おっぱいマスターはやて   作:暗黒パンパース

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十三とナンバリングしていますが、時系列的には事件解決直後あたりの話だと思ってください。



十三

 闇の書事件を解決した?僕は聖王教会へ古代ベルカの歴史的重要文化人として招待を受けた。古代ベルカのロストロギアを所持する僕に当時の記録を持つ夜天の書(リインフォース)の協力を得たいと交渉するためだ。ここはしっかりと交渉しておかないとね。タダ働きはごめんだよ。

 

「初めまして夜天の王、私は聖王教会騎士兼、時空管理局理事官のカリム・グラシアと申します」

 

 あれれ?カリムさんじゅうさんさいと会うのはもっと先だったような気がするんだけど?しかもヴェロッサとシャッハらしき人物も一緒にいるっぽいし。シャッハとヴェロッサと言えばかなり厄介な特殊能力を持っている困ったちゃんだ。

 シャッハは6番ちゃんほどじゃないけど、物質を透過する跳躍みたいな魔法を使用する。つまり壁抜けが出来るのだ。6番ちゃんみたいに自分以外も出来るかどうかは不明。戦闘能力がとても高くてシグナムクラスの実力を持つ。でも空戦適性がないっぽいから飛んでいれば何とかなりそう。転送か転移か知らないけれど、その辺の魔法が得意らしい。

 ヴェロッサは無限の猟犬(ウンエントリヒ・ヤークト)というチートに思考捜査という反則紛いのスキルを保有するイケメンだ。無限の猟犬(ウンエントリヒ・ヤークト)は魔力で生み出した猟犬を放つことで、遠方の探査・捜索を行うことが可能な技能。目視や魔力探査にかかりづらいステルス性能に、目や耳で確認した情報を本人に送信・あるいは記憶しておくことができるらしいよ。精製時に込められた魔力が尽きるまで自立行動を行い続けて、その活動はヴェロッサの魔力に依存しないから運用距離の制限はないんだって。反則でしょう、これは。しかも陸・海・空を移動可能、セキュリティ・障害物を越えての建造物への侵入、コンピュータにアクセスしての情報収集まで出来る。猟犬の名の通り単体での戦闘活動もおk。防御力も高いから並のセキュリティでは破壊されない。スカえもんのセキュリティのセンサーには流石に引っかかって破壊されたけど、それが原因でスカえもんのアジトが暴露た。うん、チート乙。

 カリムは預言者の著書(プロフェーティン・シュリフテン)という未来予知のレアスキルを持つ教会のお偉いさんだ。年齢は知らないよ?本当だよ!ヴェロッサが年下というのだけは分かるけど。歳はどうでもいいんだ、歳は。このレアスキルは未来予知と言うか、予言というか啓示というか……僕もよくわからない。ただこの予言はいつの事なのかわからないという点と古代ベルカ語の詩文で書かれるという微妙に不便な技能なのだ。つまり!10年後20年後という事もありうる……というのは冗談で最長でも数年先までの予言らしい。

 

「座ったままですいません。僕が夜天の書を持つ、八神はやてです」

 

「お気になさらず、足のことは伺っております。しかし闇の書を打ち破った英雄がこれほど幼いとは驚きです。ましてや不自由な身で大業を為すとは歴史に残る所業です」

 

 一応褒めてるのかな?二桁にも満たない年齢の子供が、長きに渡る負の連鎖を打ち破ったとは俄かに信じ難いもんね。

 

「僕一人の行いではありませんよ。ひとえに時空管理局の皆様の協力があったからこそです」

 

 とりあえず謙遜しとけばいいんじゃね?それに守護騎士やなのはさんとかいなかったら僕はここにいなかっただろうし。

 カリムはご謙遜をみたいなことをオホホな笑顔で喋っていたけど、古代ベルカが絡む事件に教会が一切関わっていないのが悔やまれるという感情がありありと見えていた。教会も大変だね。だからこそ僕を古代ベルカ重要文化人に指定することによって、歴史的観点から教会側に確保しようとしているのだろう。

 対して管理局も栄誉嘱託魔導師という意味不明な肩書きを押し付けて牽制している。けれど管理局は僕を始末しようとした経緯がある。グレアムおじさん個人の策略だとしても関わったのは管理局。正当な理由も動機もあるし、何より闇の書で被害者が何人も出た。でもそれは裏の話、表立っては闇の書を打ち破った、現代に覚醒した古代ベルカの騎士ということになっている。管理局には闇の書事件に協力したということで手打ちにして欲しいもんだね。それでも強引に来る場合はリンディさんに渡したヤバい証拠を使って上層部を失脚させてさようならだ。

 

「ところでそちらの二人は?」

 

「これは失礼しました。こちらは私の義弟のヴェロッサです」

 

「ヴェロッサ・アコースです。気軽にロッサとでも呼んで下さい」

 

 ヴェロッサ……ロッサはちゃらんぽらんなイメージがあったけど、こうして対面すると真面目だなあ。初対面だから敬語だし、直立不動で背筋も伸びている。もしかしてシャッハにしつけられたのかな?

