キラメイてゼロワン   作:ブレイアッ

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キラメイてゼロワン《中編》

◇◆◇◆

 

 

 CARAT本部。作戦室。

 

「どうも、私こういうものです」

 

「おお、これはご丁寧にどうも」

 

 名刺交換する或人と無鈴(むりょう)

 

「飛電製作所代表取締役社長、仮面ライダーゼロワン。飛電或人……なるほど、やはり姫の推測は正しかったようですね」

 

「「姫?」」

 

 無鈴の言葉に揃って首を傾げる或人と諌。

 

「やはり、異世界からの迷い人……何らかの要因で世界を渡ったこのキラメイストーンによってこの世界に迷い込んだのでしょう」

 

 そう言ってマブシーナが或人達の前に現れ、黄色い宝石をテーブルの上に置く。

 

「異世界……道理で変身出来ないわけだ。こっちの世界には衛星ゼアが無いもんな……」

 

「それで? どうやったら元の世界に戻れる?」

 

「分かりません……ですが、こちらの世界に来れたということは元の世界にも行けるということ。このキラメイストーンに秘められた力をどうにか解放出来れば、元の世界に戻れるはずです!」

 

 マブシーナの言葉にほっと安堵する二人。そこに疲れた様子の充瑠達キラメイジャーの5人がやって来た。

 

「おお、どうだった。充瑠くんのキラメイチェンジャーは」

 

 小夜がテーブルの上に紫色に透き通った錠を置く。

 透けて見える錠の中には充瑠のキラメイチェンジャーとライジングホッパープログライズキーが入っている。

 

「ダメ。どうやっても開かない」

 

「剣で斬りつけても傷一つ付かん……」

 

 瀬奈と時雨がソファーに倒れこみながら答えた。

 

「やっぱり、あの邪面師が言ってたみたいに鍵が無いとこの錠は開かないみたいだ」

 

「でも、鍵の邪面師は倒されてますし……」

 

 為朝と小夜が諌を見る。

 

「……倒しちまったもんは仕方ねぇだろ。それに、ロックなんてのは力付くで開ければいい」

 

「それが出来ないから困ってんだろ!」

 

 諌と為朝のケンカが勃発するのでは、となった瞬間。作戦室にアラートが鳴り響く。

 

「Z地区にヨドン反応だ。また例の邪面師である可能性が高い。変身出来ない充瑠くんは待機。みんな、出動してくれ!」

 

「「「「了解!」」」」

 

「待て、俺も行く」

 

「不破さん」

 

「そいつが戦えなくなったのは俺にも原因があるからな。異世界だろうと関係ねぇ、誰かを傷付ける奴はこの俺がぶっ潰す」

 

「……分かった。では司令官として君に、協力を要請する」

 

「任せとけ」

 

 こうして充瑠を除くキラメイジャーの四人と、諌が邪面師のいる場所へと向かうのだった。

 

 

◆◇◆◇

 

 

 変身出来ず、残された充瑠と或人はもう使われていない採石場を並んで歩いていた。

 

「ここが、或人さんと不破さんが目覚めた時にいた場所ですか?」

 

「そう。この宝石がピカーって光って、目が覚めたらここにいたんだ。

 何か元の世界に戻れるヒントが無いかなって思って来たんだけど……」

 

 キョロキョロと辺りを見渡す或人。彼の手には黄色いキラメイストーンがある。

 

「うーん……手がかりになりそうな物は無さそう……」

 

 砂利をひっくり返したりしながら応える充瑠の手にはキラメイチェンジャーとプログライズキーを封じた薄紫色の錠がある。

 

「だぁーめだ。全っ然見つからない! ……こんな時、イズがいればなぁ……」

 

「イズって誰ですか?」

 

「あぁ、イズっていうのは俺の秘書をやってるヒューマギアなんだ」

 

「ヒューマギアって或人さんの世界にある人工知能搭載人型ロボット……でしたっけ?」

 

「そう! これからの未来、人と共に歩いていけるパートナーになれる夢のマシーンだ」

 

 それから或人は充瑠にヒューマギアの素晴らしさやこれまで出会ってきたヒューマギア、そしてヒューマギアとの未来について語り始めた。

 

