おっぱいマスターはやて   作:暗黒パンパース

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まさかの続き


ゼロの使い魔〜双丘の騎士〜 2

 さて入学したけど特に何かあると言うわけではない。いや、あると言えばあるかな。

 

「御機嫌ようミス(・・)・ヴァリエール」

 

「御機嫌ようミス・ツェルプストー、それと僕は男だからミスタだよ」

 

「ゴメンあそばせ。あんまりにも可愛いから間違えたわ」

 

 これだ。僕の容姿が原作ルイズと殆ど変わりないから男子用の制服を着ても勘違いされる。男と言えば疑われるけど、男湯に入れば納得される。

 しかし例外は何処にでもいるもので、このキュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストーは知っていても態と間違えて僕を揶揄ってくる。

 これには訳?あって先祖から続く確執が原因だ。トリステインのヴァリエール領とゲルマニアのツェルプストー領は隣接していて、戦争のたびに衝突していた。

 それだけが原因ではなくヴァリエールのご先祖様の恋人をツェルプストーが奪うというNTRが続いたらしい。

 もしちいねえさまがNTR(寝取られ)たら僕はツェルプストー領を滅ぼすかもしれない。いや、間違いなく更地にするだろう。

 

「ひっ⁉︎」

 

 おっと、少しアリエナイ想像をしただけで魔力と殺気が溢れてしまった。目の前にいたミス・ツェルプストーが怯えている。僕は魔力と殺気を引っ込めて紳士的に問いかけた。

 

「大丈夫かな?」

 

「あ、ええ……なんだったのかしら今のは……」

 

 首を傾げるミス・ツェルプストーを置いて僕は教室へと向かった。

 教室に入ると一部から害意のある視線が向けられた。やれやれまたか。

 

「よう、ヴァリエール。まだ男物の服を着てるのか?」

 

「早くスカートに着替えたほうがいいんじゃないのか」

 

 彼らのうち片方は入学早々に僕を女と勘違いしてナンパ、もう片方は告白をして来た勇者(笑)だ。僕が男と分かってからは態度が一変、この様な鬱陶しい状態になってしまった。

 

「そんなにスカートを履いた僕がみたいの? 変態なの? 馬鹿なの? 死ぬの?」

 

「〜〜〜〜〜ッ!」

 

「このッ!」

 

 ちょっと煽るだけですぐに顔を真っ赤にして怒る。何で前世の小学生以下の煽り耐性しかないのか。貴族のプライド(笑)が彼らを駆り立てるのか?何かしてきそうだったけど授業が始まったことで彼らと離れることが出来た。

 初年度の授業は家で習ったことの復習だ。僕には読書魔法があるので家にある本はほぼ頭に入っている。授業内容は聞く必要すらない。機会があればこの学院の本も頭に入れておきたいところだ。

 実技は特定の魔法以外は大丈夫。錬金と固定化だけはどうしようもない。まあ土系統の魔法使い(メイジ)以外は大した結果にはならないから問題ないよね。

 とある日、風系統の授業でフライという飛行魔法の実技が行われた。僕にとって飛行魔法は前世で必須と言っていいほどの魔法だった。地を走るより得意だよ。まあ、そんなことしたら目立つから浮くだけにしておく。

 僕は出る杭になりたくないので目立たないようにするけど、得意な系統だからと目立とうとする輩もいる。ヴィリエという男子生徒がそうだ。しかし女生徒のほうが上手くて、ぐぬぬ顏になっていた。

 入学して落ち着いた頃、新入生歓迎舞踏会が開かれた。女生徒は皆ドレス、男子生徒はタキシードや燕尾服を着ている。僕は白タキシードだ。髪の色が黒と合わないからね。

 僕が男にも関わらず誘ってくる猛者が男子生徒の中にいるのが恐ろしい。絶えず女の子を取っ替え引っ替えして隙を作らないようにして自分を守るしかない。

 あまりにもほいほい女の子が踊ってくれるので、どうして簡単に誘いを受けたのか聞いてみると、男に対する警戒も駆け引きも僕が相手なら必要ないからと答えられた。男装した女の子と踊ってるだけだと⁉︎

