今日は高町道場にお邪魔してます。なのはさんのお父さんは昔SPみたいなのやってて重体になるほど怪我を負った。その時のリハビリの経験が僕の役にも立つんじゃないかなと思いついた。ついでに槍もちょっと習える。まあ体力が全く追いついていないんだけどね。なのはさんのお父さんたちにも技術はあるのに体力がない、チグハグな状態と評価されたよ。
「助かります。槍は私では教えられないので」
シグナムがなのはさんのお父さ……めんどくさいから士郎さんにお礼を言った。士郎さんはこちらもいい稽古の相手が出来たと喜んでる。なのはさんの兄貴、恭也さんはザフィーラと組手をしている。魔法バレしたからね、ザフィーラも知ってる人の前なら人型になるよ。恭也さんは魔法という未知の力相手に不敵な笑みを浮かべて稽古に夢中だ。対するザフィーラは無表情で構える。
「はやてくんはここまでにしようか。風邪をひくといけないから、お風呂に入っておいで」
「はへ〜、お借りします」
連れ立って来ようとするシグナムを制した。何か楽しそうにしてるんだもん。部下の楽しみを取る上司は駄目だよ。そんな最低な主にはならないよ。
フラフラと覚束ない足で道場から離れた高町本宅へ入る。むむ、まだまだ足の鍛え方が足りない。踏み込みもダンッとか音しない、ギシッと床が軋むだけ。全力疾走しても30mがいいところ、しかもなのはさんより遅い。自分より遅い人がいるという事実になのはさんは輝いていた。下見て安心するのは駄目だよ。僕がまともに走れるようなったら、なのはさんは絶望するんだろうなあ。なのはさんと仲良く鈍足でも別にいいけど。一人じゃないっていいもんだね。ダメな思考だけど。
それにしても人の家のお風呂って何か落ち着かないね。高町家のお風呂は普通サイズだよ。僕の家のほうが広いね。介護する人も一緒に入ってたから、広く作ったんだと思うよ。
「あら、入ってたのごめんね〜」
何故かなのはさんのお母さん、桃子さんが入って来た。何故この時間に?僕が入ってたので出て行こうとしたけど、僕は借りてる方なので出ますって言ったら、なら一緒に入りましょとなった。予定外だけどラッキーだ。子供だと見られても気にしないのか全く隠そうとしない。これが本当に30代なのか⁉︎若すぎる!
桃子さんはシャワーをサッと浴びると湯船に入って来た。下のほうも良く見えるよ!意外と薄い!
「狭くてゴメンね〜」
全然大丈夫だよ。向かい合うように座った桃子さんは、僕がいるので足を少し開いている。うむ、水面が揺らいで見えにくいけど絶景かな。
「ブクブク……」
マナー悪いと言わないで!桃子さんと何を話していいか分からないんだよ!
「はやてくん、おいで」
What⁉︎何ですか?流石に今回は何もしてないし、するつもりはないよ!遠慮がちに近寄るとえいっ!と引っ張られてしまった。
「わぷっ⁉︎」
おう⁉︎抱きしめられたぞ、あくしろよ!何やってるんですか桃子さん⁉︎僕はまだ死にたくないんです!士郎さんとTE☆A☆WA☆SEしたくないんです!はなして!
「mgmg」
桃子さんのBO☆SE☆Iに包まれて身動きの取れない僕。
「母さん、入るよー」
この声はなのはさんのお姉さんの美由希さんジャマイカ!入ってくるって⁉︎流石にもう遠慮しますよ。高町父兄と特別な稽古したくないんで!しかし非力な僕は桃子さんにしっかり抱きしめられて、抵抗しても無駄な感じ。さっきの稽古で疲れてるし、力出ないよ。
「あはは、いるいる。はやてくんお邪魔しまーす」
うぉい!何で僕がいるか確認してから入ってくるんですか!こんなところにいられるか!僕は家に帰るぞ(フラグ)!
「こらこら、暴れないの」
ダメだ、こんなところ見つかったら、少し頭冷やすどころではすまない。ヘルプ!シグナムヘールプ!トレーニングストップ!おいィ⁉︎何で念話無視するんですか!聞こえてるでしょう?主がピンチだよ!早く来てよシグえもん!
「駄目だよ。今日は逃がさないからね?」
美由希お姉さん?何が逃がさないの?僕は何もしてないよ!無罪だ!無実だ!弁護士を呼べ!黙秘する!
「ねぇはやてくん。どうして私たちを避けるのかな?」
怖いおじさんとお兄さんがいるからです!