「──それで、その腹筋崩壊太郎ってお笑いヒューマギアが凄いんだ。こうやって、腹筋パワー! って腹筋を飛ばして」

 

「腹筋を飛ばすんですか!?」

 

「そう! 飛ばしてもすぐに腹筋がリロードされて、また腹筋パワー! って。これが悔しいことに面白いんだ」

 

「いいなぁ……或人さんの世界、行ってみたいです。ヒューマギアを描いてみたい!」

 

 無邪気なキラキラとした充瑠の笑顔に、或人は返す言葉に詰まる。

 

「…………うん。今は色々と大変だけど、俺達が元の世界に戻れて、充瑠くんが来れるようになる頃には必ず、ヒューマギアと人が笑って暮らせるようにするから……!」

 

「?」

 

 含みのある或人の言葉に充瑠が首を傾げたその時、列車の汽笛ともに、怪獣の咆哮とも取れる声が響いた。

 

「ぐああっ!」

 

「きゃああっ!」

 

 そして、バルカンとキラメイジャーのイエロー、グリーン、ブルー、ピンクが或人と充瑠のすぐそばにまで採石場の斜面を転がり落ち、変身が解ける。

 

「不破さん!」

 

「みんな!」

 

 すぐに彼らに駆け寄る二人。

 彼らを変身解除にまで追いやった犯人はすぐに現れた。

 

「こんなものか、キラメイジャー。それに、仮面ライダーとやらは」

 

「ガルザ!」

 

 斜面の上から見下ろすように現れたのはヨドン軍の鬼将軍、ガルザ。そして錠邪面だった。

 

「キラメイレッドか。錠邪面の力で変身を封じられた貴様に用は無い。消えろ」

 

 ガルザが漆黒の大剣を横凪ぎに振るうと黒紫の斬撃が飛び、彼らの周囲に爆発が起こる。

 

「ぐああああっ!」

 

 爆発で服が破れ、手や頬に赤く血が滲む。

 ガルザの一撃で7人がその場に倒れ伏した。

 

「ふん、これで終わりだ」

 

 ガルザが剣に闇のエナジーをチャージし始める。

 

「これで終わり……?」

 

 充瑠の右手が砂利を掴む。

 

「嫌だ。せっかく新しい夢が出来たってのに……こんなところで、終われるもんか!」

 

 震える足で立ち上がる。

 

「新しい……夢?」

 

 或人が顔を上げる。爆発で飛んだ石によるものなのか、額から血を流れている。

 

「いつか、或人さんの世界に行って、ヒューマギアを描くって夢です!」

 

 充瑠の言葉に或人が笑う。足に力が入る。

 

「だったら、夢は叶えないとな。こんなところで、立ち止まるわけにはいかない!」

 

 或人も立ち上がる。

 

「無駄な足掻きだ。消えろッ!」

 

 ガルザが炎のように揺らめく闇エナジーを纏った黒紫の大剣を振り下ろさんとする。

 放てばそこにいる誰もが死に絶えるであろう斬撃は、2つの銃弾によって阻止された。

 ガシャンと音を立てて落ちるガルザの大剣。その柄とガルザの手からは白い煙が立ち上っていた。

 

「へっ、やるじゃねぇか。諌」

 

「テメェもな、射水」

 

 不破諌のショットライザーによる銃撃と、射水為朝のキラメイショットによる銃撃がガルザの剣を握る手を撃ち、その手から剣を取り落とさせたのだ。

 どちらか一人だけでは威力が足らず、不可能だった芸当だ。

 

 諌が地面に落ちていた錠を拾い上げる。

 

「ふんっ、ぬぅぅぅぅっ!」

 

「ふっはははー! いくら力を込めた所で無駄だ! その錠は鍵でなくては決して開かない! それがこの世界のルール!」

 

 鍵邪面が嘲笑う。

 

「そんなのはテメェが決めたルールだろ! そんなものに従う俺じゃねぇ! 俺を従わせるルールはッ、俺のォッ、ルールだけだァッ!」

 

 バキィッ!

