派手なのは苦手なので、とりあえず隠れて敵を倒そうと思う   作:名無しの投稿者

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第一章 暗殺者へと至る道
暗殺者と初期設定


「……」

 

 自身の部屋で無言でヘルメットと手袋の様なVRMMO用のハードを準備しながら、影山(かげやま) 蒼汰(そうた)はチラリと机の上に乗ったゲームソフトを見た。

 『New Wolrd Online』、通称『NWO』。現在話題沸騰中のゲームである。

 

(評判が良すぎて、いろんな電気屋とかゲーム屋に行っても売り切れ状態だったけどな。

 最終的に3駅分離れたところまで探したし、おかげでサービス開始からもう二ヵ月以上経ってるし……だいぶ出遅れたよ。買えたからよかったけど)

 

「……」

 

 頭の中で少し愚痴りながら、手を止めずにハードの準備及び初期設定を進めていく。ちなみにゲームを買って帰ってから約二時間に至る現在まで、蒼汰は一切喋っていない。

 

(ふぅ~。ようやく初期設定終了!)

 

 二ヶ月も待ち望んだゲームができることに段々とテンションが上がっていく蒼汰だが、それが表情に出る事は一切ない。少し目が輝いているかなという程度だ。

 

(ゲームスタート!)

 

 結局頭の中ではハイテンションながらも、一言も話さずに蒼汰はゲームの世界に意識を沈めた。

 

     ◇◇◇

 

 ゲーム外での設定を終えた後は、ゲーム内で遊ぶキャラクターの設定に移る。

 

(へ~、身長はそんなに変えれないんだ。まぁ急に身長変わっても動かしずらいし、慣れたら慣れたで今度は現実の方で不都合あるからだろうから当たり前だな。

 容姿は……そのままでいいか。別に身長に不満はないし、目立たない容姿だから身バレもしないだろう。変な風に変えた方が目立ちそうだな)

 

 蒼汰は目立つ事を避ける性格のため、変な髪色や目の色を避けてそのままでゲームをすることに決めた。

 

(次は名前か……)

 

 蒼汰は少し迷って、『ハイド』と打ち込んだ。自身の名字の『影』を英語にした『シャドウ』という選択肢もあったが、既に使われている可能性を考えて『ハイド(隠れる)』にした。

 

(お、通った。やっぱ隠れるなんてキャラネームでつける人はいなかったか。俺はそんな感じでプレイするつもりだけどね)

 

 キャラクターネームを決めるパネルが閉じると、別のパネルが現れた。それと同時に様々な武器が辺りを浮遊し始める。現れたパネルには、現在浮遊している初期武器の紹介やステータスなどが書かれている。

 

(う~ん……なるべく小回りの利く武器で、そこそこSTR(攻撃力)AGI(素早さ)の高いのは……短剣だな)

 

 自分の周りに浮かぶ武器のステータスを一通り見て、最終的に短剣を選択した。

 最後に設定するのはステータスポイントだ。与えられた100ポイントをHP(体力)MP(魔力)STR(攻撃力)VIT(防御力)AGI(素早さ)DEX(器用)INT(知力)のそれぞれに振り分ける。

 このステータスポイントはスキルの取得条件だったりクエストのフラグにも関わってくるので、各々目指すプレイスタイルによってどのステータスにどのくらい振るのかは変わってくる。

 

(でもこれは既に決めてる。俺の目指すプレイスタイルは、とにかく素早く隠れて相手の急所を狩る暗殺スタイル! だからSTRとAGIに50ずつ振ろう!)

 

 人によっては相当悩む場面だが、蒼汰の場合は既に振るステータスを完全に決めていたのでものの数秒で完了した。

 

(これで、ゲーム開始だ!!)

 

 蒼汰の体が光に包まれる。光が収まり目を開けると、そこは活気あふれる広場だった。

 

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