 

「彼女はシャッハ。私のお付きでロッサの教育係でもあります」

 

「シャッハ・ヌエラです。私の事はシャッハとお呼び下さい」

 

 残念なことにシャッハはおっぱい大きくない。カリムはそこそこあるみたいだね。ロッサは男の子だよ。クロノくんと同い年くらいかな?筋肉がつくような年じゃない。将来に期待しよう。それにしてもこの時期に僕と接触をするとは思わなかったよ。一体何が狙いなんだろうね。可能性としては預言者の著書(プロフェーティン・シュリフテン)の文章解読が有力だね。

 僕も守護騎士たちを紹介し返すと早速本題に入った。予想通り預言者の著書(プロフェーティン・シュリフテン)の翻訳と未解明の資料を解読するお仕事を頼まれたよ。引き受けてもいいけど条件がある。

 

「条件……ですか。報酬なら十分に用意しておりますが……」

 

「簡単です。僕のお友達にそういうのが得意な人が一人いるので、その人も加えて欲しいだけです」

 

「はぁ、ですがその方一人でいいのですか? 一人増えたところで作業量は大したことがないのでは?」

 

 ふふふ、今の発言を後悔することになるよ。僕も面倒な仕事は早く終わらせたいからね。多少報酬が減ってもいいから効率良く進めたい。

 

「その方のお名前を伺っても?」

 

「ユーノ・スクライアと言う名前です」

 

 後日、ユーノくんを連れて教会を訪れた。ユーノくんは快く引き受けてくれたよ。持つべきものは友だね。魔法に関してもユーノくんは僕の心の師匠だよ。個人的にはクロノくんよりユーノくんのほうが好きかな。

 

「引き受けてくれてありがとう、ユーノくん」

 

「気にしなくていいよ、僕も古代ベルカには興味あったしね」

 

 カリムたちにユーノくんを紹介して、資料のある所へ案内してもらった。ユーノくんの場を整えるために閲覧用の机と椅子を全て別の場所に移して貰ってある程度の広さを確保した。

 

「それじゃ始めます」

 

「あの……何も用意されていないようなのですが?」

 

「ああ、気にしなくていいですよ。ユーノくんは」

 

 魔法を使うからと僕が言う前にユーノくんが魔法を使ってしまった。ジャンル分けすらされていない古文書がユーノくんの検索魔法により調べられて手元に移動。読書魔法により10冊くらいの本が超スピードで読み終わり、マルチタスクにより翻訳、解読されている物と照らし合わせて次々と処理されていく。流石ユーノくんだ、僕も早速始めようかな。ユーノくんに習った検索、読書魔法を使って同じことを始める。もちろん僕はリインフォースに手伝ってもらうよ。僕は読むのは早いけど解読はユーノくんより遥かに劣る。リインフォースに手伝ってもらっていてもだ。それだけユーノくんが優秀なのと、こういう仕事を小さい頃から繰り返ししてきただけあってキャリアが違う。

 

「はやては凄いね。その読む速さと翻訳スピードは凄まじいの一言だよ」

 

「それを言ったらユーノくんの解読はおかしいんじゃないかな。解読というより、すでに内容が分かっていますってレベルだよ。それにこれはリインに手伝ってもらってるからね」

 

 僕とユーノくんの処理スピードにカリムたちはポカーン状態。出来上がったレポートはシャマルが処理してくれている。資料不足で翻訳・解読出来なかったものはヴィータにまとめて別の場所に置いてもらう。シグナムは畑違いなので教会騎士の訓練に行ってるよ。古代ベルカ式を使うシグナムに教会騎士さんもウキウキワクワク。シグナムも腕を振るえて大満足。ザフィーラは僕の椅子になってるよ。護衛もできて、モフることも出来るので一石二鳥。アギトは僕の肩で作業を眺めてる。あ、面白い資料発見。

 

「ねぇ、見て見てユーノくん。えっちな本だよ」

 

「ブッ⁉︎」

 

「あ、触手召喚魔法だって。今度使ってみてよユーノくん」

 

「ブフォッ⁉︎」

 