 

 不破諌の()によって薄紫色の錠が砕け、解錠される。

 中から飛び出したキラメイチェンジャーを充瑠が、プログライズキーを或人がキャッチする。

 

「な、何ィッ!?」

 

「キラメイソードでも傷一つ付かなかったあの錠を……」

 

「たった一人の力でこじ開けた!?」

 

「人間の限界を超えてます……!」

 

「スッゲェ……!」

 

「生憎と、この手のロックをこじ開けるのは得意でな。刃のかけたロックの方がよっぽど固かったぜ……!」

 

 錠邪面に時雨、瀬奈、小夜が驚愕し、為朝が感嘆の声を上げる。

 不破諌という男の行動一つが、この場の流れを大きく変えた。

 

「ひらめキーング!」

 

 具体的には、充瑠の創作意欲に火を付けた。

 普段から持ち歩いているスケッチブックに物凄い勢いで色鉛筆を走らせる充瑠。瞬く間にそれは描き上がった。

 

「出来たぁ! 或人さんと世界を渡ったキラメイストーンよ、この姿になってくれ!」

 

 高く掲げたスケッチブックから光が溢れ、黄色いキラメイストーンが姿を変える。

 

「で、でっかいバール……!?」

 

 巨大なバールへと姿を変えたキラメイストーンはビュンビュンと回転しながら空中に刺さった。

 

「異世界に戻る術が分からないのなら、新しく作れば良い! バールで或人さんの世界への穴を、こじ開けるッ!」

 

 バールが動き、宙に穴が開く。

 その穴から覗いた先には飛電製作所とイズが見えた。

 

「なるほど! バールで元の世界も、バー()ルっとお見通しってわけか!

 はい! 或人じゃ~ないとぉ!」

 

 

「──ッ! ~~ッ!」

 

「怒るなよ諌……そりゃこんな場面でギャグをぶちこむのはどうかと思うけどさ……」

 

「おぉ、怒ってッ、ないッ!」

 

「うぉい! いやウケてんのかい!」

 

 

「貴様ら、何をやっている!」

 

 ガルザの怒声が響き、7人の表情が引き締まる。

 

「元の世界への穴が空いたってことは……もしかしたら」

 

《ゼロワンドライバー!》

 

 或人がゼロワンドライバーを腰に装着する。

 コンマ1秒にも満たないほんの僅かな時間で、或人はその答えを得た。

 

「ラーニング完了。不破さん、充瑠くん!」

 

「おうッ!」

 

「はい! 皆、行こうッ!」

 

「「「「応ッ!」」」」

 

 

 充瑠達5人がキラメイチェンジャーを構え、或人と諌がプログライズキーのスイッチを押す。

 

《ジャンプ!》

 

《バレット!》

 

『キラメイ・ゴー!』

 

「ふんっ!」

 

 或人がプログライズキーをキーモードに変形させ、諌が片手でバキッとプログライズキーのロックを外し、ショットライザーへ装填する。

 

《オーソライズ!》

 

 衛星ゼアから光が地上に落ち、その光は空中に空いた穴を通って異世界へ。

 巨大なバッタのライダモデルが或人達の元に現れ、7人の周りを跳ね回る。

 

 

『  キ  ラ  メ  ー  イ  』

 

 

「「変身ッ!」」

 

『キラメイチェンジッ!』

 

 充瑠達5人がキラメイチェンジャーを回し。

 

《プログライズ!》

 

《ショットライズ!》

 

 或人がプログライズキーをドライバーに装填し、諌が引き金を引く。

 

《飛び上がライズ! ライジングホッパー!》

《A jump to the sky turns to a rider kick.》

 

《シューティングウルフ!》

《The elevation increases as the bullet is fired.》

 

『キラメこうぜ!』

 

 

 綺羅(キラ)と輝く宝石が弾け飛び、5人の輝く戦士がその姿を現す。

 

 熱田充瑠が変身した赤き「創の戦士」。

 

「閃きスパークリング! キラメイレッド!」

 

 射水為朝が変身した黄の「射の戦士」。

 

「導きシューティング! キラメイイエロー!」

 