「お父さんも恭ちゃんもキビシイからね。私もよくシゴかれたよ」
いや、そういう意味の怖いじゃないんですけど。謎の精神的プレッシャーが。
「はやてくんは病み上がりなんだから無茶したらダメよって士郎さんに言っておくわね」
それは助かるよ!正直キツい。足どころか全身プルプルしてるからね。一体どんだけ追い込むのって感じだった。
「でもそれだけじゃないでしょ?何を気にしてるのかしら」
何もないよ!僕にはおっぱいしかありませんから!気にしなくていいよ!
「こっち向いて話そうね」
オウフw後ろから美由希お姉さんが僕の頭を桃子さんのほうへ強制的に向けた。あ、おっぱい当たってますよ。
「…………」
「なかなか強情ね。でもこうするとどうかしら」
「ほわっ⁉︎」
桃子さんと美由希お姉さんがおっぱいを押し付けてくる。親娘サンド⁉︎すげえ!じゃねぇ、はわわわわわ⁉︎もう駄目だぁ、おしまいだぁ…….
「シグナムさんが言ってたわ。はやてくんは家族にとても憧れてるって」
なぬ、シグナムがそんなことを?
「あといつもおっぱいに甘えてるって聞いたわよ」
おいィ⁉︎主の痴態をバラすとか何考えてんですか?
「ほらほらこれがいいのかな?」
あ〜おっぱいが⁉︎アーッ!ここが天国⁉︎
「ぷくくく、可愛い」
美由希お姉さんは変な声で僕を笑う。なんて人だ、いたいけな少年を弄ぶなんて!
桃子さんが言うにはおっぱいするのは母性を求めてるから、筋肉するのは父性を求めてるから。要約すると父母の愛を求めての行動らしい。イコール家族愛に飢えてるとの事。
家族愛があったとしても僕はおっぱいを求める事をやめないし、筋肉センセーションもやめないよ。
「はやてくんは辛いんじゃないの? 家族を見るのが」
「…………」
ぐぬぬ、こんなところで原作はやてちゃんの影響を受けるとは。ぶっちゃけると高町ファミリーを見てると何とも言えない気分になって居づらくなる。なのでついつい目を逸らしたり、無意識のうちに距離をおいたりしている。僕も最近気付いたんだけどね。まさかバレていたとは思わなかった。なんで分かったの?
「シグナムさんだけじゃないわ。貴方の家族が貴方を見てるからわかったのよ。自分達は本当の意味では家族になれないって言ってたわ」
「……そんな事ないです。シグナムたちは家族です」
「でもそれはお父さんやお母さんじゃないでしょ」
痛いところを桃子さんは突いてくる。わかってる、守護騎士たちは家族になれても両親の代わりではない。そんなことは僕が一番分かってる!
「すずかちゃんも両親はいないの。そういうところではやてくんとすずかちゃんはお互いに惹かれたのかもしれないわ」
ここですずかちゃんの事ですか。確かに月村家は両親がいないため忍お姉さんが当主になっている。つまり既に死別しているということだ。少なからずすずかちゃんも僕と似たような感情を抱えているかもしれない。無意識の事かもしれないけど、そこに共感した可能性はある。傷の舐め合いかもしれないし、唯の依存かもしれない……良くはないけど。
「要するにはやてくんには親の愛が足りないのよ」
「そうそう」
なるほど、つまり?
「桃子さんに甘えなさいってことよ♡」
「ウェーイ‼︎」
「お姉ちゃんにも甘えなさい!」
まあ守護騎士も高町ファミリーも僕を心配してくれてるのは分かったよ。これは遠慮する方が無粋かな。しかし愛云々以前に僕にはやることがある。
そ ん な こ と よ り お っ ぱ い だ !
