。

それと同時に、これからなるべく気にかけていこうと思うのであった。

 

―――――――――――

 

同時刻、オルガとユウキが目を覚ますと目の前にはキャルがいた。

 

「はぁ…よかった……ふたりとも死んで事故物件になるとこだったじゃない」

 

「なんて声出してやがる…こんくれぇなんてこたねえ……」

 

「うん、大丈夫」

 

オルガはいつも通りの詠唱をして、ユウキもガッツポーズをしていた。

 

「はぁ…大丈夫みたいね」

 

そしてそれから数分後、やっと机を作れたペコリーヌの姿があった。

 

「「おー」」

 

「どうですか?美味しくご飯、食べられそうですよね?」

 

「いいんじゃねえの?」

 

見掛け倒しではなく、意外と頑丈に作られていた。

 

(DIY…ってやつか?そういうのも得意とはすげえよ…ペコリーヌは…)

 

「あんた料理といい、ホント器用よね~」

 

「いやあ、修行の旅のおかげですかね☆」

 

「うん、いいね」

 

「ありがとうございます!さあ、テーブルを中に運んじゃいましょう」

 

そうして4人でテーブルを持ち上げ、家の中に入れようとするが…?

 

「あれ?」

 

「あ?」

 

「ちょ」

 

「?」

 

どう角度を変えても玄関に入らないのだ。

この家で一番大きな入口であるにも関わらずである。

 

そしてその事実を知った時、オルガとペコリーヌは項垂れた。

 

「ヴアアアアアアアアアアアアアッ……」

 

「オーマイ……」

 

「…ドンマイ」

 

なおそんな二人にドンマイと言うユウキであった。

 

結局、ペコリーヌはその机を切り、サイズを小さくする作業をする羽目になったのであった。

 

 

―――――――――――

 

「リマリマリマリマ~♪」

 

そして場面は再び森の中、荷馬車をリマに引いてもらっている最中であった。

 

「助かりました…」

 

「もう一時はどうなることかと……」

 

「うん、すごいよ」

 

「大げさだよ~。まあ、この森に魔物は居ないけどたまに…」

 

リマが話している最中に道を塞ぐ輩が居た。

 

「え?」

 

「げへへへへへへっ!」

 

「ひひひひひっ!」

 

「は?」

 

どうやら盗賊に出くわしてしまったようだ。

 

「でたー!!」

 

「え?え?」

 

「盗賊よー!!」

 

「「えーっ!?」」

 

(迷惑だな……)

 

「おい、ここを通りたかったらそのロバを…ロバ?馬?」

 

なお盗賊の一人はそのリマを奪いたいらしいが、ロバでも馬でもないその彼女を見て何かと決めかねていた。

 

「ひどいっ!せっかくおしゃれしてるのにぃ!」

 

「ロバじゃないのか!?」

 

「構わねえ!とっ捕まえて見世物小屋だ!!」

 

盗賊達はとりあえず考えることを止めて、リマを捕まえようと3人で取り掛かった。

 

「やめてぇ、こういうことはお互いをよく知ってから~」

 

「リマ様!」

 

(……こうなったら……)

 

そして三日月は静かにバルバトスを展開しようとするが――

 

「ちきしょうあばれんなこのロバ!」

 

「カッチーン……だから…ロバじゃないって…言ってるのに…!」

 

リマは静かに剣を抜き、そしてまとわりついていた盗賊たちを振り払った。

 

「こんなお洒落したロバがいるわけないでしょ……!」

 

「ひっ!?」

 

「必殺!もふもふストライク!!!!」

 

その必殺技により爆発が引き起こされ、盗賊たちは一斉に何処かへふっとばされた。

 

「ふんっ強引な人は嫌い!」

 

(すごいな…アイツ)

 

三日月はその強さに感心しているとぐうっとリマのお腹の音がなる。

 

「リマァ……戦ったらおなかすいちゃったぁ」

 