 速見瀬奈が変身した緑の「速の戦士」。

 

「突撃ライトニング! キラメイグリーン!」

 

 押切時雨が変身した青の「斬の戦士」。

 

「切っ先アンストッパブル! キラメイブルー!」

 

 大治小夜が変身した桃色の「治の戦士」。

 

「手さばきインクレディブル! キラメイピンク!」

 

『キラッと参上! カラッと解決!』

 

 彼らの名は。

 

「魔進戦隊!」

 

『キラメイジャー!』

 

「仮面ライダーゼロワン!」

 

「仮面ライダーバルカン」

 

 キラメイジャーに続いてゼロワンに変身した或人と、バルカンに変身した諌も名乗る。

 

 

「お前らを止められるのは……俺達だ!」

 

 

「よくぞ吠えた! ならば我らヨドン軍を止めてみろ!」

 

 ガルザが手を上げるとあちこちから茶色ヘドロのような怪人戦闘員、ベチャットがわらわらと現れる。

 

 レッドとゼロワンがそれぞれの剣を構える。

 

『キラメイソード!』

 

《ブレードライズ!》

 

「「みんな、行くぞ!」」

 

 二人の声を合図に、仮面ライダーとキラメイジャーがベチャットの群れに駆け出した!

 

 

 

 ベチャットの熊手型武器、ヌマデとブルーのキラメイソードが火花を散らす。

 

「ふっ、はっ!」

 

 剣の閃きがブルーの周りにいたベチャットを斬り裂き、爆発させる。

 

「おおっ! カッコいい~!」

 

 高い跳躍力で得た落下エネルギーをブルーの背後から迫っていたベチャットに叩き付け、倒しながらブルーの剣技を褒める。

 

「ゼロワン、お前も剣を使うのか。なら、お前の剣技、見せてもらうぞ」

 

「じゃあ青には青で!」

 

《ファング!》

《オーソライズ!》

 

 バイティングシャークプログライズキーを起動。慣れた手つきで認証、展開、装填を行う。

 

《プログライズ!》

《キリキリバイ! キリキリバイ! バイティングシャーク!》

《Fangs that can chomp through concrete.》

 

 衛星ゼアから穴を通して現れたサメ型のライダモデルが数体のベチャットを噛み砕いて爆発させ、ライジングホッパーのアーマーがスライドしたゼロワンのアーマーへと変わる。

 

 青いゼロワン。バイティングシャークへとフォームチェンジする。

 

「コンクリートをも噛み砕く牙か。」

 

アタッシュカリバーに装填する。

 

《Progrise key comfirmed. Ready to utilize.》

《シャークズ アビリティ!》

 

 ブルーがキラメイソードの刀身にあるスイッチを二度、連続で押す。

 

『キラメイチャージ!』

 

 二人並び立ち、ゼロワンが腰を低くし、アタッシュカリバーを身体の右側面に構え、ブルーが右手に持ったキラメイソードを身体の左側面に構える。

 二人の間に青く煌めく刃が二本並び、それに危機感を覚えたのかベチャット達がヌマデからヘドロの弾丸を放つも、それらは当たらず二人の側で爆発を起こす。

 

《バイティング カバン ストラッシュ!》

 

『チェックメイジ!』

 

 二人がそれぞれ逆向きに体を半回転させ、180度、二人合わせて360度全方位のベチャットを真っ二つに斬り裂き、周囲に大爆発が起こった。

 

「お見事」

 

《ライジングホッパー!》

 

「こっちは任せます!」

 

「ああ、任せろ!」

 

 ライジングホッパーの高い跳躍力でその場から跳び立つゼロワン。その先では、あまりにもの多勢に苦戦するピンクがいた。

 

「くっ、分断された上で、こうも数が多いと……!」

 

「大治さん!」

 

《フリージング カバンストラッシュ!》

 

 上空から放たれた冷気を纏ったエネルギー刃が数体のベチャットを一気に斬り裂いた。

 

「或人くん!」

 

「手助けに来ました!」

 

 ピンクと背を合わせて立つゼロワン。

 

「そういえば、さっき遠目に青い姿になってるのを見ましたが……ピンクの姿って」

 