ぎゅーっと桃子さんのおっぱいに抱きつくよ。桃子さんはあらあらと言って頭を撫でてくれる。顔をスリスリすると桃子さんのおっぱいが形を変えて僕の頬を柔らかく撫でる。大きさはリンディママの方が上かな?感触は温かいプリンを触ってるような感じだ。触ると形を変えるけど、手を離すとぷるんっと元に戻る。さすがパティシエだ。え?おっぱいとパティシエは関係ない?そうだね、おっぱいだね。
ちょっとくらいなら吸ってもいいかな?桃子さんの顔を見てお願いしてみた。
「桃子さん……」
「なぁに、はやてくん」
「あの…その…」
流石に美由希お姉さんのいる前では恥ずかしいので耳元で囁く。すると桃子さんは美由希お姉さんに出るように言ってくれた。まだちょっとしかお風呂に入ってないのに美由希お姉さんは席を外してくれた。ゴメンね、美由希お姉さん。美由希お姉さんが出て行ったのを確認すると桃子さんはどうぞ♡と言って上半身を湯から出してくれた。重力に従っておっぱいが少し下がり、本来の正しい形に。
僕はペタンと座る桃子さんの足に跨ると均整のとれた胴に抱きついておっぱいを口に含む。先端は少し硬くてコリっと出来そうだ。ほんの少し歯で甘噛みすると口内に甘い味が広がった。
「こら、ダメよ♩」
おいたをする僕を優しく叱る桃子さん。けど今はそんなことは重要じゃない。母乳が出てるよ⁉︎気になるので反対のおっぱいも吸い付くと甘い味がした。どうしても気になった僕は桃子さんのおっぱいの先を摘まむ。すると白い母乳がピューっと出て来た。うぇ⁉︎桃子さん妊娠してるの?どうやら体質で妊娠してるわけでもないみたい。甘いのはパティシエだから?甘いものの味見してるから?コーヒー飲んでる人は苦いのか?よくわからないけど、桃子さんのは甘くて美味しい。けど母乳を吸おうとしても上手く出ない。どうもコツがあるみたい。牛の乳搾りじゃないけど、舌の使い方が重要っぽい。桃子さんのおっぱいの先端を舌で突ついたり、転がしたりしているとちょっと出た。上手く出ないので両手でおっぱいを掴んで、ムニムニしながら舌で先っぽを押し潰すとちょっとマシな程度に出た。まあ、あんまり出ないけど美味しいから夢中になるよ。同んなじ方ばかり吸ってると出にくくなるのかな?反対側を吸ったけど変わらない。ちゅっちゅっと音を立てながら吸い付く。ああ、美味しい。リインフォースやシグナムもおっぱい出たらいいのに。
「はやてくんは甘えん坊ね♡赤ちゃんみたいよ」
桃子さんは結構童顔なので可愛い顔をしている。その上笑顔を絶やさない、優しいし甘やかしてくれる。確かにこんな母親欲しい。もうマザコンでいいや。美味しい桃子さんのおっぱいを心行くまで味わった。結構出るらしく、搾乳していると言っていたよ。母乳は使い道がないので捨てるらしい。こっそりまた吸わせて欲しいとお願いすると、快く了承してくれた。え?いいの⁉︎リンディママより先に合ってたら桃子さんをママと呼んでいたかもしれない。うちの子にならない?と聞かれたけど断腸の思いで断った。未亡人だったら結婚してたな。
この日は何故か高町家に預けられた。僕として帰りたかったけど、たまには守護騎士だけになりたい時もあるだろうと空気を読んで泊まることにした。なのはさんはお泊まりだからと、一緒に寝ようとさも当然のように言ってきた。うるせぇユーノと寝てろ。僕は桃子さんのところへ行く。しかし士郎さんがいるので断念した。代わりに美由希お姉さんのところへ行くことにした。
美由希お姉さんは勉強をしていて、先にベッドで寝ていいよ言って続きに取りかかった。これが女子高生のベッドか(ゴクリ)勝手ながら枕に顔をつけてスンスン匂いを嗅いでみると、シャンプーの香りがする。流石JK、美由希お姉さんはケンジツの稽古でよく汗をかくから匂いには気を使ってるのかな?香水とかプレゼントしてあげると喜ぶかも。ベッドを温めるだけじゃ退屈だ。美由希お姉さんの勉強をちょっと覗いてみよう。ふむふむ、なるほど図書館で詰め込んだ教科書の内容まんまだなあ。あ、ここ間違ってますよ。
「嘘っ⁉︎」
ここは公式をこうするんだよ。ほらね、簡単でしょ?