 気を取り直して次の女の子をと思っているとミス・ツェルプストーが誘ってきた。

 

「はぁい♩ミスタ。一曲私と踊ってくださらない?」

 

 こんな時だけミスタかよ。僕は紳士(笑)なので断れない。

 

「……喜んで」

 

 せめてもの抵抗として返事に間を持たせることしか出来なかった。

 彼女も貴族だけあって踊りは大したものだ。トリステインの優雅なダンスとは違って激しく情熱的なダンスだ。おっぱいをばいんばいん揺らして、むぎゅむぎゅと押し付けるから困ったよ。

 

「お上手ね、ミスタ」

 

「君こそ」

 

 フィニッシュにポーズを決める。お互いの吐息が分かるほど顔を近づけて止まる。燃えるような瞳と目が合った。こうして見ると意外に可愛い。プロポーションに目が行きがちだけど表情を崩したりすると年相応の顔がみられそうだ。

 終わったので周りを伺うと順番待ちの男子生徒が次は自分だとアピールしている。あの中に僕目当てがいるという恐ろしい事実。

 

「貴方も大変ね」

 

「そちらもね」

 

「私は望んでこうなったのよ」

 

 お互いの状況は望む望まぬに限らず騒がしい。やれやれだね。

 ダンスが終わったのでミス・ツェルプストーの手を取り壁に向かって歩いている時に事は起こった。

 突然、鋭い風の音が僕とミス・ツェルプストーに迫ってきた。咄嗟に『パンツァーシルト(Panzerschild)』か『フラッシュムーブ(Flashmove)』を使おうかと迷ったけど目立つのはマズイと考えて、麻帆良で覚えたあまり使い慣れていない瞬動でミス・ツェルプストーを抱きかかえながら跳んだ。

 が、失敗。彼女が腕から抜けてしまい、その場から少し移動しただけに留まった。僕はそのまま間一髪躱すことができた。

 

「⁉︎」

 

 風の刃が彼女のドレスを引き裂き、褐色の肌を露わにする。ミス・ツェルプストーのあられもない姿に女生徒は悲鳴をあげた。

 しかし彼女は動じることなく肌を晒しながらも優雅に歩き、壁際のソファーに座って大胆にも足を組んだ。凄い胆力だ。

 

「ごめん、すっぽ抜けた」

 

 その辺のテーブルからテーブルクロスだけを引っこ抜くという妙技を披露しつつミス・ツェルプストーにかける。

 

「あら、丁度暑いと思っていたところよ。ミスタが気にすることはないわ」

 

 僕が失敗したことをフォローするほどの余裕。うーむ、いい女っていうのは彼女のことを言うのかも。僕を揶揄うばかりだったから正直見直したよ。

 もし今のがミス・ツェルプストーではなくちいねえさまだったら……『封鎖領域(Gefängnis der Magie)』に全員閉じ込めて記憶を失うまで『ディアボリック・エミッション(Diabolic Emission)』を撃ち続けるだろう。

 そう考えるとミス・ツェルプストーの救助に必死さが足りなかったかもしれない。彼女に恥を掻かせた分は今ここで取り返す。

 

騎士甲冑(バリアジャケット)展開(セットアップ)

 

 人に対して使うのは初めてだけど大丈夫だよね。タスクが埋まってしまうけどそれは仕方がないか。

 彼女の身体を包んでいたテーブルクロスが光り、一瞬にして服装が変わる。傍から見れば錬金で服を作ったように見えるだろう。

 

「きゃ⁉︎ な、なに」

 

 驚かせてしまったみたいだ。ミス・ツェルプストーの服装はスリットの深い胸開きチャイナドレスにした。彼女のようなエロい身体にはラインの分かる服が良く映える。

 