「ああ、ありますよ!」

 

《ウィング!》

 

 フライングファルコンのプログライズキーを起動、ドライバーに認証させると穴からハヤブサのライダモデルが現れ、周囲のベチャットをなぎ倒していく。

 

「おおっ!」

 

「行くぜ、鳥ちゃん!」

 

《プログライズ!》

《Fly to the sky! フライングファルコン!》

《Spread your wings and prepare for a force.》

 

 ピンクの姿、フライングファルコンへとフォームチェンジしたゼロワンはふわりと浮かぶ。

 

「俺の脚に掴まってください! 飛びますよ!」

 

「ええ!」

 

 空を飛ぶゼロワンの脚を掴み宙を舞うピンク。

 持ち前の天才的な感覚ですぐに左手一つで安定して掴まるコツを捉えるや、空いた右手でキラメイショットによる銃弾の雨を地上のベチャットめがけて放つ。

 

「一気に行くわよ! 或人くん!」

 

「はい!」

 

 ピンクがキラメイショットにキラメイバレットを装填。

 

『キラメイチャージ!』

 

 ゼロワンがドライバーのフライングファルコンのキーを押し込み、必殺技を発動させる。

 

「「はああああああっ!」」

 

《フライング インパクト!》

 

 上空で高速回転。ピンク色の光の羽根を豪雨のように降らせ、着弾したベチャットが次々と爆散していく。

 さらに追い討ちとばかりにピンクのキラメイバレットが降り注ぐ。

 

『チェックメイジ!』

 

 多勢に無勢であったキラメイピンクはゼロワンとの共闘によってその絶体絶命の危機を撃ち破った。

 

 

 

《パワー パンチング ブラスト フィーバー!》

 

 文字通り束になってかかってきたベチャットを怪力で一気に殴り飛ばすバルカン パンチングコング。

 その隣にすれ違い様にベチャットを斬り倒したグリーンがバルカンの横に並び立つ。

 

「スッゴいパワー! ゴリラみたい!」

 

「はぁっ!?」

 

「うわっ! もうっ、褒めたのに~!」

 

「……ッ、そうか。だが、俺がパワーだけだと思わないで欲しいな……!」

 

《ランペイジ バレット!》

 

「ふんっ……ぬぅあっ!」

 

 バキィッ!

 

 マガジンが付いたプログライズキーをこじ開けるバルカンを見ながら「いや、パワーじゃん、力強くじゃん」と思うグリーン。

 

《オールライズ!》

 

 そんな彼女をよそに、こじ開けたランペイジガトリングプログライズキーをショットライザーに装填、引き金を引く。

 

《フルショットライズ!》

 

 銃口から放たれた銃丸が分身し、弾け、マンモス、チーター、蜂、虎、白熊、サメ、ゴリラ、ハヤブサ、狼のライダモデルへと変わり、周りのベチャットを踏み倒し、噛み倒し、吹き飛ばす。

 

《Gathering Round!》

 

 そして増えた銃弾がバルカンに当たってアーマーを形成。続けて暴れまわっていたライダモデル達がバルカンに飛びかかるや、バルカンの仮面と一体化。

 

《ランペイジガトリング!》

《Mammoth Cheetah Hornet Tiger Polarbear Scopion Shark Kong Falcon Wolf》

 

 仮面ライダーバルカン ランペイジガトリングへと変身する。

 

「すっごーい! てんこ盛りだ!」

 

「こいつの力はこれからだ」

 

 マガジンを叩くように回す。

 

《パワー! ランペイジ!》

 

 ショットライザーの中で赤い光が灯り、トリガーを引くとマンモス、コング、シャークの紋様が現れ、バルカンの手足に宿る。

 

《ランペイジ パワー ブラスト!》

 

「おおおおっ!」

 

 マンモスの力が宿った左足でその場を大きく踏みつけ、大地を大きく揺らす。

 たった一踏みで周りにいたベチャットと隣にいたグリーンがバランスを崩す。

 

「ふぅんっ!」

 

「わっ!」

 