「じゃあここは?」
ここはこう。公式さえ覚えておけば後は応用だよ。
「小学生に教えられる高校生って……」
僕の頭脳は原作はやてちゃんのおかげで高スペック。リリカルな魔導師の皆さんは魔法プログラム故に理数系がぶっ飛んだ成績になります。朝飯前だね。その上僕は本を読むのが好きなはやてちゃんの影響で僕も本好き。読むのも早いし、一度見たら覚えてる。完全記憶能力?インなんとかさんみたいなものなのかな?美由希お姉さんは文学少女な側面もあるので文系は問題なさそう。そのせいで目が悪くなったみたいだけど。美由希お姉さんはメガネを外すと髪も解いてるのも手伝って凄い美少女になる。なんであんな野暮ったいメガネするんだろう?もっと似合うやつにすればモテるのに。聞くところによるとなのはさんの兄貴がそうしろって言ったらしい。なるほどね、意外とシスコンなのかもしれない。
僕の指導?もあって勉強は早く終わった。美由希お姉さんは小学生に負けたとかいってるけど、途中から開き直っていた。こういうところは逞しいと思うよ。
「ああ〜うちにこんな子欲しい〜。うちの子になってよ」
美由希お姉さんは頬っぺたをスリスリしてくる。ほんのりフローラルな香り。さっきも桃子さんに言われたけど、僕には守護騎士という家族がいるからね。ゴメンね。
「はやてくんのおかげで早く終わったよ〜。お礼は何がいい」
「え? いえ、別にいいですよ」
「子供が遠慮しないの、お姉ちゃんに任せなさい」
うーむ、お礼とか言われてもなあ。
「えーとじゃあ目を閉じて欲しいです」
「?これでいいの」
チュッと美由希お姉さんの唇にキスをさせて貰った。美由希お姉さんはえ?と目を開けて唇を触っている。うん、おっぱいはいいんだ。だって美由希お姉さんが美少女すぎるのが悪いんだ。美人の忍お姉さんや可愛いすずかちゃんとはまた違った異性の魅力に僕はメロメロ(死語)だよ。あ!すずかちゃんより先にキスしちゃった、やべぇ!守護騎士?リインたちは家族だからいいんだよ。守護獣のザフィーラにペロペロされても僕は何も思わないよ。それと同んなじだよ。人間の異性という意味では初めてやってしまったかもしれない。
「あの初めてなんで、内緒に……特にすずかちゃんには」
「え? 今したの? 私に? え、嘘⁉︎」
なんか美由希お姉さんは僕の話を聞いてない。現実を受け入れられてなくて混乱してる。
「え、なんで? どうして? 私だよ?」
どうやら自分の美少女っぷりを自覚していないみたいだね。花のJKとは言え、やってることはケンジツに文学少女がメインだ。異性との云々は経験がないっぽい。
「美由希お姉さんは綺麗で可愛いです。それに僕みたいな子を気にかけてくれるくらい優しいし」
高町一家は基本的に善人で優しいのだ。美由希お姉さんはまだ女子高生だし、隠れた魅力を持つ美少女だ。例えるなら隣の家のお姉さんに恋心を抱く少年。まさにこれだよ、自分の事だけど。まあこういうのって叶わないからね。ちょっとくらいこういうことしても許してよ。
「そ、そうかな〜」
「そうですよ。僕だったら美由希お姉さんみたいな人と結婚しますよ」
「ええやだ結婚なんて」
なんか美由希お姉さんはクネクネしはじめた。どこぞの都市伝説か。終いにはトリップして、私って可愛いとか、はやてくんと結婚とか呟きだした。これは大丈夫なのか?
「あの……」
「ああ、結婚式は教会で……」
「もう遅いので寝ませんか?」
「え⁉︎ ああ、本当だ。もう寝なきゃね、一緒に寝ようね」
美由希お姉さんは僕を軽々と抱っこすると、巣に獲物を引き込む昆虫みたいに素早くベッドインした。美由希お姉さんはえへへ〜とニヤけながら、僕を胸に押し付けて狭いベッドを器用にゴロゴロと転がっる。おっぱいはいいんだけど、凄く寝辛いです……。
次の朝、起きると裸だった。隣の美由希お姉さんも。おかしいなあ僕は服を着て寝たはずだぞ、なんで服を脱いでるんだ。いくらおっぱい好きの僕でもここまではしないよ?本当だよ!
「あ、おはようはやてくん。んっ」
「⁉︎」
なんだか知らんがキスされている。おはようのキスは守護騎士たちといつもするけど、相手は美由希お姉さん。どうしてこうなった……。結構長いキスだ、ちゅっちゅと何回も啄ばんでくる。エロい。唇が離れた美由希お姉さんの顔は上気していて女の顔になっていた。もしかしてアレかな、初めて異性的な扱いを受けて感情が天元突破したというやつではなかろうか。僕も初めておっぱいしたときは舞い上がってたし。こういうのは現実を見て冷めるのを待つしかない。美由希お姉さんは僕を抱きしめて頬ずりする。肌が密着して温かくて柔らかい。とてもケンジツしてるとは思えない体とおっぱいだね。子供の僕が美由希お姉さんから逃げられるわけないので諦めよう。諦めておっぱいを頂こう。
「あっ♡」
しばらく美由希お姉さんに付き合うと、朝の稽古に連れて行かれた。朝からやるの⁉︎僕まで⁉︎
「〜♩」
「どうした美由希、ご機嫌だな」
「そうかな?」
美由希お姉さんは明らかに上機嫌だ。正に気分は有頂天と言ったところかな。木刀を二本持って、僕には槍術用の棒を持たせた。
「さ、いくよ。はやてくん♡」
「ええ⁉︎」
何故か僕に稽古をつける美由希お姉さん。その打ち込みは昨日までの手加減したものでなく、僕が必死になって辛うじて捌けるレベルのものだ。流石にヤバいのでちょっと魔法で身体強化しておく。リインがいないのが悔やまれる。ないよりはマシと言った程度。二刀による連撃を棒の後ろに隠れてやり過ごす。勿論、棒に打ち込まれるので衝撃で手がビリビリ痺れる。
「お、おい、美由希もう少し手を抜いてやれ」
「何かな恭ちゃん?」
「いや何でもない」
ちょっと恭也さん!あんた何引っ込んでるんですか!御神の剣は人を護るんじゃなかったんですか?え、不破だから違うって?そ、そんな!