 なんていうこともありつつ、僅か数日で仕事は終わった。これ僕がいなくても一週間で終わったんじゃない?僕完全にいらない子だったかも。

 あまりの早さにカリムは吃驚、ヴェロッサことロッサは顔を引きつらせ、シャッハは脳筋気味なのか早く終わって良かったですねとか言ってる。

 

「はやてのお陰で興味深い資料が見れたよ、ありがとう」

 

「こちらこそ、ユーノくんのお陰で早く終わったよ。ありがとう」

 

 一気に仕事が終わったため、カリムはその発表で大忙し。秘書的な役割のシャッハも今になって僕たちのやったことが理解出来たらしく大慌て。ちなみにロッサは逃げたよ。僕とユーノくんのお仕事は終わったからね、あとは教会のお仕事だよ。頑張ってね(ゲス)

 関係ないけど残念ながらカリムのおっぱいは触れなかった。シャッハのほうは車椅子から立ってみると言って手を貸して貰って、力のない足に任せて胸にダイブした。シャッハは受け止めてくれたけど、硬かった(残念)。シャッハさん鍛えすぎでしょう。いい筋肉がついているかもしれないので、是非脱いで欲しいけど無理だろうなあ。

 そんなお仕事を繰り返していたある日、聖王教会で管理していた聖王の聖遺物が盗難にあったらしい。聖王教会にいた全員が取り調べを受けた。その結果、聖王教会の名前も顔も知らない誰かがいなくなったけど僕には関係ないね。問題は盗んだのが誰かと言うことだ。大体予想がつくけど。

 聖王教会に滞在している間はお世話係が着くので、守護騎士たちの負担も少し減る。ここにいるシスターはみんないい人だよ。おっぱいポヨンポヨンしてるし、触っても怒らない。それどころか何故か聖母の微笑みを向けられる。ナズェナンディス?もしかしてそんな決まりがあるのか⁉︎

 そんな僕は教会のシスターを取っ替え引っ替えして、お世話されている。勿論、お風呂もね!教会騎士の男性たちがぐぬぬ顔になってたけど、足が不自由だからゴメンねw

 そんなわけで今日もお世話されるよ!

 

「はやて様、湯浴みの時間です」

 

「もうそんな時間かー、ユーノくんも一緒にどう?」

 

「い、いや、僕は遠慮しておくよ」

 

 毎回ユーノくんも誘うんだけど断られる。ユーノくんは可愛いから教会のシスターにも人気なのだ。あの広い浴場でシスターたちに大層可愛がられるだろうに勿体無いね!代わりに僕が可愛がられてくるよ!ありがとうユーノくん!

 

「痒いところはありませんか?」

 

「もうちょっと全体的に」

 

「かしこまりました」

 

 僕はシスターさんに抱っこされながら、頭を洗ってもらってるよ。シスターのおっぱいに抱きついているだけで、全て全自動で終わる。大変素晴らしい。やはり聖王教会に来て正解だった!管理局だとこうはいかないかもしれないからね。あ、でもリーゼ姉妹がお世話してくれそう。そう考えるとちょっと惜しい。

 

「ねえシスターさん。他のシスターズは元気にしてる?」

 

「はい、修道女一同特に問題なく……」

 

「違う違う。()()()は元気かなって聞いてるんだよ、()()()()()

 

「⁉︎」

 

 おー、驚いてる驚いてる。その隙におっぱいおっぱい。流石スカえもんの娘だ。どれも粒揃いのおっぱいをしている。五番六番八番は残念だけど、大きくはならない。けど僕は小さくても問題ない。おっぱいに貴賤無し!

 

「何故……いえ、いつから気づいたの」

 

「一目見た時から」

 

「そんな馬鹿な……」

 

 二番ちゃんはIS・ライアーズマスクを解除すると本来の姿に戻った。結構深刻な顔をしている。見破ったのがそんなにショックだったのかな?どうして見破れたのか、ドクシャ=サンは分かるよね。そう、原作知識だ。詳細は不明だったけど盗まれるのは分かっていた。でも一目見ただけでわかるわけないよね。でも僕はわかっちゃったんだ。何故か備わっている完全記憶能力とおっぱいセンサーによってね!つまり一度見たり、触ったりしたおっぱいは忘れない。ましてや南国リゾート無人世界で迂闊にも僕におっぱいを接触させてしまった二番ちゃんの技能は僕には通用しない!おっぱいマスターはやての題名は飾りじゃない筈。

 

「大丈夫だよ。僕しか気付いていないし、誰にも言わないからね。スカえもんにはなのはさんを焚き付けてくれた借りがあるからね。そんな不義理なことはしないよ(モミモミ」

 

 それにしても随分と僕のお世話に力が入ってたね。どうしてなのかな、もしかして僕に惚れちゃった?