「この服は貴方が?」

 

「まあね」

 

「何処に杖持ってるのよ」

 

「この髪留めがそうだよ」

 

「そんなところに……」

 

「君だって胸に隠してるじゃないか」

 

 ほら、と杖を返す。先程ドレスが破れた時に落ちたので拾っておいた。目の前で弾けるおっぱいは非常に眼福でした。

 

「フフッ……ありがと」

 

「宜しければもう一曲如何ですか?」

 

「是非」

 

 彼女にチャイナドレスが似合いすぎてるのでついつい誘ってしまった。静まり返っていたダンスホールは僕達が踊り始めた事で、再び演奏が開始された。

 彼女はさっきの情熱的なダンスではなく、静かで優雅な踊りを披露した。動きが少ないから胸が揺れない。そんなふうに考えていた時期が僕にもありました。

 ミス・ツェルプストーは何故か身体を密着させて、おっぱいを押し付けてきた。更には指を絡めて踊る始末。最後には周りから見えないようにキスされた……それも唇に。そして意気揚々と引き上げていった。

 

「……なんなんだ、一体?」

 

 キスまでして貰う覚えはないんだけど。彼女の熱しやすい性格が出たのかもしれない。

 僕達に魔法を撃った犯人は分からぬまま、有耶無耶のうちに舞踏会は終わった。まさか舞踏会後にあんな事件が起きるとは……

 次の日、突然ミス・ツェルプストーが押しかけてきた。

 

「大変よ! 折角貴方が作ってくれたドレスが、ただのクロスに戻ったわ」

 

「ああ、あれは僕の魔法で維持してただけだから、魔法が解ければ元に戻るよ」

 

「えぇー、素敵なドレスだったのに……」

 

 喜んでくれるのは結構だけど、デバイスなしで騎士甲冑(バリアジャケット)は面倒なんだよね。

 

「踊る時に言ってくれれば、また使ってあげるよ」

 

「本当⁉︎」

 

「ただし、僕と踊る時だけね」

 

 あ、この発言は誤解されるかな。僕がツェルプストーに気があると勘違いしないようにしなきゃ。

 

「言っておくけど、あの魔法は維持するのが大変なんだ。だから態々他人の為に使うつもりはないだけだよ。勘違いしないでね」

 

「うふふ、そういうことにしておくわ。あと私のことはキュルケって呼んで、貴方のこともルイスって呼ばせてもらうから」

 

 なんか親しげに名前呼びさせてるけど、本当に面倒なだけだから勘違いしないでよね!

 

 

 ( ゚∀゚)o彡゜

 

 

 予想外だったとキュルケは思う。あのヴァリエールが男だったこと、過去の確執に拘っていないこと、そしてあれ程の実力を秘めていたこと。

 男のくせに身長はキュルケよりも10サント以上低く、輝く桃色の髪は女よりも美しい。大きな鳶色の瞳はまるで生きた宝石だ。

 キュルケは初見で女と勘違いした。男子用の制服を着ていたので男装趣味かと思っていた。我が目が信じられなかった。

 男湯に入ったのを確認して、更に風呂から出てきた男子生徒に聞いたほどだ。

 曰く、ちゃんとついているらしい。大きさは身体つき相応とのこと。

 舞踏会にて不覚にも裸に剥かれたキュルケを素早く衆目から守り、見たこともないドレスを魔法で作った。失敗はしたが魔法にいち早く気付き、キュルケを助けようとしてくれた。

 ダンスも上手く、女性の扱いも悪くない。次々と相手を変える手腕も見事。やや胸に目が行きがちだったが、この年の男なら皆そんなものだろう。

 はっきり言えば超が付くほどの優良物件だ。公爵家と言う王族の傍系。しかも唯一の男で跡継ぎ確実。

 女より可愛いのと仇敵ヴァリエールであるというのが欠点か。それがなければキュルケも飛びつきかねない。

 それに加えてシスコンの甘えん坊というのが加わるが、キュルケは知る由も無い。

 