そうするとどこからかリンゴを取り出す。

 

「貴重なものだけど、背に腹は代えられないし。はむっ」

 

そのリンゴをリマがかじると途端にリマが光りだした。

そしていつの間にかそのリマは……獣人からキャルなどと同様に獣耳が生えた「人」となっていたのだ。

 

「メタモルアップルを食べると…はむっ。みんなと同じ、人間の姿で居られるの!すごいでしょ?」

 

「あ………あ…」

 

「え……」

 

(この世界の動物って人間に変身できる……いや、それもなんか違う気がする)

 

コッコロとスズメが言葉を失う中、三日月は三日月で考えていたが、答えは出ないのは言うまでもない。

 

―――――――――――

 

「うーん!…はぁ…終わったわね…」

 

「なんとか日が暮れる前に片付きましたね」

 

「かんぺき!」

 

「ああ、なんとかな」

 

時は夕暮れ、掃除組はなんとか掃除を完了したようで、彼らの前にはまるで見違えるかのように綺麗なギルドハウスがあった。

 

「…ところでコロ助とミカ達遅いわね…」

 

「心配ですね。ちょっと見に行ってきましょうか」

 

「ああ、なんかあったのかもしれねえ」

 

そうペコリーヌ、キャル、オルガが話していると、ユウキはふと後ろのほうを向く。

すると…。

 

「おかえり」

 

「え?」

 

「ん?」

 

「ただいま戻りました」

 

「ただいま」

 

ちょうど二人の姿があったのだ。

買い物の荷物を二人で持ちつつも。

 

「ミカ…」

 

「どうでしたか?二人共、いい買い物できましたか?」

 

「はい。とても」

 

「まあ、うん」

 

「全く、遅かったじゃない。コロ助、ミカ」

 

「うん、色々とね」

 

ミカのその言葉でキャルはとりあえず察する。

なにかがあったんだろうと

 

「色々とって……まあ、まず中を見てご覧なさい」

 

それを言ったキャルの表情はとても自慢げであった。

 

―――――――――――

 

ギルドハウスの内装も様変わりし、6人住むのに十分なものになった。

とてもじゃないが、「あの」汚い物件だったとは到底思えないほどだ。

 

「すごい…」

 

「そうでしょ。そうでしょ!あたしの掃除スキルを褒め称えなさい」

 

「うん、確かにすごい。」

 

「俺も頑張ったんだぞぉ……」

 

キャルは引き続き自慢げのまま、オルガは死にかけのまま話を進めようとするが、そこへペコリーヌの呼びかけが入る。

 

「コッコロちゃん!三日月君!」

 

ペコリーヌがそう呼んで軽く叩いているそれはペコリーヌが作っていたテーブルであった。

 

「へー…これって…」

 

「これは…なんとも素敵な」

 

コッコロはそのテーブルの丸太の椅子に座る。

 

「どうですか?ヤバいですよね☆」

 

「はい。とってもヤバいです」

 

コッコロのその表情はとても綺麗な笑顔であった。

皆で囲む食卓……というのが実現できそうだからというのがあるからだろうか。

 

一方の三日月はじっと見るものの、そこまで表情を表に出すことはなかった。

そんな様子の三日月にキャルは声をかける。

 

「全く、ミカもコロ助みたいに素直になったら?」

 

「…やっぱりこういうの出しにくい」

 

「出しにくい?表情が?」

 

「うん。こういうの慣れてない。直ってきたと思ってたけど、なんか」

 

「ふーん、まあ努力することね。オルガみたいになるのは勘弁してほしいけど」

 

「じゃあ、キャルもだね」

 

「……あたしが?なんで……」

 

「なんとなく」

 

「はぁ…?」

 

三日月のその言葉の真意をいまいち理解できていないからか、はてなを浮かべているキャルであった。

 

 

 




ミカのその真意とは…?
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