 

「いいえ、チンクとセインが気に入っているので。それに貴方のお陰で聖遺物が随分と簡単に盗めたわ。そのお礼とでも思って」

 

 うん、分かってた。しかも惚れたの部分はスルー。さすがクールビューティー。話を聞くと僕とユーノくんが一気にお仕事したから、善は急げと資料などを教会が一気に持ち出したりしたから警備が緩くなっていた。そこにつけ込んでチャンスをものにしたらしい。あれ?もしかして半分は僕のせい?

 

「半分どころか大半は貴方のおかげよ」

 

 そう言って二番ちゃんは僕の顔をおっぱいに抱き込んで頭なでなで。はうあ⁉︎癒されるぅ!胸がポカポカしてヘヴン状態!も、もしやこれが有名なナデポなのか!でも普通逆じゃないですかね⁉︎僕がされるほうかよ!

 

「お願いがあるの、いいかしら」

 

 二番ちゃんの蕩けるような甘いピンクボイス。これか!このおっぱいで教会のアホンダラをタラしこんだんか⁉︎

 

「ぐぬぬ、この綺麗な体を何処の馬の骨とも知らないクソ野郎に……ぐぬぬ」

 

 大事なことなので二回ぐぬぬ。女の子は綺麗なままの体でいて欲しいのに、任務とはいえこのようなことになるとは……許せん!あ、僕が穢すのは別ね。

 僕が悔しがっていると二番ちゃんは意外な表情をして驚いていた。え?今の何処に驚く要素があったんですか?自分の心配をされたことが意外?そんなことはないよ。いくら自分がスカえもんの兵器だの作品だのとは言っても娘でもあるんだから心配くらいするさ。それに職人は道具や材料まで大切にするんだよ。科学者も似たようなところあるよね。そんな僕は自称・おっぱい職人。

 

「うふふ、悪い気はしないわね」

 

 クールビューティーが微笑むとか反則だ。惚れてまうやろー!ハッ⁉︎まさか今のが伝説のニコポ!危うく二番ちゃんに魅了されるところだった!なんかもう手遅れっぽいけど問題ないぜ!僕にはリインフォースという究極のクールビューティーがいるんだからね!で、お願いってなんですか?

 

「プロジェクトFの成功体、フェイト・テスタロッサお嬢様をラボに連れてきて欲しいの」

 

「それは難しいよ」

 

「あら、出来ないとは言わないのね」

 

 フェイトちゃんをだまくらかすのは簡単だ(外道)問題は他の人をどうやって誤魔化すかと、フェイトちゃんに対する良心の呵責だ。純粋なフェイトちゃんを騙すとあっては、僕もいよいよフェイトちゃんに対して責任を取らなくてはいけなくなる。ん、待てよ。フェイトちゃんの将来はおっぱい大きくなるんだったね。じゃあ、いいや。問題はすずかちゃんにどう言い訳しようかと悩むところ。いや、それこそ待てよ。僕はこう見えてもすずかちゃんラブなのだ。そんなすずかちゃんを裏切るなんて出来ない。考えろ、考えるんだ。何かいい策はないのか。…………………………うん、ないね。

 

「条件次第なら、なんとか……」

 

「聞きましょう」

 

 ラボに連れて行くのはかなり無理がある。いや、眠っている間にこっそりとなら無理とまでは言わない。けどバルディッシュを持っているフェイトちゃんは無理だ。メンテなり何なりしている間しか連れ出せない。ついでにその間に通信が来ないことが必須だ。連絡されて通信不可では怪しまれる。ラボに連れて行くにしても出来れば局の施設のフリ、局でなくても民間施設のフリでもいいからして欲しい。理由はプロジェクトFの肉体経過観察とでも言っておけば誤魔化せる。

 

「わかったわ」

 

「フェイトちゃんのデータは絶対に漏洩しないで、それとフェイトちゃんのクローンも作っちゃダメ。あとフェイトちゃんの裸は絶対見せたくないから博士はデータ以外見ないでね」

 

 それだけ聞くと二番ちゃんはクスクス笑って、フェイトちゃんが好きなのねって指摘された。うん、確かにそうかも。あのクロノくんとの模擬戦以来、フェイトちゃんにドキがムネムネするのだ。僕にはすずかちゃんがいるのにどうしてなのかな?ちなみにすずかちゃんだとドキムネするけど、何だか安心する。同い年なら一番古い付き合いだからかな。話が逸れてるよ。兎に角、今の条件をクリアすればやろうじゃないか。