「それよりも犯人ね……どこの誰がふざけた真似をしてくれたのかしら」

 

 使われた魔法が風であることから、犯人は風系統のメイジであると予想された。それもある程度優れた使い手だ。

 すぐに候補があがった。風系統の授業で自在に飛行していたタバサという女生徒。明らかに偽名だが、何か事情があるのだろうとキュルケは思った。

 相手に何の事情があろうと関係ない。目には目を、歯に歯を。やられたら、やりかえす。ツェルプストーとヴァリエールの因縁のように。

 紆余曲折あって決闘の場を設けることができたキュルケ。いざ始まってみると、自分に撃たれた魔法とタバサの魔法には明らかな練度の差があった。自分のドレスを引き裂いたのはタバサではない。別の誰かだ。

 キュルケは彼女に非礼を詫び、タバサはそれを受け入れた。そして自分たちを陥れようとした人物達がすぐ近くで様子を見ていることを突き止め、二人で制裁を加えて一件落着……とはいかなかった。

 

「私達を狙う理由は分かったわ。でも何故ヴァリエールまで巻き込んだのかしら」

 

「そ、それは奴が協力してやるから、どうしてもと……」

 

 「奴?」と聞き返すと、入学式早々にルイスを女と勘違いし、恥をかいた者達だった。

 

「この時間帯なら皆寝ているから、寝込みを襲えば簡単だって……」

 

 彼が危ない、とタバサが呟く。キュルケは目の前の馬鹿に魔法で更に制裁を加え、すぐに男子寮へ駆けた。

 

(無事でいなさいよ……ルイス)

 

 キュルケとタバサが男子寮の前まで来たところで、突如それは起こった。

 部屋の窓ガラスの内側から閃光が漏れたと同時に壁が吹き飛んだ。いや、吹き飛んだ破片が一つもない。正しく言えば消し飛んでいた。

 ドサッドサッと何かが二つ地面に転がる音がした。その何かはよく見ると人間だった。

 

「はっはっ……ひ、ひぃ! たたた、助けてくれぇー」

 

 一人はズタボロでピクリとも動かず、もう一人は顔を引き攣らせ助けを求めてきた。

 

「やれやれ、まさか眠りの秘薬まで使うとは思わなかったよ」

 

 壁の消し飛んだ部屋から軽やかに降り立ったのは、衣服の乱れが目につくルイスだった。

 

 

 (\Y/))`д'((\Y/)

 

 

 舞踏会から少し経ったけど、犯人は分からず終いだった。最近はいつも絡んでくる輩が大人しいので、僕は束の間の安息を得ていた。

 んー、時間もあるしちいねえさまに手紙でも書こうかな。念話は遠すぎてデバイス無しじゃ届かないし。

 えーと、ちいねえさまへ。会えなくて寂しいです(小並感

 鳩便ならぬフクロウ便で手紙を送る。これ誰の使い魔なんだろうね?こういう仕事があるのは聞いたことがあるけど、使い魔の主人とか見たことないよ。

 手紙が届くのは早くて数日後、返事が来るのは一週間以上必要だろう。待つ間のなんとも言えない心境が侘び寂びだよね。

 待つだけなのは退屈なので、持て余した時間の使い道を考えた。その辺のメイドさんを捕まえてご奉仕させる……じゃなくて厨房まで案内してもらう。そして料理長を呼んでもらうと、マルトーさんが現れた。

 

「シエスタが言ってた貴族様ってのはお嬢さんかい?」

 

「マルトー料理長だね? 僕はこれでも男だよ」

 

 マルトーさんはヘァッ⁉︎と素っ頓狂な声をあげて吃驚していた。さっきのメイドはシエスタだったのか。黒髪を普通にスルーしてた。

 

「こ、こいつは失礼いたしました」

 

「いいよ、いいよ。それより厨房を貸して欲しいのと、食材を用意して貰いたいんだ。勿論お金は払うから心配しなくていいよ」

 