 ゴリラの力が宿った右の拳を振り上げると凄まじい風圧が起こり、足元が覚束ないベチャット達と一緒にグリーンも空に巻き上げられる。

 

「──ッ!」

 

『キラメイチャージ!』

 

 空中でグリーンがキラメイソードを逆手に持ち直し、近くのベチャットを足場に宙を駆ける。

 

「はぁっ!」

 

 緑の煌めく閃光が走り、一瞬にして空中のベチャット達が斬り刻まれ。

 

「おぉぉぉぉ……はああっ!」

 

 だめ押しとばかりに力強く大地を蹴って跳躍したバルカンが、サメの力が宿った両足で挟み込むような蹴りをベチャットめがけて放つと水飛沫を上げながら巨大なサメのライダモデルが舞い上がったベチャット達を噛み砕き、爆散させた。

 

『チェックメイジ!』

 

「やるぅ♪」

 

「ふんっ、当然だ」

 

 ポンとバルカン肩を叩くグリーン。

 その足下に飛んできたキラメイバレットが地面に当たって跳ね返り、バルカンの股下をくぐってその後ろにいたベチャットを吹き飛ばした。

 

「うおっ!?」

 

「油断大敵だぞ、諌」

 

 クルクルとキラメイショットを回しながらイエローが言う。

 

「まだまだ敵は沢山いるんだ。気を抜くんじゃねぇよ」

 

「上等だ」

 

 叩くようにマガジンを回転させる。

 

《パワー! ランペイジ!》

《スピード! ランペイジ!》

 

 ショットライザーが青く発光し、トリガーを引く。

 

《ランペイジ スピード ブラスト!》

 

「はっ!」

 

 蜂の力が宿った右手でショットライザーを水平に振るいながら引き金を引くとスズメバチの針のようなエネルギー弾が発射され、ベチャットを刺し倒す。

 さらにチーターの力が宿った両足で速さ自慢のグリーンにも負けない速さで駆け出す。

 

「はっや! ……っと、俺もひらめキーング。なんてな」

 

『キラメイチャージ!』

 

 イエローがエネルギーをチャージしたキラメイバレットをバルカンがこれから通るであろう位置に放つ。

 キラメイバレットはコイン型の銃弾であり、地面や壁に当たれば跳ね返る性質を持つ。

 つまり。

 

「ふんっ! はっ!」

 

 高速で移動するバルカンが弾く事も可能なのだ。

 

 バルカンがキラメイバレットを拳や蹴りで弾き、その先にいるベチャット達を貫き、さらにキラメイバレットの先に移動して弾く。

 円を描くように高速移動するバルカンによって円の中にいるベチャット達は1発のキラメイバレットによって殲滅されていく。

 

「はぁっ!」

 

『チェックメイジ!』

 

 ハヤブサの力が宿った背中から片翼の翼を広げたバルカンが宙を舞い、キラメイバレットを蹴る。

 その先にいるのは離れた所で「やれやれ!」と野次を飛ばしている錠邪面。

 

「あだぁっ!?」

 

 しかしそれは錠邪面が持っていた鍵邪面の形見の剣が射線上に入ってそれを砕いたことで威力が減衰。見事額に命中したものの滅茶苦茶痛い程度のダメージを与えるに留まった。

 

 

 

《フレイミングタイガー!》

 

『キラメイソード!』

 

 仮面ライダーゼロワン フレイミングタイガーへとフォームチェンジしたゼロワンとレッドがガルザに挑む。

 あらかたのベチャットは倒しきり、残るは錠邪面とガルザだ。邪面師はバルカンとイエロー、グリーン、ブルー、ピンクに任せている。

 

《フレイミング インパクト!》

 

「やぁーッ!」

 

『キラメイチャージ!』

 

 ゼロワンが両手から炎が放ち、レッドが煌めく刀身でそれを絡めとって炎の斬撃としてガルザを斬りつける。

 

『チェックメイジ!』

 

「ぬぅんっ!」

 

 しかしガルザも負けてはいない。闇のエナジーを纏った剣でレッドの攻撃を押し返す。

 

《ブレードライズ! フルチャージ!》

 

「でぇやぁッ!」

 