 

「あ、言い忘れたけど四番ちゃんもダメだよ。あの子はアレだからね」

 

「ふふっそうね。ドクターにかけあってみるわ」

 

 ほんと頼むよ二番ちゃん。君だけが頼りなんだから。そういえば聖遺物はゲットしたから、ここからいなくなるんだよね。ということは次は最高評議会に潜入するのか。それじゃ次に会えるのは脳味噌共を処分した後になるのか。いやいや、そうじゃない。脳味噌の後はレジアスのおっさんをやっちまうんだった。原作ではそのあとゼストの旦那にブッコロされちゃうんだ。えっと、つまり……今が今生の別れになるの⁉︎冗談じゃないよ!

 

「ねえ、もうここにいる必要はないんだよね? 次は何処に潜り込むの?」

 

「それは言えな「管理局に潜入するんでしょ」

 

 二番ちゃんはハッと息を飲んで、僕を強く抱きしめて拘束した。ちょっと殺気立ってる。どうして僕が知ってるのかって感じかな。原作知識は使い方によっては自らの立場を危うくするいい例だ。

 

「どうして貴方がそれを知っているのかしら、返答次第では「そんなことはどうでもいいんだよ」

 

 二番ちゃんに喋らせない。会話の主導権は渡せないよ。二番ちゃんが死んじゃうと姉妹が悲しむ。僕も悲しむ。そして何よりクールビューティーなお姉さまのおっぱいがなくなるのは許し難い運命だ。僕はその運命に反逆する!

 

「約束して、何があっても絶対生きて帰ってくるって」

 

 僕は二番ちゃんを強く抱きしめ返してお願いした。すると二番ちゃんは力を緩めてしまった。あるぇ?何故緩めるの?

 

「私は一般的に言うと犯罪者よ。ドクターの作品で、道具で、兵器なのよ。そんな()の身を心配するなんておかしな子ね」

 

 物に心配しておかしいか……確かにそうかもしれない。けど考えることが出来る。生身の体だってある。感情もあれば心だってある。

 任務とはいえ聖遺物を得るために身体を捧げてまでスカえもんに尽くす。それが正しい在り方なのかもしれない。しかし生きてこそのものでもある。死んでしまっては、道具でも兵器でもない。道具だったもの、兵器だったもので終わってしまう。だったもので終わってしまうなら、僕なんか殺されるためだけに生まれてきたようなものじゃないか。闇の書を葬るためだけに生まれた僕。原作では八神はやてを助けるために犠牲になったリインフォース。そんな結末はゴメンだ。

 スカえもんだって自己顕示欲の塊だけど生きていなくちゃ意味がない。生きて事を成さなければ、死後の評価もありえない。何が言いたいのか自分でもわからないけど、兎に角生きる!これに尽きるよ。

 

「いいわ、当然死ぬつもりなんてないのだから約束してあげる。その代わり生きて戻ったら、ドクターの計画を何処で知ったか教えてもらうわ」

 

 力尽くで聞き出せばいいのに、それをしない二番ちゃん。聞けばそんなのはプライドが許さないらしい。意外に人間的な理由だ。

 それに僕はどんなことをされても原作知識のことは明かさない。リインフォースやすずかちゃんにすら話していないのだ。あるとすれば僕から喋ること以外にありえない。それをここで喋るように約束させる二番ちゃんはある意味凄い。けどドクターとかには絶対に漏らさないように約束してもらわないといけないね。

 

「いいよ、約束ね。あとまた一緒にお風呂入ろうね」

 

「ふふっ生意気な子……んっ」

 

「んんっ⁉︎」

 

 いきなり二番ちゃんがキスしてきた。え?なに?どういうこと?意味不明意味不明。舌まで入ってきたよ(ビクンビクン)

 

「キスは初めてよ」

 

 ΩΩΩ<な、なんだってー!じゃねぇよ。

 

「チンクやセインの気持ちが少しわかった気がするわ」

 

 ああ、そうですか。もう好きにして。え、そこは僕のミニウインナーですよ。美味しそうだけど食べちゃダメだよ。いや、ちょっとダメだって。ああ!口にいれちゃ!あううっはうっひえぇ⁉︎い、い゛ぐ゛ぅ゛‼︎

 そのまま二番ちゃんの気が済むまでペロペロされた。されるほうかよっ!(ビクンビクン)

 この時の約束がまさかあんな結末になるとは思いもしなかった(伏線)

 

 二番ちゃんの戦いはこれからだ!

 

 おっぱいマスターはやて 〜聖王教会と二番との約束〜 完




ご愛読ありがとうございました。

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