 察しの良い人は分かるよね。ズバリ料理をしようというわけさ。前世では料理も家事もやってたけど、今世は貴族なので何もさせて貰えない。

 料理はちいねえさまの為に、健康的な料理を再現してお抱えシェフに作らせていた。何故か知らないけど、炒飯とか拉麺とか肉じゃがとか唐揚げとか、無性に食べたくなる時ってあるよね。

 というわけでチャーハン作るよ!手軽で簡単、そして旨い!(テーレッテレー)

 米があったのは幸運だった。料理に出すけどパンしか食べてくれないので、余っていたらしい。

 ちなみに中華鍋とお玉は自領の土系統のメイジに造らせた。鍋の厚みを均一にさせるのに苦労したよ。鍋職人とか何処かにいないのかな?

 厨房を貸してくれたお返しにマルトーさんにもお裾分けした。マルトーさんは「う、旨い!」(テーレッテレー)と感動していた。

 再現不可能な料理も多いので中々難しい。『さしすせそ』の『せ』と『そ』は特に無い。原作で言われている場違いな工芸品に混じって流れて来たものを、奇跡的に少量確保出来たくらいだ。

 味噌なんか見た目が○ソっぽいから物好きな貴族しか買わないらしい。醤油は黒い水として売られていた。お陰様でお小遣いが吹っ飛んだよ。保存は固定化という魔法のお陰で困っていない。これがなかったら今の僕はいなかった。

 ただそれを見たシエスタがうちにありますよと言ったのには驚いた。よくよく原作を思い出すと、日本人がハルケギニアに迷い込んで帰れなくなったのがシエスタのひいおじいちゃんだった気がする。

 あー、今思い出したけど原作でシエスタがヨシェナベとか作ってたなあ。もっと早く思い出せよ僕。

 

「シエスタ! 君(の家にある味噌と醤油)が欲しい!」

 

「そ、そんな……困ります」

 

 踏ん切りがつかないようなので、必要なら家族丸ごと引っ越して、必要な環境も整えると説得した。なんかマルトーさんが目を丸くしてたけど、味噌と醤油は僕のものだ。少しなら分けてあげるけど。

 そんな日を過ごしつつ、何もなく平和な日が続くと思っていた。あの時までは。

 ある日の夕食後、妙に眠たかった僕は風呂に入る気力も無く、服を着替える最中に我慢出来ずベッドに倒れこんだ。

 

「おい、起きろ!」

 

「ぐっ⁉︎」

 

 突然、腹部に衝撃を受けて目が覚めた。一体何事⁉︎

 ボヤけた視界が次第にハッキリすると、目の前に例の二人、僕をナンパした奴と告白した勇者(笑)がいた。

 何の用かと思い体を動かそうとすると動かない。すると変な格好で縛られていた。後手に縛られてM字開脚で固定されている。しかも下はフルちんだ。男のフルちんとか誰得だよ。

 

「なんのつもりかな?」

 

「今からお前はこいつに襲われるのさ」

 

 は?正気か⁉︎僕は男に掘られる趣味はないよ!

 

「お前のせいで俺は変態扱いだ。お陰で女の一人も引っかからなくなった」

 

 それ自業自得だよね。それを人に八つ当たりとか頭がおかしいよ。もう一人のほうはさっきから何も喋らないので不気味だ。

 

「けどこいつはお前のお陰で目覚めたらしいぞ(笑)」

 

 いや、笑い事か!なんかハァハァ言ってるし、目が逝ってるよ!

 

「ま、俺の腹癒せに犯されてくれ。ああ、サイレントをかけてあるから騒いでも無駄だ」

 

「眠っている間に何もしなかったの?」

 

「そんなことをしたらお前の苦痛に歪む顔が見られないだろ」

 

 救い難い屑だなぁと思う。こんなのがトリステインの未来を担う貴族かと考えると頭が痛い。

 ナンパ師はよし、と犬のお預けを解くように勇者(笑)へ声をかけると、彼は待ってましたとばかりに襲いかかってきた。

 これマジヤバじゃん!後ろの穴にチ○ポ突っ込まれてアヘ顔ダブルピースとかゴメンだよ!