《ブレイキング カバン ダイナミック!》

 

 弾き飛ばされたレッドの下から抉りこむように突き出したアタッシュカリバーからマンモスの牙のようなエネルギー刃が伸びる。

 レッドとの合体攻撃からの隙を生じぬ二段構えの連続攻撃。ガルザはレッドの攻撃を弾いたばかりで隙だらけだ。

 

「うぉおおおおっ!」

 

 ガルザの全身から放たれた闇エナジーの波動によって牙が削られ、攻撃は届かない。

 

「今のを防ぐのか!?」

 

「くっ、やっぱり強い!」

 

「どうした、そんなものか? キラメイレッド、仮面ライダー!」

 

 ヨドン軍の鬼将軍ガルザ。かつて己の兄を殺し、自身の生まれ故郷であるクリスタリアという国を滅ぼした残酷で残忍な男の強さは並大抵ではないのだ。

 

「ならば次はこちらから行くぞッ!」

 

 己の身から放たれる炎のように揺らめく闇エナジーを操って剣に収束。奇しくもキラメイレッドとゼロワンの合体攻撃に似た炎の斬撃を、横凪ぎに振るって飛ばす。

 

「ッ、マズイ!」

 

 飛翔する闇の極大な斬撃は、避けようにもその場所を与えない。

 

《エブリバディ ジャンプ!》

 

 結果、ガルザの攻撃によって二人の姿は大爆発に飲まれる。

 

「ふん……異世界の戦士、仮面ライダーも所詮は──何ッ!?」

 

《Let's rize! Le Le Let's rize! Let's rize! Le Le Let's rize!》

 

 煙を斬り裂き、現れたのは無傷のレッドとゼロワン。そして二人を守るように飛翔する鋼の飛蝗(バッタ)達。その姿になってるのをガルザは驚愕する。

 

《メタルライズ!》

 

 鋼の飛蝗の大群が集まって巨大な飛蝗を形成した後、ゼロワンの身体に群がり装甲へと変わっていく。

 

《Secret material  飛電メタル(HIDEN-metal)

 メタルクラスタホッパー!》

《It's High Quality.》

 

 鈍く銀に煌めくボディに蛍光イエローのラインが走ったその姿は、今のゼロワンが持ちうる最強の姿。仮面ライダーゼロワン メタルクラスタホッパーだ。

 

《プログライズホッパーブレード!》

 

 ゼロワンがメタルクラスタへの変身と同時に生成された剣、プログライズホッパーブレードを右手に、アタッシュカリバーを左手に構える。

 

「おお、カッコいい!」

 

「へへっ、行くぞ! 充瑠!」

 

「はい! 或人さん!」

 

『キラメイショット!』

 

 レッドが右手にキラメイソードを、左手にキラメイショットを構え、ゼロワンと二人並んで駆け出した。

 

《フィニッシュ ライズ!》

 

 プログライズホッパーブレードの持ち手にあるトリガーを連続で引き、袈裟に宙を斬るとその切っ先が描いた軌跡に鋼の刃が生成される。

 

「てぇやっ!」

 

 その刃をアタッシュカリバーで斬り砕くとその破片が弾丸の如く飛ぶ弾丸となってガルザを襲う。

 

《プロクライジング ストラッシュ!》

 

「ほっ! たぁっ!」

 

 キラキラと輝きを纏いながらレッドが駆け、ゼロワンが飛ばした鋼の刃を足場にしてキラメイショットによる銃撃でガルザを攻撃する。

 

「何のこれしき!」

 

 ガルザが剣を縦横無尽に振るい、ゼロワンの鋼の刃も、レッドの銃撃もすべて斬り落とす。

 

 その隙に接近したゼロワンがアタッシュカリバーをガルザの腹に突き立てる。

 

「何ッ!?」

 

 プログライズホッパーブレードを真上に放り上げ、空いた手でキラキラと輝くプログライズキーを取り出し、起動させる。

 

《シャイニングジャンプ!》

 

 シャイニングホッパープログライズキーをアタッシュカリバーに装填。

 

《Progrise key comfirmed. Ready to utilize.》

《シャイニングホッパーズ アビリティ!》

 

