あれから数日後
「あ!カイトさん!また来たんですね!聞いてくださいよ今日姉さんが!」
何時ものように施設に侵入してはセレナに見つかってその日や昨日の話を聞いていた、最初はバレないようにとか考えて行動しようとも思ったが、そもそもセレナにバレた時点で俺の存在はバレてるし、先日の名前を書いたことで完全にナスターシャ教授も俺を認識してる可能性がある、と言うか絶対カメラ付いてるからバレてる!
「それでですね?暁さんと月読さんがですね?……って聞いてますか?カイトさん!」
『聞いてる聞いてる』
俺は配管の中で書いたメモ紙をヒラリと通気口から出して反応する、それを見たセレナは「ふふふ」と笑うので再び通気口からメモ紙をだした。
『何かおかしかった?』
「いえ!?そう言うわけではないんですけど、カイトさん最初の頃は何も話さないし、それどころかすぐに何処か行くので、まさかこんな風に反応してもらえるなんて思ってなかったんです。」
そりゃ最初は反応する気なんてなかったからな、そもそも目的はまだ起動前のネフィリムであわよくばさっさと破壊したいんだけど……どうもこの施設の配管が入り組みまくってるみたいで迷うんだよね。
なんとなくの方向は分かってもその方向に配管が通って居なくて上手く進めないことが多いし、なによりも何かで塞がれてるのかネフィリムの気配が稀薄なんだよね、本当に大雑把な方向しか分からないからメチャクチャ迷う。
まぁそんな感じでセレナの話しを聞きつつどうするか悩んでいると、部屋の扉が開いて黒髪の幼女と金髪の幼女が入ってきた。
「セレナ!ここに居たデスか!捜したんデスよ!」
「セレナ……また幽霊さんとお話してたの?」
入ってきたのは多分9才位のロリ切歌とロリ調のロリザババコンビであった。
「幽霊さんこんにちはデェス!」
「こんにちは……」
『はい、こんにちは~』
メモ紙で反応すると切歌がそれを拾い「おぉ~!本当に返事が返って来たデスよ!」とはしゃいでいた、うんうん元気なのは良いことだよ……こんな施設でなければね……
「そう言えば私を捜していたようですが、どうしました?」
「はっ!?そうでした!セレナ、マムが呼んでいたデスよ!」
「マリアもセレナを捜してたけど、私達が呼んでくるって言っておいたから先に待ってると思う……」
「わかりました、それじゃカイトさん、また会えたらお話聞いてくださいね?」
『いってら~』
メモ紙を出してからにゅるっと通気口から腕を出してバイバイと手を振る、「調!手デス!手が出てきたデスよ!」「継ぎ接ぎで青緑の皮膚……本当に幽霊さん?まるでゾン……」とザババコンビは言ってるが気にしない。
セレナはそんなザババコンビの様子に苦笑しながら部屋から出ていった。
さてと、またネフィリム捜しでも……「幽霊さん!私達ともお話するデス!」……おおん?
再び通気口から部屋を覗くとそこには切歌と調が目をキラキラと輝かせて此方を見ていた。
『俺こんな風に筆談でしか回答できないよ?』
「それで良いデスよ、マリアやセレナ、そしてマム以外と話すなんてなかなか無いデス!」
「うん、それにセレナがよく話してるみたいだから、私達も気になる。」
えぇ…まぁ、正直ネフィリムの起動実験が何時始まるか分からないけど、最近は行き詰まってるから息抜きにちょうど良いかもしれないな。
俺はザババコンビのキャイキャイとしてくる質問に、筆談で答えて行った。
■■■
数時間後
近いうち完全聖遺物の起動実験を行うため、同行するようにとマムに言われたセレナが、レセプターチルドレンの部屋に戻ると、継ぎ接ぎ服をきたほ青緑色肌の少年が他のチルドレン達に囲まれてあれやこれやと質問されたり肩車したりしていた。
「……なんですかこれ?」
「あ!セレナお帰りデース!」
「セレナお帰り」
「あ、ただいまです……って何なんですかこの状況は!?」
私が部屋を出た時に比べてあまりにも違いすぎる状況に切歌さんが教えてくれた。
いわく、最初は切歌さんと調さんの質問に答えていた所を他のチルドレン達が興味を持って近づいて来たとの事、そして本人曰く
『面白半分で姿見せたら最初は怖がられたのに何故か懐かれた』
とのこと、他のチルドレン達はカイトさんが質問にほとんど答えてくれるし、思ったよりも優しいうえに久しぶりのお話相手と言うことで遊んで貰いながら、色々と質問していたらしい。
『セレナ嬢助けて』
「頑張ってください」ニッコリ
いえ流石に無理です助けられませんから。
その日子供達の騒がしさに警備の人や研究員が駆けつけてきたのを察したのか、彼らが来る前にカイトさんは通気口に入り何処かに消えて行ってしまいました。