 

「ヴァリエールウウウゥゥゥ! 好きだあぁぁーー」

 

「キモい」

 

 ゴシカァン!と変な擬音とともに勇者(笑)改め変態(笑)は吹っ飛んだ。

 

「ハハハハハ、はぁーー⁉︎」

 

 笑い声から驚愕という器用な事をする屑。変態は痛みのあまりに蹲って呻いている。

 

「ど、どうやって……」

 

「知らなくていいことだよ」

 

 僕が縛られた状態から一瞬で抜け出したのを疑問に思ったようだけど、親切に教えるつもりはない。単に魔力で身体能力を強化して、力技で拘束から抜け出しただけだったりする。

 

「確かサイレントをかけてあるから騒いでもいいんだったね」

 

「ははっ、二対一でどうするつもりだ」

 

「こうだよ」

 

 パチンと指を鳴らし、リングバインドを発動。二人は踠いてもその場から動けなくなった。まずは変態(笑)から始末しよう。なぁに殺しはしないよ。デバイス無しでも非殺傷設定は出来るから。

 ただ僕の予想を上回る事態が起きた。この変態、悦ぶのだ。こいつ本物か!

 あまりの気持ち悪さについ爆発チート魔法を使ってしまった。爆発により壁を消滅させ、二人を外に吹き飛ばした。

 ふぅ、と息を吐いて深呼吸。取り敢えず下を履こう。フルちんじゃ外に出られないしね。

 下を履いていると、床に小瓶が落ちていた。これは……青酸カリ!ではなく眠りの秘薬だった。食後に矢鱈眠たかったのはこれのせいか。しかも禁止されてるやつだよ、これ。

 壁の吹き飛んだ部屋から外に降り立つと、何故かミス・ツェルプストーと……えーっと、タバコ?がいた。何で?

 

「はっはっ……ひ、ひぃ! たたた、助けてくれぇー」

 

「やれやれ、まさか眠りの秘薬まで使うとは思わなかったよ」

 

 度し難い屑だ。これが裏の人間なら始末していたところだよ。

 

「ルイス、大丈夫?」

 

「大丈夫と言えば大丈夫だよ。危うく変態に掘られそうになったけど。それよりなんでここに」

 

「私達を陥れようとした馬鹿に、貴方が危ないって聞いたのよ」

 

「そうだったんだ。心配して来てくれたんだね。ありがとう、ミス・ツェルプストーとミス・タバコ」

 

「もう、キュルケでいいって言ったじゃない」

 

「タバコじゃない、タバサ」

 

「あ、ごめん。ミス・タバサ」

 

「ちょっと私は⁉︎」

 

 騒ぐキュルケをスルーしつつ、屑に目を向ける。さあ、お仕置きの時間だ。

 

風の精霊11人(ウンデキム・スピリトゥス・アエリアーレス)  縛鎖となりて(ウィンクルム・ファクティ)  敵を捕まえろ(イニミクム・カプテント)  魔法の射手(サギタ・マギカ) 戒めの風矢(アエール・カプトゥーラエ)!!」

 

 風の縛で屑を拘束、からの〜

 

魔法の射手(サギタ・マギカ) 火の三矢(セリエス・イグニス)!!」

 

「ウボァー⁉︎」

 

 服は焼き消えてギャグマンガ的焦げ方になる屑。その後、キュルケ達を陥れようとしたヴィリエ達と共にフルちんで磔にして、股間を『断罪』と書いた羊皮紙で隠しておいた。

 後日、僕を襲った屑と変態は退学になったらしい。公爵家の僕に手を出してお家取り潰しにならなかったのは親のお陰だろう。ヴィリエ達は謹慎で済んだようだ。

 壁が消し飛んだ僕の部屋は土の教師がすぐに直してくれた。

 そんな事件から数日後……

 