「食らえぇッ!」

 

《シャイニング カバン ストラッシュ!》

 

「ぐっ、ぬぅあぁっ!」

 

 アタッシュカリバーの刀身から煌めく刃が伸び、ガルザを吹き飛ばす。

 

「今だ!」

 

『キラメイチャージ!』

《フィニッシュライズ!》

 

「はい!」

 

 上空でプログライズホッパーブレードを受け取っていたレッドがキラメイソードとの二刀によるX字の斬撃を落下と同時にガルザに放つ。

 

《プロクライジングストラッシュ!》

『チェックメイジ!』

 

「ぐぅおぉあっ!?」

 

 ゼロワンとレッドによるコンビネーション攻撃によってここに来てガルザに明確なダメージが与えられた。

 

「うっし、作戦成功!」

 

「或人さん、これ」

 

「おう、サンキュー」

 

 レッドからプログライズホッパーブレードを受け取った瞬間、背後で爆発が起こる。

 

「ぐああああっ!!」

 

 その爆発と共に錠邪面がガルザの前に飛んで転がった。

 

「ガ、ガルザ殿ぉ……コイツら、強いです……!」

 

「錠邪面……!」

 

 錠邪面を追うようにバルカンとイエロー、グリーン、ブルー、ピンクが現れ、ゼロワンとレッドの横に並ぶ。

 

「不破さん……!」

 

「みんな……!」

 

「「よーし、一気に決めるぞ!」」

 

 ゼロワンとレッドの声が重なり、バルカンとキラメイジャーの四人が頷いて応える。

 

『キラメイチャージ!』

 

 ブルーとグリーンがキラメイソードの刀身にあるスイッチを二回押し、煌めくエネルギーをチャージ。

 

『キラメイチャージ!』

 

 イエローとピンクがキラメイショットにキラメイバレットを装填、レバーを引いて煌めくエネルギーをチャージ。

 

《スピード! パワー ! エレメント!》

《オール! ランペイジ!》

 

 バルカンがマガジンを叩くように四回、回転させるとショットライザーに赤や青といった様々な色が宿り、背中のファルコンの翼がアンカーとして地面に突き刺さる。

 

《ドッキングライズ!》

 

『キラメイバスター!』

 

 ゼロワンがプログライズホッパーブレードとアタッシュカリバーを合体させ、両刃の剣に。

 レッドがキラメイソードとキラメイショットを合体させてキラメイバスターへと変える。

 

《アルティメット ライズ!》

 

『キラッキラメイチャージ!』

 

 ゼロワンが刀身をドライバーにかざし、レッドがレバーを引いて煌めくエネルギーをチャージする。

 

「「「「「キラメイラッシュストリームスペシャル!」」」」」

 

《ランペイジ オール ブラスト!》

 

《アルティメット ストラッシュ!》

 

 キラメイジャーの五人の声が重なり、ブルーとグリーンの飛翔する煌めく刃、ゼロワンの鈍く白銀に煌めく刃が「*」の字になって高速回転し、イエローとピンクの煌めく弾丸とレッドのビームにも似た軌跡を描く弾丸、そしてバルカンのショットライザーから七色に煌めく狼が合体してガルザと錠邪面に迫る!

 

「ッ! これはマズイ!」

 

「ガルザ殿何を!?」

 

 七人の合体攻撃を前にガルザがとった行動は転がっている錠邪面を掴み上げることだった。

 

「盾になれッ! 錠邪面ッ!」

 

「ガルザどのおおおおおお!?」

 

『チェックメイジ!』

 

 合体攻撃は錠邪面を飲み込み、大爆発が起こった。

 

「見事だ、キラメイジャー。そして仮面ライダー」

 

 爆発の後からダメージを受けつつも健在のガルザが現れ、キラメイジャーと仮面ライダーに動揺が走る。

 

「ここは退かせてもらおう。さらばだ!」

 

 ガルザの駆る汽車型の魔進、魔進ジョーキーが怪獣の咆哮にも列車の汽笛にも似た声を上げながら現れ、彼を乗せるやワームホールの中へと消えていった。

 

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