美由希お姉さんのKE☆I☆KOは苛烈だった。終わった頃にはボロ雑巾と化した八神はやてがいた。美由希お姉さんはちょっと打ったり擦りむいたりしたところを丁寧に治療してくれる。出来たらもう少し手加減してくれませんかね?
「主はやて、お迎えにあがりました」
高町道場で休憩しているとシグナムとシャマルが迎えに来てくれた。おお、シグナムとシャマルが天使に見える!しかしそこに美由希お姉さんが立ちはだかった。
「はやてくんはうちの子になります! そして私のお婿さんにします! お引き取りを!」
「何⁉︎」
おい、待てやコラ。いつそういう話になったんだ。美由希お姉さんは小太刀を二刀構えて本気の様子。というかそれ真剣じゃ……
「ふ、囚われの主を助けるのも騎士の勤め……レヴァンティン!」
シグナムはノリノリだ。おい、デバイスしまえよ。
「いざ尋常に」
「勝負!」
申し合わせたように始める二人。僕と恭也さんはポカーンと口を開けて呆けていた。目の前で繰り広げられる人外染みた戦闘。美由希お姉さんの攻撃は冗談などではなく目に見えない。振り回してるのが分かるのはシグナムがそれを迎撃して音がするから。キィンと刃のぶつかる音が連続して響く。動き回るたびに床が割れたり、壁が壊れたりしている。
距離が開くと美由希お姉さんは手から針を投擲、目視では点にしな見えない飛来物をシグナムは見えているかのように避ける。そこへ針を追いかけるようにして接近していた美由希お姉さんは鉄線をシグナムに巻きつけた。予想外の鉄線に拘束されて身動きが取れないシグナム。美由希お姉さんはフェイトちゃんのソニックムーブ並みの瞬間移動でシグナムの背後に回り小太刀を振りかぶった。
「貰った!」
「シグナム!」
思わず叫ぶ僕。シグナムは驚くべきことに鋼糸と呼ばれる鉄線を引き千切った。マジかよ!
「甘い!」
「嘘っ」
「紫電一閃!」
拘束を解いたシグナムは大振りな美由希お姉さんの攻撃を躱して、炎を纏った一撃を叩き込んだ。美由希お姉さんは受け止めた小太刀ごと吹き飛ばされて壁に叩きつけられた。非殺傷設定だとは思うけど、大丈夫なの?
「安心しろ、峰打ちだ」
それはギャグで言っているのか?炎を纏った剣を峰打ちして意味あるんですか?騎士甲冑を展開していなかったシグナムは鋼糸を無理矢理引き千切ったせいで血塗れ、美由希お姉さんは炎に焼かれ服がボロボロで所々煤けている。火傷とかしてないよね?というかシグナム大丈夫なの。
「主はやては返して貰うぞ」
「うう……」
なんと美由希お姉さんは意識があるようだ。あれを受けて意識あるとか流石戦闘民族高町家。勝ち誇ったシグナムの表情が印象的だった。シグナムの怪我と美由希お姉さんのダメージはシャマルが治してくれたよ。ボロボロになった服はお互い様ということで。見るも無残な道場は結界を解除すると元に戻った。何時の間に結界を……
「私は諦めない!」
美由希お姉さんはもう復活していた。シグナムは何時でもかかって来いと不敵に笑って、僕をお姫様抱っこして立ち去った。え、ナニコレ?これで終わり?
イ、イイハナシダッタナー(誤魔化し)
おっぱいマスターはやて 〜ミルキーはママの味、少女剣士の敗北〜 完
ひどいオチだ。
ご愛読ありがとうございました。