「ルイス、貴方寝てないでしょう」

 

 僕の顔を見たツェルプストーは眉を顰めた。

 事件後、僕は思ったよりも精神的なダメージを受けていたようで、自分で料理したものを食べないと嘔吐するようになった。眠たくても眠れず、ここ数日は授業中にウトウトして教師に注意されている。

 

「授業中に多少は寝てるよ」

 

「それでは体が休まらない。すぐ倒れる」

 

 タバサも事件後に僕の使った魔法に興味を示し接触して来ていたが、体調の悪い僕を見てメンタルケアを勧めてきた。まさかこの二人に心配されるとは、人生分からないものだね。

 二人だけでなく、料理長やシエスタも心配してくれている。クラスメイトや使用人も気遣ってくれた。

 心身ともに休めようとしたが、遂に限界になり僕は倒れてしまった。

 

「起きて下さい、我が主」

 

 懐かしい声に目を開けるとリインフォースがいた。リインだけじゃない、シグナムも、ヴィータも、シャマルも、ザフィーラも、ツヴァイとアギトもいた。

 ああ、わかった。夢だこれ。夢の中の僕は大人組に甘え、子供組を甘やかして楽しくすごしていた。

 やっぱり守護騎士達のおっぱいはいいね。もちろんザフィーラの毛並みと筋肉、ヴィータ達のちっぱいも素晴らしい。ずっと夢が続けばいいのに……

 

「⁉︎」

 

 ガバっと身を起こすと見知らぬ部屋。風景から察するに保健室か。

 ベッドの傍にはシエスタがいた。看病してくれていたのかな。

 

「起きたのですね。倒れたと聞いて心配しました」

 

「シエスタ……僕は倒れたのか」

 

 見た夢はあっという間だった。どうして今になって夢なんか見たんだろう。

 

「ミスタ? 何処か痛むのですか」

 

「いや、何処も痛くないよ」

 

「苦しかったり、気分が悪いことはありませんか」

 

「ないなあ」

 

「ではどうして泣いておられるのです」

 

「え……」

 

 手で顔を触ると濡れていた。ああ、あんな夢なんか見るから、懐かしくて泣けたのか?それとも寂しくて泣いたのか?どちらにせよこの涙は止まってくれそうもない。

 

「……怖い夢でも見たのですね。襲われたせいで眠れなかったと聞きます。最近は顔色も優れなかったから、きっと悪い夢を見たんです」

 

 シエスタは言い聞かせる様に喋ると、胸に僕を抱いてくれた。気遣ってくれているらしい。折角だから甘えよう。

 

「ミスタは変わった方です。貴族なのに料理をするし、何故か私の故郷の調味料を持ってたり、私達使用人にも良くしてくれます。女の子より可愛いし、笑顔を見ると胸が温かくなります」

 

 シエスタの独白が耳に入ってくる。

 

「そんな貴方が襲われたと聞いて、胸が痛みました。こんなこと初めてです。仕事を放り出してすぐにでも駆けつけたかった。マルトーさんが私の手を空けてくれたから、こうしてここにいるんです」

 

 そうだったのか。というかシエスタそんな事思ってたんだ。

 

「そっか……ありがとう、シエスタ。それと僕のことはルイスでいいよ。ミスタじゃ他人行儀だし、ヴァリエールじゃ長いし」

 

「しかし、それは……」

 

「いいから」

 

「では誰もいない時は、ルイス様とお呼びします」

 

「ああ、お願い。それともう少しこのままで……」

 

「わかりました、ルイス様……」

 

 僕はそのままシエスタの胸で再び意識を失ってしまった。




続きを書いてみたものの、ゼロ魔の原作を殆ど覚えていない。
何とか思い出したい所存。
アニメ見る時間も原作読む時間もない……
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